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アカントアメーバ角膜炎を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/07/04 目の病気, 感染症

アカントアメーバ角膜炎とは

アカントアメーバ角膜炎(あかんとあめーばかくまくえん)とは、アカントアメーバという微生物が角膜に感染して起こる病気です。

感染者の約90%は、コンタクトレンズの装用者が占めているといわれています。
普通の抗生物質が効果を発揮せず、非常に治りにくい角膜感染症で、重症化しやすいのがやっかいなところです。

場合によっては何ヶ月間にもわたって治療を継続しなければいけなくなることがあり、強い角膜の濁りを残して角膜移植をする以外に手のほどこしようがなくなるという問題が起こり得ます。

また、アカントアメーバ角膜炎は、失明を起こし得る病気でもあります。
アカントアメーバ角膜炎は、過去には非常にまれな病気でしたが、いまでは増加しています。

感染者が増加した一番の理由とされているのはコンタクトレンズの装用者が正しいケアを行なっていないことです。

アカントアメーバ角膜炎の原因

アカントアメーバ角膜炎を起こすのは、病気の名前にあるアカントアメーバです。

アメーバというと、途上国の汚染された飲食物や性行為でかかるアメーバ赤痢(あめーばせきり)の知名度が高いですが、角膜炎を起こすものとは種類が同一ではありません。

アカントアメーバの特徴

アカントアメーバは日本人の身近なところで普通に生息している微生物です。
土壌、公園の砂、川、沼、水道水、家の中のホコリ、洗面所などの水まわりにもいます。

どこにでもいる微生物のため、根絶やしにすることはできません。

アカントアメーバ角膜炎は失明の原因にもなり得る病気のため、アカントアメーバがどこにでも普通に生息しているといわれると、恐怖心を抱く方もいるのではないでしょうか。

しかし、健康な方が少し接触した程度ではアカントアメーバによる角膜炎にかかってしまうことはありません。

人間に備わっている免疫システムによって、アカントアメーバの侵入を簡単に許してしまうことはないです。
身近なところにいる微生物ではあるものの、普通は無害なのがアカントアメーバです。

アカントアメーバ角膜炎が起こるしくみ

先述のとおり、健康な方にアカントアメーバによる角膜炎が起こることはありません。
しかし、眼の角膜が傷つくと、その傷を侵入口としてアカントアメーバの侵入を許す可能性が出てきます。

コンタクトレンズを装用することによって、角膜が傷つきやすくなります。
また、アカントアメーバは細菌をエサにすることによって増殖します。

一つのコンタクトレンズを長期装用する、コンタクトレンズにさわる前の手洗いを行なっていない、保存液の交換や十分なこすり洗いとすすぎを行なわずに消毒できていない、毎回ケースを洗って十分に乾燥させることをしない、定期的にレンズケースを新しいものに交換していないといった悪習慣で、コンタクトレンズやコンタクトレンズのケースが細菌に汚染された状態でほうっておくと、アカントアメーバが増殖して角膜に感染するリスクが高まります。

アカントアメーバ角膜炎の症状

アカントアメーバ角膜炎にかかると、眼のさまざまな症状が起こります。
角膜感染症の中で、アカントアメーバ角膜炎は一番重症とされています。

アカントアメーバ角膜炎にかかることで出現する症状

アカントアメーバ角膜炎は進行が非常に遅く、初期のころは自覚症状があまりありません。

このことから、異変に気づいて医療機関へ行ったときには、すでに相当に進行していたということも少なくないです。
進行すると慢性的な眼の充血、痛み、視力が落ちる症状が出現します。

ほかの感染に比べて、アカントアメーバ角膜炎の眼の痛みは激しく出るのが特徴です。
目やに、涙の量も増加します。

ひどい場合には角膜が白濁し、角膜に孔(あな)があいたり視力が極端に落ちたりして、失明してしまうこともあります。

アカントアメーバ角膜炎の検査・診断

アカントアメーバ角膜炎は、初期ではあまり自覚症状が出ず、目立った症状が出るようになったころにはかなり進行しているといえます。

アカントアメーバ角膜炎は進行すると視力が極端に下がることや、失明してしまうこともあります。
少しでも眼がおかしいと感じたときには、その症状を放置することなくできるだけ早く眼科へ行きましょう。

なお、現状で何も異常がないという方も、とくにコンタクトレンズの装用をしている方は、眼の定期検診を受けることをおすすめします。

アカントアメーバ角膜炎を調べる方法

アカントアメーバ角膜炎を自己診断するのは困難といえるでしょう。

コンタクトレンズを装用している方で、アカントアメーバ角膜炎と似たような症状が出現する眼病は数多く存在するためです。
症状が何の病気によるものなのかを知り、適切な処置をほどこすためには、医療機関へ行く必要があるでしょう。

ただ、アカウントアメーバ角膜炎は、医療機関でも出現している症状のみで診断するのは困難な場合があります。
そのため、眼をこすってとり出した標本を染色し、顕微鏡でみてみることによってアカントアメーバを探します

顕微鏡を観察してアカントアメーバが発見されれば診断がつきます。
また、病原体を培養する検査も行なわれています。

アカントアメーバ角膜炎の治療

アカントアメーバ角膜炎は特効薬がありません。
そのため、一度かかってしまうと非常に改善しにくい病気です。
完治までには数ヶ月間を要するのが普通です。

アカントアメーバ角膜炎の治療方法

先述のとおり、アカントアメーバ角膜炎の特効薬というものはないです。
そのため、治療は抗真菌薬や消毒薬を眼にさし、アカントアメーバによって侵された角膜の表面を削るなど、さまざまな方法を併用する形をとることになります。

また、長期間を費やして完治しても、大きな傷が角膜に残り、視力が落ちたままで、角膜を移植する手術を受けなければいけなくなることもあります。

治療上の注意点

アカントアメーバ角膜炎は、しっかりと治療を受けなければ視力障害が残ってしまう感染症です。

もうよくなったと自己判断をして、治療を途中でやめることをしてはいけません。

医師が治った、通院の必要はないと判断するまで、根気よく治療を続けることが大切です。

アカントアメーバ角膜炎の予防

アカントアメーバ角膜炎は、ひとたび感染すると診断・治療が難しい病気です。
感染者のほとんどはコンタクトレンズ装用者で、取り扱いが不適切なことが原因になっています。
適切な取り扱い方法を把握し、アカントアメーバ角膜炎を予防しましょう。

コンタクトレンズの装用時間や使用期間を破らない

コンタクトレンズは1日の連続装用可能時間が指定されています。

その時間を過ぎて装用していると、角膜を傷つける原因になり、アカントアメーバの侵入を許すことにつながってしまいます。

また、コンタクトレンズの1日、14日間、30日間といった使用期間を過ぎて使い続けることや、コンタクトレンズをつけたまま眠ることも避けなければいけません。

コンタクトレンズにさわる前には手洗いをする

コンタクトレンズをつけるとき、外すときには事前に必ず石けんを使って手を洗いましょう。

手洗いを怠ることによって、手の雑菌、アカントアメーバがコンタクトレンズにうつってしまう原因になります。

MPS消毒液の継ぎ足しをしない

MPS消毒液自体、消毒力が低く、アカントアメーバに対しほぼ効果がないといわれています。

そのMPS消毒液を継ぎ足しで使用するということは、消毒力を弱める原因になるだけでなく、ケースの中に細菌とアカントアメーバが残留している可能性が高いです。
毎回、MPS消毒液は必ず捨てて、新しい液を使用しなければ危険です。

消毒前はコンタクトレンズをこすり洗いし、すすぐ

MPSを使用する方は、コンタクトレンズは十分にこすり洗いをし、すすぎを行なったうえで消毒します。

これによりレンズ表面についている大部分の雑菌を落とすことが可能です。

アカントアメーバは細菌を食べて増殖するため、エサを与えないために必要なケアです。

指定の消毒時間を破らない

指定されているコンタクトレンズの消毒時間は守りましょう。
指定時間より短い消毒では、十分な殺菌効果を得ることができません。

消毒後のコンタクトレンズは必ずすすぐ

アカントアメーバ角膜炎の原因となるアカントアメーバは、消毒だけで全滅させることはできません。

そのため、消毒をしたコンタクトレンズのすすぎを行なうことなくつけるのは避ける必要があります。

使用のたびにレンズケースを洗い、乾かす

レンズケースは毎回、使用するたびに必ず洗浄して、十分に乾燥させます。
しっかり乾かすのを怠ると、水分中にアカントアメーバが残留してしまう原因になります。

定期的に新しいレンズケースに変える

レンズケースのケアを徹底的に行なっていても、アカントアメーバを完全に取り除くことができていない場合があります。

長期間にわたって同じレンズケースを使用していると、生き残っているアカントアメーバが徐々に増えてくる原因になります。

コンタクトレンズ学会や眼感染症学会は、3ヶ月ごとに新しいレンズケースに変えるようよびかけをしています。

定期検査を受けに行く

いまはネット通販で手軽にコンタクトレンズを購入することが可能となっています。
そしてそのことにより、定期検査を受ける人の率が低下していると指摘されています。

定期検査を受けることは、眼の障害の早期発見・治療につながります。
自覚症状がない眼の障害を発見することも可能です。

また、コンタクトレンズが眼に合っているか、コンタクトレンズの傷、汚れ、破損、変形などを調べることも可能です。

適切にコンタクトレンズを取り扱っていても、コンタクトレンズという眼に負担がかかる異物を眼に入れている以上、生涯にわたり眼の障害と無縁でいられるとは限りません。

定期検査を受けることを習慣にすることで、より長く安全にコンタクトレンズの装用を続けていけるようにしましょう。

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