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猫ひっかき病の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2015/10/02 感染症, 人獣共通感染症


猫ひっかき病は猫や犬に引っかかれた傷、もしくは噛まれた傷が原因によっておこる感染症です。
夏から秋にかけて発生しやすくなる猫ひっかき病ですが、どういった症状が見られるのでしょうか。

猫ひっかき病の症状

猫ひっかき病は数日~収集間の潜伏期間を経て、症状があらわれるのが一般的です。
はじめにあらわれることが多いのが皮膚症状で、直径2~5mmほどの小さな赤い発疹が見られます。
膿をともなう発疹、かさぶたがあらわれる場合もあります。

下顎や頸部、脇の下などリンパが流れる箇所は痛みをともなう腫れが見られ、リンパ節の腫れは鶏の卵ほどの大きさにふくれあがることもあります。
リンパ節ははじめは硬く、痛みをともないますが、少しずつやわらかくなって一部が破けて膿が流れ出てきます。
発疹やリンパ節の腫れは通常は2~5ヶ月ほどで自然治癒します。

発症した多くの人が微熱が継続し、吐き気や関節痛、全身倦怠感などの症状が見られます。
そのほかにも、頭痛、意識障害をともなう脳症、結膜炎などがあらわれることもあります。
また、肝硬変や糖尿病など免疫力が低下する基礎疾患をもつ場合、あるいは小児は重症化しやすいので注意が必要です。

重症化した例としては、脊髄障害や麻痺といった状態も報告されています。
突然視力障害が起こることもあり、眼科医の診察によって病気が発覚することもあります。

猫ひっかき病の感染経路

猫ひっかき病はバルトネラ属の菌に感染することで、発症します。
バルトネラ属の菌は猫や犬などの動物の口腔内や爪、もしくは動物に寄生するノミなどに見られます。
猫の血液を吸うことで菌に感染したノミは、体内で菌を増やして糞便として排泄します。
その排泄物が猫の歯や爪につきます。

その状態で猫に噛まれたりひっかかれたりすることで、人間にも感染するのです。
感染例としてはごくわずかですが、菌をもつノミが人間を直接さすことで感染することもあります。
日本国内では猫のおよそ1割がこの菌に感染し、保菌していると言われています。
不特定多数の猫と接触する機会が多い野良猫や、ケンカすることが多い雄などが保菌していることが多いとされています。

人間への感染の多くは猫からで、特に子猫からの感染リスクが高いと言われています。
菌をもつ猫にひっかかれる、あるいは噛まれることで人間に感染します。
なめられるだけでも感染することがあるので、注意が必要です。
20歳以下の男性は特に感染しやすい傾向にあると言われているため、十分に気をつける必要があります。
猫ひっかき病の患者数は全国でどの程度いるかははっきりとわかっていませんが、全国で年間2万人ほどが発症していると推測されています。

患者数は夏から秋にかけて多く見られますが、これは猫に寄生するノミの繁殖と関連性が高いからだと言われています。
この季節は春に誕生した子猫が外を出歩きはじめる時期で、ほかの猫との接触回数が増えます。
そのため、猫同士のケンカによって、あるいは寄生するノミを介して、人間への感染が増加するのではと考えられています。

猫ひっかき病の治療

猫ひっかき病は成人の場合は、ほとんどが自然治癒します。
そのため、鎮痛薬や解熱薬などの対処療法のみを行い、経過観察するのが一般的です。
ほとんどはそれだけで症状は改善し、抗菌薬などを用いなくても6~12週間ほどで回復します。
ただし、症状が長期間継続する場合は、抗菌薬を内服することになります。

治療薬として用いられることが多いのが、マクロライド系抗生物質です。
テトラサイクリン系抗生剤であるミノサイクリンも効果が期待できると言われていますが、歯牙に色がつくという副作用があります。
そのため、永久歯が生えていない幼い子供への投与には慎重さが求められます。
免疫力が低下した高齢者などは重症化する恐れがあるので、経過観察は慎重に行われます。

重症化すると麻痺や脊髄障害といった症状があらわれるので、十分に注意する必要があります。
重症化した場合は、入院や集中治療室での治療が必要になることもあります。

猫ひっかき病の予防

猫ひっかき病の感染予防として重要となるのが、飼い猫を外に出さないようにしつけをすることです。
外に出なければほかの猫との接触頻度を少なくすることができるため、それだけ感染のリスクが低下します。
また、猫や犬の爪はこまめに切っておくことも大切な予防です。

爪を短い状態にしておけば、ひっかかれたときに傷がつきにくく、感染のリスクを低くすることができます。
動物は興奮すると噛んだりひっかいたりしやすくなるので、乱暴に扱うなどするのはたとえペットであっても危険です。
ノミを介して感染することもあるので、ノミの駆除も定期的に行うことが大切です。
自宅で飼っているペットであればノミの駆除は容易ですが、当然ながら野良猫のノミの駆除は困難です。

野良猫に触れるとノミを介して感染する恐れがあるので、うかつに近づかないようにしましょう。
餌を口移しで与えるといった過剰なコミュニケーションは猫ひっかき病だけでなく、さまざまな感染症の原因となるので避けるべきです。

猫ひっかき病の検査

猫ひっかき病の疑いがあって医療機関を訪れた場合、問診で猫や犬との接触歴を聞かれるのが一般的です。
そのほか、原因が特定できない3週間以上継続するリンパ節の腫れ、同じく原因不明の発熱、組織病理学的所見などによって診断は行われます。
血液検査では白血球の増加やCRP上昇など炎症状態が確認されることがありますが、必須ではありません。

MRIやCT、超音波検査などの画像検査を行うことで、腫れているのがリンパ節であるのか確かめることができます。
リンパ節がどのように腫れているかも詳細に調べられます。
血清検査ではIgGの上昇が確認された場合、猫ひっかき病と診断されます。
ほかにも、同じような症状が見られる病気はいくつかあるので、それとの鑑別検査が実施される場合もあります。

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