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蜂窩織炎(蜂巣炎)を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/05/03 皮膚

蜂窩織炎(蜂巣炎)とは

まず、蜂窩織炎は「ほうかしきえん」と読み、蜂巣炎は「ほうそうえん」と読みます。
なお、英表記はCellulitisです。

蜂窩織炎と蜂巣炎は、同じ病気のことをさしています。
蜂窩織炎や蜂巣炎のほかには、フレグモーネという病名でよばれることもあります。

私たち人間の皮膚は、外界と直接に接している表皮(ひょうひ)、表皮の内側にある真皮(しんぴ)、真皮の内側にある皮下脂肪組織(ひかしぼうそしき)で構成されています。

この中で、皮膚の真皮から皮下脂肪組織にかけて細菌感染し、炎症が生じている病気のことを蜂窩織炎(蜂巣炎)といいます。

表皮に感染を起こせば伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)という、一般にはとびひといわれる病気であり、指の先に細菌感染を起こせばひょう疽(ひょうそ)という病気として取り扱われることになります。
浅い位置で起こっている蜂窩織炎(蜂巣炎)のことは丹毒(たんどく)といいます。
また、蜂窩織炎(蜂巣炎)の「蜂窩」は、蜂(はち)の巣のことをさしています。

顕微鏡で炎症が生じた脂肪組織を観察してみると、蜂の巣に似た形をしているために、この病名が使用されるようになりました。

蜂窩織炎(蜂巣炎)の原因

蜂窩織炎(蜂巣炎)は、真皮から皮下脂肪組織にかけて細菌感染し、炎症が生じている病気のことをいいます。
原因菌は多くあり、小さな傷があることなどによって侵入してきます。

蜂窩織炎(蜂巣炎)の原因菌

先述のとおり、蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こす細菌の種類は数多くあります。
その中でも高い割合を占めているのが、ブドウ球菌(ぶどうきゅうきん)や連鎖球菌(れんさきゅうきん)です。

細菌に対して有効な治療として、抗菌薬(こうきんやく)を思い浮かべる方は多いでしょうが、これまでは効果を発揮していた抗菌薬に対する薬剤耐性を獲得したブドウ球菌による蜂窩織炎(蜂巣炎)が多くなってきています。

このようなブドウ球菌のことをメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(めちしりんたいせいおうしょくぶどうきゅうきん)といいます。

Methicillin-resistant Staphylococcus aureusを略して、MRSAとよばれていることもある薬剤耐性菌です。

蜂窩織炎(蜂巣炎)を発症するしくみ

蜂窩織炎(蜂巣炎)の原因菌は、ひっかいたことで生じた傷、刺し傷、手術、やけど、白癬症(はくせんしょう)などの真菌感染症(しんきんかんせんしょう)、皮膚病などによって皮膚に生じた小さい開口部を入り口として侵入してきます。

とくに体液が貯留して皮膚がむくんでいる部分は感染リスクが高いです。
ただし、この病気は傷が生じていない正常な皮膚であっても招くことがあります。

蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こす部位で最多の割合を占めているのは脚部ですが、別の部位に起こることがないわけではありません。

蜂窩織炎(蜂巣炎)の症状

ブドウ球菌や連鎖球菌など、多くの種類の細菌が原因となって起こる蜂窩織炎(蜂巣炎)。
この病気が起こった場合には、さまざまな症状が起こり得ます。

蜂窩織炎(蜂巣炎)にかかって出現する症状

蜂窩織炎(蜂巣炎)は脚部に起こることが多い病気ですが、顔、手など体のどこにでも起こり得る病気です。
普通は、体の片側のみに起こります。

たとえば脚であれば、左脚か右脚のいずれか一方のみに蜂窩織炎(蜂巣炎)が起こります。

蜂窩織炎(蜂巣炎)にかかると、広範囲にわたって皮膚が赤くかたくなって腫(は)れます。
熱感、痛みの症状も蜂窩織炎(蜂巣炎)で起こります。

感染部分が赤くなったり、押したときを含む痛みを感じたりするのは、細菌自体に加えて感染から体を守るために生じる体の反応が原因です。

時間が経過するとむくんできて、膿(うみ)が見える状態になることもあり、その部分の皮膚が破けたことで膿などが漏れ出してきて、深い潰瘍(かいよう)が生じることもあります。
また、発熱、だるさ、悪寒(おかん)、低血圧、頭痛、関節痛、混乱といった症状が起こることもあります。

細菌感染が拡大することによって、感染を起こしているところの近くにあるリンパ節が腫れて、圧迫すると痛みを感じるようになるリンパ節炎(りんぱせつえん)、リンパ管に炎症が生じるリンパ肝炎(りんぱかんえん)を招くこともあります。

気をつけなければいけない症状

体のだるさがひどく、激しい関節や筋肉の痛み、高熱症状があり、赤紫色に皮膚が腫れて、水ぶくれが生じるなどしたときには、すぐに医療機関で適切な処置を受けなければいけません。
壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)という、深刻な病気を起こしている疑いがあるためです。

壊死性筋膜炎とは、筋肉をおおっている筋膜に細菌感染し、細胞を殺してしまう病気で、重症化すれば命を落としてしまう病気です。
急速に進行するのが特徴で、命を落としてしまう確率は15~34%と高いです。

多くの場合、A群β溶血性連鎖球菌(えーぐんべーたようけつせいれんさきゅうきん)が原因で起こりますが、黄色ブドウ球菌や大腸菌(だいちょうきん)などが原因になることもあります。

壊死性筋膜炎は人食いバクテリアとして、メディアなどで取り上げられたことでも有名です。

蜂窩織炎(蜂巣炎)の検査・診断

蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こしている疑いがあるかどうかは、感染を起こしている部分の見た目と症状で判断されます。
また、検査としては血液検査などが行なわれています。

受診に適した診療科

蜂窩織炎(蜂巣炎)にあてはまるような症状がある場合には、何科へ行くのが適切なのでしょうか。
中にはこの点が気になり、どこの病院へ行くかで迷ってしまう方もいることでしょう。

蜂窩織炎(蜂巣炎)かもしれないと思った場合には、皮膚科へ行けば対応してくれます。
気になる症状がある場合には決して放置してはいけません。

蜂窩織炎(蜂巣炎)と似た細菌感染症である壊死性筋膜炎にかかっていれば、重症化すれば命を落としてしまうことにもなりかねません。

入院をして手術を受けるまでの時間が24時間を超えると、命が助かる確率が下がってしまうという報告があります。

そのため、症状が出たときにはその症状を放置することなく、できる限り早く医療機関で受診することがたいへん重要です。

蜂窩織炎(蜂巣炎)を調べる方法

蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こしているかどうかは、感染を起こしている部分の見た目と症状で判断します。

血液検査によって菌と戦う白血球が増加していることや、C反応性タンパクという炎症が生じていると高まるタンパクが上昇していることがわかります。

このような血液検査の情報で、炎症の程度を把握することが可能ですが、蜂窩織炎(蜂巣炎)の診断のために必須の検査ではありません。

また、皮膚・血液・膿・組織のサンプルを調べてどの細菌が蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こしているのかを突き止める培養検査も普通は必要ありません。

ただし、病状がきわめて重いケース、免疫系の機能が弱まっているケース、薬剤を使った治療で効果がないケースは例外です。

そのほか、症状が似ている病気としては、脚の深いところに通っている血管に血液のかたまりである血栓(けっせん)が形成される深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)があり、この病気と見分けるための検査をしなければいけなくなるケースがあります。

また、蜂窩織炎(蜂巣炎)と症状が似ていても激しい関節や筋肉の痛み、高熱、皮膚が赤紫色に腫れる、急速に進行するといった具合に壊死性筋膜炎に該当するような症状があれば、緊急入院・手術が可能な適切な施設で対応されることになります。

蜂窩織炎(蜂巣炎)の治療

蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こしている方に対しては、抗菌薬を使った治療が行なわれます。

入院することなく通院でよい場合もありますが、重度の炎症を起こしている方では入院して治療を受けなければいけなくなります。

蜂窩織炎(蜂巣炎)の治療方法

赤く熱感が生じている部分は安静にして冷やします。
ひざから足首までに蜂窩織炎(蜂巣炎)が起こっている場合には、脚を高い位置に保ちます。

むくみが強い方に対しては、弾性包帯を着ける方法があります。
また、蜂窩織炎(蜂巣炎)は、ブドウ球菌や連鎖球菌など、多くの種類の細菌が原因菌になり得る病気です。

治療では、原因菌をやっつける効果を発揮してくれる、抗菌薬が使用されています。
抗菌薬を内服する=飲む治療を続けることになりますが、症状が強ければ入院をして注射をする治療が行なわれています。

蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こすリスクが上がる白癬症などの病気にかかっている方では、その病気に対する適切な処置がほどこされることになります。

膿瘍が生じている場合には、切開を行なうことによって貯留している膿を出す処置がほどこされます。
強い痛みがある方に対しては、その症状を緩和するために鎮痛薬などの内服が効果的です。

治療上の注意点

蜂窩織炎(蜂巣炎)は通常、抗菌薬を使った治療を数日間にわたって続けていれば、症状はおさまります。
ただ、よくなる前に症状がいったんひどくなることも多いです。

抗菌薬の効果により細菌が殺される過程で、細菌が組織に損傷を負わせる物質を出すことが、その理由ではないかといわれています。

組織が損傷を受ける物質が出ると、細菌が死んでいても、体は反応を示します。

症状の改善が早めにみられたとしても、抗菌薬を使った治療は10日間以上にわたって続けます。
抗菌薬の投与は14日間程度にわたって続けることもあります。

また、たびたび同じ部位に蜂窩織炎(蜂巣炎)を起こしていると、リンパ管が損傷を負ってしまいます。
すると、損傷を負ったところの組織がずっと腫れたままの状態になることもあります。

なお、抗菌薬を使っていても、効果が出ないことがあります。
その場合には別の医療機関へ行くのではなく、同じ医療機関へ行きましょう。

薬剤耐性菌であっても、抗菌薬を変更することによって、効果を得ることができるようになる見込みがあるためです。

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