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肘内障を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/05/31 骨・関節の病気

肘内障とは

日常生活の中で、こどもが急に肘を痛がって曲げなくなる病気のことを、肘内障(ちゅうないしょう)といいます。
橈骨頭(とうこつとう)という肘の外側にある骨が、輪状靭帯(りんじょうじんたい)から外れかかっている=亜脱臼(あだっきゅう)を起こしている状態です。

歩くことができるようになったころから6歳程度までのこどもに起こり、中でも1~3歳のこどもに多く起こります。
男児と女児でどちらのほうが極端に多いということはなく、左肘と右肘のどちらのほうが極端に多いということもないです。

自然に元どおりになることがあるものの、多くの場合は自然に良くなることがないため治療を受けなければいけません。
成長と共に靭帯が強くなってくるため肘内障は起こらなくなりますが、それまでは一度この病気を経験すると再発を繰り返すことが多いため注意が必要です。

肘内障の原因

こどもが突然に肘を痛がり、動かさなくなる病気である肘内障。
この病気はいったいどうして起こってしまうのでしょうか。

また、どのような人に多い病気なのでしょうか。
以下に肘内障の原因、頻度に関する情報をまとめていますので、気になるという方はぜひご一読ください。

何が原因で起こるの?

肘の外側にある橈骨頭という骨が、輪状靭帯から外れかかっている=亜脱臼を起こしている状態になることで、肘内障は発症します。
このような状態になる原因として多いのは、こどもが転倒しそうになり、親がとっさに手をつかんで強くひっぱることです。

ほかには、腕を下にした状態で寝返りをうったことが原因で肘内障が生じることや、こどもが一人だけで、またはほかのこどもと遊んでいるときなどに肘内障を招くこともあります。
おとなが見ていないところで肘内障が起こると、原因がはっきりしないこともあります。

どんな人に多いの?

肘内障は、こどもに起こる病気です。
歩行が可能になった6歳ごろまでのこどもで、とくに1~3歳のこどもに起こることが多いです。

5~6歳になると、靭帯が強くなって再発しにくくなります。
ただ、一度でも肘内障を経験していれば、再発を繰り返すことが多い点に注意が必要です。

肘内障の症状

腕を強くひっぱったときや、同様の力がかかったときに起こることが多い肘内障。
この病気を発症した場合には、どういった症状が出現するのでしょうか。

また、放置しておいて良くなる病気なのでしょうか。
ここでは、肘内障の症状について解説させていただきます。

どんな症状が出るの?

突然に肘を痛がり、腕を動かさなくなります。
痛みで泣き出すこどもが多いです。
また、さわろうとすると嫌がり、その際にも泣き出すことがあります。

症状をうまく言い表すことのできないこどもに起こることも多く、その場合には肘を曲げずに傷めたほうの腕だけをだらりと垂らし、内側を向いたようになっている状態が肘内障を起こしていることの判断材料になることがあります。

自然に治るの?

関節が外れかかっている状態は、自然に元の状態に戻ることもあります。
ただ、たいていは自然に良くなることはありません。
自然に治らなければ、病院で治療を受ける必要があります。

肘内障の検査・診断

肘内障の症状にあてはまるようなことがこどもに起こっている場合、何科へ行けば良いのでしょうか。
また、肘内障を起こしているかどうかは、病院ではどのようにして見極めているのでしょうか。
ここでは受診に適した診療科や、肘内障を調べる方法について取り上げます。

受診に適した診療科

肘内障かもしれないと思った場合には、何科へ行くのが適切なのでしょうか。
中にはこの点に疑問を感じ、どこの病院へこどもを連れて行くかで迷ってしまう方もいるでしょう。

このことに関してですが、整形外科または小児科へ行けば診療を受けることが可能です。
肘内障は自然に良くなることもありますが、多くの場合は自然に元どおりになりません。

したがって、症状がこどもに起こっている場合には放置することなく、医療機関へ連れて行って適切な処置を受けましょう。

調べる方法

診察では何をきっかけに症状が出るようになったのか、肘の痛み、肘の動きに問題がないのかを確認します。
また、さわることによって肘が痛みを起こしている部位なのかも調べます。

そのほか、レントゲン撮影も行なわれていますが、肘内障であればこの検査では変化が認められません。
ただ、レントゲン撮影は骨折や脱臼を起こしていないかを把握するために役立ちます。

また、肘内障の疑いが濃厚で、骨折などが生じているとは考えにくいこどもに対しては、先に治療を試みた結果、治ってしまえば肘内障を起こしていたと判断されることも多いです。

肘内障の治療

肘内障を起こしているこどもに対しては、医療機関でどういう治療が行なわれているのでしょうか。
また、肘を動かせるようになるまでには、どのぐらいの時間がかかるのでしょうか。

以下に肘内障の治療に関する情報をまとめていますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。

治療方法は?

医師が手を使って外れかけている関節を正常な状態に戻す、徒手整復(としゅせいふく)が行なわれています。
外来で行なうことが可能で、麻酔をほどこすことなく行なえることが多いです。

麻酔をほどこさなければ痛いのではないかと思う方もいるでしょうが、麻酔の注射のほうが強く痛みます。

治療による痛みも一瞬しかないです。
徒手整復後に固定をする処置は必要ありません。

治るまでにどのぐらいの時間がかかるの?

徒手整復がうまくいけば、すぐに元の状態に戻って肘を曲げることや、腕を使うことができるようになります。
痛みも徒手整復後にはおさまります。

ただ、痛みに対して恐怖心が残っていると、しばらく痛みを訴えたり、腕を動かしたらなかったりするこどももいます。
治ったあとには再発を繰り返すことが多く、注意が必要ですが、成長と共に肘の靭帯が強くなって再発しなくなります。

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