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機能性子宮出血を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/10/14 女性に多い病気

機能性子宮出血とは

生理時以外に性器から出血することを不正出血(ふせいしゅっけつ)といいます。

機能性子宮出血(きのうせいしきゅうしゅっけつ)は不正出血の一種であり、妊娠、腫瘍(しゅよう)、炎症、外傷などが原因で起こる出血を除く、ホルモンの分泌異常によって起こる子宮内膜からの出血をいいます。

思春期と更年期の女性が招きやすい異常であり、軽い機能性子宮出血の場合は勝手によくなることもあるほか、出血量が少なく、出血が短期間しか続かないような場合は放置しておいて問題ありません。

しかし、毎月のように不正出血が起こるのは嫌だ、出血量が多い、出血が長期間にわたり続くような場合には治療が必要になります。

多くの場合はホルモン剤を使った治療が行なわれますが、大量出血が持続しホルモンで出血を止めることができない場合には、子宮内膜掻爬術(しきゅうないまくそうはじゅつ)を受けなければ生命に危険がおよんでしまうようなことにもなりかねません。

機能性子宮出血の原因

何が原因で機能性子宮出血は起こるの?

生理をコントロールしているホルモンの分泌異常によって、機能性子宮出血は起こります。

女性ホルモン(卵巣ステロイドホルモン)の一種であるエストロゲンとプロゲステロンの分泌バランスに狂いが生じることが、機能性子宮出血の原因です。

エストロゲンは卵胞(らんほう)ホルモンとも、プロゲステロンは黄体(おうたい)ホルモンともいいます。
一例として、排卵日過ぎに少しの出血があるのも機能性子宮出血といえます。

排卵の前や直後、生理の前などさまざまな時期に起こり得る異常です。
また、無排卵周期の女性にもある異常です。

こうした機能性子宮出血を招きやすいのはホルモンの分泌が安定していない初潮後や閉経前の女性をあげることができますが、絶対にこの時期の女性だけに起こるということではなく、20~30歳代の女性にもあります。

機能性子宮出血が原因で引き起こされる異常

長期間にわたり多量に出血することによって、貧血(ひんけつ)の状態になってしまいます。
めまい、失神、脱力感、低血圧、頻脈(ひんみゃく)といった症状が起こります。

機能性子宮出血の症状

機能性子宮出血ではどのような症状が出るの?

機能性子宮出血には、排卵を伴う出血と、無排卵性の出血があります。
異常のない生理は、エストロゲンとプロゲステロンの両方の分泌が減ることによって起こります。

このことをホルモンの消退(しょうたい)出血といい、無排卵性ではプロゲステロンの分泌が起こらず、エストロゲンだけが減ることによって消退出血を招くことがあります。

この出血は前回の生理から2~3週間目に出たり、2~3ヶ月が過ぎて出たりといろいろですが、正常な生理とは異なり少し長引くことがあります。

エストロゲンが減らずに持続的に出されると、子宮内膜の厚みが異常に増し、栄養がまわらなくなって出血を起こしますが、この出血のことを破綻(はたん)出血といい、大量出血を起こすことがあります。

長引く出血ではホルモン療法を行なわなければいけませんが、場合によっては貧血を起こすほどの量の出血を招くことがあり、子宮内膜掻爬術を緊急に行なわなければ出血が止まらないこともあります。

排卵を伴う出血で多いのは、排卵前にエストロゲンが減ったときに子宮内膜が生理時のホルモン減少と間違って少量の出血を招くもので、これを中間出血といいます。

多くの女性がこの出血があるということで医療機関へ行きますが、大抵はその後に続くホルモンの高まりにより出血がおさまるため、治療を行なわなくても問題ありません。

また、少量の出血がダラダラと持続したあとに、本格的に生理がはじまる女性もいます。
これが起こるのは、排卵後のプロゲステロンが早く減ってしまうためです。

反対に生理のあと少量の出血が持続するケースがあり、これはプロゲステロンが生理後に出たために子宮内膜がしっかりとはがれずに止血しないものです。

とくに治療を行なわなくても問題ないケースが多いですが、ホルモン療法を受けるケースもあります。

機能性子宮出血の検査・診断

受診に適した診療科は?

こうした機能性子宮出血はホルモンの異常によって招くものですが、子宮癌(しきゅうがん)や子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)といった病気が潜んでいることがあるため、不正出血を起こしているようであれば医療機関で検査を受けたほうがよいでしょう。
機能性子宮出血は、産婦人科へ行けば対応してくれます。

どうやって機能性子宮出血かどうかを調べる?

基礎体温の変動を把握するために基礎体温表をみたり、血液検査でホルモンの測定をして排卵の有無と卵巣の機能を確認したりします。

体内に超音波を発信することではね返ってくる反射波を受信し、体内の状態を画像化する超音波検査(エコー)、細胞を採取し顕微鏡で観察する細胞診・組織検査、指や専用の器具を膣に挿入して内部の状態を調べる内診、膣内の帯下(おりもの)を綿棒でとりだして培養する帯下培養、膣拡大鏡を膣に挿入して子宮頸部や膣壁を拡大し、くわしく観察するコルポスコープといった検査が行なわれています。

こうした検査によって別の病気ではないことがわかると、機能性子宮出血と診断されます。

機能性子宮出血の治療

機能性子宮出血の治療方法は?

軽い機能性子宮出血の女性は経過観察だけで問題なく、自然によくなることも多いです。

治療が必要な場合にはホルモン剤の服用によって女性ホルモンを補充し、生理周期と同様のホルモンバランスを意図的に作り出す治療方法や、無排卵性の機能性子宮出血に対して排卵誘発剤を投与する治療方法が選択されています。

大量出血でホルモン剤の投与では止血できない女性に対しては、麻酔をほどこして子宮内膜をかき出す子宮内膜掻爬術が行なわれています。

若い女性に対しては、漢方薬を長期にわたって服用する治療が行なわれるケースもあります。

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