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カンジダ性食道炎(食道モリニア症)を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/11/24 感染症

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)とは

カンジダ性食道炎(かんじだせいしょくどうえん)とは、カンジダという真菌(しんきん)=かびの一種が食道の中で増殖して生じる炎症です。
食道モリニア症(しょくどうもりにあしょう)も、カンジダ性食道炎と同じ病気のことをさしています。

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、食道カンジダ(しょくどうかんじだ)という病名でよばれることもあります。
食道の感染症としては一番多く、免疫力が低下するなどしたときに感染を起こしてしまいます。

カンジダが食道内で増殖することにより、食べ物が食道を通るときにつかえる感じやしみる感じがするなどの症状が出現することもありますが、自覚症状がないこともあります。

症状がなく免疫力に問題がなければ、自然に良くなることもある病気です。

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の原因

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、何によって引き起こされてしまう感染症なのでしょうか。

また、どのようにしてカンジダ性食道炎(食道モリニア症)は起こるのでしょうか。
どういう人が気をつけなければいけない病気なのかも気になるところです。

ここではこのような疑問をお持ちの方のため、カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の原因に関する情報を提供させていただきます。

何が原因で起こる病気?

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、真菌(かび)の一種であるカンジダによって引き起こされる病気です。

食道内へとカンジダが感染、増殖することによって、食道の内側の壁に白かび=白いコケ状の盛り上がりが点在している状態になります。

増殖の度合いによっては、食道の内壁に白かびがびっしりと張り付いているような状態になります。

なお、カンジダには複数の種類が存在し、食道内で増殖するのは多くの場合、モリニア・アルビカンス(カンジダ・アルビカンス)という種類のカンジダです。
カンジダによる病気は食道以外の場所にも起こることがあり、カンジダが口内で増殖した場合には口腔カンジダ症(こうくうかんじだしょう)、性器で起こった場合には性器カンジダ症(せいきかんじだしょう)といいます。
また、カンジダが胃や腸で増殖することはめったにありません。

胃で増殖しにくいのは、カンジダは酸に強くなく、胃の胃酸に負けてしまうためです。
一方、腸で増殖しにくいのは、腸内には大量の善玉菌が生息しているためです。

起こるしくみは?

真菌の一種であるカンジダは、人間の体の皮膚や粘膜にひろく常在しています。
カンジダは空気にさらされていない環境下で活発に増殖します。

ただ、通常は簡単に感染、増殖するようなものではありません。
皮膚にカンジダが付着していても、すぐに落ちたり流れたりして増殖は起こりません。

また、食道など体の中でも、通常であれば善玉菌(ぜんだまきん)がカンジダの増殖を抑制してくれています。
しかし、体の中の善玉菌が減少することや、免疫力がダウンすることなどによって、カンジダが増殖することがあります。

長期間にわたって抗生物質の服薬をしていることや、食物繊維の摂取不足や糖の過剰摂取をしていることで善玉菌が減少し、長期間にわたる副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンや免疫抑制薬、抗がん薬の服薬などにより免疫力が低下してしまいます。

また、年齢の高まりによって抵抗力が落ちてしまうことが、カンジダ増殖を招く原因になることもあります。

注意しなければいけないのはどんな人?

先述のとおり、長期間にわたり抗生物質を服薬している人、食物繊維の摂取不足や糖の過剰摂取をしている人、長期間にわたり副腎皮質ホルモン薬、免疫抑制薬、抗がん薬の服薬をしている人、歳を重ねたことによって抵抗力が下がっている人をまずはあげることができます。

自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)、後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)、悪性腫瘍(あくせいしゅよう)、糖尿病(とうにょうびょう)、食道憩室(しょくどうけいしつ)などがある人は、カンジダ性食道炎(食道モリニア症)に気をつけなくてはいけません。

また、カンジダ性食道炎(食道モリニア)は口の中で起こる口腔カンジダ症が移行してきて起こることがある点にも注意が必要です。

食道の壁が機械的・物理的に傷つけられてしまうことによっても、カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の原因となる真菌が感染するきっかけになります。

症状

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、真菌の一種であるカンジダによって起こる食道の感染症です。

カンジダは皮膚や粘膜のように人体にひろく常在しており、通常は感染、増殖することはありませんが、善玉菌の減少や免疫力の低下などによって増殖し、発症します。
カンジダ性食道炎(食道モリニア症)では、どのような症状が出現するのでしょうか。

以下にカンジダ性食道炎(食道モリニア症)の症状に関する情報をまとめていますので、気になるという方はチェックしてみてください。

どんな症状が起こる?

カンジダが増殖することにより、食事で摂取したものが食道を通り抜けていくときにつかえる感じやしみる感じがするなどの症状が起こることがあります。

しかし、自覚症状がないというケースも少なくありません。

症状がなく免疫力に異常がない場合には、自然に良くなってしまうこともある病気です。
そのほかに吐き気・嘔吐(おうと)の症状や、胸や背中の痛みを感じることがあります。

検査・診断

真菌の一種であるカンジダによって起こる感染症のカンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、食事で口にしたものが食道を通り抜けていくときにつかえる感じやしみる感じなどの症状が起こり得る病気ですが、無症状のこともあります。

このカンジダ性食道炎(食道モリニア)症の診療は何科で行なわれているのでしょうか。
また、医療機関ではこの病気をどのような方法で調べているのでしょうか。

ここではカンジダ性食道炎(食道モリニア症)の検査・診断について解説させていただきます。

受診に適した診療科は?

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)にあてはまるような気になる症状がある場合に、何科へ行けば良いのかで迷ってしまうこともあるでしょう。
そのような場合ですが、消化器科・内視鏡科へ行けば対応してくれます。

どの病気にもいえることではありますが、症状は放置することなく早期発見・治療のためになるべく早く医療機関へ行きましょう。

また、この病気は初期の食道ガンで起こる症状と似ているという特徴があります。
食道ガンは最悪の場合、命にかかわる病気です。

自覚症状がある人はこのような深刻な病気とはっきり区別するためにも、早期に受診することが重要です。

どうやって調べる?

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)かどうかを確認する方法として、内視鏡(ないしきょう)検査をあげることができます。

内視鏡というのは、先端に小型カメラまたはレンズが搭載されている細長い管のことです。

この内視鏡を挿入することにより、食道の内側の壁に白かびが発生していることがわかります。
この白かびが水で洗い流されなければカンジダ性食道炎(食道モリニア症)と診断されます。

診断を確定する方法としては、食道の内側の壁に発生している白かびを顕微鏡で観察したり培養したりする検査があります。

なお、カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、胃の内視鏡検査を受けたときに偶然に発見されるようなケースもあります。

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の治療

検査を受けた結果、カンジダ性食道炎(食道モリニア症)を起こしていることがわかった場合、医療機関ではどのような処置をほどこすのでしょうか。

ここでは、カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の治療について解説させていただきます。

治療方法は?

ポリエンマクロライド系の抗生物質(抗真菌薬)であるナイスタチン、アムホテリシンBといった薬剤を内服します。

これらの抗生物質には、カンジダを殺菌する効果があります。
通常1~2週間、内服していれば快復するため、過度に不安に感じる必要はありません。

抗生物質の内服が困難な患者に対しては、点滴を行なうことになります。
薬物療法以外としては、食事療法をあげることができます。

カンジダは糖分を非常に好むため、摂取を制限します。
また、カンジダが歯ブラシに付着した場合には、流水洗浄で取り除くことが困難です。

そのため、歯ブラシはこれまで使っていたものを引き続き使用するのではなく、新品を購入して歯みがきを行ないます。
また、義歯(ぎし)などは取り外したあとに消毒薬を使って殺菌消毒を行ないます。

そのほか、使用中の薬剤が原因でカンジダ性食道炎(食道モリニア症)を起こした場合には、その薬剤の使用の中止を検討することがあるほか、合併している病気の治療も受けることになります。

抗真菌薬は安全?

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の治療で使用されているナイスタチン、アムホテリシンBは、体の中でほぼ吸収されません。
したがって、副作用は少ないです。

ただ、内服した人によっては吐き気、食欲低下、下痢、発疹(ほっしん)、発赤(ほっせき)、かゆみ、発熱、体のだるさ、眼の充血、ノドの痛み、くちびるや口の中のただれ、水ぶくれ、膿(うみ)、皮がむけるなどの症状が副作用として起こることがあります。
気になる症状が出たときには、医師に相談しましょう。

また、指示されたとおりの服用方法で、指示された期間は最後まで服用を継続しましょう。

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の予防

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、未然に防ぐことができる病気なのでしょうか。
ここでは、カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の予防に関する情報を提供させていただきます。

免疫力を高める

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、免疫力の低下が原因になって起こる感染症です。

生活習慣が乱れていると、体の免疫機能が低下してしまい、カンジダの感染、増殖を招きやすくなってしまいます。

規則正しい生活を送り、栄養バランスの良い食事をとる、適度な運動を習慣化する、十分に睡眠をとるなど、免疫機能を高めるような生活習慣に見直しましょう。

食物繊維・乳酸菌を十分に摂る

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)は、体内の善玉菌が減少することも原因になります。

食物繊維や乳酸菌は腸内環境を整えて、善玉菌の増殖、活動の活発化を促します。
毎日の食事の中で、十分な量を摂りたいところです。

食物繊維や野菜類や豆類などに豊富に含まれており、乳酸菌はヨーグルトなどの乳製品から多く摂ることができます。

口内を清潔に維持する

口内のカンジダが食道へと侵入し、増殖を起こすケースがあります。
口の中にカンジダが根付いてしまうことがないよう、正しいブラッシングなどの口腔ケアによって、いつもきれいな環境にしておくことが重要です。

糖分を控える

カンジダ性食道炎(食道モリニア症)の原因となる真菌のカンジダは、糖分をエサにします。
糖分の過剰摂取は、自分でカンジダの増殖の手助けをしているようなものです。

いっさい摂ってはいけないものではありますが、摂取量が多過ぎになってしまうことがないよう気をつけなければいけません。

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