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腎下垂・遊走腎の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


腎下垂・遊走腎(じんかすいゆうそうじん)とは、腎臓が正常な範囲を超えて下がる状態のことをいいます。
わたしたち人間の腎臓というのは、息を吸ったり吐いたりすることによって、上下に移動しています。
特に腎臓に異常がない人でも、立ち上がっている状態のときには、横になっているときよりも5cmほど腎臓が下に移動するものなのですが、腎下垂

遊走腎を引き起こしている人だと、10cmほど下の位置にきてしまうのです。
腎下垂・遊走腎は男性より女性の発症割合が高く、特にやせ型の20~40歳の女性がなりやすいのが特徴です。
また、右側の腎臓だけこうした状態に陥ることが往々にしてあり、胃下垂などを併発していることもよくあります。

腎下垂・遊走腎の原因

腎下垂・遊走腎には、先天的なものと後天的なものの2種類があります。
まず先天的なものに関してですが、腎臓は内側から順に腎繊維被膜(じんせんいひまく)、脂肪被膜(しぼうひまく)、腎筋膜(じんきんまく)に包まれ、支えられているのですが、こうした腎臓の周囲にある組織が生まれつき弱いことから、腎下垂

遊走腎を引き起こします。
次に後天的なものはどうかというと、腹筋がゆるみ、腹圧が下がることのほか、腎臓の周りにある脂肪組織が弱くなることが原因となって引き起こされるのです。
なお、腎下垂・遊走腎は右側の腎臓が陥りやすい状態なのですが、これには理由があります。
右側にある臓器は左側にある臓器より重量があるものが多く、立ち上がっている状態では特にその影響を受けやすいことから、右側の腎臓が下がりやすいのです。

腎下垂・遊走腎の症状

腎下垂・遊走腎の状態に陥ったとしても、これといった症状を自覚することがない人もいます。
なにかしらの症状が起こる場合には、長時間立ちっぱなしでいると尿管が折れ曲がり、尿の通りが阻害されることから腰痛や即腹部痛があらわれますが、これらは鈍痛のことが多いのが特徴です。
さらには排尿痛、頻尿、残尿管、血尿、たんぱく尿も尿に関係した症状としてあらわれることがあります。
それから、腎血管にねじれが起こることから、嘔吐、食欲低下、むかつきの症状が引き起こされることもあります。
そのほかの症状としては悪心、便秘、下痢、胃部膨満感などの症状を自覚する人もいます。

腎下垂・遊走腎の検査と診断

腎下垂・遊走腎かどうか調べるためにはまず、横になった体勢と立ち上がった体勢での腎臓の位置を確認します。
わき腹に触れることで位置を確認しますが、腎下垂・遊走腎の診断はこれだけでもつけられます。
また、その他の検査方法としては、静脈性腎盂造影(じょうみゃくせいじんうぞうえい)と呼ばれるものがあります。
これは静脈に造影剤を打ったあとX線撮影を行うもので、この検査を行うことにより腎臓の位置の低下が明確に認められることから、診断が確定されることになるのです。

腎下垂・遊走腎の治療の方法

腎下垂・遊走腎の状態に陥っていても、これといって症状がない場合には経過観察をおこなっていくことになります。
しかし、自覚症状があったりひどいケースでは、寝ていて腎臓の位置が正常なとき、下がらないようにすることを目的に腹帯を装着します。
それから、尿の症状がひどい場合には、手術療法により腎臓の位置を固定する方法がとられることがありますが、胃下垂などがあればその状態は改善されませんし、腎下垂

遊走腎の状態に再び陥るリスクがあることから、この方法が選択されるのは稀です。
そのほかの腎下垂・遊走腎の治療方法としては、やせ型の人は腎臓のまわりの脂肪を増加させる食事療法がおこなわれるほか、腹筋や背筋のトレーニングをする運動療法も同時におこなわれます。
また、長時間立ちっぱなしで辛くなってきたときには、横になるなど体勢を変えることにより、症状が落ち着くことがあります。
なお、腎臓の機能が悪化することはありませんので、腎不全を招くことはありません。

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