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過強陣痛のを詳細に:原因,症状,検査,治療など

公開日: : 最終更新日:2017/05/10 女性に多い病気

過強陣痛とは(概要)

出産で赤ちゃんを体外へと押し出すため、規則的に繰り返される子宮の収縮を陣痛(じんつう)と呼びます。
過強(かきょう)陣痛は子宮の収縮が過剰に強かったり、収縮時間が過剰に長かったり、サイクルが過剰に短かったりする状態のことをいいます。

妊婦によっては過強陣痛によって子宮破裂を起こすことがあり、赤ちゃんに関しては過強陣痛によって酸素の供給が不十分であるために脳性まひを起こしてしまうことがあります。
過強陣痛という名称で、痛みが非常に強くなる症状のことと思う人もいるかもしれませんが、痛みが付随していなければ過強陣痛とはいえない、というわけではありません。
子宮内圧が高まっていること、陣痛周期が短くなっていること、陣痛の持続時間が長くなっていることのいずれか1個の条件を満たしていれば、過強陣痛であるといえる状態です。

なお、陣痛の異常は過強陣痛だけでなく微弱(びじゃく)陣痛もあります。
過強陣痛とは逆に、陣痛が異常に弱いのが微弱陣痛の特徴です。
微弱陣痛には分娩の開始から陣痛が弱い原発微弱陣痛と、分娩の途中で陣痛が異常に弱くなる続発性微弱陣痛とがあります。

微弱陣痛の場合も痛みがまったくない、非常に弱いということが条件に含まれているわけではありません。
子宮内圧が下がっていること、陣痛周期が長くなっていること、陣痛の持続時間が短くなっていることのいずれか1個の条件を満たしていれば、微弱陣痛であるといえる状態となっています。

過強陣痛の原因

過強陣痛を招いてしまう原因は一つではありません。
主な原因としては陣痛促進薬(子宮収縮促進薬)の過剰な使用がまず一つ。

また、薬剤感受性が高まることも過強陣痛の原因となることがあります。
精神面が原因となることもあり、精神的興奮や自律神経が不安定な状態にあることによって過強陣痛を招くリスクがあります。
ほかには産道が狭く分娩の進行をさまたげる狭骨盤(きょうこつばん)、赤ちゃんの頭と母体の骨盤の大きさに差がある児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)、赤ちゃんの通り道である軟産道がかたく広がりにくくなる軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)、出生体重が4kg以上の赤ちゃんのことを意味する巨大児(きょだいじ)、赤ちゃんの骨盤が子宮の出口にあり、頭が上側にある骨盤位(こつばんい)、母体の子宮の縦軸に対し、赤ちゃんの縦軸が垂直方向を向いている横位(おうい)など、陣痛が起こっているにもかかわらず分娩が進まない状態に陥ったままでいると、過強陣痛を招いてしまう場合があります。
内診や回転術などにより、過剰に子宮への刺激が加わることによっても過強陣痛になるリスクがあります。

一方、微弱陣痛に関しては原発性微弱陣痛と続発性微弱陣痛がありますが、考えられる原因は原発性と続発性で一緒ではありません。
原発性微弱陣痛は多胎妊娠(たたいにんしん)、羊水過多(ようすいかた)、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)、多産(たさん)、子宮奇形(しきゅうきけい)により招いてしまうことがあり、続発性微弱陣痛は児頭骨盤不均衡、胎位異常(たいいいじょう)、前置胎盤(ぜんちたいばん)、母体の衰弱、お産への恐怖心、遷延(せんえん)分娩、過強陣痛、胎勢(たいせい)の異常、巨大児、難産道強靭が原因となって起こることがあります。

過強陣痛の症状

過強陣痛であるかどうかの条件には含まれていませんが、過強陣痛の状態では強い痛みを伴います。
この痛みによって興奮状態になり、体の動きをコントロールできずにベッドや分娩台から落下してしまうケースもあります。
急速に分娩が進み、産道の準備が万全ではない状態で強い力がかかるため、子宮の一部が切れて母体や赤ちゃんの生命に危険がおよぶ子宮破裂、子宮の出口である頸管が切れてしまう頸管裂傷(けいかんれっしょう)、膣の入り口と肛門とのあいだにあたる会陰(えいん)が限界まで伸びきって切れてしまう会陰裂傷(えいんれっしょう)、分娩終了後の出血が止まらず多量の出血を招く弛緩出血(しかんしゅっけつ)といった母体の問題を招くリスクが上昇します。

強い陣痛のストレスによって、赤ちゃんの呼吸ならびに循環機能に異常がある状態の胎児機能不全(胎児ジストレス)を招くことにもなりかねません。
子宮の収縮が落ち着いたあとに、子宮の疲労が原因となって微弱陣痛に移行してしまう場合もあります。
また、子宮内圧が高くなっている、陣痛周期が短くなっている、陣痛の持続時間が長くなっている、この3点のうちいずれか一つにあてはまっている状態が過強陣痛ですが、具体的な数値はないのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。

問題のない分娩と過強陣痛の子宮内圧、陣痛周期、持続時間には基準値がありますので、ここで紹介しましょう。
まず子宮内圧ですが、子宮口が4~6cmでは正常で40mmHg、異常な状態で70mmHg以上、子宮口が7~8cmでは正常で45mmHg、異常な状態で80mmHg以上、子宮口が9cm~分娩第2期では正常で50mmHg、異常な状態で55mmHg以上です。
次に陣痛周期ですが、子宮口が4~6cmでは正常で180秒、異常な状態で90秒以内、子宮口が7~8cmでは正常で150秒、異常な状態で60秒以内、子宮口が9cm~分娩第2期では正常で120秒、異常な状態で60秒以内です。
最後に持続時間に関してですが、子宮口が4~6cmでは正常で70秒、異常な状態で120秒以上、子宮口が7~8cmでは正常で70秒、異常な状態で120秒以上、子宮口が9cm~分娩第2期では正常で60秒、異常な状態で90秒以上です。

一方、微弱陣痛の場合はどうかといいますと、正常の数値はすでに述べたものと変わりません。
微弱陣痛の場合の子宮内圧、陣痛周期、持続時間は過強陣痛とは対照的な数値になっています。
子宮内圧は子宮口が4~6cmの場合、異常な状態では10mmHg以下、子宮口が7~8cmの場合、異常な状態では10mmHg以下、子宮口が9cm~分娩第2期の場合、異常な状態では40mmHg以下です。

陣痛周期は子宮口が4~6cmの場合、異常な状態では390秒以上、子宮口が7~8cmの場合、異常な状態では360秒以上、子宮口が9cm~分娩第2期の場合、異常な状態では初産で240秒以上、経産で210秒以上です。
そして持続時間ですが、子宮口が4~6cmの場合に異常な状態では40秒以下、子宮口が7~8cmの場合に異常な状態では40秒以下、子宮口が9cm~分娩第2期の場合に異常な状態では30秒以下とされていますなお、分娩第2期というのは娩出(べんしゅつ)期ともいって、子宮口全開大(通常径10cm)~赤ちゃんが産道をおりて出てくるまでのことをいいます。

過強陣痛の検査・診断

過強陣痛になっているかどうかの判断は、CTG(胎児心拍数陣痛図)を使用することによって行なわれています。
装置を体に取り付けて行なうことにより、子宮内圧、陣痛の持続時間、陣痛周期といった情報を図として得ることが可能です。

図は横軸が時間(分)、陣痛の強さになっており、子宮の収縮が起こると陣痛曲線が描かれます。
また、CTGでは赤ちゃんの心拍数の観察を行なうことも可能です。
陣痛は図の下段に、赤ちゃんの心拍数は図の上段に描き出されます。

なお、過強陣痛だけでなく微弱陣痛も同じく、CTGによって起こっているかどうか判断されています。
診断基準は過強陣痛の場合、子宮内圧が高まっている、陣痛周期が短くなっている、陣痛の持続時間が長くなっているのどれか1個があてはまっていれば過強陣痛を起こしているということが認められます。
これに対し微弱陣痛の場合は、子宮内圧が低くなっている、陣痛周期が長くなっている、陣痛の持続時間が短くなっているのどれか1個があてはまっていると微弱陣痛と診断が下される形になります。

過強陣痛の治療

陣痛促進薬を使用することによって過強陣痛を招いているケースでは、薬剤の使用を中止するか減量する方法が選択されます。
過度な痛みや興奮状態に陥っているという症状を緩和することを目的に、麻酔薬や子宮収縮抑制薬が使用されるケースもあります。

赤ちゃんの状態に応じて酸素投与や母体の体の向きを変える体位変換なども行ない、胎児ジストレスや過強陣痛がおさまることなく子宮破裂を招くリスクがあるケースでは、帝王切開術による分娩が行なわれる形になることが多いです。
また、骨盤が狭いといった過強陣痛の原因を解消することが不可能なケースでも、自然分娩ではなく帝王切開術による分娩が選択されることになります。
これに対して微弱陣痛の場合には、陣痛が弱まってしまっているため、子宮収縮促進薬を使用して陣痛を強める方法が選択されることがあります。
また、母体や赤ちゃんの状態によっては人工破膜、吸引分娩、鉗子(かんし)分娩、帝王切開術といった治療方法が選択されるケースもあります。

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