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かぜ(急性上気道炎)を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

公開日: : 最終更新日:2018/07/27 肺・気管支の病気

かぜ(急性上気道炎)とは

かぜと急性上気道炎(きゅうせいじょうきどうえん)は同じ病気のことであり、上気道(鼻・のど)という空気の通路に炎症が生じた状態です。
呼吸器疾患としては一番多く、主にウイルスが原因となって引き起こされます。

成人のかぜで一番、原因として多いのはライノウイルスであり、子どもではアデノウイルスやRSウイルス、パラインフルエンザウイルスがかぜの原因として多いです。

症状としては鼻水、鼻づまり、咳(せき)、くしゃみ、のどの痛み、発熱などがあり、原因によって出やすい症状には多少の違いがあります。

年齢に関してはどの歳の人であっても起こるリスクのある病気で、少ない人だと1年に1回も発症しないことがあるのに対し、多い人だと年に数回発症することもあります。

治るまでの日数は通常、1週間以内とされており、自然に回復するのがかぜの大きな特徴の一つです。

かぜ(急性上気道炎)の原因

かぜを引き起こす原因微生物のほとんどはウイルスです。

かぜ全体の約9割をウイルスが占めているといわれており、主な種類としてはライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなどがあります。

大人に多く起こっているのはライノウイルスとで、子どもに多く起こっているのはアデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルスです。

ウイルスが原因のほとんどを占めていると述べましたが、これはウイルスだけによってかぜを引き起こすといっているわけではありません。

別の原因としては細菌(溶連菌、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌(かんきん)など)、マイコプラズマ、クラミジアなどの感染が占めているといわれています。

なお、原因として挙げたもののなかには、かぜとは表現されない病気もあります。
いまはインフルエンザまで含めてかぜ症候群といわれるようになっていますが、インフルエンザの原因であるインフルエンザウイルスによるものの場合にはかぜという表現が使用されず、インフルエンザと表現されます。

これと同じように、溶連菌が原因になっている場合にはかぜと呼ぶことはせずに溶連菌感染症といいますし、マイコプラズマが原因となっているものに関してはマイコプラズマ感染症というような表現のしかたになります。

かぜ(急性上気道炎)の誘因

ウイルス、細菌が原因になって引き起こされるかぜですが、ひきやすくしてしまうものもあります。
複数の誘因がありますが、そのなかの一つには抵抗力の低下があります。

疲労やストレスがため込まれていたり、寝不足が続いていたりするほか、別の病気にかかっていることが原因となって抵抗力がダウンしてしまい、かぜをひきやすくなってしまいます。

また不規則でバランスの悪い食事をとっていることなども、かぜをひきやすくなる誘因になります。

そのほか、原因微生物が好み、活動が活発になって増殖しやすくなる空気が乾燥していたり、気温が低かったりする環境下にいることも、感染してかぜを起こしやすくなる原因の一つです。

また、ウイルスが付着しているものに触ったことが引き金になってしまったり、感染者の咳やくしゃみが引き金になる場合があります。

かぜ(急性上気道炎)の感染経路

主なかぜの感染経路は接触感染と飛沫(ひまつ)感染であるといわれています。
まず、接触感染とはどういう感染経路なのかに関してですが、感染者が手で口元を覆って咳・くしゃみをしたあとや、鼻水を手でぬぐったあとに触った場所にはウイルスが付着します。

そこに感染していない人が触ることでその人の手にウイルスがうつり、さらにウイルスが付着した手で目、鼻、口、食品に触ることにより、粘膜や結膜を通してウイルスが体のなかへと侵入してしまって感染するというものです。

一方の飛沫感染ですが、感染者がした咳・くしゃみで出た唾に含まれているウイルスを、感染していない人が吸い込んでしまうことによって感染してしまうというものです。

かぜ(急性上気道炎)の症状

かぜは病原体が気道のなかへと入って気道粘膜に付着し、侵入と増殖することによって発症するといわれています。

かぜで出ることがある主な症状としては、咳、くしゃみ、痰(たん)、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、倦怠感(けんたいかん)、発熱、頭痛、目やに、関節痛、筋肉痛などがあります。

かぜをひくとすべての人に同じ症状が起こるわけではなく、なにが原因となってかぜになっているのかによって、起こりやすい症状、起こりにくい症状があるのです。

たとえば、大人に一番多いかぜの原因はライノウイルスですが、最も出やすいとされている症状としては鼻水、鼻づまりを挙げることができます。

ライノウイルスほど多くはないものの、主なかぜの原因の一つであるコロナウイルスも、ライノウイルスと同じように鼻水・鼻づまりの症状が最も起こりやすいといわれています。

これに対し、子どもに多いかぜの原因の一つにアデノウイルスがありますが、出やすい症状はのどの痛みであり、鼻水の症状はライノウイルスやコロナウイルスでのかぜよりやや起こりにくく、鼻づまりの症状は極端に出にくいのが特徴です。

また、アデノウイルスでは比較的起こりやすい発熱の症状が、ライノウイルスやコロナウイルスでは起こりにくいというような違いもあります。

なお、お腹のかぜ、胃腸かぜという言葉を見聞きしたことがある人は、かぜで下痢の症状が起こるのでは?と思う人もいるでしょう。

このことに関してですが、下痢はウイルス性胃腸炎といって、自然に治るウイルス感染症のことであり、ここでいっているかぜとはまた別物ということになります。

かぜ(急性上気道炎)の検査・診断

かぜの診断では、なにか特別な検査が必要になるのでしょうか。

この疑問に対する回答ですが、たいていの場合はとくに検査が行なわれるようなことはありません。
多くの場合は医師の問診・診察をもとにかぜと判断されるという形になります。

なお、かぜの診断はあくまで問診・診察が基本となりますが、血液検査やレントゲン撮影により、別の病気が原因になっていないことを調べる場合があります。

また、アデノウイルスなどの病原体によっては迅速診断キットを使用することがあり、鼻のなかやのどの奥に細い綿棒を入れて粘膜の液をこすりとり、病原体を検出する方法です。

陽性か陰性かは10~15分ほどで結果が出ますが、診断の精度はあまり高くありません。

かぜ(急性上気道炎)で病院に行く必要性

通常であれば1週間以内に自然と治ってしまうということで、わざわざ病院に行く必要はあるのかと思う人もいるのではないでしょうか。

かぜを疑って病院に行くメリットですが、かぜと思って受診してみたけれど、実際には別の病気だったということがわかります。

脅かしたいわけではありませんが、人によってはかぜではなく、別の重大な病気を起こしていることがあり、なにが原因で症状が起こっているのかは病院に行かなければはっきりさせることができません。

微熱程度の発熱で、鼻水は透明感があり、のどの痛みや咳の症状が軽いようであれば、病院に行かずに治す方法を選択するのも悪くありませんが、39度以上の高熱症状が出ている、鼻水の色が黄色や緑色をしている、のどの痛み強くはれている、はげしい咳の症状が出ているというような場合には、医療機関に行って診察を受けたほうがよいでしょう。

前述したように深刻な病気をかぜと勘違いしていることもあり得ない話ではありませんので、4日以上にわたって持続している場合や、ひどくなる場合には病院へ行くことをおすすめします。

かぜ(急性上気道炎)の治療

かぜを起こしてしまった場合、家での療養をしていれば通常は1週間以内に自然とよくなります。

安静にしていることのほか、栄養バランスのよい食事をとる、水分補給を行なう、部屋を暖かくして体を冷やさないようにする、部屋が乾燥しないように加湿器を使用するなどして湿度を適切に調節するといったことが大切です。

なお、ウイルスが原因となって起こっているかぜに対し、ウイルスを死滅させるのに有効な薬は存在しません。
対症療法といって、症状を緩和する薬しかないというのが現状であり、基本的にかぜは自分自身の免疫力で治す病気です。

薬は病院に行って手に入る医療用医薬品のほか、ドラッグストアなどの実店舗やネット通販で購入可能な一般用医薬品(OTC医薬品)があります。
医療用医薬品の場合、咳に対しては鎮咳(ちんがい)薬、発熱に対しては解熱(げねつ)剤といった具合に個別の症状に対して薬が処方されます。

つまり、1錠の薬には1種類の有効成分しか配合されていないということになります。
したがって、咳と発熱の症状がある場合、鎮咳薬と解熱剤の両方が処方されることになります。

一方、一般用医薬品の場合には総合感冒(かんぼう)薬といって、咳・鼻水、のどの痛み・発熱など、複数の症状に効果を発揮するよう、1種類の薬に複数の成分が配合されています。

ただ、副作用のことを考慮して配合されている成分の含有量は抑えられており、何日か使用していてもかぜの症状がよくならない場合には病院を受診したほうがよいでしょう。

かぜ(急性上気道炎)の予防

かぜの予防には手洗い・うがいが効果的とされています。
これはかぜを引き起こす原因となる感染経路を断つことを目的とした方法です。

手は石けんを使用して洗い、タオルはかぜをひいている人とは別のものを使用します。
アルコール消毒が効かないとされているウイルスもいますが、手洗いのあとに消毒を行なうことには意味があります。

うがいに関しては、有効成分のポビドンヨードが配合されているうがい薬を使用するのがおすすめです。
なお、ポビドンヨードには殺菌・消毒・洗浄効果があります。
外出して家に帰ってきたときには、まず最初に手洗い・うがいを行なうことを習慣にしましょう。

ドアノブ、テーブル、おもちゃなど、ウイルスが付着しそうなものを徹底的に消毒するのもおすすめです。
そのほか、外出時にはマスクを装着することも、かぜの予防には効果的です。

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