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クリプトスポリジウム症の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2016/04/21 感染症, 人獣共通感染症


クリプトスポリジウムという原生生物によって引き起こされる病気で、激しい下痢や腹痛などが起こります。
衛生状態の悪い発展途上国で見られる小児の下痢の原因になっています。
HIV/AIDSの患者の場合では、致命的になることがありますが、健全な免疫のある人は数週間で自然に回復します。
ただし、水を介して爆発的に流行するおそれのある病気であり、集団感染に注意が必要です。
動物では、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、トカゲ類などがこの寄生虫を保有していることがあります。
クリプトスポリジウムはありふれた生物ですので、完全に取り除くことはできません。
土や動物に触ったあとは、手洗いを励行してください。

クリプトスポリジウム症の原因

土壌や糞便、水、汚染された食物などに含まれるクリプトスポリジウムという原生生物(寄生虫)のオーシスト(卵のようなもの)が原因になります。
余暇や仕事で釣りなど、淡水に接する機会の多い人は感染しやすいです。
クリプトスポリジウムのオーシストは塩素や漂白剤に対して耐性があり、プールや公園の水場などからも感染することがあります。
また、この微生物は特別なろ過装置を使わないとろ過することができません。

クリプトスポリジウム症の症状

2日から数日の潜伏期間を経て、おびただしい量の水様の下痢が2週間程度続きます。
下痢のほかは腹痛や悪心、倦怠感、食欲不振などです。発熱が見られることもあります。
1日数回の下痢で済む患者もいれば、1日で20回以上の下痢が起こる患者もいます。
エイズ患者がクリプトスポリジウム症感染した場合は、この激しい下痢が原因で亡くなることもあります。
下痢は、出血することはありません。

クリプトスポリジウム症の感染経路

土壌、動物の糞便、汚い水などからクリプトスポリジウムが体に入ることによって起こります。
水道水の塩素程度ではクリプトスポリジウムは死なないので、爆発的に広まることがあります。
下痢の症状がおさまっても、数週間は感染力のあるオーシストが排出されますので、注意が必要です。
とくに、エイズ患者の人は生水を飲まないようにしたり、動物を触らないようにしたりする必要があります。
ウシやブタなどでは頻繁に検出されるので、畜産においては珍しい病気ではありません。

クリプトスポリジウム症の予防

入浴や入念な手洗いが効果的です。
殺菌剤はあまり効果がありませんので、ついたオーシストを物理的に洗い流すようにします。
集団感染以外では、日本国内では10例程度と散発することは少ない病気です。
ただし、海外ではおむつをしている赤ちゃんが、保育所で集団感染した例もありますので、おむつ交換の際には手の衛生に気をつけてください。
感染が広がっている時期や地域に旅行する際などには、はみがきなどに使う水道水も煮沸する必要があります。
煮沸は何分も行なう必要はなく、いったん沸騰すれば、クリプトスポリジウムのオーシストは死滅します。
食材も、生で食べることは避け、しっかりと加熱するようにします。

クリプトスポリジウム症の治療

クリプトスポリジウム症そのものに対する特効薬はありません。
水分の摂取などの対症療法が中心になります。
飲みやすいスポーツドリンクなどで水分を摂取してください。
水様の下痢は多い時には1日に10リットル以上にもなります。
下痢が激しいときは、下痢止めが使われる場合もあります。
多くの人は数週間で自然に治ります。
一旦下痢が治まっても、クリプトスポリジウムのオーシストは排出されますので、便にはさわらないようにして、衛生を保ってください。
エイズ患者の人がクリプトスポリジウム症を起こした場合は、抗生物質が使われる場合もありますが、一過的な効果しか見られず、多くの場合再燃します。

クリプトスポリジウム症の検査

検便を行ないます。
便のなかにクリプトスポリジウムがいたり、抗体がみられたりすると、クリプトスポリジウム症であることが確定します。

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