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肺胞たんぱくの原因・症状・治療

公開日: : 肺・気管支の病気

肺胞たんぱく症
肺胞たんぱく症(はいほうたんぱくしょう)とは、肺胞内にたんぱく様物質が溜め込まれ、正常なガス交換ができなくなる状態に陥る病気のことをいいます。
肺胞(はいほう)は、内部に空気が入っている小さい袋状の部分のことです。
薄い壁に覆われていますが、この壁には細い血管が存在しています。
この血管をとおる血液に肺胞の中にある空気を供給したり、血液の中にある二酸化炭素を肺胞内に受け入れる役割を担っています。
私たちは息をすることで生きていますが、肺胞はそのために必要不可欠な部分なのです。
肺胞たんぱく症は珍しい部類の病気に入りますが、タバコを吸う30~50歳の人に起こっている割合が高いのが特徴です。
また、男女比では男性によく認められている病気でもあります。
肺胞たんぱく症は自然治癒する人もいますが、悪化する人もいます。
悪化した場合には肺繊維症(はいせんいしょう)と呼ばれる肺が硬くなって縮小する(これを繊維化という)病気が起こる恐れがあり、さらに繊維化が進行すると細菌や真菌が原因の感染症を合併するリスクが増大します。
そのほか、肺に穴があいて空気が漏れ出す気胸(ききょう)により、肺が縮小する恐れもあります。

原因

肺胞の中に充満するたんぱく様物質により、ガス交換に障害が起こることが原因です。
このたんぱく様物質はたんぱく質とリン脂質で構成されています。
たんぱく様物質は肺胞内につくられるというのは前述したとおりですが、Ⅱ型細胞と呼ばれる肺胞壁を構成する細胞の仕業によるものという見方がされています。
ただし、たんぱく様物質がどうしてつくられるのか、明確なことは現状においてわかっていません。

症状

肺胞たんぱく症になるとまずはじめに引き起こされるのが息切れです。
軽くスポーツをしたときなどに息苦しさを感じます。
進行すると普段は簡単に歩けていた坂道や階段ののぼりおりでも息苦しくなるのです。
息切れの症状が引き起こされる原因は、血中の酸素濃度が下がっているためです。
息切れの症状が悪化すると食欲不振の状態に陥り、体重減少を招くことも少なくありません。
息切れ以外の症状だと咳(せき)や発熱も引き起こされることがあります。
また、息切れの症状は血液の病気があるとひどくなることもあり、感染症がある人だと発熱の症状が引き起こされることが多いのが特徴です。

検査と診断

肺胞たんぱく症かどうかを確かめるための代表的な検査方法は、胸部X線検査です。
この検査で写真撮影をすると、肺胞たんぱく質の場合は肺の全体におよぶ微細な粒状の陰影が認められます。
こうした特徴のある陰影が認められたら、生理的食塩水を使った洗浄を行います。
これは陰影があるところの気管支にファイバースコープを挿入して調べますが、黄白色をした液が回収された場合には、診断がつくことになるでしょう。

治療の方法

肺胞たんぱく症は、全体の2割程度の人が自然治癒するのが特徴です。
ただ、放置しておくわけにはいきませんので、無症状であっても経過観察を行っていく必要はあります。
また、悪化したり症状が引き起こされる患者に対しては、生理的食塩水を使った洗浄を行います。
そのためにはまず全身麻酔の状態にし、洗浄にはカーレンスチューブと呼ばれる管が用いられます。
なお、洗浄は左右一度にするのではなく、一方ずつ行われるケースもあります。
それから、1回だけで終わるのではなく複数回洗浄し、黄白色の液を除去していく場合もあります。
複数回の洗浄が行われる場合には、1週間程度の期間をあける形になるでしょう。
この治療方法が上手くいった場合には、たんぱく様物質がなくなり、肺胞たんぱく症が再発する可能性も大幅に低くなると考えられています。
なお、肺胞たんぱく症といっても続発性の場合は、原因となっている病気の治療が優先されます。
さらに先天性の場合は骨髄移植、肺移植が選択されるケースもあります。

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