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薬物依存の特徴や症状、治療・予防などについて

公開日: : 最終更新日:2016/05/17 精神・心の病


薬物を欲する過度な欲求が抑えきれずに、薬物をつかってしまうことを薬物依存と言います。
昔は薬物中毒と言われることが多かったですが、現在では薬物乱用や薬物中毒とは区別して用いられています。

薬物依存は、基本的には自分の意思で薬物をやめることができなくなります。
薬物によって逮捕されたり精神科病院に入院しても、意思をコントロールできずに薬物を断ち切れない人も多くいます。

ここでいう薬物は、大麻や覚醒剤、シンナーなどの有機溶剤のことを主に指します。
最近はベンゾジアゼピン系の向精神薬への依存も見過ごすことができなくなってきています。
こういった薬物は、精神的・肉体的な負担の緩和、生きている実感を得ることを目的に用いられることが多いようです。

これらの薬物は中枢神経系を抑制したり興奮させたりする作用があるため、精神にも影響を及ぼします。
薬物の摂取をやめると、怒りっぽくなる、焦燥感を感じる、落ち着きがなくなるといった精神依存と、離脱症状があらわれる身体依存の2種類の症状があらわれます。
さらに悪化すると、道徳観が薄れて犯罪への抵抗感がなくなる、意欲が減退する、自己中心的で怒りっぽくなるというように、性格まで変わってしまいます。

現在、薬物依存が起こる要因は脳内の神経系の異常にあると考えられています。
具体的に脳のどこに働きかけるかは、薬物の種類によってちがいます。
ですが、薬物の種類に関係なく、中脳の腹側被蓋野から側坐核に至る脳内報酬系というA10神経系にトラブルが起きることがわかっています。

薬物依存者は家族の助けなしでは生活していくことが難しく、どうにか薬物を与えるよう仕向ける「ケア引き出し行動」をとることが多いとされています。
薬物依存は本人だけにとどまらず、周囲の人間も巻き込んでしまう重大な問題だと言えます。
そのため、薬物依存専門の精神科病院に相談するなどして、できるだけ早く薬物依存を断ち切らなければいけないのです。

薬物依存の診断では本人や家族から、どの薬物をどういった状況で使ったかを聞くことが重要となります。
それができれば、診断自体はそれほど難しいものではないと言われています。
もしも末梢神経障害や肝臓障害などの症状が同時に見られるようなら、それぞれの専門的治療もしなければいけなくなります。
静脈内注射によって薬物使用をしていた人は、B型・C型肝炎、HIV感染などの検査も行われます。

診断が終わると治療に移行していきますが、薬物依存を完治させる特効薬は現時点では存在しません。
トラブルが生じたA10神経系は2度と正常な状態にはならないと言われています。
この状態は、慢性疾患である高血圧症や糖尿病に似た状態だとされています。

薬物依存では、何よりもまず薬物の使用をやめることが求められます。
もちろん、薬物への強い欲求は簡単には消えませんが、再び薬物に手を出さないように自己コントロールを継続することが大切な治療となります。

それには、薬物に関連する人間関係やストレス、お金などを整理したりなくしたりして、薬物を使用しない環境を作り上げる必要があります。
こういったことをひとりで継続することは、非常に難しいと言われています。

そのため、相談所や医療施設のサポートが必要となります。
医療施設のなかには認知行動療法を積極的に取り入れた治療プログラムを行う専門施設などもあります。
治療中の人を集めたグループミーティングを治療の一環として取り入れている医療施設もあるので、積極的に参加するといいでしょう。
また、薬物とは無関係な新しい人間関係を構築していくことも大切だと考えられています。

薬物への依存はそう簡単には消えないため、根気強く医療施設や相談所に通うことが大切です。
A10神経系が治ることはありませんが、健康的な社会生活を送れるようになるまで回復させることは可能です。
あきらめずに、薬物を断ち切る努力をつづけていくことが何よりも重要だと言えるのです。

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