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腎血管性高血圧症の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


腎血管性高血圧症(じんけっかんせいこうけつあつしょう)とは、病気などが原因となり発症する二次性高血圧症(にじせいこうけつあつしょう)の一種です。
腎臓の動脈が狭くなることにより引き起こされるのが特徴です。
片側の腎臓か両側の腎臓の動脈が狭くなりますが、狭くなると血液の供給量が減ることから、血管が狭い腎臓から血液を高めるレニンと呼ばれるたんぱくが産生されます。
このような現象が起こるために、急激な血圧の上昇が起こるようになるのです。

腎血管性高血圧症の原因

二次性高血圧症の一種であることから、さまざまな病気が原因となって引き起こされるのが腎血管性高血圧症の特徴です。
最も原因として多いのは動脈硬化(どうみゃくこうか)であり、そのほかには線維筋性異形成(せんいきんせいいけいせい)、大動脈炎症候群(だいどうみゃくえんしょうこうぐん)を挙げることができます。
動脈硬化は50歳以上の人で特に男性の割合が高く、線維筋性異形成は20~40歳の女性、大動脈炎症候群は若い世代の女性の割合が高いのが特徴です。

腎血管性高血圧症の症状

腎血管性高血圧症になっていたとしても、血圧上昇は認められるものの、これといった症状を自覚しないのが特徴です。
この高血圧症状は、腎臓の動脈が狭くなっているところを治してあげることにより、改善する見込みがあります。
なお、無症状のことが多いからといって軽視することはできません。
腎血管性高血圧症は、放置していると腎機能がおかされることにより腎不全を招いたり、心不全、脳卒中など、死亡リスクの大きい病気の引き金になりかねないからです。

腎血管性高血圧症の検査と診断

腎血管性高血圧症であるかどうか調べるためには、さまざまな検査がおこなわれます。
まず基本的身体検査をおこないますが、このときみぞおちのあたりなどに聴診器をあてると、血流雑音が聴き取れることがあります。
それから、血清生化学検査をおこない、高レニン血症などが認められるかどうか調べます。
さらにカプトプリル負荷テストにより、アンジオテンシン変換酵素阻害薬のカプトプリルを内服し、そのあとの血中レニン血の過大反応が認められるかどうか確かめます。
そのほか、各種画像検査もおこない、腹部超音波検査、3D-CTなどが選択されます。
腹部超音波検査としてはドップラー検査が選択されることになり、この方法では腎臓の動脈の血流を測定することが可能です。
また、3D-CT検査では、動脈が狭くなっている箇所の画像がはっきりと映し出されます。
診断はレニンなどの上昇が認められ、腎動脈造影をおこない腎臓の動脈が狭くなっていることがわかった場合につくことになるでしょう。

腎血管性高血圧症の治療の方法

腎血管性高血圧症と診断が下された場合、治療方法としては薬物療法と手術療法の2種類の選択肢があります。
まず薬物療法ですが、血圧をコントロールすることを目的に、さまざまな降圧薬を使用することになるでしょう。
とりわけレニンが原因で血圧が上昇することから、これに効果を発揮するアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬などを使った治療がおこなわれます。
なお、薬物療法により血圧コントロールが上手くいかないケースでは、利尿薬やカルシウム拮抗薬といった、別の種類の降圧薬を組み合わせて使用する形になるでしょう。
薬物療法は対症療法ですが、一方の手術療法は根本的治療方法となります。
手術法としては、経皮経管腎動脈形成術(けいひけいかんじんどうみゃくけいせいじゅつ)、PTRAと呼ばれる方法が選択されることになります。
これは動脈にカテーテルを通し、バルーンやステントを使用し狭くなった腎臓の血管を拡張させることができる手術法です。
なお、腎血管性高血圧症になった場合、最初にこの経皮経管腎動脈形成術を受けることになるケースも珍しくありません。

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