*

尋常性疣贅の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2015/12/15 皮膚


尋常性疣贅は感染症のひとつで、ウイルスの感染によって発症します。
感染するとどのような症状があらわれるのでしょうか。

尋常性疣贅の症状

ヒト乳頭腫ウイルスにはさまざまな種類があます。

100種類以上あるウイルスは、皮膚型と粘膜・性器型に大別することができます。

尋常性疣贅は皮膚型のウイルスが皮膚に感染することで、良性腫瘍であるイボが生じる病気です。

ウイルス性のイボなので、自然治癒する場合もありますが、その多くは治療しなければ治りません。

ウオノメのように削って処理しても、ウイルスが残っていれば増殖する恐れがあります。

かゆみや痛みといった症状があまり見られないため、気づかずに過ごしている人も少なくありません。

しかし、足の拇指球やかかとなど負荷がかかりやすい場所に生じると痛みがともなうこともあり、その痛みによって気づくことが多いようです。

顔面や膝、足底、手指など怪我をしやすく露出部分に症状はあらわれます。

なんらかの傷がある皮膚に感染して、数ヶ月後には光沢をもつ小さな半球状に盛り上がった発疹が生じます。

それが時間とともに大きく変化して、表面が角化してあらい灰白色になります。

足の裏にできた場合は体重がかかるために圧迫されて盛り上がらず、ウオノメのように硬く変化します。

硬くなった患部周辺は表面がざらざらして、ほかの皮膚との境界がはっきりします。

立ったり歩いたりするために圧力がかかるので、痛みが生じます。

ウオノメと近い形状ですが、ウオノメは足の裏などにできる数mmの硬い角質のかたまりで、押すと痛みが生じるのが特徴で尋常性疣贅とはちがいます。

しかし、形状によっては区別がむずかしい場合もあります。

尋常性疣贅は非常にかかりやすい感染症で、知らない間に発症しているという人も少なくありません。

大人と比べると子供がかかりやすいと言われています。

子供は免疫力がまだ十分に備わっておらず、しかも集団で過ごすことが多いため、発症しやすいと考えられます。

尋常性疣贅はウオノメと間違われやすいですが、子供にウオノメができることはほとんどありません。

そのため、子供にウオノメに近い症状が見られ、しかも数が増えている場合は医療機関で相談したほうがいいでしょう。

尋常性疣贅の原因

ヒト乳頭腫ウイルスが小さな傷に入り込んで尋常性疣贅が発症すると言われています。

皮膚は構造や免疫によって、いろいろなバリア機能によってウイルス感染から保護されています。

しかし、小さな傷が生じたり免疫力が低下したりすると、尋常性疣贅はできやすくなります。

さらにその状態がつづくと、悪化しやすくなったり治りにくくなったりします。

そのため、免疫力が低下するような病気を患っている場合、免疫を抑制するような治療を受けている場合、アトピー性皮膚炎などで肌のバリア機能が低下している場合はそういったリスクが高まるので、気をつけなければいけません。

また、そういった直接的な要因がない場合でも、ひげそり後や手荒れがひどいときなどはわずかな傷からウイルスが入り込むことがあります。

ヒト乳頭腫ウイルスはほんの小さな傷からも侵入するので、傷ができやすい手足に生じやすいと言われています。

しかし、傷があればどこからでもウイルスは侵入してくるので、どの場所でも生じる可能性はあります。

尋常性疣贅の診断

診断ではウオノメなどと区別することが重要視されます。

尋常性疣贅は削ると出血をともない、そこがウオノメとの大きな違いです。

しかし、できて長期間経過したイボは角質が厚みを増して、区別が困難となります。

一般的に、子供の場合はウオノメは少なく、イボであることがほとんどだと言われています。

多くは臨床症状から診断されますが、より精度の高い診断のために、病変部分を切除して組織学的検査を行うこともあります。

ウイルス抗原あるいは核酸が見いだされれば、尋常性疣贅ということになります。

尋常性疣贅の治療

尋常性疣贅ができてしまったら、なんらかの方法で取り除くことになります。

治療法はいくつかありますが、特に用いられることが多いのが液体窒素凍結療法です。

これは-196℃の液体窒素を綿球などにつけて、患部に当てていくというものです。

痛みがともなう療法で、反応が強く出ると水疱や血疱が生じることがあります。

1度で完治するのはむずかしく、何度か行う必要があります。

しかし、麻酔や消毒なども必要ない方法なので、第一選択として行われることが多いでしょう。

スピール膏貼付もよく利用される治療法です。

ウオノメ治療などに用いられる50%サリチル酸絆創膏を小さくカットして、患部に貼り付けます。

場所がずれたり広範囲に貼りすぎたりすると、問題のない皮膚にも傷が生じるので慎重に行う必要があります。

この治療だけではうまく状態が改善できないことも多いですが、痛みをともなわない治療法なので好まれています。

ヨクイニン内服は体の免疫を活性化させ、尋常性疣贅を改善する効果があると言われる方法です。

副作用はあまり見られませんが、軟便や胃部不快感などの消化器症状があらわれる場合があります。

この方法は液体窒素と併用されることも多々あります。

尋常性疣贅を取り除くのが一般的な治療法ですが、ほかの方法が選択されるケースもあります。

人によって適した治療法は異なるので、医師と相談して適したものを選ぶことが大切です。

また、場合によっては複数の治療法を組み合わせて、より効率よく状態を改善していくこともあります。

どの治療法を選択したとしても、ほとんどは複数回の治療が必要となります。

状態がどの程度で改善されるかは、尋常性疣贅の大きさや部位、治療に対する反応などによって異なります。

また、治療法によっては痛みが強いものもあるので、その点も考慮する必要があります。

液体窒素凍結療法は非常に効果の高い治療法として知られていますが、強い痛みがともなう方法でもあります。

子供や痛みに弱いという人がこの治療を行う場合は、注意が必要です。

関連記事

色素性乾皮症を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)とは、紫外線を浴びることによって皮膚症状と神経症状を引

記事を読む

手湿疹の症状・原因・治療について

手湿疹は女性、特に主婦に多く見られる皮膚病です。 そのため、別名主婦湿疹とも呼ばれています。

記事を読む

風疹の症状・原因・治療について

風疹はウイルス性発疹症のひとつで、人によっては重篤な症状があらわれることもあります。 最近は妊

記事を読む

伝染性膿痂疹の症状・原因・治療について

伝染性膿痂疹は接触によって飛び火のように広がることから、「とびひ」とも呼ばれています。 伝染性

記事を読む

乾燥性皮膚炎の症状・原因・治療について

冬は外気の影響で肌が乾燥しやすく、肌のコンディションは悪化しがちです。 肌がかさかさしたり、ひ

記事を読む

『あせも』はこーして予防せよ!おススメの市販薬は?

あせもになってわかった「これがあせもの原因だ!」 「あせも」をしてみてから、初めて知ったのだけ

記事を読む

マラセチア毛包炎の症状・原因・治療について

マラセチア毛包炎は皮膚の常在菌によって引き起こされる皮膚病です。 自覚がないまま、この皮膚病を

記事を読む

掌蹠膿疱症の症状・原因・治療について

掌蹠膿疱症は、主に足の裏や手のひらに生じる皮膚病のひとつです。 よくなったと思っても再び悪化す

記事を読む

突発性発疹の症状・原因・治療について

皮膚病のなかには、赤ちゃんや小児がかかりやすい病気があります。 突発性発疹もそのひとつで、生後

記事を読む

爪甲下出血の症状・原因・治療について

爪甲下出血は、その名が示すように爪の下に生じた出血のことを言います。 ここではその症状や原因に

記事を読む

糸状虫症(フィラリア症)を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

一般的にはバンクロフロト糸状虫(しじょうちゅう)によって引き起こされる病気です。

亜急性甲状腺炎を詳細に:原因,症状,検査,治療など

甲状腺(こうじょうせん)とは、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを産生する臓器

二分脊椎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

二分脊椎とは 二分脊椎症(にぶんせきついしょう)は、先天的に脊椎が形成不全を

高カルシウム血症を詳細に:原因,症状,検査,治療など

高カルシウム血症(こうかるしうむけっしょう)とは、血液中に含まれるカルシウムの濃度

鉤虫症(十二指腸虫症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

鉤虫症(十二指腸虫症)とは 鉤虫症(こうちゅうしょう)とは、回虫の一種である

→もっと見る

PAGE TOP ↑