*

うっ滞性皮膚炎を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/12/23 心臓・血管の病気

うっ滞性皮膚炎とは

うっ滞性皮膚炎(うったいせいひふえん)とは、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)による血行障害で、ヒザ下3分の1に生じた皮膚炎のことをいいます。

中年以降の女性や日ごろ立ち仕事をしている方などによく起こっている症状です。
うっ滞性皮膚炎では色素沈着が伴うことが多く、かゆみが生じてかくことでただれてしまいます。

進行すれば循環障害のために潰瘍が形成されてしまい、治療が難しくなります。
また、ただでさえ静脈瘤が起こっているということで、うっ滞性皮膚炎は治りにくい病気です。

さらに、うっ滞性皮膚炎は、自家感作性皮膚炎(じかかんさせいひふえん)を招くこともあります。
自家感作性皮膚炎は、簡単にいうと発疹(ほっしん)が発疹をよぶ病気です。

うっ滞性皮膚炎に続発する形で、遅くとも数週間で胴体や手足、顔に小さな発疹が出ます。
発疹はほぼ左右対称に出て、眠れないほど激しいかゆみが伴うことも珍しくありません。

うっ滞性皮膚炎の原因

うっ滞性皮膚炎とは、静脈瘤による血流障害で、ヒザ下3分の1に発生した皮膚炎のことをいいます。

この病気に関し、どのような人に起こりやすいのか、どのようなメカニズムで起こるのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、うっ滞性皮膚炎の原因に関する情報をご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

うっ滞性皮膚炎が起こりやすい人

うっ滞性皮膚炎は静脈瘤による血行障害でヒザ下3分の1に皮膚炎が起こる病気であり、中年以降の女性に多いです。
したがって静脈瘤であることのほか、高齢であることや女性であることは、うっ滞性皮膚炎のリスクを高めます。

また長時間・長期間の立ち仕事をしていること、肥満であること、出産経験をしていることも、うっ滞性皮膚炎の原因になります。
そのほか、遺伝的な体質を持っていることが、うっ滞性皮膚炎の発症に影響するともいわれています。

うっ滞性皮膚炎が起こるしくみ

うっ滞性皮膚炎は、静脈瘤の影響が進行した場合に生じる病気です。

普通、脚の静脈には血液の逆流を防止する弁が備わっているのですが、この弁が壊れることで血液を上にかえすことができず、血流がとどこおってしまいます。

血流がとどこおることで皮膚に対して血管から酸素や栄養を与えることができず、皮膚炎や色素沈着といった症状が出現してしまうのです。

うっ滞性皮膚炎の症状

うっ滞性皮膚炎は、主にヒザ下に生じる慢性の皮膚炎です。
この病気ではいったい、どのような症状が出現するのでしょうか。

このような疑問をお持ちの方のため、ここではうっ滞性皮膚炎の症状について解説させていただきます。

うっ滞性皮膚炎で起こる症状

はじめは、長時間にわたり立って過ごしていた日や、長距離を歩いた日の夜にヒザ下にむくみが生じ、次の日の朝には軽減しているという症状が出ます。

むくみの症状をたびたび起こしていると、そこの皮膚に光沢感が出て、褐色の色素沈着が出ます。
さらに異変が進行すると、表面にかさぶたが付着した丸い皮膚の赤みが多発して、だんだん大きくなっていきます。

また、皮膚が赤くなる症状にはかゆみが伴います。
かくことによって皮膚はただれた状態=びらん化し、さらに進行すると循環障害のために潰瘍が形成されます。

うっ滞性皮膚炎が招く別の病気

うっ滞性皮膚炎は、自家感作性皮膚炎の元になることがあります。
自家感作性皮膚炎は元になる病気の症状が出現後、1~数週間が経過してそのまわりや顔面、胴体、手足など全身に小さな発疹が多発します。

発疹には非常に強いかゆみが伴い、眠れなくなるほどの激しさになることも珍しくありません。
かゆみでかくことにより、かいた場所に新しい発疹が生じることもあります。

また、発疹同士が融合して硬貨大の発疹になることや、足の裏や手のひらに大きな水ぶくれが生じてしまうこともあります。

自家感作性皮膚炎の発疹はほぼ左右対称に生じるのが特徴です。
また、発熱や体のだるさといった全身症状が起こるケースもあります。

うっ滞性皮膚炎の検査・診断

うっ滞性皮膚炎にあてはまる症状が出た場合には、何科へ行くのが適切なのでしょうか。
また、この病気が起こっていることを、どのようにして調べるのでしょうか。

以下に受診に適した診療科とうっ滞性皮膚炎を調べる方法を記載していますので、気になっている方はぜひご一読ください。

受診に適した診療科

うっ滞性皮膚炎は静脈瘤が原因となって起こる皮膚炎です。
何科へ行けば診療を受けることができるのか、疑問に思っている方もいることでしょう。
この点に関してですが、うっ滞性皮膚炎の原因や症状を考慮すると、皮膚科、形成外科、循環器外科、血管外科へ行けば対応してくれます。

また、中には静脈瘤を専門に扱っている医療機関もあるため、そのようなところで受診するのも良いでしょう。

うっ滞性皮膚炎を調べる方法

ドプラー血流計という血流を調べる検査が行なわれています。
プローベという器具を脚の皮膚表面にあてることにより、血流を音で調べることが可能です。
短時間で完了し、苦痛を伴うこともありません。

ドプラー血流計以外には、超音波(エコー)検査が行なわれています。
プローベを検査部位にあてることにより、内部の様子を画像として描出することが可能な検査です。

そのほか、急に皮膚炎がひどくなる場合には、外用薬や消毒薬が原因で接触皮膚炎(せっしょくひふえん)を起こしている疑いがあるため、パッチテストが行なわれています。

パッチテストは原因になっている疑いのある物質から作った試料を直接皮膚に貼り付け、後日みたときの皮膚の変化で判定する方法です。

うっ滞性皮膚炎の治療

うっ滞性皮膚炎を起こしていることがわかった場合に、医療機関ではどのような治療が行なわれているのでしょうか。
ここでは、うっ滞性皮膚炎の治療方法に関する情報を提供させていただきます。

うっ滞性皮膚炎の治療方法

うっ滞性皮膚炎では、皮膚の色素沈着を起こすことが多いです。
この症状に対しては、炭酸ガス注入療法が効果的です。

炭酸ガスの注入を細い針を通じて行なうことにより、症状を改善させることが可能です。
また、うっ滞性皮膚炎は静脈瘤が原因で起こる病気です。

静脈瘤の治療方法である血管内カテーテル治療を行なうことにより、症状が軽くなります。
カテーテルという細い管を血管に挿入し、先端より出る熱で血管を収縮させて閉じます。

そのほか、抗生剤やステロイド薬など、症状に適した外用薬が処方されるほか、医療用の圧力が強い弾性ストッキングや弾性包帯を身に着ける方法も効果的です。

日常生活における注意点

長時間にわたり立ちっぱなしでいることや、あまりに長い距離を歩くのは避けましょう。

頻繁にふくらはぎを動かすことや、ストレッチをほどこしたりすることも大切です。
休憩時間や眠るときには足を高くするのも効果的です。

そのほか、肥満はうっ滞性皮膚炎のリスクを高めてしまうため、食生活の見直しや適度な運動の習慣化など、健康的なダイエットに取り組みましょう。

関連記事

リンパ浮腫の概略や原因について

リンパ浮腫の概略や原因について リンパは体内の体液循環の1つで、リンパ管が静脈に沿ってほぼ全身

記事を読む

大動脈瘤を詳しく:原因・症状・検査・治療など

大動脈瘤とは 大動脈(だいどうみゃく)は体の真ん中を通って、心臓に直接つながっている一番太い動

記事を読む

期外収縮を詳細に:原因,症状,検査,治療など

期外収縮とは 期外収縮(きがいしゅうしゅく)は不整脈(ふせいみゃく)の一種 心臓の内

記事を読む

大動脈弁閉鎖不全症(大動脈弁逆流症)を詳しく:原因・症状・検査・治療など

大動脈弁閉鎖不全症(大動脈弁逆流症)とは 大動脈弁(だいどうみゃくべん)は、心臓の左心室(さし

記事を読む

バッド・キアリ症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

バッド・キアリ症候群(ばっどきありしょうこうぐん)とは、肝臓から流れ出る血液を運ぶ肝静脈(か

記事を読む

動脈・静脈の病気の原因・症状・治療

動静脈瘻の概略や原因について 血液は動脈から毛細血管を通り静脈へ流れるのが普通ですが、動脈と静

記事を読む

動脈硬化症の原因・症状・注意点・改善法

こちらでは、動脈硬化症の原因・症状・注意点・改善法について、ご紹介しています。 現代病と言われるま

記事を読む

狭心症を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

狭心症とは 狭心症(きょうしんしょう)とは、心臓へと栄養や酸素を送り込む血管である冠動脈(

記事を読む

心房細動を詳細に:原因,症状,検査,治療など

心房細動とは 心臓の内部は4部屋に仕切られており、上側の2部屋は右心房(うしんぼう)と左心

記事を読む

心房粗動を詳細に:原因,症状,検査,治療など

心房粗動とは 心臓の内部は上下左右の4部屋に区切られており、上側の左右2部屋を左心房(さし

記事を読む

酒さ様皮膚炎を詳しく:原因・症状・検査・治療など

酒さ様皮膚炎とは 酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)とは、長期間、顔に副腎皮質(ふく

近視を詳しく:原因・症状・検査・治療など

近視とは 眼に入ってきた光が角膜(かくまく)、続いて水晶体(すいしょうたい)を通って

急性胆のう炎を詳しく:原因・症状・検査・治療など

急性胆のう炎とは 急性胆のう炎(きゅうせいたんのうえん)とは、肝臓で産生された胆汁(

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)を詳しく:原因・症状・検査・治療など

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)とは 涙は悲しいできごとがあったときや、感動し

ロコモティブシンドロームを詳しく:原因・症状・検査・治療など

ロコモティブシンドロームとは ロコモティブシンドローム(ろこもてぃぶしんどろーむ)と

→もっと見る

PAGE TOP ↑