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ガングリオンを詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/05/01 骨・関節の病気

ガングリオンとは

ガングリオン(がんぐりおん)とは、手首や指などの関節部分に発生する瘤(こぶ)のようなしこりのことで、腫瘤(しゅりゅう)とも呼ばれています。

ガングリオンの大きさは、米粒ほどのものからピンポン玉ほどのものまであります。

ガングリオンは柔らかい場合もあれば硬い場合もあり、内部は透明なゼリー状の液体で満たされているほか、表面は滑らかであり、触れてもあまり動かず、基本的に痛みはありません。

ガングリオンが発生した患者の多くは痛みが現れず、治療の必要がないタイプですが、ガングリオンが神経の周囲に発生すると神経や腱を圧迫し、痛みや痺(しび)れ、運動神経障害(うんどうしんけいしょうがい)などを引き起こして治療をほどこす必要がある場合もあります。

ガングリオンが発生しやすい関節は、そもそも関節包(かんせつほう)というもので包まれています。
関節包の内部には、関節の動きを滑らかにするための役割を担っている関節液(かんせつえき)と、関節液や腱、腱が浮き上がらないように鞘(さや)の役割を担っている腱鞘(けんしょう)などが、お互いにスムーズに動くための潤滑油である滑液(かつえき)が存在しています。

この関節包内の関節液や滑液が、何らかの原因によって濃縮されてゼリー状になり、関節包と細い茎のようなものでつながったガングリオン内に流れ込むことで、ガングリオン内にゼリー状の液体が徐々にたまり、瘤のようなしこりが発生します。

なぜ関節包内の関節液や滑液が濃縮されてゼリー状になり、関節包内から流れ出てガングリオン内にたまるのか、そのくわしい原因は未だ解明されていません。

ただし、考えられる要因として関節の酷使や外部からの衝撃、血行不良などをあげることができます。
ガングリオンは乳児から高齢者まで幅広い年代の方に現れますが、主に20~50歳の発生率が高いという特徴があります。

また、男性と比べて女性の発生率が3倍も高く、とくに10~20代の若い女性の発生率が高いという特徴もあります。
実際にガングリオンが発生すると、初期段階では水ぶくれのような症状が出現し、症状が進行するにつれてガングリオンのサイズが徐々に大きくなります。

ガングリオンそのものは良性であるために放置しておいても問題ありませんが、発生部によっては痛みや痺れ、関節が動かしにくいといった運動神経障害の症状が引き起こされるため、こういった症状が出現した場合や見た目の変化が気になる場合には治療が行なわれています。

ガングリオンの治療を行なうためには、まず検査によってガングリオンの状態を詳細に確認します。
ガングリオンの検査では主に穿刺(せんし)検査、超音波検査、MRI検査が行なわれています。

穿刺検査とは、ガングリオンに注射を刺して内部を吸引する検査方法で、透明なゼリー状の液体が吸引された場合に確定診断を下します。

超音波検査やMRI検査などの画像検査は、関節に違和感や痛みを感じるものの、見た目に変化がない場合に行ない、ガングリオンの発生の有無をはじめサイズ、深さなどを確認します。

ガングリオンの治療法はガングリオンのサイズ、痛みや痺れなどの症状の有無によって穿刺手術、レーザー治療、摘出術の中から最適な治療法が選択されることになります。
穿刺手術とは、ガングリオンの内部にたまったゼリー状の液体を注射で吸引する治療法で、1回あたりの治療時間が短く、治療費も安いというメリットがあります。

レーザー治療とは、低出力半導体レーザーをガングリオンに照射して取り除く治療法で、施術時の痛みや副作用がほとんどないというメリットがあります。
摘出術とは、外科手術によってガングリオンを切除する治療法で、再発率が低いというメリットがあります。

ガングリオンは良性であるうえに、発生したとしてもその多くは痛みを感じないため、放置しても問題はなく、自然治癒する場合もあります。
しかし、見た目の変化が気になる場合や、痛み、痺れ、運動神経障害などの症状が出現している場合には、治療を受けましょう。

少しでも関節に違和感や痛みを感じた場合や、痛みはないものの関節の周囲が膨らんできたら、できるだけ早く医療機関で受診し、早期発見・早期治療につなげましょう。

ガングリオンの原因

ガングリオンは、関節を包む関節包の中の関節液や滑液が濃縮され、ゼリー状になったものが関節包とつながったガングリオンへと流れ込むことで発生する瘤のようなしこりのことですが、関節液や滑液が濃縮されて関節包の外側へと流れ出るくわしい原因は解明されていません。

考えられる要因としては関節の酷使、外部からの衝撃、血行不良などをあげることができます。

関節の酷使

関節を酷使すると、関節そのものに大きな負荷がかかります。
すると、関節をもっとスムーズに動かすために、関節を包む関節包内の関節液や滑液の分泌が促され、関節包内にとどまることができず関節包の外側へと流れ出てしまいます。

関節包の外側へと流れ出た関節液や滑液が、関節のまわりにたまってしまうことで、瘤のようなしこりであるガングリオンを発生させます。

外部からの衝撃

関節部分をどこかにぶつける、あるいは捻挫(ねんざ)するなど外部からの衝撃を受けた場合、関節部分にかかる衝撃を和らげようとした際に、関節包から関節液や滑液が流れ出てしまう場合があります。

この流れ出た関節液や滑液が関節のまわりにたまってしまうことで、ガングリオンが発生する場合があります。

血行不良

ガングリオンの内部は基本的に濃縮された関節液や滑液です。

しかし、生活習慣の乱れや食生活の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、ストレスなどによって体のめぐりが悪化し、血行不良を引き起こすと体内に老廃物が蓄積されやすくなります。

体が健康な状態であれば、老廃物は体外へと排出されるために蓄積されることはありませんが、血行不良によって体内に蓄積された老廃物がガングリオンとなる場合があります。

ガングリオンの症状

ガングリオンは主に関節や腱鞘の周辺に発生します。
関節は全身にありますが、ガングリオンは主に手首、手の甲、手のひら、手の指、膝、足首、足の甲、足の指などに発生します。

最も発生率が高い関節は手ですが、まれに骨や筋肉、神経など、関節以外の部位にガングリオンが発生する場合もあります。

初期段階におけるガングリオンの症状

ガングリオンが発生したばかりの初期段階では、水ぶくれのような症状が現れます。

ガングリオンのサイズは米粒ほどの小さな場合もあれば、ピンポン玉ほどの大きさになる場合もありますが、初期段階では痛みやかゆみといった症状は現れません。

そのため、ガングリオンのサイズが小さいほど、本人が気付きにくいという特徴があります。
また、ガングリオンはサイズに関係なく、柔らかい場合もあれば硬い場合もあります。

進行したガングリオンの症状

ガングリオンが発生し、症状が進行して徐々に大きくなると、神経や腱を圧迫して痛みや痺れなどを引き起こします。
ガングリオンのサイズが小さい場合でも、発生部位が神経や腱に近ければ、痛みや痺れを引き起こすことがあります。

また、痛みや痺れの症状が悪化すると、ガングリオンが発生している部位そのものが動かしにくくなるといった運動神経障害を引き起こす場合もあります。

さらにガングリオンが発生している部位を酷使すると、ガングリオンのサイズが徐々に大きくなる場合もあります。

ガングリオンの検査・診断

ガングリオンが発生すると、確定診断を下すために穿刺検査を行ないます。
しかし、ガングリオンのサイズが小さい場合や、関節を動かすと違和感や痛みを感じるが、ガングリオンが表面に現れていない場合などには超音波検査やMRI検査などの画像検査を行ないます。

穿刺検査

穿刺検査とは、ガングリオンに注射を刺して内部を吸引する検査方法です。

瘤のように膨らんだガングリオンの内部は透明なゼリー状の液体で満たされているため、穿刺検査によってゼリー状の液体が吸引されるかどうかによってガングリオンであるか確認します。

また、穿刺検査によってガングリオンであると確定した際に、注射を刺してガングリオンの内部を満たしている透明なゼリー状の液体をすべて吸引し、ガングリオンそのものを除去する治療を行なう場合もあります。

穿刺検査は手軽に行なうことができる検査方法ですが、注射を刺すため痛みを感じるといったデメリットもあります。

超音波検査

超音波検査とはエコー検査とも呼ばれる画像検査の一種で、超音波を発する特殊な機械を体にあて、跳ね返った音波を画像化することで臓器や組織といった体の内部の様子を確認することができます。
ガングリオンの検査における超音波検査は、関節などに違和感や痛みを感じるものの、ガングリオンが外側から確認できない場合などに行ないます。

超音波検査はMRI検査と比べて簡単に行なうことが可能であり、検査の際に痛みを感じることがないため、患者の体への負担が少ないというメリットもあります。

MRI検査

MRI検査とは、磁力や電磁波を使って体の内部を輪切り状に撮影し、骨や臓器、組織の様子を確認することができる画像検査の一種です。

ガングリオンの検査におけるMRI検査は、ガングリオンのサイズが小さく穿刺検査が行なえない場合や、関節などに違和感や痛みを感じるものの、ガングリオンが体の外側から確認できない場合などに行ないます。

MRI検査を行なうことで、小さなガングリオンの内部の様子を鮮明に確認できるほか、外側から確認できないガングリオンのサイズや深さなども鮮明に確認できます。
MRI検査は、穿刺検査のように検査の際に痛みを感じることはありません。

しかし、閉所恐怖症(へいしょきょうふしょう)の方や、体内に金属やペースメーカーを埋め込んでいる方は検査を受けることができないため、事前によく確認する必要があります。

ガングリオンの治療

ガングリオンは良性であるため、基本的に治療を行なう必要がありません。
ただし、痛みや痺れ、運動神経障害などが現れている場合や、ガングリオンのサイズが大きく見た目が気になる場合には治療を行ないます。

ガングリオンの治療法としては穿刺手術やレーザー治療、摘出術などをあげることができます。

穿刺手術

穿刺手術とは、ガングリオンに注射を刺すことにより、内部に貯留しているゼリー状の液体を吸引する治療法です。

穿刺手術はガングリオンの治療法の中で最もポピュラーであり、ガングリオンが発生したすべての方に行なうことができますが、再発を繰り返す場合には摘出術を行ないます。

穿刺手術は、1回あたり数分で終了するため入院の必要がないほか、1回あたりの治療費は2,000円ほどであるため患者の体への負担や金銭的な負担が少ないというメリットがあります。

実際に穿刺手術を行なう際は、注射でガングリオンの内部の液体を吸引したあとに、包帯を巻いて固定します。
また副作用として痛みや痺れといった症状を引き起こす場合があります。

これはガングリオンに注射を刺す際に、注射針が神経を傷つけてしまうことにより現れる症状ですが、基本的に数日で治まる場合が多いです。

注射針が神経を傷めてしまうことによる症状が数日で治まらない場合や、痛みや痺れの度合いがひどい場合には、できるだけ早く担当医に相談してください。

レーザー治療

レーザー治療とは、ガングリオンに低出力半導体レーザーを照射して取り除く治療法です。
レーザー治療はガングリオンが発生したすべての方に対して行なうことができます。

先述した穿刺手術のように施術時に痛みを感じることや副作用がほとんどありません。
また、即効性を期待することができるほか、再発率も低いというメリットがあります。

しかし、妊娠している方や妊娠の可能性がある方、心疾患を患っている方に対しては施術を行なうことができません。

また、1回あたりの治療費は500円ほどですが、治療を開始すると1~2ヶ月間ほど毎日施術を行なう必要があり、毎日通院するための時間や治療費などの負担が大きいというデメリットがあります。

摘出術

摘出術とは、ガングリオンが発生している部位を外科手術によって切除する治療法です。
摘出術は、基本的にガングリオンが発生したすべての方に対して行なうことができます。

基本的にというのは、血管付近や神経付近にガングリオンが発生している場合、摘出術によって血管や神経を傷つけるリスクがあるため行なうことができないためです。
摘出術はガングリオンの治療法の中でも再発率が低いというメリットがあります。

実際に摘出術を行なう際は局所麻酔をほどこしますが、ガングリオンの大きさによって手術時間や入院の有無が異なります。

また、治療費は2~6万円とほかの治療法と比べると高額なほか、副作用として施術部位に痛みや痺れの症状が引き起こされる場合があります。
そのほかには、施術後に傷跡が残るというデメリットもあります。

ガングリオンは良性の腫瘤であるため、痛みや痺れ、運動神経障害などの症状が出現していなければ治療をほどこす必要はありません。
また、治療をほどこしたとしても再発を招いてしまうリスクがあります。

そのほか、穿刺手術やレーザー治療を行なった場合の再発率は20~64%と高く、再発率が低い摘出術を行なった場合でも約5%が再発を招いてしまいます。

ただし、再発を招いてしまった場合でも、適切な治療をほどこすことで見た目の変化だけでなく、痛みや痺れ、関節が動かしにくいといった運動神経障害を予防することができます。

そのため、少しでも関節に異変を感じた場合はできるだけ早く医療機関で受診し、早期発見・早期治療につなげることが重要といえるでしょう。

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