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空気嚥下症(呑気症)を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/09/04 胃・食道の病気

空気嚥下症(呑気症)とは

空気嚥下症(くうきえんげしょう)とは、主に精神面の問題によって、無意識に唾液と一緒に空気を飲み込む量が増加し、胃、食道、腸に空気がたまってゲップ、腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)といった症状が起こるようになった状態のことをいいます。
空気嚥下症は、またの名を呑気症(どんきしょう)といいます。

胃や腸が不調のとき、似たような症状が出現することがありますが、そのようなときだけでなく、日常的にゲップやお腹の張った感じが多い方は、空気嚥下症(呑気症)になっている可能性があります。

私たちは飲食時に、飲食物と共に少量の空気を飲み込んでおり、その程度の量の空気を飲み込む分には良いのですが、空気嚥下症(呑気症)の場合は飲食時に限らず、普段の暮らしの中で無意識に多量の空気を飲み込んでしまっているのです。

なお、飲食時に飲み込む空気の量は、炭酸飲料を飲む機会の多い方や、早食いのくせがある方は多くなります。
また、精神面の問題がある方は、不安・緊張で歯を噛み締める動作が多くなる傾向があります。

歯を噛み締めると舌が上あごに張り付いてのどの奥に唾液と空気が蓄積し、その唾液を飲み込むときに一緒に空気も飲み込んでしまいます。

このような歯の噛み締めによって起こる空気嚥下症(呑気症)のことを、噛み締め呑気症候群(かみしめどんきしょうこうぐん)といいます。

そのほか、ゲップをして摂取したものや胃液が逆流すると、胸焼けを起こして逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)を招いてしまうことがあります。

また、ストレスが多いために空気嚥下症(呑気症)を起こす方は、自律神経の異常によって過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)が重なってしまうリスクが高いといわれています。

空気嚥下症(呑気症)の原因

主に精神面の問題によって、無意識に唾液と共に飲み込む空気の量が増加し、胃、食道、腸に空気がたまってゲップ、腹部膨満感といった症状が起こるようになる空気嚥下症(くうきえんげしょう)。
この病気ですが、精神的な問題というのは具体的に何のことをさしているのでしょうか?

また、ほかに何か空気嚥下症(呑気症)の原因になり得るものはあるのでしょうか?

こういった疑問をお持ちの方のため、ここでは空気嚥下症(呑気症)の原因に関する情報をまとめていますので、お役立ていただければ幸いです。

空気嚥下症(呑気症)は何が原因で起こる病気なのか

健康状態に問題のない方でも、飲食時には飲食物と共に少量の空気を飲み込んでいます。
しかし、空気嚥下症(呑気症)の方は、飲食時だけではなく、普段の生活の中で無意識に多量の空気を飲み込んでしまいます。

一例として、仕事や他者との関わりの中などで不安・緊張状態になると、唾液をゴクリと飲み込みます。
その際、一緒に空気も飲み込んでいます。

こういったストレス状態が続いていると、無意識に飲み込む空気の量が増加し、胃、腸に貯留してゲップなどの症状が起こりやすくなります。

また、ゲップが出て摂取した飲食物や胃液が逆流すると、胸焼けが起こって逆流性食道炎を招くことがあります。

ストレスのせいで自律神経の異常により、過敏性腸症候群を併発することもあります。
それから、ゲップはまわりの人がいると出さないようにと我慢します。

そのことがまたストレスとなり、多量の空気を飲み込むという悪いサイクルができあがり、不安症(ふあんしょう)や鬱(うつ)状態になってしまうこともめずらしい話ではありません。

このようなことから、空気嚥下症(呑気症)の最大の原因はストレスとされています。
今はストレス社会といわれており、誰にでも空気嚥下症(呑気症)は起こり得る病気ということができます。

ストレス以外の原因はあるのか

歯を噛み締める回数が多い方に、空気嚥下症(呑気症)は起こりやすくなります。
上下の歯は、リラックス状態では離れています。

しかし、歯を噛み締めることによって舌が上あごに張り付き、のどの奥に唾液と空気が蓄積し、その唾液を飲み込むときに一緒に空気も飲み込んでしまいます。

このような歯の噛み締めによる空気嚥下症(呑気症)を、噛み締め呑気症候群といいます。

ストレスが多い方、鬱状態の方、神経症(しんけいしょう)傾向の方は不安・緊張で歯を噛み締める頻度が高く、噛み締め呑気症候群が起こりやすいです。

ストレスが多く噛み締め呑気症候群を起こす方は、自律神経の異常によって過敏性腸症候群が一緒に起こるリスクが高いといわれています。

空気嚥下症(呑気症)の症状

空気嚥下症(呑気症)を起こしている方には、さまざまな症状が起こり得ます。

以下に空気嚥下症(呑気症)の症状に関する情報をまとめていますので、気になるという方はチェックしてみてください。

空気嚥下症(呑気症)ではどのような症状が出現するのか

1回、唾液を飲み込めば、一緒に少量の空気も飲み込んでいます。
摂取した空気がのど、食道にたまるとそこで違和感が生じます。

そしてその違和感を唾液を飲み込むことでなくそうとすると、余計に多量の空気を飲み込むことになります。
また、胃に空気が胃部不快感、胃痛、上腹部の張った感じの症状が起こります。

胃の空気が逆流することによってゲップが出たり、空気が小腸を通って大腸にたまればオナラが出たりします。

噛み締め呑気症候群で出現する症状

歯の噛み締めによって起こる噛み締め呑気症候群では、噛み締めによる緊張が首や肩にまでひろがります。

あご、こめかみの痛み、頭痛、肩こり、眼の痛み、腕の痛み、フラつき、歯のすり減りやヒビ割れ、歯肉炎(しにくえん)といった症状が起こり得ます。

空気嚥下症(呑気症)の合併症

空気嚥下症で出るゲップで摂取したものや胃液が逆流すると、胸焼けが起こって逆流性食道炎を招くことがあります。
逆流性食道炎は胃液や摂取したものが逆流することにより、炎症や痛みが起こる病気です。

胸焼けや酸っぱいものがこみ上げてきてゲップが出る呑酸(どんさん)、胸の締め付けられるような痛み、咳(せき)、喘息(ぜんそく)、のどの違和感・痛み、ものが飲み込みにくい、声が枯れるといった症状が起こることがあります。

ほかには、ストレスが多いために空気嚥下症(呑気症)にかかる方は、自律神経の異常によって起こる過敏性腸症候群が一緒に起こることがあります。

過敏性腸症候群では強い腹部膨満感、頻繁なオナラ、腹痛、下痢、便秘といった症状が起こることがあります。

空気嚥下症(呑気症)の検査・診断

空気嚥下症(呑気症)にあてはまるような症状がある場合、何科へ行くのが適切なのでしょうか?
また、病院へ行った場合にはどのようにしてこの病気にかかっていることをあきらかにするのでしょうか?

ここでは、受診に適した診療科や空気嚥下症(呑気症)を調べる方法を解説させていただきます。

受診に適した診療科

空気嚥下症(呑気症)では、ゲップ、腹部膨満感、オナラ、胃の不快感、胃痛、胸焼け、頭痛、肩こり、眼の痛み、フラフラする、あごの痛み、こめかみの痛み、歯肉炎、歯のすり減り、歯のヒビ割れ、腕の痛みといった具合に、さまざまな症状が起こり得ます。

そのため、何科へ行けば良いのかということで、迷ってしまう方もいるでしょう。
この点に関してですが、ゲップや腹部膨満感、オナラといった典型的な症状が起こっている方は、まず消化器内科へ行くと良いでしょう。

仕事や人間関係などのストレスによって空気嚥下症(呑気症)に該当する症状が起こっているのではないかと思った方は、心療内科や精神科へ行くと良いでしょう。

また、噛み締め呑気症候群にあてはまるような症状が起こっている方は、歯科や口腔外科へ行けば対応してくれます。

空気嚥下症(呑気症)を調べる方法

空気嚥下症(呑気症)には、診断基準があります。
診断の半年以上前に症状が出ており、診断前3ヶ月間に対して基準にあてはまることが空気嚥下症(呑気症)の診断基準です。

空気嚥下症(呑気症)と診断するには、少なくとも1週間あたり数度、繰り返すわずらわしいゲップが出ること、客観的に認められる空気の飲み込みがあることの両方を満たしていなければいけません。
検査としては、別の病気の有無を確認します。

腹部X線検査(ふくぶえっくすせんけんさ)、上部消化管X線造影検査(じょうぶしょうかかんえっくすせんぞうえいけんさ)、上部消化管内視鏡検査(じょうぶしょうかかんないしきょうけんさ)、腹部超音波検査(ふくぶちょうおんぱけんさ)、腹部CT検査(ふくぶしーてぃーけんさ)などが医療機関で行なわれている検査です。

また、空気嚥下症(呑気症)で起こっている症状だけでなく、症状がひどくなったりやわらいだりする要素にまで目を向けて、最終的にこの病気と診断される形になります。

空気嚥下症(呑気症)の治療

医療機関へ行って空気嚥下症(呑気症)を起こしていることがわかった場合、どのような治療が行なわれているのでしょうか?

ここでは、空気嚥下症(呑気症)の治療について解説させていただきます。

空気嚥下症(呑気症)の治療方法

この病気に対する治療方法としては、薬物療法をあげることができます。
比較的軽症の方であれば消泡薬(しょうほうやく)、消化酵素薬(しょうかこうそやく)、消化管機能改善薬(しょうかかんきのうかいぜんやく)などの薬剤が、重症の方に対しては抗うつ薬(こううつやく)、抗不安薬(こうふあんやく)といった向精神薬(こうせいしんやく)といった薬剤が使用されています。

薬物療法以外では、噛み締めが原因で空気嚥下症(呑気症)を起こしている場合、マウスピースを製作することによって噛み締めるくせを直すと、症状が改善することがあります。

また、今はストレス社会といわれており、ストレスを避けて通ることはできません。
しっかりと休息・睡眠をとる、適度な運動、ゆっくり湯船に浸かる、買い物や旅行などの趣味を楽しむといった方法でストレスを解消しましょう。

また、物事に対して完璧を求めることなく、気持ちに余裕を持って前向きに生活を送ることが重要です。
そのほか、食生活の改善も大切です。

アルコール、炭酸飲料といった、お腹の中でガスが発生しやすいものはなるべく避けます。
また、甘いものや脂っこいもの、香辛料も避けるに越したことはありません。

そして食事は早食いではなくゆっくりと時間をかけて、十分に噛んで食べることを習慣かしましょう。

空気嚥下症(呑気症)の予防

空気嚥下症(呑気症)を防ぐために効果的な方法はあるのでしょうか?
このような疑問をお持ちの方もいることでしょう。

この点に関してですが、生活習慣を改善することによって空気嚥下症(呑気症)の予防につながります。

以下に空気嚥下症(呑気症)の予防方法に関する情報をまとめていますので、興味のある方はご一読ください。

ストレスを放置しない

空気嚥下症(呑気症)の一番の原因になるとされているのは、ストレスです。
ストレスは自覚しにくいものですが、知らないうちに蓄積されている可能性があります。

身体的・精神的な不調として表に出てくる前に、日々の暮らしの中で解消できるようにしましょう。

ゆっくり湯船に浸かる、十分に休息・睡眠をとるなど、屋内で行なえる効果的なストレス解消方法もありますが、家の中にこもりがちな方はぜひ外出しましょう。

散歩に出かける、有酸素運動のような適度な運動を習慣化する、ショッピングをする、友達に会う、映画鑑賞に行くなど、方法はたくさんあります。
ただ、ストレス発散を理由に暴飲暴食をするなど、不健康な方法は逆効果になるためやめましょう。

噛み締めるくせを直す

デスクワークなどうつむく体勢が続いていると、舌が上あごに張り付いて軽く歯を噛み締める動作を無意識にしてしまいます。

このような状態が慢性化すると、空気を多量に飲み込むこととなり、空気嚥下症(呑気症)を招いてしまうことになりかねません。

上下の歯が接している状態になっていないか、自分でチェックしてみましょう。
もし噛み締めることがくせになっていれば、改善することが大切です。

そのためにおすすめの方法としては、深呼吸をあげることができます。
深呼吸を行なうと、息を口から吐き出すときに歯の噛み締めがとれます。

デスクワークなどうつむく体勢が続くようなことをするときには、一定時間が経過するごとに深呼吸をするくせを付けるのも良いでしょう。
なお、深呼吸はストレスを緩和するためにも効果的です。

食事のとりかたを直す

早食いのくせがある方は、食べ物と共に多量の空気を飲み込むことになります。
たくさんの空気を飲み込むことは、空気嚥下症(呑気症)の原因になってしまいますので、該当する方は改善したほうが良いでしょう。

食事はゆっくりと時間をかけ、十分に噛んで食べることが大切です。

また、お茶やコーヒー、スープなどをズルズルとすすって飲むくせがある方も、これらのものを飲むときに同時に飲み込む空気の量が多くなるため直すに越したことはありません。
このような飲み方をやってしまっているという方は、改善したほうが良いでしょう。

食事のとりかたのくせは、自分では気づいていないこともあるため、家族などに聞いてみることもおすすめです。
そのほか、食事のメニューにも注意が必要です。

胃腸にかかる負担が大きい揚げ物類、ガスが含まれている炭酸飲料は、まったく摂ってはいけないというわけではありませんが、ほどほどにしておくのが空気嚥下症(呑気症)を防ぐためには大切です。

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