*

言語発達障害・学習障害の特徴や症状、治療・予防などについて

公開日: : 最終更新日:2016/05/13 精神・心の病


言語発達障害および学習障害は、どちらも幼児期に見られることが多い障害です。
知的遅れが見られないにもかかわらず、学習面の特定の分野に明白な遅れが認められることを特異的発達障害と呼びます。
特定の分野というのは、運動や計算、文字の読み書き、言葉の表現や理解などのことで、それらのなかでひとつもしくは複数の事柄が遅れていることがあります。

遅れが見られる分野によって障害の名称は異なり、言葉の表現や理解で見られる遅れは言語発達障害と呼ばれます。
ほとんどの場合、学習面の遅れに限らず、対人関係や行動の面で問題が見られます。

こういった学習面で遅れが見られる原因は、脳機能に生じた障害によるものだと言われています。
しかし、なぜ障害が起こるのかという原因がはっきり特定できているわけではありません。
脳機能の障害があると判断するには、聴覚や視覚などの感覚器官に問題がないこと、自閉症や統合失調症などの精神障害が見られないこと、身体運動機能に問題がないこと、問題のある養育環境に置かれていないことなどの条件を満たさなければいけません。

言語発達障害と学習障害によってあらわれる症状は、成長段階に応じて少しずつ異なります。
乳児の頃には、人見知りをほとんどせずに誰にでもなつきやすいと言われています。
ただし、発音に問題がある、自分の意思を言葉で言いあらわすことがむずかしいといった傾向が見られます。
子供によってはうまく歩けなかったり、何度も繰り返し転ぶといった症状が見られるケースもあります。

もう少し成長すると、落ち着きがなくふらふらと動き回るようになることが多いようです。
集団生活にうまくなじめず、集中力の欠如が見られることもあります。
ひとつのことに集中できず、いろいろなことに気をとられるようになります。
小学校に進学すると、数字への理解がうまくできない、読み書きに遅れが出るようになります。
子供によっては、工作や体育が不得意でついていけない場合があります。

言語発達障害および学習障害は、周産期障害や遺伝の影響があると考えられています。
そのため、診断時には胎生期や新生児期に問題はなかったか、乳児期の既往症、血縁者で同じような障害をもった人がいないかといったことが調べられます。
また、発達経過ごとに見られる障害と同じ症状があらわれているかも確認されるとともに、神経心理学的検査などさまざまな検査も実施されます。

言語発達障害および学習障害は脳の機能障害によるものと推定されるので、狭い医療分野に当てはめて考えるのは避けるべきだと言われています。
どういう方法をとれば、子供の精神発達がうまくいくのかを主体に考える必要があるからです。
それには、子供にどんな障害が見られるのか、子供をとりまく社会的環境や家族、どんな育ち方をしてきたのかといったことを総合的に把握することが大切となります。

重要なのは、子供が生来的なハンディキャップをもっており、子供のわがままや育て方といったことで症状があらわれているわけではないと理解することです。
この理解は、家族に限らず周囲の大人がもつ必要があります。
まずは、そういったことをしっかり理解したうえで、子供の環境を整備していくことが重要だと言えます。

治療内容としては、学習訓練や言語指導、身体運動訓練などが主体となります。
これらの方法を子供の障害に合わせて、選ぶことになります。
落ち着きなく動き回る子供には、改善のために薬物療法が用いられることもあります。
子供への精神療法的サポート、家族へのカウンセリングなども行い、子供と家族の精神的なつながりも大切にしていきます。

なんらかの発達障害ではないかと思ったら、まずは専門家の診断を受けることが望ましいでしょう。
ただし、治療は専門家だけでなく家族も深く関わって進めていく必要があります。
たとえば、子供が達成できるような課題を設定して、うまくできたらきちんと褒めるなどして、子供に成功した喜びを味合わせてあげるといったことです。
そういったことを続けることで、子供が物事に意欲をもつようになり、自発性の発達につながります。

関連記事

パソコン_インターネット依存症の特徴や症状、治療・予防などについて

パソコンやスマートフォンが普及し、現代ではインターネットがごくごく身近な存在になってきました。

記事を読む

不安障害・社会不安障害(あがり症)の特徴や症状、治療・予防などについて

不安障害・社会不安障害(あがり症)の原因・症状 不安障害は、なんらかの原因によって過剰な心配や

記事を読む

様々なタイプのパーソナリティ障害の特徴のまとめ

依存性パーソナリティ障害の特徴 依存性パーソナリティ障害は、自分が頼りとする相手に、何をするに

記事を読む

せん妄の特徴や症状、治療・予防などについて

せん妄の原因・症状 せん妄は突如あらわれる精神機能の障害のひとつで、軽度から中等度の意識障害が

記事を読む

神経症性障害の症状や原因

神経症性障害は心の病といわれる精神障害の一つで、一般にはノイローゼといえば解りやすいかもしれませ

記事を読む

気象病の特徴や症状、治療・予防などについて

昔から「古傷が痛むと雨が降る」などと言われているように、天気と体調は関係性が深いと考えられてきま

記事を読む

痙性斜頸の特徴や症状、治療・予防などについて

痙性斜頸の原因・症状 痙性斜頸は「けいせいしゃけい」と読み、自分の意思とは無関係に首が特定の方

記事を読む

自律神経の働きや役割のまとめ

自律神経の働き 「自律神経」というのは、日常生活の中で、私たちが特に意識しなくても身体の機能を

記事を読む

器質性精神障害の特徴や症状、治療・予防などについて

精神疾患のなかには、内分泌疾患が脳機能に作用するもの、脳梗塞などのように脳自体に障害があらわれる

記事を読む

薬物依存の特徴や症状、治療・予防などについて

薬物を欲する過度な欲求が抑えきれずに、薬物をつかってしまうことを薬物依存と言います。 昔は薬物

記事を読む

糸状虫症(フィラリア症)を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

一般的にはバンクロフロト糸状虫(しじょうちゅう)によって引き起こされる病気です。

亜急性甲状腺炎を詳細に:原因,症状,検査,治療など

甲状腺(こうじょうせん)とは、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを産生する臓器

二分脊椎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

二分脊椎とは 二分脊椎症(にぶんせきついしょう)は、先天的に脊椎が形成不全を

高カルシウム血症を詳細に:原因,症状,検査,治療など

高カルシウム血症(こうかるしうむけっしょう)とは、血液中に含まれるカルシウムの濃度

鉤虫症(十二指腸虫症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

鉤虫症(十二指腸虫症)とは 鉤虫症(こうちゅうしょう)とは、回虫の一種である

→もっと見る

PAGE TOP ↑