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ナルコレプシーの特徴や症状、治療・予防などについて

公開日: : 最終更新日:2016/06/05 精神・心の病


ナルコレピシーとは、日中など目が覚めている時間帯に起こる睡眠障害で、自分で眠気をコントロールすることができなくなるというものです。
就寝時に起こる金縛りのような睡眠麻痺、悪夢などを見る入眠時幻覚、驚いたり笑ったりするときに全身が脱力してしまう情動脱力発作などの症状が見られる場合もあります。
ナルコレプシーは10代の発症が圧倒的に多く、中年期以降に発症することはほとんどありません。

ナルコレプシーによって起こる眠気は非常に強く、前夜に十分に睡眠をとっていたとしても関係なく毎日起こります。
眠いと思う暇もなく、気がついたときにはぐっすり眠っているということも少なくありません。
1度の居眠りは20分程度のことが多く、目覚めはすっきりしています。

1度すっきりはするものの長くは続かず、数時間経つと再び強い眠気を感じます。
特に、自分が発言することのない会議や打ち合わせ中などに、症状があらわれやすくなると言われています。
本来であれば眠気とは無縁であるはずの面接中や試験中などでも、いきなり強い眠気を感じてしまうこともあります。

なぜこういった症状があらわれるかというのは、現時点でははっきり解明されていません。
ただし、白血球の血液型を調査すると、ナルコレプシーを発症している人には一定の特徴が見られることはわかっています。
そのため、なんらかの体質的要因によって発症するのではないかと言われています。

また近年、オレキシンと呼ばれる脳内物質の低下が、ナルコレプシーと関連性が高いことも判明しています。
オレキシンは神経ペプチドのひとつで、食欲を抑制する働きがあるとともに、視床下部に刺激を与えて覚醒をうながす作用があることが知られています。
ナルコレプシーが発症した人の多くは、このオレキシンという物質が不足していると言われています。
ただし、遺伝との関係が疑われるものの、なぜオレキシンが不足しているのかは解明されていないのが現状です。

ナルコレプシーの診断では、日中に感じる眠気を客観的に把握するために反復睡眠潜時という検査が実施されます。
これは日中に4~5回、およそ2時間脳波検査室で横たわり、明かりを消してから眠るまでの時間を脳波で測定するものです。
脳波には睡眠のパターンがあらわれるので、それまでの時間が短ければ強い眠りを感じていると判断することができます。
眠りにつくまでの時間が8分以下の場合、異常な眠気と診断されることになります。
こういった検査は精神科などで、受けることができます。

ナルコレプシーの治療は薬物療法が主に行われ、日中の眠気を防ぐことを目的に精神刺激薬が使われます。
最近では、モダフィニル(モディオダール)と呼ばれる薬が用いられるのが一般的です。
この薬は効き目の継続時間が長く、朝に飲めば夕方まで効果が持続します。
これまで使われてきたメチルフェニデート(リタリン)やペモリン(ベタナミン)などと比較して、副作用があまり見られません。

モダフィニルを服用しても効果があまり得られない場合は、ペモリンやメチルフェニデートを追加服用します。
メチルフェニデートは効果が持続する時間が短いため、朝と昼の2回の服用が望ましいとされています。

入眠時幻覚や睡眠麻痺、情動脱力発作などの症状はレム睡眠を抑制する働きをもつ薬が用いられます。
通常、眠りはノンレム睡眠からはじまって、一定の間隔でレム睡眠に切り替わります。
入眠時幻覚などの症状があらわれている人は、入眠時にレム睡眠になっていることが多いので、これを抑制する必要があるのです。
特によく用いられるのがトフラニールやアナフラニールなどの薬です。

薬物療法によって、ある程度症状は改善されます。
しかし、根本的な原因がはっきりわかっていないため、完治は現時点ではむずかしいと言われています。
ナルコレプシーは一般的にそれほど認知されていないため、周囲の人に怠けていると思われることもしばしばあります。
それを避けるためには、病気であることをしっかり周囲に伝えておくことも重要です。

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