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近視を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2019/01/12 目の病気

近視とは

眼に入ってきた光が角膜(かくまく)、続いて水晶体(すいしょうたい)を通って屈折し、眼球の奥にあって光を感じる神経の膜である網膜(もうまく)に焦点を合わせることによってモノが見えるようになっています。

水晶体のまわりには小さな筋肉が備わっており、水晶体の厚みを加減することによって焦点調節を行なっています。

このような眼の機能のことを調節力といいます。
なお、調節力が働いていない状態は、水晶体が一番薄い状態です。

調節力が働いていない状態で、遠くから入ってくる光が網膜にちょうどよく焦点を結ぶ眼のことを正視(せいし)といいます。
遠くのモノも、近くのモノもよく見えるのが正視の特徴です。

一方、調節力が働いていない状態で、網膜より前に焦点を結ぶ眼のことを近視(きんし)といいます。

近視は近くのものは比較的よく見えるのですが、遠くのモノはぼやけて見えてしまうのが特徴です。

近視とは反対に、調節力が働いていない状態で、網膜より後ろに焦点を結ぶ眼のことは遠視(えんし)といいます。

遠視は遠くはよく見える眼というイメージ強い人もいるでしょうが、実際には遠くも近くもよく見えないというのが遠視の特徴です。

近視の原因

近視の原因は、現状において完全に解明されているわけではありません。
ただし、遺伝的な要因と環境的な要因が関係しているという見方がされています。

遺伝と近視

近視の悪化についてのいろいろな研究が、世界中で行なわれています。
その中で、母親と父親の両方が近視の子どもは、母親と父親の両方が近視ではない子どもと比較して、8倍も近視になるリスクが高いという報告があります。

また、母親と父親の片方だけが近視の子どもは、母親と父親の両方が近視ではない子どもと比較して、近視になるリスクが2倍高いという報告があります。

成長期と近視

遺伝的因子に加えて、成長期には眼球の発育により眼の表面から網膜までの距離が長くなり、近視が起こりやすいとされています。

また、夢中になってTVゲームで遊んだり、本を眼に近づけて読んだりすることで、眼のピントを調節する役割を担っている筋肉が疲れて、近視が悪化するといわれています。

多くの場合、近視は在学中に一番発生したり、悪化したりするために、学校近視(がっこうきんし)という名前が使用されています。

パソコンなどのディスプレイを見続けることと近視

パソコンなどの画面上では、大量の小さい点が密集して文字や画像が構成されています。
この点は1秒間で数十回の速度で点滅しており、画面を見続けることで眼が疲れてしまいます。

このようなことが続くと、水晶体の光を屈折する力が過度に強くなり、屈折性近視(くっせつせいきんし)を招くことがあります。

毎日、長時間にわたりパソコンを操作するような仕事に従事する人や、趣味でパソコンを使用する人で、ディスプレイを見続けて眼を酷使することによる近視が増加しています。

本を読む姿勢や部屋の明るさと近視

眼の表面より網膜までの距離が長すぎることによる軸性近視(じくせいきんし)は、遺伝によるものが多いです。

しかし、寝転がっての読書、照明が薄暗い場所で勉強や細かい作業を行なっていると、軸性近視を助長してしまう可能性があります。

精神的ストレスと近視

精神的ストレスは自律神経のバランスを狂わせます。
すると、筋肉がこわばったり血液の流れが悪くなったりします。

こうしたトラブルの影響を眼が受けることによって、眼の疲労を招いて視力が落ち、近視になることがあります。

病気と近視

年齢の高まりにともない発病のリスクが高まる白内障(はくないしょう)は、水晶体が白くにごって、悪化すると視界がぼやける病気です。

中でも水晶体の中心部ににごりが生じると、屈折力が強まって遠くのモノに焦点を合わせにくくなります。

また、眼球に入る光の量を加減したり、眼球内に栄養を与えたりするブドウ膜の炎症や、視神経の病気が原因で視力が急に落ちてしまうことがあります。

近視の症状

近視には軸性近視と屈折性近視の2タイプがあります。
また、近視は単純近視(たんじゅんきんし)と病的近視(びょうてききんし)に大別されています。

そのほか、仮性近視(かせいきんし)と本当の近視というわけかたもされています。

軸性近視と屈折性近視

角膜から網膜までの距離のことを眼軸(がんじく)といいます。
眼軸が長すぎると、水晶体の厚みが十分に減っても、網膜のうえで焦点が合いません。
網膜より前で焦点が合ってしまいます。

このようなタイプの近視のことを、軸性近視といいます。
近視は多くの場合、軸性近視です。

これに対して屈折性近視ですが、眼の角膜・水晶体の屈折力が過度に強いことで、遠方を見たときに網膜のうえで焦点が合いません。
網膜の手前で焦点が合ってしまいます。

単純近視と病的近視

単純近視は学校近視ともいいます。
これは遺伝的な要因や環境的な要因などの影響によって、小学校高学年から中学校あたりで起こる近視です。
病気というより、体格と一緒の個人差です。

在学中に起こることが多いという理由でまたの名が学校近視であり、多くの近視はこの単純近視です。
一方、ごく一部の近視は幼児期に起こり、悪化します。

眼軸が長すぎることによる強度の近視で、メガネを装用しても大してよく見えるようになりません。

また、眼球が相当に大きくなっているため、網膜が引き伸ばされていちじるしく薄い状態になっており、眼を軽くぶつけただけで網膜の中心部がひび割れや出血で萎縮(いしゅく)したり、眼底から網膜がはげてくる網膜剥離(もうまくはくり)を起こしたりといったトラブルを招いてしまいます。

このようなタイプの近視のことを、病的近視といいます。

なぜ起こるのか原因は未だ解明されていませんが。遺伝が関わっているのではないかといわれています。
矯正を行なっても、幼児が遠方も近方も見づらくしている様子であれば気をつけなければいけません。

仮性近視と本当の近視

仮性近視は偽近視(ぎきんし)や調節緊張(ちょうせつきんちょう)ともよばれているもので、本当の近視と区別されます。
長く近くを見続けていると、焦点を合わせている筋肉が緊張状態になることがあります。

長く緊張状態が続くと筋肉がこりかたまり、遠方に視線を向けたときに緊張がとけずにぼやけて見えてしまいます。

この状態が仮性近視であり、近視がないのに視力が低いなどの症状が認められます。
仮性近視は治療によっても視力が改善せず、近視になってしまうリスクもあります。
大部分の近視はこの仮性近視の状態が固定化したもので、早期に視力の低下を発見することが重要です。

2014年度の文部科学省による情報では、0.7に届かない割合は、幼稚園児で9%、小学生で19%、中学生で41%、高校生で51%です。

近視の度が強いことで起こりやすくなる病気

強度近視の眼に生じやすい病気のひとつとして、飛蚊症(ひぶんしょう)をあげることができます。
飛蚊症は蚊やごみのようなものなどが視界にうつり込むものです。

眼球内の大半を占めている透明なゲル状組織である硝子体(しょうしたい)ににごりが生じて異物が浮いているように見えます。

とくに明るい空や白い壁などをバックにして見るとにごりがよくわかります。
また、読書中ににごりが気になり、邪魔に感じたりすることがあります。
この硝子体のにごりは中年以降に発生することが多いです。

しかし、近視があると若いうちに硝子体のにごりを認めることが多く、通常は放置していることで悪化しませんが、網膜剥離を招くことがあるため気をつけなければいけません。

網膜剥離は網膜が眼底からはがれてくる病気で、視野が狭まったり視力が低下したりし、放置しておくと失明にいたってしまいます。

そのほか、強度近視では緑内障(りょくないしょう)、白内障、黄斑部変性(おうはんぶへんせい)といった病気も起こりやすくなります。

近視の検査・診断

説明不要かもしれませんが、近視は眼科へ行けば診察・検査を受けることが可能です。
治療方法は診察・検査の結果で決定されることになります。

近視を調べる方法

眼科では、視力検査のあとに眼の調節力を働かなくさせて、正確な屈折状態を調べます。

水晶体の厚みを調節する役割を担っている筋肉の活動を一時的に休ませる目薬を使用するなどして、調節力を働かなくさせます。
視力の低下は近視だけとは限りません。

遠視や乱視(らんし)による視力の低下もあります。
また、仮性近視でも視力が下がっていることはあります。

調節力をなくして正確な屈折状態を調べる検査を行なうことにより、近視なのかどうかがわかります。
そのほか、眼科では眼の病気の有無も調べます。

点眼薬の注意点

眼の調節力を働かなくさせる点眼薬をさすと、長ければ2日ほど焦点が合いにくくなります。
また、瞳が大きくなっているために、まぶしく感じます。

受診のタイミングをうまく調整し、生活に支障をきたさないようにしましょう。

近視の矯正・治療

近視の矯正方法としては、メガネやコンタクトレンズの装用をあげることができます。
また、近視の治療方法としては、点眼薬をさす方法と手術による方法をあげることができます。

近視の矯正方法

近視の矯正には中央部分が周辺部分に比べて薄いレンズが使用されています。
このような形状のレンズのことは、凹(おう)レンズといいます。

凹レンズには焦点を遠くにする効果があり、近視の人がその人に合った度の凹レンズを装用することにより、網膜に焦点が合って遠くがはっきり見えるようになります。

メガネやコンタクトレンズによる矯正方法がありますが、近視があるというだけで、日常生活に害がなければすぐにメガネを装用しなければいけなくなるというわけではありません。

子どもでは黒板の文字がはっきり見えないという問題が生じてきた段階で、メガネの装用をはじめるのがよいでしょう。
また、メガネは一日中かけっぱなしにしていなければならないというわけでもありません。

授業中に黒板の文字を見るときなど、遠くにあるモノを見続けるときのみかけて、家庭学習や本を読むときなど手元を見続けるときはメガネをかけないという使いわけをすればよいのです。

なお、メガネをかけたり外したりを繰り返していて、近視の度が悪化するという心配はありません。
一方のコンタクトレンズについてですが、眼の黒眼部分に接触させて使うレンズです。

メガネでは、とくに度が強い近視では外見的に眼が小さく見えてしまう問題があり、このようなことなどを理由にメガネを装用したくないという人に好まれています。
また、動きの激しいスポーツをする人にも、コンタクトレンズは好まれています。

コンタクトレンズでは、左眼と右眼の視力差が大きすぎてメガネを使用することができない人でも矯正が可能です。

また、メガネのように曇ることがなく、視野が大きくなるというのもコンタクトレンズが持っている強みです。
ただし、適切に取り扱わなければ眼を傷めてしまうリスクがあります。

コンタクトレンズの着け外しに慣れるまで時間がかかったり、ゴロゴロするなどと表現される異物感が気になったりすることもあります。
なお、コンタクトレンズのみの装用ではなく、メガネとの併用が推奨されています。

家に帰ってきたらコンタクトレンズを外してメガネをかける、休みの日はメガネで過ごすといったことで、眼を休ませてあげることができるためです。

また、角膜が傷ついたり結膜炎(けつまくえん)を起こしたりといったトラブルが生じて、コンタクトレンズの装用が無理なあいだも、メガネがあれば見えなくて困るようなことになりません。

近視の治療方法

目薬をさす治療方法は、近視になりかけている仮性近視の段階で行なわれることがあります。

仮性近視は、長く近くを見続けていることにより、水晶体の厚みを加減する筋肉が極端に緊張して水晶体が厚さを増し、一時的に近視の状態になっていると思われるときで、眼の調節力を働かなくさせる点眼薬を使うこともあります。

手術としては、放射状角膜切開術(ほうしゃじょうかくまくせっかいじゅつ)、レーザー角膜切除屈折手術(れーざーかくまくせつじょくっせつしゅじゅつ)、レーザー角膜内切削形成術(れーざーかくまくないせっさくけいせいじゅつ)といった方法があります。

まず、放射状角膜切開手術ですが、RK(アールケー)とよばれている手術方法でもあります。
RKはRadial Keratotomyの略で、放射状角膜切開手術はこの日本語訳です。

眼球の角膜中心部から放射状に切開を入れることにより屈折率を変えて、近視を矯正する一番古い手術方式です。

次にレーザー角膜切除屈折手術ですが、PRK(ピーアールケー)ともよばれているもので、PhotoRefractive Keratectomyの略です。

レーザーを使って角膜の表面を削り、屈折率を変えることによって近視を矯正する手術です。
そしてレーザー角膜内切削形成術ですが、これはLASIK(レーシック)ともよばれている手術です。

レーザー角膜切除屈折手術は角膜表面を直接削りますが、レーザー角膜内切削形成術では、角膜表面ではなくその内側にレーザーを照射して、屈折率を変えることにより近視を矯正します。

なお、度の強い近視に対しては効果が低く、安定した視力を得ることができない人や、合併症や後遺症が出てしまうリスクもあります。
治療を受けるにあたっては、しっかりとデメリットやリスクに関することまで話を聞いて、納得したうえで受けることが重要です。

また、近視の中でも病的近視に関しては、効果のある治療方法が確立されていないというのが現状であり、研究が行なわれています。
網膜剥離や眼底出血(がんていしゅっけつ)といったトラブルを招かないように気をつけ、招いてしまった際にはすぐに手術をしなければいけません。

そのほかの近視治療

仮性近視の改善を促進する方法として、ワックという機器を使った視力訓練法があります。
望遠鏡のような装置で、その中をのぞきこむことにより、両眼で遠近感のある画像を5分間にわたって見ているだけです。
途中、画像が何度か違った画像に切りかわるため、子どもでも飽きずに見ていることができます。

近づいたり離れたりする画像を眼で追っているうちに、水晶体のまわりの筋肉がゆるんだり縮んだりを繰り返して緊張がとけ、水晶体の厚さも繰り返し変わり、仮性近視の改善が促進されます。

このほか、子どもの近視の悪化を抑制する効果を狙った、MCレンズというメガネレンズがあります。
近視の進行に影響をおよぼすとされている環境的な要因に、手元で行なう作業があります。
近くのモノを見るときには、眼の筋肉を動かしてピント合わせをしようとします。

この機能のことを調節といいますが、近くのモノを見るときに必要な調節を助けることで、近視の悪化を抑制することができると考えられています。
そしてこの方法を取り入れたメガネレンズのことを、MCレンズといいます。

岡山大学眼科での4年間にわたる近視進行抑制の実証研究の結果、通常の単焦点眼鏡と比較してMCレンズのほうが15%近視の抑制に効果があったということが示されました。
近視があることがわかり、できるだけ早い時期に装用を開始することが推奨されています。

なお、できる限り、起きているあいだはMCレンズを外さず過ごすことが推奨されており、かけたり外したりすることが多いと、効果を得ることができなくなる場合があるとされているため注意が必要です。

オルソケラトロジーという、角膜の形を矯正するコンタクトレンズを装用する治療法もあります。

眠っているときに専用のコンタクトレンズを装用し、起きているあいだはレンズを外して裸眼で過ごすことが可能です。
眠っているあいだに角膜が矯正されます。

オルソケラトロジーは軽度から中等度の近視に向いている方法で、強度近視やほかの眼の病気がある場合には向きません。

また、手術とは異なり、オルソケラトロジーはしばらくレンズを装用せずにいると元どおりになります。
若いほど効果を得やすく、長く持続するという特徴もあります。

そのほか、ICL(Implantable Collamer Lens)手術という治療方法もあります。
眼の中にレンズを挿入することにより、近視を矯正する方法です。

LASIKを行なうことができない、強度近視に対して行なうことが可能であり、レンズをとりかえることによる度数調整を行なうこともできます。

ただし、21歳未満の人、白内障、緑内障などの眼の病気、重篤な糖尿病(とうにょうびょう)など重篤な全身疾患がある人、妊娠中や授乳中の人など、手術を受けることができない人もいます。

また、ほかの手術と同じように、合併症を起こすリスクなどもあります。
どの治療を受けるにしても、事前に十分な説明を受け、納得したうえでどうするか決めることがたいへん重要です。

近視の予防

環境要因による近視の悪化を防ぐには、生活習慣の改善が重要です。
また、生活環境の見直しを実行することも、近視の進行を防ぐためには効果的です。

姿勢を直す

背すじをしっかりと伸ばし、眼と本の距離は30cm以上あけて読みましょう。
机とイスについてですが、イスには深く腰かけ、背すじをのばします。

膝と長さが合っているイスを使い、勉強するときには膝と肘の角度が直角になっているのが望ましいでしょう。
また、机とこぶし1個分のスペースをあけてイスに座ります。

悪い姿勢が習慣になってしまっていたり、横になってTVを見たり本を読んだりしていると、近視の悪化や左右の眼で視力に差が生じてしまう原因になるとされています。

悪い姿勢では眼と本の距離が短くなりすぎたり、左眼と右眼で本との距離に違いが出たりするのが理由です。
急に近視が悪化したとき、姿勢を正すだけでよくなることも少なくありません。

適度な明るさにする

暗い場所、バスや電車での読書は負担がかかりやすくなるため、好ましくありません。
読書をしたり勉強をしたりするには、300ルクス以上の照明の明るさは欲しいところです。

部屋の照明のほかに白熱電球では40~60ワット、蛍光灯では15~20ワット、LED電球では700~1,000ルーメンの追加照明を使用すると、その程度の明るさを実現することが可能です。

電灯には昼光色や電球色の製品が存在しますが、電球色は少し暗く感じやすいため、昼光色または昼光色と電球色の組み合わせがおすすめです。

栄養バランスのよい食事をとる

現在、眼によいということを思わせるような健康食品が多数でまわっています。
食生活は特定の栄養素にこだわるのではなく、栄養バランスのよい食事を規則正しくとることが重要です。

規則正しい生活を送る

夜更かしはやめましょう。
成長期の子どもでは、早寝早起きを習慣にし、朝ごはんをしっかりととるだけで、近視の進行を食い止めるのによいとされています。

寝不足や不規則な生活を送っていることは、体や眼の疲労がとれにくくなるほか、ホルモンバランスが乱れる原因にもなります。

夜更かしをすると屋外や昼間の明るい場所で過ごす時間が短くなり、反対に近視を助長するような環境、たとえばテレビを見たり、暗い場所や狭い場所で過ごしたりする時間が長くなってしまいます。

遠くに視線を向ける

ぼーっと遠くをながめることは、近くを長時間じっと見るような作業で緊張した、水晶体の厚みを調節する筋肉をゆるめ、近視を進行させにくくします。
部屋の中に閉じこもってばかりいるのではなく、外へ出ることだけでも有効です。

また、散歩など運動することによって、水晶体の厚みを調節する筋肉や眼を動かす筋肉によい影響があります。
運動には近くを長くじっと見るような作業でのストレスを心身ともにリラックスさせてくれます。

眼を休める

水晶体の厚さを調節する筋肉が緊張した状態が、長時間にわたって続くのはよくありません。
たとえば同じ姿勢のままじっとしていると筋肉がかたくなり、肩こりなどの症状に悩まされます。

これと同様に、近くを長時間じっと見るような作業をしていると、水晶体の厚さを調節する筋肉が緊張したままになり、このような状態になるのを繰り返していると、近視が悪化するリスクが高まってしまうのです。

そこで重要なのが、眼を休めてあげることです。
勉強や読書を1時間ほど続けたら、中断して10分ほど眼を休ませましょう。

TV、PCの画面は連続して40分以上にわたり見るのを避け、中断して眼を休めます。
また携帯型ゲーム機は、1日30分~1時間以内にとどめます。

ただし、1日30分以内のプレイでも、毎日では相当な負担がかかります。
プレイする日としない日を決めて、なるべく負担を少なくしたいところです。
携帯電話のメールも画面が小さく、10分以上にわたり続けると眼に負担がかかってしまいます。
いまはメールのやりとりを頻繁にしていることで、近視が悪化するケースが増加しています。

PCやデスクワークなど近くを長時間じっと見るような作業では、途中でときどき遠くに視線を向けたり、まばたきを意識的にしたり、眼球を上下左右に動かしたりするとよいでしょう。
眼の疲労が生じにくくなります。

また、休憩中は眼を瞑って休めてあげたり、蒸しタオルなどを使って温め、血液の流れをよくするのも有効です。

パソコン作業時の環境をよくする

PCのモニターを15度ほど後ろに傾けて、目線よりやや下にする、モニターと40cm以上の距離をあけて作業する、反射防止フィルムを貼る、文字と背景の色のコントラストが強すぎないように設定するなど、PCで作業を行なうときの環境を整えましょう。
ちょっとしたことではありますが、眼の負担を緩和することが可能です。

近視の対処法

近視の対処法として、度数の合っているメガネやコンタクトレンズを使うこと、市販薬をうまく役立てること、眼科で受診することが重要です。

また、子どもがいる家庭ではとくに、視力の低下で知っておきたいこととして、子どもに増加している精神的ストレスによる眼の機能障害をあげることができます。

度数の合ったメガネやコンタクトレンズを装用する

装用中のメガネやコンタクトレンズで視力が低下することがあります。
その場合には、近視が悪化している疑いがあります。

度数の合っていないメガネやコンタクトレンズを装用していると、眼が疲れて近視がひどくなるといわれています。
眼科で受診し、適切な度のメガネやコンタクトレンズで視力を補正しましょう。

市販薬を使用する

コンタクトレンズを装用していない人は、ビタミン類が多く配合されている目薬、ピントの調整機能をよくするネオスチグミンメチル硫酸塩が配合されている目薬、涙と一緒の成分である塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムが配合されている目薬といった具合に、自分に合った目薬をさしましょう。

また、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12が含まれているビタミン剤も有用です。

一方、コンタクトレンズを装用している人は、目薬に配合されている成分しだいでは、レンズに吸着して眼にダメージをあたえるリスクがあるため、涙と一緒の成分が配合されている目薬で眼をやさしく潤しましょう。

医療機関で受診する

近視になっている人は、視力の変わり具合を把握するためにも、決まったサイクルで眼科で受診することが重要です。
視力が大きく下がってしまうのは、近視とは別に深刻な眼の病気が起こっている可能性があります。

とくに、急に視力が悪くなったときにはそのまま過ごすのではなく、できるだけ早く眼科で受診しましょう。
また、強度近視では網膜剥離を招くことが多くなるといわれています。
強度近視の人は、定期的に眼科検診を受けるのを欠かさないことが重要です。

精神的ストレスによる眼の機能障害に注意

検査を受けて眼の異常はなかったのに、視力や色の識別能力が下がるなどの異常が生じる子どもが多くなっています。
小学生程度の子どもに起こり、中でも女児に多発しています。

このような眼の機能障害のことを心因性視覚障害(しんいんせいしかくしょうがい)といい、心理的ストレスにより起こるものです。

まわりがあたたかく接するほか、眼科へ行って原因を探ったり、心療内科などへ行って経過観察をしたりすることが重要です。

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