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鉤虫症(十二指腸虫症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

公開日: : 最終更新日:2018/01/26 感染症, 寄生虫症

鉤虫症(十二指腸虫症)とは

鉤虫症(こうちゅうしょう)とは、回虫の一種である鉤虫が腸に寄生して起こる感染症であり、十二指腸虫症(じゅうにしちょうしゅうしょう)とも呼ばれています。
鉤虫は体長1cm程度の寄生虫で、人間に寄生する鉤虫にはズビニ鉤虫とアメリカ鉤虫が存在し、地球上ではおよそ10億人もの人が鉤虫症にかかっています。

鉤虫症は高温多湿、衛生状態の劣悪な地域に多発しており、現在の日本国内での報告例はほとんどありません。
輸入感染症として認識されています。
輸入感染症というのは、海外で感染して日本に持ち込まれる感染症のことです。

鉤虫症(十二指腸虫症)の原因

感染の原因

土のなかにいる幼虫が皮膚から侵入することによって感染してしまいます。
鉤虫がいる土の上を何も履かずに歩くことや、座ったときに感染してしまいます。
また、幼虫が付着している野菜などを摂ってしまうことが原因になる場合もあります。

鉤虫が体内に入り込むとどうなる?

感染力のある鉤虫の幼虫が皮膚や口から体内に入り込むと、血液の流れに乗って肺へとたどり着きます。
そして肺の分泌液に混ざって咳と一緒に口に到達し、そこから飲み込まれて今度は胃へと場所を移します。
そこから幼虫は腸までたどり着いて、そこで成長して成虫になります。

体内に入り込んでここにいたるまでに要する期間は、約1週間です。
成虫の首の部分には鋭い牙のようなものが付いており、これを使って腸に付着します。
鉤虫の鉤はこの牙のことを意味しています。

成虫になるまでは感染後1~2ヶ月間を要し、牙で腸の粘膜に噛み付いて血液の凝固を阻害する物質を生み出し、血液や体液をエサにして成長していきます。
成虫になったあとはメスは卵を産み、卵は便と一緒に排泄されます。

そして卵は土のなかで1~2日でかえり、幼虫としてまた人間への感染力を持って侵入してくるリスクがあります。
なお、成虫は便と一緒に体外へと排出されるまで、小腸内で1年以上生きる場合があります。

鉤虫症(十二指腸虫症)の症状

貧血(ひんけつ)

成虫が腸の粘膜に噛み付いて出血し、また血液を吸うことによって貧血の症状が出現します。
寄生している鉤虫が少なければはっきりとした症状は出ないものの、寄生している鉤虫の数が多い場合には、鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)による動悸(どうき)、息切れ、めまいといった症状が出ます。

栄養バランスに偏りのある食事をしている人、妊娠中の人、マラリアがある人は、重い貧血を起こすリスクがあります。
貧血はひどい場合には、心不全(しんふぜん)を招いてしまう恐れもあります。

そのほかの症状

幼虫が皮膚から入り込んだ場所に、赤く盛り上がってかゆくなる発疹(ほっしん)が発生します。
この症状のことは皮膚鉤虫症といいます。
感染初期では幼虫は肺を通過するため、ぜーぜー、ひゅーひゅーと鳴る呼吸音が出る喘鳴(ぜんめい)、乾いた咳の症状が起こります。

ほかにも腹痛や下痢、吐き気、発熱、血便、食欲不振、お腹に水が貯留する腹水(ふくすい)のほか、鉤虫症を繰り返す子どもは鉄とタンパク質の消失により成長や精神発達に遅れが出てしまうことがあります。

鉤虫症(十二指腸虫症)の検査・診断

問診

鉤虫症は高温多湿、衛生状態の劣悪な地域で流行しやすい感染症です。
中国、インド、南アメリカ、アフリカなどに渡り、日本へ戻って貧血症状などのこの感染症にあてはまるような症状がある場合、医療機関へ行きましょう。
流行地への渡航後に貧血が起こっている場合には、問診によりこの病気が疑われることになります。

血液や便の検査

鉤虫症の初期段階で血液を検査すると、好酸球や白血球の値が高くなっています。
また、糞便のなかから、寄生虫や卵が発見されることで診断が下されます。

鉤虫症(十二指腸虫症)の治療

駆虫薬

駆虫薬というのは、寄生虫を駆除する効果のある薬剤です。
成分名ピランテル(製品名コンバントリン)という名称の駆虫薬を飲むことにより、この病気は快復します。

鉄剤

貧血症状に対して効果のある薬剤です。
ひどい鉄欠乏性貧血を起こしている人が飲むことになります。

鉤虫症(十二指腸虫症)の予防

流行地に行かない

鉤虫症は現在、日本国内での発生例はほぼなく、輸入感染症の一種として認識されています。
そのため、必要もないのに流行地へと渡るようなことをしないのが、一番の予防法といえるでしょう。

流行地で気をつけること

仕事などでやむを得ず流行地にわたった場合には、あまりする人はいないでしょうが、裸足で土の上を歩くのはやめましょう。
また、素手で土に触るようなことも、幼虫を皮膚から侵入させないためには大切です。
さらに、野菜などは十分に洗い、加熱して食べると予防に効果的です。

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