食中毒の原因、症状、検査、診断、治療方法、予防方法を調べた
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最終更新日:2017/06/21
中毒症

食中毒とは
食中毒(しょくちゅうどく)とは、胃腸炎(いちょうえん)のなかで飲食物を介して引き起こされる病気のことをいいます。
一般には食あたりといわれているもので、主な症状としては腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸障害や発熱をあげることができます。
細菌やウイルスによって引き起こされる感染症や、フグ、貝、きのこなどの自然毒で引き起こされる食中毒、洗剤や漂白剤、農薬、食品添加物、水銀などの化学物質によって引き起こされる食中毒、アニサキスなどの寄生虫によって引き起こされる食中毒があります。
細菌が原因となるものを細菌性食中毒、ウイルスが原因となるものをウイルス性食中毒、自然毒が原因となるものを自然毒食中毒、化学物質が原因となるものを化学性食中毒、寄生虫が原因となるものを寄生虫食中毒といいます。
食中毒が発生している割合の大半を占めているのは細菌性食中毒とウイルス性食中毒であり、ここでは特にこの2種類についてくわしく解説しています。
なお、厚生労働省が公表している2015年の原因物質別食中毒発生状況では、細菌による食中毒の発生件数は431件、患者数は6,029人であったのに対し、ウイルスによる食中毒の件数は485件、患者数は15,127人でした。
これに対して寄生虫の件数は144件、患者数は302人、化学物質の件数は14件で、患者数は410人、自然毒の件数は96件で、患者数は247人、そのほかの物質が原因の食中毒は件数は1件、患者数は2人、原因物質不明のものの件数は31件、患者数は601件でした。
このデータからも圧倒的に細菌性とウイルス性の食中毒が多く発生しており、患者数が多いということがご理解いただけるでしょう。
ちなみに、過去には細菌性のほうが多かったのですが、いまはウイルス性のほうが増加しているという逆転現象が起こっています。
食中毒の原因
細菌性感染型食中毒の原因
細菌に汚染された食品を摂ることで腸内で細菌が増殖し、病原性を備えることで発生する食中毒です。
カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌といった細菌が原因菌としてあげられます。
細菌性毒素型食中毒の原因
食品のなかで増殖した細菌が生み出す毒素を摂取することによって発生する食中毒です。
加熱などによって細菌自体を死滅させたとしても、毒素が耐熱性を備えているものであれば食中毒を起こしてしまいます。
黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌といった細菌がこのタイプの食中毒の原因菌としてあげられます。
ウイルス性食中毒の原因
ウイルスによって汚染された食品を摂取することや、患者を媒介にして付着したウイルスが口から侵入することで発生する食中毒です。
代表的なウイルス性食中毒としては、ノロウイルスが原因になるものがあります。
原因食品
食中毒は汚染された食品を摂ることによって起こりますが、原因となる細菌・ウイルスの種類によってどの食品が原因になりやすいかは違います。
主な細菌・ウイルス別の原因食品は以下のとおりです。
1. カンピロバクター…鶏肉、水
2. サルモネラ…食肉、たまご、魚、自作のマヨネーズ、洋生菓子
3. 黄色ブドウ球菌…素手で調理加工されたおにぎり、弁当、サンドイッチ、ケーキ
4. 病原性大腸菌…食肉、水
5. ウェルシュ菌…大量調理されたカレー、シチュー、スープなど食肉や魚介類、野菜が材料の加熱調理食品
6. 腸炎ビブリオ…生の魚介類
7. セレウス菌…嘔吐型はチャーハンなどの米飯類やパスタなどの麺類、下痢型は食肉などを使ったスープ類、弁当、プリン
8. 赤痢菌…貝類、生野菜、牛乳、水
9. コレラ菌…えび、うに、水
10. エルシニア・エンテロコリチカ…豚肉、水
11. リステリア・モノサイトゲネス…ナチュラルチーズをはじめとする乳製品、生ハムをはじめとする食肉加工品、スモークサーモンをはじめとする魚介類加工品、コールスローをはじめとするサラダ
12. ボツリヌス菌…いずし、塩漬魚、びん詰、缶詰、燻煙、はちみつ、真空包装食品
13. ノロウイルス…牡蠣をはじめとする二枚貝
14. A型肝炎ウイルス…牡蠣をはじめとする二枚貝、水
食中毒が起こりやすい時期
細菌性食中毒とウイルス性食中毒では、多発する時期に違いがあります。
食中毒イコール夏によく起こるというイメージがある人は多いでしょう。
以前は細菌性食中毒のほうが多く、このタイプの食中毒は夏によく起こっていたため、夏に多発するイメージがある人が多かったのですが、いまは細菌性食中毒よりウイルス性食中毒のほうがよく起こっています。
ちなみに、ウイルス性食中毒は細菌性食中毒とは対照的に、冬に発生しやすいのが特徴です。
暑い時期も寒い時期も食中毒には警戒が必要ということになります。
食中毒を起こしやすい人
抵抗力が低い人は食中毒を招きやすいといわれています。
免疫力や消化器官の発達が不十分な子ども、高齢者、虚弱体質の人などは注意が必要です。
また、過労、寝不足、過度なストレスなどにより体力が低下している人も食中毒を起こしやすいといわれています。
乳幼児、高齢者は症状が重くなりやすいため、発症した際には医療機関で治療を受けましょう。
食中毒の症状
感染後すぐに発症するわけではない
食中毒の原因物質に感染後、すぐに症状が出現するようになるわけではありません。
細菌などには感染後の潜伏期間があり、細菌などの種類別にどの程度の期間で発症するかには違いがあります。
1. カンピロバクター…2日から1週間(平均では2日から3日)
2. サルモネラ…8~48時間(菌種で差がある)
3. 黄色ブドウ球菌…1~5時間(平均では3時間)
4. 病原性大腸菌…半日から3日(菌種で差がある)
5. ウェルシュ菌…8時間から18時間(平均では半日以内)
6. 腸炎ビブリオ…平均で10時間から1日
7. セレウス菌…嘔吐型では1時間から5時間、下痢型では8時間から15時間
8. 赤痢菌…1日から1週間(通常では4日以内)
9. コレラ菌…6時間から5日間(通常では24時間以内)
10. エルシニア・エンテロコリチカ…1日から2週間(通常では4日から6日)
11. リステリア・モノサイトゲネス…短ければ1日程度、平均では3週間
12. ボツリヌス菌…平均で8時間から1日半
13. ノロウイルス…1日から2日ほど
14. A型肝炎ウイルス…15日から50日(平均では1ヶ月)
出現する主な症状
感染後、発症までの潜伏期間が異なるだけでなく、細菌・ウイルスの種類別に出現され得る症状にも違いがあります。
主な細菌・ウイルスで発生する食中毒の症状を以下にまとめました
1. カンピロバクター…お腹が痛くなる、お腹を下す(水のような便で血便が出たり粘液便が出たりするケースもある)、熱が出る(37.5~38.5℃が多い)、頭が痛くなる、寒気がする、だるくなる、筋肉が痛む
2. サルモネラ…急に熱が出る(40℃を超えるケースもある)、吐いてしまう、お腹が痛くなる、激しくお腹を下す(便に血が混じることもある)
3. 黄色ブドウ球菌…吐き気がする、吐いてしまう、お腹が痛くなる、お腹を下す。
4. 病原性大腸菌…お腹が痛くなる、お腹を下す、便に血が混じる、水のような便が出る、吐いてしまう、熱が出る(低いか出ないケースもある)
5. ウェルシュ菌…お腹が痛くなる、お腹を下す(便に血が混じることもある)、吐き気がする、吐いてしまう
6. 腸炎ビブリオ…強いお腹の痛みが出る、激しくお腹を下す(まれに血便が出る)、熱が出る(38℃ほど)、寒気がする、吐いてしまう
7. セレウス菌…嘔吐型は吐き気がする、吐いてしまう、お腹が痛くなる、下痢型はお腹が痛くなる、お腹を下す。
8. 赤痢菌…強いお腹の痛みが出る、激しくお腹を下す、血便が出る、粘液便が出る、吐き気がする、吐いてしまう、熱が出る
9. コレラ菌…お腹が痛くなる、お腹を下す、水のような便が出る、吐き気がする、吐いてしまう
10. エルシニア・エンテロコリチカ…熱が出る(38~39℃)、お腹が痛くなる、お腹を下す、頭が痛くなる、吐き気がする、吐いてしまう、意識障害、けいれん、流産、早産、死産
11. リステリア・モノサイトゲネス…熱が出る、頭が痛くなる、吐いてしまう、だるくなる
12. ボツリヌス菌…吐き気がする、吐いてしまう、めまいがする、頭が痛くなる、言葉をうまく話せなくなる、視力が落ちる、呼吸困難になる、乳児が発症した場合は便秘になる、元気がない、よだれが多くなる、眼球運動の麻痺
13. ノロウイルス…吐き気がする、吐いてしまう、お腹が痛くなる、お腹を下す、熱が出る、頭が痛くなる、筋肉が痛む、ノドが痛くなる、だるくなる
14. A型肝炎ウイルス…お腹を下す、熱が出る(はじめに38℃以上の高熱が3~4日間にわたり出る)、だるくなる、吐き気がする、吐いてしまう
食中毒の検査・診断
食中毒かもしれない!どうする?
食中毒の症状である下痢や嘔吐が出た場合、脱水症がこわいため十分に水分補給を行なうことが大切です。
吐き気がひどく経口摂取が無理な場合には点滴治療を受ける必要があるため、すぐに病院へ行きましょう。
また、食中毒では原因物質をできるだけ早く体外へ追い出すことが大切です。
自己判断で下痢止めや吐き気止めなどの薬を使用すると原因物質が長く体内にとどまることになってしまい、回復が遅くなったりひどくなったりする恐れがあります。
適切な治療を受けるため、医療機関へ行くことが大切です。
そのほか、お腹の痛みや嘔吐がひどく食事を摂ることができない場合や1日10回以上の下痢が起こる、血便の症状を確認した場合、高熱の症状が出ている場合、吐血がある場合、呼吸困難や意識障害がある場合には、すぐに病院へ行きましょう。
病院へ行く際には、摂取したもの、吐いたもの、食品の包装、購入店のレシートが残っている場合には取っておきましょう。
食中毒がなぜ引き起こされたのか調査する際の手がかりとして役立ちます。
病院ではなにを調べる?
問診が行なわれます。
食事の内容、食事を摂った時期、旅行歴や海外渡航歴、飼っているペット、同じ食事を摂った人の症状の有無、調理を行なった人の傷の有無、起こっている症状の種類と程度などが質問されます。
ほかには患者の状態に応じて血液検査、腹部レントゲン検査が行なわれることがあります。
お腹のレントゲン撮影をするのは、腸に穴が開いてしまっていたり、腸閉塞(ちょうへいそく)を招いたりしていないかを調べることが目的です。
お腹の痛みがひどく、腹膜炎(ふくまくえん)の可能性があるケースでは、よりくわしく炎症の程度を調べることを目的に、腹部CT検査が実施されることもあります。
さらに便培養検査や下痢の症状の強さ次第では、便中の毒素の検査が選択されるケースもあります。
食中毒の治療
病院での治療
出現している症状と検査結果で外来で様子を見ていくか、入院するかの判断が下されます。
そして医療機関では、脱水症を未然に防ぐことを目的とした点滴治療が行なわれています。
吐き気の症状が出現している人に対しては、口から食事をとることができるようにするため、吐き気止めが使用されているほか、お腹の痛みがひどい人に対しては、鎮痛薬が使われています。
下痢の症状に関してですが、食中毒の原因物質の排泄が遅くなるということを理由に、使用されないケースが多いです。
仮に使用することになれば、一緒に抗生物質を使用することになります。
なお、下痢止めは使用されないものの、整腸剤が選択されることはあります。
抗生物質は腹痛、重い脱水、発熱、粘血便など強い症状が出ているケースや、免疫不全のような基礎疾患を持っているケースでも選択されています。
ボツリヌス中毒の場合、神経毒素で呼吸機能が低下するリスクがあるため、気道確保をして呼吸管理をします。
そしてすぐに乾燥ボツリヌスウマ抗毒素を手に入れて使用する必要もあります。
家庭での食事
食中毒の症状により脱水症を招いてしまうリスクがあるため、食中毒を発症した場合には十分な水分とカリウムなどの電解質を摂ることが大切です。
経口補水液がおすすめで、一度に多量に飲むよりは少量ずつ、回数をわけてこまめに摂ることが大切です。
経口補水液は市販のものでよいのですが、すぐに用意できない場合には家庭で自作することもできます。
500mlの、できれば一度沸騰させたあとに冷ました水に、食塩小さじ2分の1杯(1.5~2.5g)、砂糖小さじ3杯か大さじ1杯(7~9g)を用意し、空のペットボトルなどに入れて十分に混ぜ合わせます。
レモン少々を追加で入れることにより、カリウムの補給と味付けの効果があります。
吐き気、嘔吐の症状が落ち着いたら、おかゆなどの薄味で消化がいいものを少量ずつ摂りましょう。
食事を摂って吐き気の症状が再発するような場合には、数時間は食事を摂るのをやめて、再び状態が安定した時点で少量ずつ食事を再開しましょう。
なお、濃い味のもの、揚げ物、乳製品のほか、脂肪分や糖分の含有量が多い食品は、食中毒の症状が治まるまでは摂取しないに越したことはありません。
食中毒の予防
食中毒菌・ウイルスを付着させない
調理開始前、生の状態の肉・魚・たまごなどを扱う前後、調理中にお手洗いに行ったあと、調理中に鼻をかんだあと、おむつ交換を行なったあと、動物と接触したあと、食卓に座る前、残り物を取り扱う前の手洗いを習慣にしましょう。
また、生の肉・魚などの調理で使用した包丁、まな板などの器具から、加熱せずに摂取する野菜などに菌が付着することがあります。
これを回避するため、調理器具は使うたびにきれいに洗浄し、可能であれば殺菌まで行ないましょう。
調理の順番を変更し、加熱せずに摂取するものから先に調理するのも効果的です。
また、生の状態の肉を扱う箸と、加熱を終えた肉を扱う箸をわけるのもよいでしょう。
そのほか、食品の保管をするとき、別の食品に付着した原因菌が付着するのを避けるため、密封容器やラップを使用することも大切です。
食中毒菌を増殖させない
細菌の増殖を防ぐためには低温保存が効果的です。
多くの細菌は高温多湿の環境で盛んに増殖するようになりますが、10℃以下の環境では増殖速度が低下し、マイナス15℃以下の環境では増殖がストップします。
肉や魚などの生鮮食品、惣菜などは、買ったあとなるべく早く冷蔵庫で保存しましょう。
なお、冷蔵庫内では徐々にではありますが細菌が増殖します。
冷蔵保存しているから大丈夫と油断せずに、食品は早く食べきるか、長く保存していて傷んでいるものは捨ててしまうことが大切です。
細菌・ウイルスを生かしておかない
細菌やウイルスの多くは、食品に火を通すことによって殺すことが可能です。
肉、魚、野菜などは加熱調理して摂取すると安全です。
なかでも肉料理は中心まで十分に火を通すことが大切です。
中心部を75℃で60秒間以上というのが、加熱調理を行なう際の目安です。
また、食材だけでなく、調理器具にも食中毒菌は付着します。
なかでも肉、魚、たまごなどを取り扱ったあとの包丁、まな板、ふきんなどは洗剤で十分に洗い、熱湯をかけて菌を死滅させましょう。
菌を撃退するためには、台所用の殺菌剤を選択するのもおすすめです。
ウイルスを入り込ませない
調理場のなかにウイルスが入り込まないようにするには、まずウイルス感染しないことが大切です。
仮に感染者が出た場合、その人は調理場のなかに入るのは避けるべきです。
これを実現するには普段から体調の把握や自己の体調管理を徹底し、嘔吐や下痢の症状が出現している人は調理を避けることが大切です。
ウイルスを拡大させない
調理場のなかにウイルスが持ち込まれた場合、ウイルスが食品に付かなければ食中毒は発生しません。
手洗いをこまめにして、包丁、まな板、ふきんなどの調理器具は洗剤を使用して十分に洗い、定期的に熱湯消毒をすることが大切です。
家庭での注意点
食品の購入
食品を購入する際には、消費期限などの表示をチェックする癖を付けましょう。
肉や魚などは別のビニール袋に入れて、汁が別の食品に付着しないようにします。
鮮度の関係で肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品をカゴに入れる順番は一番あとにし、買い物後はどこかに寄ることはせずにまっすぐ帰宅しましょう。
食品の冷蔵・冷凍
冷蔵保存や冷凍保存をしなければいけない食品は、帰宅後すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
庫内の温度は冷蔵庫で10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に維持します。
庫内にものを入れ過ぎていると冷気の循環をさまたげてしまうため、注意が必要です。
肉や魚は別の食品に汁などが付着しないよう、ビニール袋や容器に入れて保存します。
肉や魚、卵などに触る際には、触る前後に手指を洗浄することが大切です。
食品の下ごしらえ
下準備を行なう前には、石けんを使って十分に手洗いをしましょう。
手洗いは生の肉、魚、卵を触ったあとにも行ないます。
野菜などの食材は流水で洗浄し、肉や魚などの汁が調理が終わったものやフルーツやサラダのように生食するものに付着しないようにします。
調理器具の取り扱いにも注意が必要で、包丁やまな板は食品の種類別に使い分けるのが効果的です。
肉は肉専用の包丁とまな板を使い、魚は魚専用の包丁とまな板を使う、野菜は野菜専用の包丁とまな板を使うといった具合にです。
調理器具の使用後には十分に洗うだけでなく、熱湯をかけたり、キッチン用の殺菌剤を使ったりして殺菌しましょう。
ふきんやタオルを使った場合には熱湯で煮沸後、十分に乾かします。
冷凍食品の取り扱いは、使用するぶんだけを冷凍庫から取り出し、冷蔵庫や電子レンジで解凍するのがおすすめです。
自然解凍したり、同じ食品を何度も冷凍したり、解凍したりするのはよくありません。
食品の調理
調理を行なう前には十分に手を洗います。
また、耐熱性のある原因菌もいますが、肉や魚には十分に火を通すことが多くの食中毒の予防に効果的です。
加熱の温度の目安ですが、中心部を75℃で1分間以上かけて火を通すとよいでしょう。
食事
食事を摂る前には、石けんを使って手洗いをしましょう。
箸、皿などは清潔な状態のものを使用します。
出した料理を長時間、そのまま置きっぱなしにしておくのはやめましょう。
食品が残った
食べ残した食品を取り扱う前には手洗いを行ないましょう。
残したものを入れておく容器は清潔なものを使います。
食べ残した食品をあとで食べる場合には、しっかりと加熱を行なうことが大切です。
時間が経ちすぎている食品は悪くなっている恐れがあるため、捨ててしまうのが賢明な判断といえるでしょう。
ニオイがおかしいなど少しでもあやしい点がある食品は、絶対に食べてはいけません。
体調管理
過労、寝不足、過度なストレスにより、食中毒が起こりやすくなるといわれています。
十分に休養をとり、食中毒を招くリスクを低くしましょう。
また、適度な運動を習慣化したり、お風呂にゆったりつかったりといった具合に、自分なりの方法でストレスを発散しましょう。
洗濯
食中毒を起こしている可能性がある人の洗濯物は、一緒に洗濯機に入れて洗ってはいけません。
時間と手間はかかりますが、食中毒を起こしている恐れのある人の下着、衣類はわけて洗うことが大切です。
入浴
食中毒を起こしている可能性がある人は、最後に入浴しましょう。
また、浴槽のお湯は毎日新しいものを入れ直すことも大切です。
家族内に食中毒患者がいる場合、その人が入った風呂の残り湯で洗濯を行うのはやめましょう。
吐しゃ物の処理方法
床などに付着した患者の嘔吐物や糞便を片付ける際には、使い捨てのエプロン、マスク、手ぶくろを身に着けましょう。
嘔吐物や糞便の細菌・ウイルスが飛び散るのを防ぐため、静かに紙のタオルなどで拭き取ります。
拭き取ったあとの床などは、塩素濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭いて、拭いたあとには仕上げに水拭きを行ないます。
拭き取りで使ったペーパータオルなどはビニール袋に入れて密封し、捨ててしまいましょう。
ウイルス性食中毒は、乾いてしまうと空気中を浮遊するようになってしまいますので、乾く前に汚物の処理を完了させることが大切です。
布団などに急に吐いてしまったケースでは、静かに付着物を拭き取り後、洗剤を混ぜた水のなかで静かにもみ洗いを行ないます。
なお、もみ洗いを行なうときにはしぶきを吸い込むことを防ぐため、マスクの着用は必須です。
下洗いを行なったリネン類は、望ましい消毒方法で85℃で60秒間以上の熱水洗濯ですが、この方法が選択できないということであれば次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒でも効果はあります。
ただし、この場合には漂白が原因となって色が落ちてしまうことに注意が必要です。
そのほか、スチームアイロンをかけたり、乾燥機を使ったりする方法も有効です。
嘔吐のしかたと口内の嘔吐物の処理
仰向けの体勢で吐くと、嘔吐物がノドに詰まってしまいます。
最悪、窒息ということにもなりかねません。
寝ている状態では横向きの体勢で吐くことが大切です。
また、小さな子どもやお年寄りの場合、嘔吐物が口内にあれば使い捨ての薄いビニール製の手ぶくろをはめるなどして、かき出してあげることが大切です。
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