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オウム病の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2015/09/21 感染症, 人獣共通感染症


オウム病は、名前が示すとおり鳥から感染する人獣共通感染症のひとつです。
鳥を飼っている人は感染のリスクがあるので、日頃から気をつける必要があります。
ここではオウム病について、解説していきます。

オウム病の症状

オウム病を発症すると、軽いインフルエンザのような症状があらわれます。
主な症状としては、全身倦怠感や筋肉痛、悪寒をともなう高熱などが挙げられます。
症状がひどい場合は、多臓器障害があらわれることもあります。

はじめにあらわれる症状としては38℃以上の発熱と咳で、これらの症状は多くの人に見られます。
割合としては半分ほどですが、頭痛が見られる場合もあります。
ほかにも、血痰や胸痛などが見られるケースも確認されています。

悪化すると呼吸困難や意識障害が起こることもあり、さらに血液を通じてほかの臓器にも炎症が拡大されることもあります。
髄膜炎や心筋炎、関節炎、心外膜炎、膵炎などの合併症が起きる場合もあります。
合併症状は初期治療が不適切だった場合などに起こりやすいので注意が必要です。

オウム病の感染経路

オウム病はクラミジア・シッタシという微生物を保菌している鳥から、人間へと感染する病気です。
オウム病の病原体がオウムからはじめて分離されたことからこの名がついていますが、感染源はオウムだけではありません。
感染源の多くはインコで、続いてハト、オウムが多いとされています。

ほかにも、アヒルやシチメンチョウ、ガチョウ、ニワトリ、野鳥などからの感染も確認されているため、鳥全般が感染源だと考えたほうがいいでしょう。
鳥類の繁殖期である4~6月は、オウム病の発症率が高いことがわかっています。
世界的に見るとオウム病に感染した鳥や人間は増加傾向にあり、その多くは飼育している鳥からだと言われています。
日本では、輸入された鳥の多くが感染していることが判明したことをきっかけに、広く知られるようになったという経緯があります。

オウム病のほとんどは散発的なもので、集団発生はあまり起こることはありませんでした。
しかし、日本国内では2001年以降、いくつかの動物展示施設での集団感染が報告されています。
鳥は保菌している状態でも、見た目は健康を害しているようには見えません。
そのため、知らず知らずのうちに人間へと感染してしまうことが多いのです。

ヒナの育成中にストレスが与えられた場合、体が弱っているとき、ほかの感染症を合併したときなどは、ときどき便のなかに菌を排泄するため、そこから人間に感染することがあります。
そのほかにも、羽毛などを通じて口や鼻から吸い込んでしまうケース、口移しで餌を与えることによる経口感染などによって人間にうつります。
口や鼻から人間の体へと入り込んだ菌は、細胞に吸収されて増殖を重ね、下気道へ広がるか血液によって肺胞や肝臓・脾臓など全身の臓器に拡散されます。

オウム病の治療

オウム病はクラミジア・シッタシによって起こるので、クラミジア・トラコマチス肺炎と同じ治療法が用いられるのが一般的です。
治療には抗菌薬が用いられますが、大切なのは抗菌薬が細胞内にしっかり浸透するということです。
ペニシリン系やセフェム系などのβ(ベータ)‐ラクタム系薬は細胞内移行がしづらく、ターゲットとなる細胞壁にはクラミジアは見られないため、クラミジアの勢いを抑えることがむずかしいとされています。

マクロライド系薬、ニューキノロン系薬(レスピラトリー・キノロン)、テトラサイクリン系薬、ケトライド系薬は細胞内で移行しやすく、しかもクラミジア増殖を抑える効果が高いので、これらをつかって治療を進めていきます。
それぞれの薬剤の最小発育阻止濃度(MIC)については、クラミジアの種類による違いは見られません。
また、現時点でクラミジア・トラコマチス以外の野生株の耐性化の確認はなされていません。
抗菌薬の投薬が問題なくできれば、ほとんどの人が1週間ほどで治ると言われています。
投与期間に関しては、通常感染の細菌性肺炎の場合は7~10日ほどがほとんどですが、クラミジアの場合は2週間程度行うことが推奨されています。

症状が悪化している場合は点滴によって薬剤を投与しますが、症状が軽くなったら経口剤に変更します。
症状が全身へと広がっている場合は、それを改善するための治療も行われます。
肺炎が両側に拡大した低酸素血症が生じた場合は、呼吸管理や酸素投与などを行うとともに、ステロイド薬をつかって改善させていきます。

オウム病の予防

オウム病に関しては、鳥用と人間用のワクチンは現時点では開発にいたっていません。
そのため、自分で気をつけることで感染を予防するしかないのが現状です。
鳥を飼育している人はできるだけ野外で飼うようにして口移しで餌をやるなど、過剰な接触は控えるようにしましょう。
知らず知らずのうちに糞などが付着してしまうこともあるので、鳥にさわったあとは必ず手をきれいに洗うことも大切です。
鳥かごの掃除は頻繁にして、食事をする場所とは離れた場所に設置します。

乾燥した糞は空気中を舞うので、それを吸い込むことでウイルスに感染することがあります。
飼っている鳥が体調を崩しているようなら、動物病院につれていき、検査を受けることをおすすめします。
新たに小鳥を飼うことになったら、2週間以上ほかの小鳥と接触しないようにして健康状態を見ておくようにしましょう。
もしも、飼育中の鳥がウイルスに感染してしまったら、獣医師の指示をあおぐ必要があります。
感染した鳥を放つとほかの鳥や人間に感染が広がる可能性があるので、鳥かごのなかに入れておくようにします。

糞やこまかい羽毛が飛ぶと感染しやすくなるので、鳥かごのまわりをなにかで覆うなどして対策をとることが大切です。
鳥かごは清潔にしておく必要があるので、毎日消毒をして、消毒後は手をきれいに洗浄します。
適切な処置をしていれば、オウム病のリスクはかなり回避できます。
また、クラミジアを保有していたとしても、必ず人間に感染するというわけではないので、過度にこわがらずにきちんと対処することが重要です。

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