*

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2016/05/12 感染症, 人獣共通感染症


南北アメリカ大陸で見られる、ウイルス性の肺炎です。
ウイルスはネズミ(シカネズミ)が媒介し、ウイルスを持ったネズミの排泄物に触れたり、排泄物を含んだほこりを吸うことで感染します。
1993年に、アメリカ南西部で肺水腫(肺に水がたまる症状)を伴う急性の呼吸困難による死亡が、ナバホインデアンの間で複数報告されたことから確認されました。

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の原因

ブニヤウイルス科のハンタウイルスが原因です。
ブニヤウイルスの仲間のウイルスの多くは節足動物(ダニやマダニ)が媒介するのですが、ハンタウイルスはネズミが媒介します。

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の症状

潜伏期間は2週間です。
はじめの状態は風邪に似ていて、38~40度の熱や咳がみられます。
筋肉痛や悪寒、嘔吐・悪心、下痢、だるさなどが見られます。
症状は急激に進行し、呼吸困難を起こします。

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の感染経路

ウイルスの種類によっては、ヒトからヒトへの感染がないとは断定できませんが、おもにウイルスに感染したネズミに接触することで起こります。
ネズミに引っかかれたり、噛まれたりするだけではなく、糞や尿に触れることで感染します。

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の予防

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の予防には、ネズミとの接触を避けることが重要になります。
シカネズミは人家にも入り込みやすく、またアメリカ大陸に広く生息していますので、家の周囲を清潔にしてネズミの巣をつくらせないようにするなどの工夫が必要です。
ハンタウイルス肺症候群(HPS)は、ネズミ以外のペットや昆虫、家畜などを介して感染することはありません。

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の治療

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の患者は、早期の集中治療が必要になります。
対症療法が中心になりますが、血圧や血中の酸素量、体液のバランスを注意深くモニターする必要があります。

ハンタウイルス肺症候群(HPS)の検査

組織から、ウイルスやウイルスの抗体、ウイルスの遺伝子を検出することで診断されます。
ネズミとの接触があったかも重要な判断材料になります。

関連記事

ジアルジア症の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

ジアルジア症は発展途上国を中心に、世界的に確認されている感染症です。 海外渡航者の帰国時に

記事を読む

細菌性赤痢の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

細菌性赤痢は、赤痢菌によって発症する急性下痢症のひとつです。 2007年4月に改正された感染症

記事を読む

反応性関節炎(ライター症候群)の原因,症状,検査,治療,予防など

反応性関節炎(ライター症候群)とは(概要) 反応性関節炎(はんのうせいかんせつえん)は、1

記事を読む

仮性結核の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

仮性結核は仮性結核菌感染を原因とする、感染症のひとつです。 人間と動物共通の感染症で、さまざま

記事を読む

ブルセラ病の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

ブルセラ病は、ブルセラ属の細菌感染によって引き起こされる動物や人の共通感染症です。 さまざまな

記事を読む

敗血症を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

敗血症とは 敗血症(はいけつしょう)とは、血液中に細菌やウイルス、真菌(しんきん)など

記事を読む

腸チフス、パラチフスを詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

腸チフス(ちょうちふす)、パラチフス(ぱらちふす)とは、サルモネラという細菌の一種であるチフ

記事を読む

回帰熱の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

我が国では、ボレリア属の細菌「ボレリア・ミヤモトイ」を持っているマダニ類に噛まれることで、細菌が

記事を読む

黄熱の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

アフリカと南アメリカに広がっている病気です。 ウイルスを持った蚊が媒介する感染症で、発症すると

記事を読む

ペストの原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

ペストは、ペスト菌によって引き起こされる全身の感染症です。 ノミや感染した人に接触することで感

記事を読む

ぶどう膜炎を詳しく:原因・症状・検査・治療など

ぶどう膜炎とは 眼球はその内側に存在する虹彩(こうさい)・毛様体(もうようたい)・脈

サイトメガロウイルス網膜炎を詳しく:原因・症状・検査・治療など

サイトメガロウイルス網膜炎とは 眼球のいちばん奥に存在し、光を感じる神経の膜のことを

粉瘤を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

粉瘤とは(概要) 粉瘤は「ふんりゅう」と読み、皮膚の下に形成された袋状の良性腫瘍

心室細動を詳細に:原因,症状,検査,治療など

心室細動とは 心室細動(しんしつさいどう)はVF(Ventricular fib

咽後膿瘍を詳しく:原因・症状・検査・治療など

咽後膿瘍とは 咽後膿瘍(いんごのうよう)とは、ノドのつきあたり部分のリンパ節に細菌な

→もっと見る

PAGE TOP ↑