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前立腺肥大を詳細に:原因,症状,検査,治療など

公開日: : 最終更新日:2018/05/07 男性に多い病気

前立腺肥大とは

前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)とは、男性生殖器官の一つである前立腺が大きくなった状態のことです。

前立腺は膀胱の下側(出口側)に位置し、尿道を取り囲んでいる臓器であり、重量は約20g、前立腺液という精液の一部を産生し、精子に栄養を供給したり、保護したりといった役割を果たしています。

前立腺には尿度を取り巻く内腺と、その外側に存在する外腺があり、40歳代後半あたりから内腺が大きくなり、歳を重ねることに伴い大きくなっていきます。

50~80歳の約65%が前立腺肥大を起こしており、正常な状態での前立腺はくるみ程度のサイズですが、前立腺肥大ではたまごやみかんのようなサイズにまでなることがあります。

前立腺が大きくなると尿道が圧迫されて狭まり、排尿に関係するさまざまな症状を引き起こすようになります。

そしてこのような症状が引き起こされるようになる病気のことを、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)といいます。
なお、前立腺のサイズと引き起こされる症状は絶対に一致するとは限りません。

前立腺肥大になっている人の全員が治療を要するほどの症状を起こしているわけではなく、前立腺肥大に排尿に関係する症状が付随し、治療を受けなければいけない前立腺肥大症は全体の4人に1人程度とされています。

そのほか、前立腺に引き起こされる病気の一つに、癌の一種である前立腺癌(ぜんりつせんがん)があります。

前立腺肥大症と前立腺癌は合併することが少なくないため、前立腺肥大症によって前立腺癌を起こしてしまうのではないかと思っている人もいるでしょうが、この2種類の病気はまったく違う病気であり、前立腺肥大症を起こしていることにより、前立腺癌の発症リスクが高まるようなことはありません。

前立腺癌は多くの場合、前立腺の内腺ではなく外腺に悪性腫瘍(あくせいしゅよう)が形成されます。

なお、前立腺癌が悪化してくると前立腺肥大症にソックリな症状が起こることがあるため、前立腺癌の有無を検査で明確にしておいたほうがよいでしょう。

前立腺肥大の原因

前立腺が大きくなる原因はわかっている?

前立腺肥大の原因は、現状において解明されてはいません。
ただ、男性ホルモンの働きが弱まりはじめる40歳代半ば過ぎに前立腺肥大がはじまり、加齢に伴い大きくなっていくため、男性ホルモンの変化や年齢の歳を重ねることが前立腺が大きくなっていくことに関与しているのは疑う余地がありません。

前立腺肥大のリスク因子

前立腺肥大症を招くリスク因子は年齢の高まりだけではありません。
食習慣の乱れや肥満、高血圧、高血糖、高コレステロール・中性脂肪、遺伝要因などがあります。

前立腺肥大の症状

排尿困難(はいにょうこんなん)

肥大化した前立腺がなかを通っている尿道を圧迫し、尿道が狭まるために尿が出にくくなる症状です。

尿の勢いが弱まる、尿を出そうとしても出るまでに時間がかかる、尿線が二手にわかれて出る、排尿の途中で止まる、尿を出すとき腹部に力を入れなければならないといった症状が起こり得ます。

なお、尿の勢いが弱まる症状は尿勢低下(にょうせいていか)、尿線が二手にわかれて出る症状のことは尿線分裂(にょうせんぶんれつ)、排尿が途中で止まる症状のことは尿線途絶(にょうせんとぜつ)、尿を出すとき腹部に力を入れなければならない症状のことは腹圧排尿(ふくあつはいにょう)といいます。

また、尿道が狭まることによって尿がまったく出なくなる尿閉(にょうへい)の症状も起こり得ます。

尿がまったく出なくなる症状は、飲酒や風邪薬など尿が出にくくなる種類の薬の副作用で引き起こされる場合があります。

頻尿(ひんにょう)

前立腺肥大症では、頻尿の症状を訴える人が大勢います。
膀胱が肥大化した前立腺により圧迫されて刺激を受けることや、尿が出にくくなったために膀胱が過度に働こうとした結果、頻尿の症状は起こります。

頻尿は1日あたり何回でという定義付けはされていないものの、昼間(起床~就寝)までで8回を超える、夜間(就寝後)1回以上トイレに行くために起きると頻尿と判断されるというのが一般的です。

なお、昼間に起こる頻尿のことは昼間頻尿(ちゅうかんひんにょう)、夜間に起こる頻尿のことは夜間頻尿(やかんひんにょう)といいます。

そのほか、排尿後に尿が膀胱のなかに多く残るようになると、膀胱内にためておける尿の量が少なくなり、このことが原因で頻尿の症状を招くケースもあります。

残尿感(ざんにょうかん)

前立腺肥大症では、残尿感を訴える人も多いです。
この症状はトイレに行って尿を出したのにすっきりとした感じが得られなかったり、まだ尿を出しきれていないような不快感があったりします。

排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)

頻尿や残尿感と比べると、見慣れない症状と思う人は少なくないでしょう。
この症状は尿を出しきったと判断してパンツをはいたものの、実は尿道内にまだ尿が残っていて、その尿がじわーっと漏れ出てパンツが汚れてしまうという症状です。

尿意切迫感(にょういせっぱくかん)

突然、耐えがたい尿意が襲ってくる症状のことを尿意切迫感といいます。
頻尿と同じく、膀胱が肥大化した前立腺によって圧迫されて刺激を受けることや、排尿しにくくなることにより膀胱が過度に働こうとしたことが原因で起こります。

この尿意切迫感があり、トイレに駆け込むまでのあいだに漏らしてしまうのは、切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)という症状です。

尿意切迫感に頻尿が付随する状態を過活動膀胱(かかつどうぼうこう)といい、前立腺肥大症の人の60%前後が過活動膀胱になります。

過活動膀胱になると、十分な量の尿が膀胱にたまっていない状態で膀胱の収縮が起こり、すぐに尿意を催してしまうようになります。

肉眼的血尿(にくがんてきけつにょう)

前立腺肥大症が進行すると、ここまであげた症状のほかに、合併症を招いてしまうリスクがあります。
その代表的なものの一つが肉眼的血尿です。

肉眼的血尿というのは、尿が赤く血液が混じっていることが目で見てわかる血尿のことをいいます。

これに対して、顕微鏡を使用する検査を行なってはじめて尿に血液が混じっていることがわかる血尿を、顕微鏡的血尿(けんびきょうてきけつにょう)といいます。

尿路感染症(にょうろかんせんしょう)

尿路感染症も肉眼的血尿と一緒で、前立腺肥大症で起こり得る合併症の一つです。
排尿障害により膀胱のなかに尿が残るようになると、細菌などに感染しやすくなります。

尿路感染症では頻尿、排尿時の痛み、血尿などの症状が起こりやすいのが特徴です。

膀胱結石(ぼうこうけっせき)

膀胱のなかに絶えず尿が残っている状態が長く続いていると、膀胱のなかに結石が形成されることがあります。

前立腺肥大症の合併症として起こることがあり、膀胱結石では膀胱炎(ぼうこうえん)を伴いやすく、頻尿や排尿時の痛みなどの症状が引き起こされます。
また、結石による排尿困難も起こります。

腎機能障害(じんきのうしょうがい)

腎機能障害も前立腺肥大症の合併症の一つです。
大量の尿が膀胱のなかに残るようになることや、排尿障害によって膀胱壁の厚みが増すことで、腎臓で作られた尿が腎盂(じんう)から尿管を通って膀胱へ流れ込むことが阻害されてしまい、腎臓が腫れあがる水腎症(すいじんしょう)になり、腎機能が低下することで尿の産生と体外への排出を行ない、老廃物や有害物質を排出、余計な水分や電解質の排出、酸やアルカリの排出による体内のpHを調節するというような役割を果たせなくなり、最悪の場合には生命を維持することが困難になる腎不全(じんふぜん)を招いてしまうケースがあります。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

主な前立腺肥大症の合併症の一つに、この溢流性尿失禁があります。
この合併症では、絶えず膀胱のなかに大量の尿が残っているために、膀胱内に尿をためておける余裕がなく、尿道からいつも尿が漏れ出てしまう状態になります。

前立腺肥大症の病期

前立腺肥大症は症状や残尿があるかどうかによって1期(刺激期)、2期(残尿発生期)、3期(尿閉期)の3種類の病期にわけられており、3期が一番重度です。

尿道の奥や陰嚢(いんのう)と肛門のあいだに不快感がある、夜間に排尿のためにトイレに行く回数が2回より多くなる、尿意を催すと耐えることができない、尿が出てくるまでに時間がかかる、尿線が細い、尿を出しきるまでに時間がかかるなどの症状が出現する病期です。
1期で残尿の症状が起こることはほぼなく、排尿困難の症状も軽いのが特徴です。

次に2期ですが、排尿困難が1期よりひどくなり、膀胱にたまっている尿を出しきることができなくなってしまいます。
突然、強い尿意に襲われてしまい、トイレに到着する前に漏らしてしまうこともあります。

膀胱内に尿がたまっていると尿路感染症を招くリスクが上昇するほか、膀胱結石が形成されやすくもなり、血尿が出ることもあります。
そのほか、アルコールの摂りすぎ、風邪薬の内服、長時間座ったままでいる、冷えなどが原因で、尿閉の症状が出現することもあります。

最後に3期ですが、残尿が大量にあり、膀胱が尿で充満した状態になることもあるため、溢流性尿失禁を起こすことがあります。
そしてこのような状態になると腎臓からの尿の流れが阻害されて、腎機能障害を招くことにもなりかねません。

前立腺肥大の検査・診断

排尿症状の評価

主な自覚症状の程度の評価方法としては、国際前立腺症状スコア(IPSS)やQOLスコアがあります。
このようなスコアは前立腺肥大症の診断だけでなく、経過観察や治療の効果判定にまで役立てられています。

国際前立腺症状スコアもQOLスコアも、質問表に記載されている質問に対してあてはまる回答に○またはチェックをしていくだけのものです。
国際前立腺症状スコアにある質問のうち、一つ例をあげると、過去1ヶ月の排尿状態に関して、排尿後の残尿感があったかというものがあります。

これに対してまったくなければ0点、5回に1回未満は1点、2回に1回未満は2点、2回に1回ぐらいは3点、2回に1回以上は4点、ほとんど毎回は5点に設定されています。
ほかにも排尿状態に関する質問が複数用意されており、回答の合計点で重症度を評価する形になります。

直腸診

お尻の穴に指を挿入し、前立腺を触診する方法です。
直腸診によって、前立腺の大きさ、硬さ、痛みを確認します。

前立腺肥大症では前立腺のサイズが増し、前立腺に炎症が生じていると強く痛み、前立腺癌を起こしていると硬いかたまりに触れることがあります。

前立腺肥大症だけでなく、別の病気が隠されていないか確認する意味でも効果的な検査です。

尿検査

尿を肉眼や顕微鏡で観察する検査方法です。
尿検査では尿が濁っている、血液が混じっている、尿路感染症を起こしていることなどを調べます。

尿流量測定

トイレ型をした測定装置に排尿する検査方法です。
尿の勢い、排尿量、排尿時間などが自動的に数値化されて、排尿障害が起こっているかどうかや、起こっている排尿障害のひどさを把握することが可能です。

なお、尿が十分にたまった状態で検査を行なわなければ正しい情報を得ることができません。

したがって、検査を受けるにあたってはある程度、排尿を我慢する必要があります。

残尿量測定

排尿後、膀胱内にどれだけの量の尿が残っているのかを推定する検査方法です。
残尿量の測定は、下腹部に超音波をあてることによって行なうことが可能です。

血清前立腺特異抗原(PSA)測定

血清前立腺特異抗原というのは、前立腺から出る特異タンパクのことであり、血液検査を行なうことでこのタンパクの血液中の濃度を把握することが可能です。

前立腺癌が引き起こされていないか調べることを目的に行なわれている方法で、前立腺癌が起こっていると濃度が高まり異常値を示します。

ただし、血清前立腺特異抗原は前立腺肥大症や前立腺炎(ぜんりつせんえん)でも数値が高まることがあり、この検査で高い数値を示しただけで、すぐに前立腺癌であると決め付けることはできません。

前立腺超音波検査

画像検査の一種であり、経直腸的検査、経腹的検査の2種類があります。
前立腺のサイズ、形、膀胱の形などを描出された画像で把握することが可能です。
前立腺超音波検査は、経直腸的検査のほうが、前立腺の状態をくわしく見ることができます。

排尿日誌

1日24時間の排尿時間と量を自分で書く方法です。
記録を確認することにより、1日に何回トイレに行って、1回あたりどのぐらいの量の尿が出ているのか、また昼間と夜間での尿の量まで正確に把握することが可能です。
このほか、頻尿がなぜ起こっているのかの把握に排尿日誌は有用です。

圧尿流検査

圧尿流検査では、尿道から膀胱に管を入れて、生理食塩水を膀胱に注入しながら膀胱の内圧を測り、膀胱がいっぱいになったら排尿をして、膀胱の収縮圧と尿流測定を一緒に測る方法です。

排尿機能には、尿を膀胱内にため込む蓄尿期と、膀胱内にある尿を排出する排尿期があり、圧尿流検査では蓄尿期における尿意の異常の有無、過活動膀胱の有無、膀胱の容量などを把握することが可能です。

一方の排尿期では、膀胱の収縮力に問題がないか、前立腺が大きくなることによる通過障害がないか、通過障害が起こっている場合はどのぐらいのひどさなのかを把握することが可能です。

血清クレアチニン測定

クレアチニンは筋肉で産生される老廃物の一種であり、大部分が腎臓の糸球体から排泄されます。
血液中にクレアチニンが多くなっていると、糸球体のろ過機能が悪くなっていることを意味します。

前立腺が非常に大きくなっていたり、大量の尿が膀胱に残っていたりする人には、腎機能障害が起こっていないかどうか確かめるため、血液検査によってこの血清クレアチニンの数値を調べます。

血清クレアチニンの数値が高くなっている場合には、腎機能障害を起こしている可能性があります。

上部尿路超音波検査

血清クレアチニン測定と同じく、腎臓の状態を調べることを目的に行なわれている検査法です。

腎臓がはれ上がる水腎症を起こしているかどうかを確認するため、腹部に超音波をあてることによって描出された画像をチェックします。

前立腺肥大の治療

薬物療法

交感神経α1受容体拮抗薬

前立腺平滑筋の交感神経緊張状態を抑制することにより、前立腺の筋肉をゆるめて尿道への圧迫を軽くする内服薬です。
結果、尿が勢いよく出るようになり、残尿量が少なくなります。

交感神経α1受容体拮抗薬は即効性に優れており、効果の実感までは1週間以内と早いです。

なお、起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)という、立ち上がったときに立ちくらみが出る副作用が、交換神経α1受容体拮抗薬を服用している人の1~2%に起こります。

また、逆行性射精(ぎゃっこうせいしゃせい)といって、膀胱のほうへと射精する症状が、交感神経α1受容体拮抗薬の副作用として起こることがあります。

5α還元酵素阻害薬

テストステロンという、血液中に存在する男性ホルモンの一種が、前立腺組織に働くのを抑制する効果がある内服薬です。

この男性ホルモンが前立腺細胞に取り込まれることで、5α還元酵素の作用によってテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて、前立腺細胞を増やしてしまいます。

5α還元酵素阻害薬は、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換させる5α還元酵素の作用をさまたげることにより、前立腺細胞が増えるのを抑えて、前立腺を小さくします。

交換神経α1受容体拮抗薬とは異なり、効果が出るまでには長期間を要することになり、毎日の内服を数ヶ月間にわたり続けていく必要があります。

前立腺が大きい人や、交換神経α1受容体拮抗薬の使用で十分な効果が得られない人に対しては、5α還元酵素阻害薬と交感神経α1受容体拮抗薬を一緒に使用する方法が選択されることもあります。

なお、5α還元酵素阻害薬はテストステロンを減少させるような作用はなく、勃起不全を起こすようなことは滅多にありません。
そのほかの起こり得る副作用としては、肝機能障害があります。

また、血清前立腺特異抗原を低下させてしまうため、前立腺癌の診断を難しくしてしまうことがあります。

アンチアンドロゲン薬

抗男性ホルモン薬とも呼ばれている薬です。
アンチアンドロゲン薬は精巣でテストステロンが作り出されるのを抑え、血液中に存在するテストステロンが前立腺細胞に取り込まれるのを抑えます。

これによって得られる効果は前立腺が小さくなり、排尿困難の症状を改善することです。

ただ、血清テストステロン値が下がってしまうために、勃起不全や性欲減退などの症状が引き起こされることがあります。
また、血清前立腺特異抗原を低下させてしまうため、前立腺癌の診断を難しくしてしまうことがあります。

PDE5阻害薬

この薬はPDE5という酵素を阻害し、血管をひろげて血流をよくし、前立腺および膀胱平滑筋をゆるめることにより、排尿障害を改善します。

胃炎、消化不良、下痢、頭痛、めまい、発疹、顔のむくみなどの副作用が起こるリスクがあります。

狭心症(きょうしんしょう)で硝酸薬を使用している人に対しては、過度な血圧低下作用が出ることがあるため、PDE5阻害薬を併用することはできません。

生薬・漢方薬

前立腺部尿道粘膜の炎症、むくみを抑えることにより、刺激症状をやわらげます。

別の種類の薬と比較して高い排尿状態の改善は見込めないものの、副作用が起こることは非常にまれです。
ただし、単独投与での効き目が望めるのは前立腺肥大症の病気ではⅠ期までです。

手術療法

経尿道的前立腺切除術(TUR-P=てぃーゆーあーるぴー)

薬物療法で十分な効果を得られなかった場合や、尿閉、尿路感染症、膀胱結石、腎機能障害、肥大の度合いが大きい前立腺肥大などの合併症が起こっている場合には手術療法が検討されることになります。

標準的な手術療法としてこの経尿道的前立腺切除術があります。
経尿道的前立腺切除術では尿道から内視鏡を入れて、電気メスを使用することで前立腺の内腺を切除します。

この手術を受けた場合には、10人中7~8人に逆行性射精が起こるようになるほか、出血が大量になり輸血を行なわなければいけなくなるケースがまれにあります。

輸血に備えるため、事前に手術を受ける人自身の血液を確保しておいて、手術時にその血液を輸血する自己血輸血が行なわれます。
下半身麻酔をかけて経尿道的前立腺切除術は行なわれて、退院までには7~10日間を要します。

経尿道的レーザー前立腺核出術(HoLEP=ホーレップ)

尿道から内視鏡を入れて、レーザーをあてて前立腺の内腺をくり抜く方法です。

経尿道的レーザー前立腺核出術は完全に内腺を取り除くことが可能であり、出血量が少なく退院までの日数が短い、前立腺肥大の再発を起こしにくいのが長所です。

また、肥大の度合いが大きい人に対しても行なうことができる手術療法でもあります。

この手術により一時的に尿失禁が起こることはあるものの、大部分の人に大きな排尿障害の改善効果が出ます。

なお、経尿道的レーザー前立腺核出術は下半身麻酔で行なわれており、肥大の度合いが大きい人の場合には、自己血輸血が行なわれています。

尿道ステント

内視鏡操作によって、尿道から前立腺部尿道にステントという筒状の特殊合金を挿入し、留置する方法です。

手術による痛みや出血などを示す侵襲度が低く、安全性には優れているものの、経尿道的前立腺切除術と比較して排尿状態の改善効果は高くありません。

また、ステントの位置が不適切なことによる問題が起こり得るため、薬物療法の効果が不十分で、合併症で手術を行なうことが困難な人に対して選択されることになります。

光選択的レーザー前立腺蒸散術

内視鏡を尿道から入れて、高出力のレーザーをあてることにより、大きくなった前立腺の内腺を蒸発させながら切除する方法です。

経尿道的前立腺切除術と比較して出血が少なく、回復に要する時間が短いために長く入院することがないという長所があります。
また、肥大の度合いが大きい人に対しても行なうことが可能です。

経尿道的マイクロ波高温度治療術

尿道からカテーテルという管を入れてマイクロ波を出し、熱で前立腺組織を壊して内線を小さくする方法です。

経尿道的前立腺切除術と大差のない効果が見込めるほか、侵襲度の低い部類に入ります。

ただし、再手術を行なわなければいけなくなる可能性が高い治療方法であるとの報告があります。

保存療法

生活指導、経過観察、健康食品などが保存療法には含まれています。

生活では水分、お酒、コーヒーの摂りすぎを避ける、刺激性食品を控える、便通を整える、座ったままの姿勢で長時間いない、下半身を冷やさない、適度な運動を習慣化する、尿閉を起こす薬などを知っておくことなどが大切です。

過活動膀胱まで起こしているケースでは、水分やカフェインを摂り過ぎない、余裕を持ってトイレに行く、外出時にはトイレの場所を把握しておく、排尿間隔を徐々に長くして膀胱の容量を増やす膀胱訓練などがよい対策になるとされています。

経過観察は症状や合併症が伴わない場合に選択されることになります。
症状や合併症が伴わない前立腺肥大症では、とくに治療を行なう必要がないためです。

そして健康食品ですが、ノコギリヤシなどが前立腺肥大症に効果的という情報があるものの、化学的に証明されているわけではありません。

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