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過多月経を詳細に:原因,症状,治療,予防など

公開日: : 最終更新日:2017/05/09 女性に多い病気

過多月経とは(概要)

経血量が異常に多いことを過多月経と呼びます。
経血というのは、子宮内膜がはがれて血液が混ざった状態で排出されるもののことをいいますが、単純に生理中に出る血液のことという解釈で問題ありません。

異常に多いといっても、具体的にどの程度の量のことを指しているのか疑問に感じた人もいるでしょうが、正常な月経の目安として、1周期の総経血量は20~140mlと定められています。

正常な範囲を超える経血量になっている人は、過多月経を起こしているということになるわけです。
ただ、数値として量は把握できても、生理中にどの程度の量の出血があるのか、自分で測定するというのは困難な話です。

せいぜい、たまたま友人などと生理の話題になったり、自分の出血量のことが気になったりした際に、ほかの人に量の質問をして自分は多いかもしれないと思う程度ではないでしょうか。

自己チェックする方法

普通に生活していて自己判断が難しいのがやっかいなところですが、自己チェックする方法はあります。

まず、日中に夜用のナプキンを使用する日が3日以上あったり、普通サイズのナプキンでは1時間も経たないうちに交換しなければならなかったりすることはないでしょうか?
また、出血でレバーに似た大きなかたまりが混ざっていたり、これまでより出血量が増加して終わるまでの日数が延びたりしてはいないでしょうか?

もしもどちらか一つでも思い当たることがあるという人は、過多月経を引き起こしている疑いがあります。

影に潜んでいる病気に注意

なお、過多月経は出血の量が多いために頻繁にナプキンを交換しなければいけなかったり、横漏れなどによって下着などを汚してしまったりと不便・不快な思いをすることだけが問題なわけではありません。

実は過多月経を引き起こしていることには、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮内膜増殖症、子宮体ガン、子宮頸ガンが潜んでいることがあるのです。

また、こうした婦人科系の病気だけでなく、出血量が多いということで、鉄欠乏性貧血をともなうことも多いのが、過多月経のやっかいなところです。

放置しておくと影に潜んでいる病気を進行させるリスクがありますので、経血量が多いかもと思ったら、早めに婦人科などを受診することをおすすめします。

過多月経の原因

過多月経は機能性のものと器質性のものに大別することが可能です。
機能性というのは原因となる病気が存在せず、体内のホルモンや血液の状態が影響しているもので、器質性というのは病気によるものです。

機能性過多月経とは

機能性過多月経は、多くの場合は卵巣ホルモンの異常が引き金となって起こります。

とくに思春期の女性によく起こり、排卵がないにも関わらず出血が認められる無排卵周期症や、排卵後の黄体ホルモン分泌異常などによって機能性過多月経を招いてしまいます。

なぜこうしたホルモンの異常が起こるのかに関してですが、生活習慣が乱れていることやストレスがあること、ダイエットなどのせいで起こっていることもありますが、原因が不明なこともあります。

器質性過多月経とは

次に器質性過多月経ですが、一番原因になっている病気として多いのが子宮筋腫とされており、この病気に続いて子宮腺筋症、子宮内膜症などの婦人科系の病気が原因となって起こっていることが多いといわれています。

子宮筋腫

原因として最多の子宮筋腫は、子宮筋層に発生するコブのような良性腫瘍で、症状としてはめまい、立ちくらみ、倦怠感、息切れといった貧血症状、経血量増加、不正出血、月経痛、不妊、流産、下腹部痛、腰痛、排尿障害、便秘などを挙げることが可能です。

また、子宮筋腫では筋腫が大きくなるのとともに、子宮が巨大化する現象も起こります。

子宮腺筋症

子宮筋腫に次いで多いとされている子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮筋層に発生する病気であり、生理のたびに増殖と剥離を繰り返し、多くの症状を起こすほか、病気が進行することにより子宮筋層が大きくかたくなります。

引き起こされる症状としては月経痛、経血量増加、過多月経による貧血症状、出血持続日数の延長、不妊などがあります。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮以外の腹膜や卵巣などに生じる病気で、月経時に脱落して出血を起こすことにより、お腹のなかに蓄積された炎症を生じさせて、周囲の組織に癒着するなどの問題を引き起こします。

卵巣で子宮内膜症を発症した場合には、チョコレートのような色をした古い血液が蓄積した袋状になるため、チョコレートのう胞という呼称が使用されることもあります。

子宮内膜症になって引き起こされる症状としては、月経痛、下腹部痛、腰痛、下痢、吐き気、嘔吐、性交痛、排尿痛、不妊、過多月経、不正出血などがあります。

そのほかの病気

そのほか、子宮上部にあり子宮の3分の2を占める子宮体部に起こる子宮体ガン、子宮の入り口付近の子宮頸部に起こる子宮頸ガンのような悪性疾患や、血液疾患などの内科的疾患を発症していて止血凝固機能の障害により異常な経血量になっていることもあります。

過多月経の症状

過多月経を起こしている人は、生理中の出血量が多くなるのが最大の特徴です。
子宮筋腫をはじめとする婦人科系の病気などにより、1周期で20~140mlという正常な総経血量を超える出血が認められます。

昼間に夜用のナプキンを使用しないといけないほど量が多い、多い日用のナプキンを使用しても漏れるのが当たり前のようになっている、普通サイズのナプキンでは1時間ももたず、頻繁に交換しなければいけない、レバーのような血液のかたまりが混ざっているといった症状が引き起こされている場合には、過多月経を起こしている可能性が高いです。

また、過多月経では経血の量が増加してしまうため、鉄欠乏性貧血を併発することが多いです。
鉄欠乏性貧血というのは、体のなかの鉄分が足りなくなり、体中に酸素を運ぶヘモグロビンの産生量が不十分になることで起こる貧血です。

なお、ヘモグロビンというのは赤血球中に含まれている血色素のことです。
生理中の出血により鉄が足りなくなりがちな女性によく起こり、めまい、立ちくらみ、疲れやすい、だるいといった症状が引き起こされます。

鉄欠乏性貧血は進行が遅く、発症していても貧血状態に慣れてしまって、症状に自分が気が付きにくいのがやっかいなところです。
自分の体調の変化に注意して、貧血症状を見逃さないようにしなければなりません。

なお、経血量が多くなる過多月経の症状以外に貧血を起こしていないか、自己チェックする方法はないかと思っている人もいるのではないでしょうか?

このことに関してですが、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、疲れやすい、体がだるい、頭痛や頭が重い感じがする、血液中の鉄が少ないことを指摘された経験がある。

上記のどれか1個でもあてはまるものがある場合、過多月経により鉄が不足し、鉄欠乏性貧血を起こしている疑いがあるといえるでしょう。

また、過多月経になっていると、過多月経を起こす原因になっている病気の症状も出ます。
たとえば、原因疾患として一番多い子宮筋腫の場合には、めまい、立ちくらみ、倦怠感、息切れといった貧血症状、経血量増加、不正出血、月経痛、不妊、流産、下腹部痛、腰痛、排尿障害、便秘などの症状が起こります。

貧血症状や過多月経の症状以外にも、引き起こされる症状があるため注意が必要です。
また、過多月経は悪性腫瘍である子宮体ガンや子宮頸ガンが原因として潜んでいることもあります。

進行し手遅れになると最悪の場合には命を落とすことになりかねないコワイ病気ですが、子宮体ガンを例に説明すると、初期では月経不順、不正出血、おりものの増加、おりものに血や膿が混ざるといった症状が起こりますが、進行してくると下腹部痛、子宮内部にたまってくる血液や膿の内容物を排泄する際の痛み、下肢のむくみや痛み、排尿障害、排便障害の症状が出る場合もあります。

ガンの場合は進行するほど治療が難しくなり、生存率が低下してしまいますので、過多月経かもしれないと思った時点で、早めに医療機関に行って原因をはっきりさせて、適切な治療を受けることが大切です。

過多月経の検査・診断

過多月経には原因となる病気が存在しない機能性過多月経と、原因となる病気が存在する器質性過多月経があります。
機能性過多月経は無排卵性周期症、黄体機能不全などの病気によって起こっている場合があります。

こうした婦人科系の機能性疾患を起こしていることが原因で過多月経を発症しているのかどうかを調べるため、問診、基礎体温表、ホルモン検査による診断が行なわれています。

器質性過多月経は子宮筋腫、子宮腺筋腫、子宮内膜症といった婦人科系の器質性疾患により起こるものですが、原因をはっきりさせるために内診、超音波検査、MRI検査、子宮鏡検査などによる診断が行なわれています。

また、過多月経は子宮体ガンや子宮頸ガンが原因として潜んでいる場合があることに注意が必要です。

こうした悪性疾患の除外診断を目的として、子宮体部や子宮頸部のスメア(ガン検診)が実施されています。

そのほか、過多月経の検査では血液検査も行なわれています。
この検査を行なうことにより、貧血や血液凝固異常を起こしていないかを調べることが可能です。

過多月経の治療

過多月経の治療は薬物療法と外科的療法の2種類に大別されます。
薬物療法にはIUS(レボノルゲストレル放出子宮内システム)、卵胞・黄体ホルモン配合剤、黄体ホルモン製剤、GnRHアナログ製剤、ダナゾール製剤が、外科的療法には子宮内膜掻把(そうは)術、子宮内膜焼灼(しょうしゃく)術・MEA(マイクロ波子宮内膜アブレーション)があります。

IUSは子宮内に専用の器具を挿入することにより、子宮内で黄体ホルモンが持続的に出て、子宮内膜の増殖を抑制してくれます。

効果は最長で5年は続くとされており、子宮内膜の増殖抑制による経血量減少、月経痛緩和効果を期待することが可能です。

卵胞・黄体ホルモン配合剤は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方が含まれている薬であり、女性ホルモンの分泌を抑制することで排卵や子宮内膜の増殖が抑えられ、経血量減少や月経痛緩和の効果が望めます。

ただし、副作用が起こるリスクがあり、吐き気、頭痛などの比較的軽いもの以外に、血栓症という重い副作用が起こる危険性もあります。

黄体ホルモン製剤は、子宮の病気が起こっている人に対し使用されることになり、子宮内膜の増殖を抑制して経血を少なくしたり、生理の痛みを軽くしたりするほか、病巣に直接作用し縮小させる効果も期待できます。

なお、生理の時期以外に出血などが認められることがあります。
GnRHアナログ製剤も子宮の病気が起こっている人に対して使用されています。
女性ホルモンの分泌を抑制し、生理と排卵をストップさせて病巣を縮小させます。

基本的に半年間継続使用しますが、効果としては経血量が少なくなったり、月経痛が軽くなったりします。

ただ、のぼせやほてりといった更年期障害と同様の症状が引き起こされることがあります。
ダナゾール製剤も子宮の病気を起こしている人に対して選択されているものです。

基本的に4ヶ月間使用することになり、女性ホルモンの分泌を抑制し、月経と排卵をストップさせて、病巣に直接作用し縮小させます。

強い下腹部の痛みや腰の痛みなどが緩和されるという効果はあるものの、にきび、肝臓の障害、体重の増量といった問題が起こることもあります。
外科的療法の子宮内膜掻把術は子宮内膜をかき出して止血する方法です。

切るようなことはせず、器具を入れて子宮内の経血をかき出すようにしてはがす方法であり、時間は20分ほど、麻酔で痛みの対策が行なわれます。

なお、1~2周期で効果がなくなってしまうため、術後には薬物療法を受けなければいけません。
子宮内膜焼灼術・MEAは専用の装置を膣から子宮のなかに入れて、子宮内膜を直接焼いて凝固・壊死させることにより、経血量を少なくさせる方法です。

切開は行ないませんし、麻酔下にほどこされる治療法であり、所要時間は30分ほど、麻酔の影響がなければ術後すぐに日常生活に復帰することも可能です。
この方法は子どもを将来的に授かりたいと思っている人に対しては行なうことができません。

日常生活での注意

鉄欠乏性貧血の併発

過多月経になっている人で、鉄欠乏性貧血が併発することが少なくありません。

これは過多月経で経血量が多くなり、体内の鉄分が不足してしまうことで、ヘモグロビンの産生量が不十分になることで引き起こされる貧血です。
普段の食事では鉄分が不足しないよう、十分な量を補給することが大切です。

豊富に含まれている食品ですが、以下の通りです

1位:豚レバー 100g中 13.0mg
2位:鶏レバー 100g中 9.0mg
3位:パセリ 100g中 7.5mg
4位:牛肉のせんまい 100g中 6.8mg
5位:卵黄 100g中 6.0mg
6位:ほや 100g中 5.7mg
7位:あゆ 100g中 5.5mg
8位:しじみ 100g中 5.3mg
9位:鶏肉のはつ 100g中 5.1mg
10位:赤貝 100g中 5.0mg

身近な食材に多く含まれている鉄分ですが、好みがわかれやすい食材が少なくありません。
通常の食事で十分な量を補えない場合には、鉄が配合されているサプリメントで栄養補給を行なうのも良いでしょう。

なお、通常の食事で鉄を過剰摂取する心配はまずありませんが、サプリメントでは摂り過ぎの心配があります。

1日の摂取量を守り、毎日続けていくことが大切であり、1日に摂る量を多くするほど効果が高まるようなことはありません。

それどころか、鉄は過剰摂取により、嘔吐、吐血、腹痛、下痢、刺激、眠気、けいれん発作、意識消失といった症状が摂取後6時間以内に起こります。

これは軽度な過剰症であり、重度なものでは摂取後2~5週間に起こる過剰症もあって、脂肪肝、肝硬変といった肝臓病を招いてしまうことにもなりかねません。

なお、どれだけの量を摂ると過剰になるのかが気になった人もいるのではないでしょうか。

●過多月経の人を除外して定められた女性の1日あたりの食事摂取基準の耐容上限量

10~11歳 35mg
12~14歳 45mg
15~17歳 40mg
18~29歳 40mg
30~49歳 40mg
50~69歳 45mg

●過多月経の人を除外して定められた女性の1日あたりの食事摂取基準の月経ありでの推奨量
10~11歳 13.5mg
12~14歳 14.0mg
15~17歳 10.5mg
18~29歳 10.5mg
30~49歳 11.0mg
50~69歳 11.0mg

なお、効率よく鉄分を補給するには、ビタミンC、クエン酸と一緒に摂ることをおすすめします。
こうした成分には非ヘム鉄を吸収率の良いヘム鉄に変換してくれる作用があるためです。

そのほか、鉄欠乏性貧血と同様、女性に多い冷えが原因で経血量が増加してしまうことがあります。
したがって、体を冷やさないための対策も行なったほうが良いでしょう。

冷え対策

なお、冷え対策としてマッサージやエステなどを利用すると、リラックス効果や血行促進効果を期待することが可能です。

しかしながら、血流が良くなると反対に経血量が多くなってしまうこともあるため、注意しなければいけません。

こうした冷え対策は症状がひどい場合はとくにやめておいたほうが良いですし、取り入れるのであれば月経中ではないタイミングを選ぶことをおすすめします。

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