マロリー・ワイス症候群の原因・症状・治療
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最終更新日:2015/04/07
胃・食道の病気
マロリー・ワイス症候群とは、胃や食道の内圧が高まることで食道粘膜が裂け、出血する疾患のことをいいます。
粘膜だけ裂けるのが特徴で、胸腔(きょうくう)や腹腔(ふくくう)へと内容物が漏出することはありません。
出血は大出血になることもあり、出血性ショックによる死亡のリスクがあります。
マロリー・ワイス症候群の原因
マロリーワイス症候群の主な原因は、嘔吐を繰り返すことです。
飲酒をはじめ、暴飲暴食、食中毒、つわり、乗り物酔いなどにより嘔吐を繰り返していると引き起こされやすくなるのです。
マロリー・ワイス症候群の症状
マロリーワイス症候群の症状は、飲酒などによる嘔吐、胃の内容物を吐き出したあとの吐血や下血、みぞおちのところの痛み、立ちくらみなどが挙げられます。
痛みの症状が起こることもありますが、特発性食道破裂の疑いがあります。
吐血や下血などの出血症状に関しては、大出血になると出血性ショックを起こします。
最悪の場合には命を落とすことになりかねないのがこの病気の恐ろしいところです。
マロリー・ワイス症候群の検査と診断
マロリー・ワイス症候群であるかどうか診断するためには、食道の内視鏡検査が行われることになります。
胃カメラで状態を調べ、出血の状態を見ます。
マロリー・ワイス症候群の治療の方法
検査には内視鏡が用いられますが、出血症状がある場合にはその場で止血処置が施されることになります。
電気焼灼(でんきしょうしゃく)することにより止血する方法や、止血剤を塗布する方法、クリップを血管にかける方法が選択されるでしょう。
また、止血処置を施したあとは、入院が必要になることもあります。
入院することになると絶食をしたり、水分や栄養を補給するための輸液療法などが行われます。
そのほか、酸分泌抑制薬であるH2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬などを用いる薬物療法も選択されることがあります。
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