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鼻涙管閉塞を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/04/21 目の病気

鼻涙管閉塞とは

上まぶたにある涙腺(るいせん)より、涙は分泌されています。
涙は眼の表面を流れ角膜(かくまく)・結膜(けつまく)に潤いをあたえ、一部は蒸発します。

残りは目頭(めがしら)にある涙点(るいてん)という小さい穴に吸収され、涙小管(るいしょうかん)、涙嚢(るいのう)、鼻涙管(びるいかん)、下鼻道(かびどう)を通過して排出されます。
涙嚢から鼻涙管にかけての涙の通路のことを、涙道(るいどう)をいいます。

涙道のどこかが閉じてしまった状態になることを、鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)といいます。
閉じているわけではなく、狭まった状態になることを、鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)といいます。

鼻涙管閉塞の原因

涙道のどこかが閉じてしまった状態を鼻涙管閉塞とよびます。
この鼻涙管閉塞には、先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)と後天性鼻涙管閉塞(こうてんせいびるいかんへいそく)の2種類があります。
ここでは先天性鼻涙管閉塞と後天性鼻涙管閉塞の特徴を解説させていただきます。

先天性鼻涙管閉塞

このタイプの鼻涙管閉塞は、鼻涙管が開通していないまま生まれてくることが原因となって起こります。
新生児の5~30%がこのような状態で生まれてくるといわれています。

涙の通路がないことで細菌感染を起こして、涙嚢に炎症が生じる新生児涙嚢炎(しんせいじるいのうえん)を招いてしまうリスクがあります。

後天性鼻涙管閉塞

このタイプの鼻涙管閉塞は、男性と比較して女性の割合が高く、年齢層では壮年期以降の割合が高いです。
女性に多い理由としては、もともと涙の通り道が細いことをあげることができます。

後天性鼻涙管閉塞を起こす原因としては、ほかに鼻炎(びえん)や副鼻腔炎(ふくびくうえん)など鼻の病気をあげることもできます。
鼻の手術を受けたあとに起こる後天性鼻涙管閉塞もあります。

また、このタイプの鼻涙管閉塞は慢性涙嚢炎(まんせいるいのうえん)を招いてしまうリスクがあります。

鼻涙管閉塞の症状

鼻涙管閉塞には先天性鼻涙管閉塞と後天性鼻涙管閉塞があります。
先天性鼻涙管閉塞は生まれた直後にはすでに生じており、軽い鼻の形の異常といわれています。

これに対し、後天性鼻涙管閉塞は、副鼻腔炎や鼻の手術を受けたあとなど、鼻の粘膜が悪い方に生じるリスクが高いです。

この鼻涙管閉塞ですが、起こった場合には一体どのような症状が出現するのでしょうか。
以下にまとめていますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。

出現する症状とは

鼻涙管狭窄では涙の通り道が狭まってしまっているために、眼から鼻までの涙の流れが悪くなっています。
一方の鼻涙管閉塞では、涙の通り道が塞がってしまっているために、眼から鼻までの涙の流れがまったくなくなってしまいます。

そのため、涙の通り道の中では細菌感染することがあります。
左右の眼の一方、または両方から絶えず目やにが出る、涙が出る、潤むなどの症状が出現します。

涙嚢炎といって、涙嚢に炎症が生じる病気になるリスクもあります。
また、生まれて間もない時期に、鼻涙管閉塞と似た異常が起こる病気があります。

その病気の名前は新生児結膜炎(しんせいじけつまくえん)といいます。
新生児結膜炎を起こしている場合には、まぶたが赤くはれる、結膜が充血するといった症状が出現します。

鼻涙管閉塞の検査・診断

常に左右の一方の眼、または両方の眼より目やにが出る、涙が出る、潤むといった症状が出ている場合には、鼻涙管閉塞を起こしている疑いがあります。

このような症状が出ている場合には、医療機関で受診しましょう。
ここでは、受診に適した診療科や鼻涙管閉塞を調べる方法をご紹介します。

受診に適した診療科

鼻涙管閉塞にあてはまる症状が起こっている場合に、何科へ行けば良いのでしょうか。
中にはこのことが気になって、どこの病院へ行くかで迷ってしまう方もいることでしょう。

この点に関してですが、鼻涙管閉塞を疑うような症状があれば、眼科へ行けば診療を受けることが可能です。
早く行けばその分、早く良くなる見込みがありますので、放置することなくできるだけ早く医療機関へ行くことをおすすめします。

調べる方法

鼻涙管閉塞を起こしているかどうかを確かめる方法として、涙道通水試験(るいどうつうすいしけん)という検査があります。
これは涙の通り道である涙道に生理食塩水を流すことにより、鼻まで水が通るかどうかを確認する検査です。

鼻まで水が通ることなく逆流してくると、鼻涙管閉塞と診断されることになります。
また、鼻まで水が通らなければ、細い針金状の涙道ブジーを挿入し、塞がっている位置を探ります。

そのほか、逆流する生理食塩水中に多量の粘膜や膿(うみ)が混じっていれば、涙嚢炎が起こっている疑いがあります。

鼻涙管閉塞の治療

鼻涙管閉塞には先天性鼻涙管閉塞と後天性鼻涙管閉塞があり、どちらが起こっているのかで治療方法に違いがあります。
ここでは鼻涙管閉塞の治療について取り上げますので、気になるという方は以下の内容をご覧ください。

先天性鼻涙管閉塞の治療方法

このタイプの鼻涙管閉塞の場合、症状が重くなければ涙嚢のマッサージをほどこし、抗生物質を点眼します。
こういった治療により、自然開通を待ちます。

涙嚢のマッサージと抗生物質の点眼だけで自然開通しない場合には、涙道ブジーが選択されることになります。
細い針金状の涙道ブジーを鼻涙管に通し、涙の通り道を閉塞させている膜を破ることで、流れるようにさせる手術です。

後天性鼻涙管閉塞の治療方法

後天性鼻涙管閉塞を起こしている場合には、涙道ブジーを行なっただけではすぐに再発してしまいます。
そのため、涙道ブジーとはまた違った治療方法が行なわれています。

たとえば、細く柔軟なシリコンチューブをひと月ほど鼻涙管に入れたままにしておくシリコンチューブ留置術(りゅうちじゅつ)があります。

シリコンチューブ留置術のほかには、塞がっている鼻涙管には手を着けず、鼻骨を削り直接に鼻腔(びくう)と涙嚢をつないで涙を流す通路をつくる涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)があります。

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