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膜性増殖性糸球体腎炎の原因・症状・検査・治療

公開日: : 最終更新日:2017/12/28 腎臓の病気・人工透析


膜性増殖性糸球体腎炎(まくせいぞうしょくせいしきゅうたいじんえん)とは、原発性の慢性糸球体腎炎の一種に含まれる病気のことをいいます。
ほとんどは低年齢層に起こり、30歳より下の年齢で引き起こされた人の割合が高くなっているのが特徴です。

体内に侵入する細菌やウイルスなどの抗原(こうげん)を無害化する抗体(こうたい)のサポート役である補体(ほたい)と呼ばれるものがありますが、膜性増殖性糸球体腎炎を引き起こしている人は、この補体の血液が乏しい状態に陥る低補体血症(ていほたいけっしょう)になっていることが少なくありません。

ネフローゼ症候群(ねふろーぜしょうこうぐん)となったり、慢性腎炎症候群(まんせいじんえんしょうこうぐん)になる症例が多くあり、腎不全に至ることも往々にしてあります。
また、現在において劇的に回復が見込める治療方法は確立されていません。

膜性増殖性糸球体腎炎の原因

残念ながら、いまの医学では膜性増殖性糸球体腎炎の原因は明確になっていません。
しかしながら、細菌やウイルスなどの抗原と、これに対抗し無害化する抗体とが結び付いた免疫複合体(めんえきふくごうたい)との関わりがあるのではないかと考えられています。

膜性増殖性糸球体腎炎の症状

膜性増殖性糸球体腎炎の症状はさまざまで、ネフローゼ症候群、慢性腎炎症候群のほか、無症候性(むしょうこうせい)のたんぱく尿や血尿が出ることもあります。

そのほか、中学3年生頃までの年齢の子供に関しては、無症候性のたんぱく尿や血尿のほか、急性腎炎症候群(きゅうせいじんえんしょうこうぐん)になることもあるでしょう。
なお、ネフローゼ症候群で起こる症状は浮腫(ふしゅ)と呼ばれるむくみのほか、胸やお腹に水が蓄積される胸水(きょうすい)や腹水(ふくすい)などが起こるケースもあります。

慢性腎炎症候群に関しては、たんぱく尿や血尿のほか、高血圧になることがあり、急性腎炎症候群に関しては血尿、高血圧、むくみが主な症状として引き起こされます。

膜性増殖性糸球体腎炎の検査と診断

膜性増殖性糸球体腎炎かどうかを調べるためには、尿、血液、腎臓の機能を確かめる方法がとられます。
まず、尿の検査がおこなわれた場合、膜性増殖性糸球体腎炎の人がどういう状態を示すのかといいますと、高度のたんぱく尿や血尿がみとめられます。

次に血液の検査についてですが、持続性の低補体血症を示す割合が高く、ほかには原因がはっきりとしない正球性正色素性貧血や白血球の減少がみとめられるケースも少なくありません。
そして腎臓の機能の検査ですが、膜性増殖性糸球体腎炎を引き起こしている場合、機能が低下していることが多いのが特徴です。

また、この病気であると診断を確定するためには、腎臓の組織を一部採取して調べなくてはいけません。
これを腎生検(じんせいけん)といいますが、顕微鏡で状態を調べた結果、この病気であるかどうか最終的な判断が下されることになるのです。

なお、顕微鏡で確認できる組織像は3種類に大別でき、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型があります。
国内においてはⅠ型かⅢ型のケースは大半を占めており、Ⅱ型は割合としてはかなり低くなっています。

膜性増殖性糸球体腎炎の治療の方法

現状において有効な治療方法は確立されていませんが、早期発見・治療により状態がよくなる見込みはあります。
選択される治療方法としては薬物療法が主であり、副腎皮質ステロイド・パルス療法が選択されることが多いです。

なお、パルス療法というのは副腎皮質ステロイドを大量に投与する治療方法のことをいいます。
そのほかには免疫抑制剤が使用されることもありますし、抗凝固薬や抗血小板薬が使われるケースもあるでしょう。

また、薬物療法以外におこなわれる治療方法としては、食事や運動を制限するなど、生活指導を受けておこなっていくものもあります。

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