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花粉皮膚炎の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2015/12/04 皮膚


春先は肌の状態が不安定になりやすく、肌荒れが起こりやすいと言われています。
肌荒れの原因はたくさんありますが、実は花粉症との関係もあります。

花粉によって起こる肌の症状は花粉皮膚炎と呼ばれ、このトラブルに悩んでいる人は少なくありません。

花粉皮膚炎の症状

花粉症というと鼻づまりや鼻水といった鼻の症状、充血やかゆみといった目の症状などがよく知られていますが、花粉による影響は肌にもあらわれます。

春先のスギ花粉が飛散量が増える時期になると、首や顔にかゆみや湿疹の症状があらわれることがあります。

これはスギ花粉抗原が皮膚に付着することで発生するアレルギー性皮膚炎の一種と考えられています。

露出した肌に飛散したスギ花粉が付着すると、かゆみをともなう発赤があらわれます。

目周辺がかさつく、あごから首にかけてかゆみが生じる、赤く腫れぼったい状態となることもあります。

女性の場合は化粧ののりが悪いことで、自覚する人も多いようです。

雨上がりなど強風が吹いてスギ花粉の飛散量が増えると、症状があらわれやすくなります。

花粉皮膚炎はアトピー性皮膚炎が基礎疾患としてあると、起こりやすいと言われています。

アトピー性皮膚炎のおよそ30%の人がスギ花粉の影響で症状が悪化し、肌が露出部分に限らず体中にアトピー性皮膚炎の症状があらわれるというケースもあります。

また、乾燥肌や敏感肌の人も、スギ花粉に反応しやすいので、注意が必要でしょう。

アトピー性皮膚炎でなく、花粉症の自覚がない人でも、スギ花粉皮膚炎が起こることもあります。

花粉症の症状は鼻や目にあらわれることがほとんどですが、まれに目や鼻に症状があらわれずにのどや気管支にのみ症状が見られる人もいます。

どの場所に症状があらわれるかは体質に関係するので、人によって異なるのです。

花粉症の自覚がなくても花粉皮膚炎を発症することはあるので、春先に肌が荒れるという人はアレルギー検査をしてみるといいかもしれません。

花粉症の人は日本国内で3000万人以上いるとも言われているため、自覚がないだけで花粉に反応している可能性は十分あります。

花粉皮膚炎の原因

花粉皮膚炎は花粉が皮膚の表面から何度も入り込むことで、体のなかでアレルギー物質として認識されることで起こります。

アレルギー物質と認識された花粉が再び皮膚に入り込むことでアレルギー反応が起きてしまうのです。

スギ花粉は大きいため、本来は角質で遮断されて皮膚内部に入り込むことはありません。

しかし、角質のバリア機能が低下していると、花粉が遮断されずに入り込んでしまいます。

角質のバリア機能が低下する原因はいくつかあり、乾燥や肌の擦りすぎなどでもバリア機能は低下します。

また、アトピー性皮膚炎などによって湿疹が生じていると、そこのバリア機能が低下して花粉が入りやすくなります。

そのため、花粉皮膚炎を予防するには、皮膚のバリア機能を正常な状態に整えておくことが大切となります。

花粉皮膚炎の診断

春はさまざまな要因で肌荒れが起きるため、花粉皮膚炎の診断は簡単ではありません。

花粉の影響はアレルギー性の炎症だけでなく、不安定な状態の肌に刺激物質である花粉が触れることで刺激性皮膚炎という形で症状があらわれることもあります。

春は花粉以外にも黄砂など、肌によくない物質が大量に空気中に飛散しているので診断はむずかしいのです。

原因を特定するには、アレルギーテストを受けることが望ましいでしょう。

血液検査によってIgEの濃度を調べることで、アレルギーがなにによって起こっているのかを特定することができます。

これで花粉の数値が一定以上あれば、花粉皮膚炎の疑いが高まります。

しかし、IgEが陽性と実際に起きている花粉皮膚炎が関係あるかは、医師の診察を受けたうえで慎重に判断されます。

そのほか、鼻の粘膜のアレルギー反応を確認する検査、皮膚にアレルゲンを接触させて反応を観察する検査が行われることもあります。

花粉皮膚炎の治療

スギ花粉によるアレルギー反応だということがはっきりしたら、保湿剤やステロイド剤、抗アレルギー剤によって治療を進めていくことになります。

赤みが生じて炎症が確認された場合は、肌への刺激が少なく、炎症を抑える効果が高い薬が処方されます。

炎症が悪化している場合は、ステロイド剤が最適です。

ステロイド剤は副作用などのリスクがあるため、医師の指導通りに適量を用いることが大切です。

花粉皮膚炎の予防

日常生活で大切なのが、皮膚に花粉が付着しないように防ぐことです。

肌が過敏になって化粧がしづらい場合も、パウダーだけはつけたほうがいいでしょう。

敏感肌用の刺激の少ないパウダーもあるので、そういったものを選ぶのがおすすめです。

パウダーをはたく前に肌を保護する膜をつくるクリームを塗っておくのもいい方法です。

使用する化粧品は保湿力が十分あること、バリア力に優れていること、肌への刺激が少ないといったものを選ぶようにします。

肌へ刺激があるかどうかは実際に試してみないとわからないので、サンプルなどで試すといいでしょう。

肌が不安定な状態となると低刺激な化粧品でも刺激になってしまう恐れがあるため、肌の状態に気をつけながらケアしましょう。

肌を保護する働きに関しては、化粧品を塗ったうえに別の色素沈着が顕著な化粧品を塗ることで確かめられます。

洗顔後になにも残らないようなら、保護する力があるということなので、花粉も遮断できるはずです。

症状が出てしまってからでは遅いので、シーズン前にこういった化粧品を準備しておくと安心です。

外出時には刺激となる物質が肌に触れると炎症が起こる恐れがあるため、皮膚の露出はできるだけ避けるべきです。

ウール素材の衣服は花粉がくっつきやすいので、凹凸のないさらっとした素材の衣服を着るようにしましょう。

帰宅時には衣服をはらって付着した花粉を落とす必要がありますが、玄関先ではなく、家に入る前にはらうようにします。

これを徹底することで花粉皮膚炎の原因となる花粉が家に入り込むのを防ぐことができます。

屋外に洗濯物を干す場合も注意が必要で、特にタオルや下着を裏返して干すと花粉が付着するので、取り込むときに花粉をはらうようにします。

布団などを外に干した場合は、掃除機をつかって表面についた花粉を取り除くようにします。

黄砂や自動車の排気ガス、PM2.5などもアレルギー反応を増幅する恐れがあるので、注意を払う必要があります。

目周辺はほかの場所と比べて皮膚がうすく、粘膜も露出しています。

そのため、特に念入りに刺激物から保護したい場所と言えます。

花粉の遮断に適しているのが、ゴーグルメガネです。

ゴーグルというと大げさな印象を受けますが、目元もしっかりメイクしたいという人には特に適しています。

最近はさまざまなゴーグルメガネが登場して、オシャレなものもあるので選択の幅が広がっています。

メガネによっては花粉のほとんどを遮断できるものもあるので、そういったものを取り入れるといいでしょう。

マスクも上手に取り入れるようにすると、肌への刺激をかなり抑えられるようになります。

外にいる時間が長く、刺激物にさらされると炎症状態がひどくなることがあります。

外出先で洗顔するのはむずかしいかもしれませんが、冷たくしたタオルで軽く押さえるなどして、炎症を緩和させるようにしましょう。

タオルで擦るとかえって状態が悪くなる恐れがあるので、刺激を与えないようにします。

のどにも花粉が付着することがあるので、帰宅後はうがいをして洗い流すようにします。

洗顔をするときは皮脂を除去しすぎると肌の状態が悪くなるので、水のみか刺激の低い洗顔料を利用しましょう。

洗顔時もこすると肌によくないので、力を入れすぎないようにします。

泡立ちが少ないと肌への摩擦が強くなってしまうので、泡立ちがいい洗顔料を選ぶのもポイントのひとつです。

肌荒れがひどいときはクレンジング料を使用すると、余計に荒れてしまうのでつかうのを控えるようにしましょう。

肌の状態が悪いときは皮脂を失っていることが多いので、クレンジング料をつかうとさらに皮脂が奪われてしまうからです。

石鹸をつかったときにしみるようなら、洗顔料の使用は控えてぬるま湯だけで洗顔するようにしましょう。

水だけで落とせる化粧品などもあるので、そういったものを使用するのもおすすめです。

肌は外部からの刺激によって不安定な状態となりますが、肌自体が弱っていることもあります。

普段の食生活や睡眠などに注意を払って、生活習慣を見直すことも大切です。

特に食事は重要で、インスタント食品など頻繁に食べて栄養バランスが崩れると、肌荒れしやすくなります。

各種ビタミンや良質なたんぱく質、良質な油などをバランスよく摂取して、体の状態を整えることが花粉皮膚炎の予防につながります。

アレルギー症状を抑制する作用があると言われるn-3系不飽和脂肪酸のEPAをたくさん含む青魚やエゴマ油は特におすすめの食品です。

仕事などが忙しいとなかなか自炊の時間がとれないかもしれませんが、雑穀入りのご飯だけでも、さまざまな栄養素を摂取することができます。

サプリメントなども活用して、食生活を整えるようにしましょう。

肌のコンディションと睡眠は深く関係しているので、良質な睡眠をとることは大切です。

よく眠れる工夫をして、できるだけ早く寝るようにしましょう。

自宅に空気清浄器を設置しておくと、花粉が肌に付着するのを防ぐことができます。

下のほうに吸込み口があるタイプの空気清浄器は、床に蓄積する花粉を吸い取ることができるのでおすすめです。

加湿機能付きの空気清浄器は静電気の発生を防ぐことができるので、花粉がカーテンや家具、衣類などに付着しづらくなります。

花粉皮膚炎を予防する方法はいろいろあるので、普段の生活のなかで工夫してみるといいでしょう。

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