*

薬剤性肺炎の原因・症状・検査・治療

公開日: : 最終更新日:2015/04/06 肺・気管支の病気, 肺炎

薬剤性肺炎
薬剤性肺炎(やくざいせいはいえん)とは、ほかの種類の病気にかかっている場合に使用された薬剤により引き起こされる肺炎のことをいい、間質性肺炎(かんしつせいはいえん)の一種に含まれます。
通常、肺炎はウイルスや細菌といった病原体が肺胞に感染し、炎症が起こることにより発症する病気ですが、薬の内服や点滴投与により肺が障害されてしまい、肺炎を引き起こしてしまう場合があるのです。
薬剤性肺炎を引き起こす薬剤はこれまでの事例から数多くの種類があることがわかっており、通常の肺炎治療薬として選択される抗菌剤が原因になってしまうケースもあります。
なお、この薬剤性肺炎の予後に関しては、比較的良好な場合でもあれば、適切な治療がおこなわれていても悪化してしまうケースも珍しくありません。
最悪の場合には命を落としてしまうこともありますので、決して軽視してはいけない病気です。

薬剤性肺炎の原因

前に述べたように、薬剤性肺炎は非常に多くの種類の薬剤により引き起こされるのが特徴です。
そのなかでもとりわけリスクが大きいのは、抗がん剤、免疫抑制剤、抗炎症薬、降圧剤、抗生剤、化学療法薬であるとされています。
これらの薬剤を使った治療を受けている人は、薬剤性肺炎に対しても警戒をしなくてはいけません。
また、薬剤性肺炎には、もともと薬剤が有している毒性が原因となって発症するタイプと、薬剤に対しアレルギー反応を起こすタイプとがあります。
どの程度の使用量で薬剤性肺炎を引き起こすのかには個人差があるため、一概に決め付けることはできません。
ただ、薬剤の使用量や種類の数が多いと発症しやすくなりますし、元から肺が悪かった人やお年寄りも発症リスクが大きいのが薬剤性肺炎の特徴です。

薬剤性肺炎の症状

一口に薬剤性肺炎といっても急性や慢性のものがあり、個々に症状が異なります。
まず急性の薬剤性肺炎に関してですが、薬剤を使用したあとすぐか、何週間か経過したあとに乾いた咳、発熱、呼吸困難の症状があらわれます。
次に慢性の薬剤性肺炎の症状ですが、薬剤の使用後数週間~数ヶ月間が経過したあと、乾いた咳や呼吸困難の症状が引き起こされます。
なお、慢性の場合は急性の症状にあった発熱は引き起こされないのが一般的です。

薬剤性肺炎の検査・診断

薬剤性肺炎かどうかを調べるための検査方法はいろいろありますが、そのなかの一つとしては血液検査を挙げることができます。
この検査をおこなった場合には白血球数、赤血球沈降速度、C反応性たんぱく(CRP)の増加や上昇がみとめられるのが特徴です。
また、胸部X線もおこなわれて、検査をした際には網や粒のような陰影が示されます。
そのほか、CT検査も実施されることがありますが、X線検査と共通していいえるのは通常の肺炎と見分けることが難しいという点です。
また、肺の機能を調べる検査もおこなわれ、結果としては肺活量や血中酸素が低下し、低酸素血症であることがわかります。
それから、過敏性(アレルギー反応)で発病する薬剤性肺炎に関しては、リンパ球幼弱化反応試験をおこない抗原を探る方法がとられることもあります。

薬剤性肺炎の治療方法

薬剤性肺炎の治療方法としては、原因となっている薬剤の使用をストップすることが挙げられます。
これをしない限り病気は悪化の一途をたどりますので、当然といえば当然の対処法です。
原因となっている薬剤の使用をやめると回復することもありますが、しない人もいます。
薬剤の使用をストップしても回復しない人に対しては、ステロイド薬を使った治療が選択されることが多いのが特徴です。
また、薬剤を使わなくなっても病状が改善せず、強い呼吸障害が起こっているという人に対しては、酸素療法が選択されたり、場合によっては人工呼吸器を使った治療もおこなわれます。

薬剤性肺炎の予防方法

薬剤性肺炎はアレルギー反応により起こるものもありますので、体質的にアレルギーを持っている人は、病院を訪れた際には医師に話しましょう。

関連記事

膠原病肺の原因・症状・治療

膠原病肺 どんな病気(概要) 膠原病と合併して引き起こされた肺の病気を総称して、膠原病肺(こう

記事を読む

肺に良い事とは?肺を健康に保つ為に!

水 水を飲むと肺の健康に良いといわれることがありますが、飲み方に気をつけなければ逆効果になって

記事を読む

MRSA肺炎の原因・症状・検査・治療

メチシリンは、ペニシリン耐性黄色ブドウ球菌用の抗生物質ですが、MRSAにはMRSA用の特別な抗菌

記事を読む

市中肺炎(院外肺炎)の原因・症状・検査・治療

病院の外で感染して発症する肺炎で、病原体の種類により、細菌性肺炎、非細菌性肺炎、非定型肺炎の3つ

記事を読む

肺真菌症の原因・症状・治療

肺真菌症(はいしんきんしょう)とは、カビである真菌が肺に感染することにより発症する病気の総称のこ

記事を読む

お年寄りの肺炎の特徴を知って予防対策!

肺炎は以前から多くの人に起こる病気でしたが、近年では遂に日本人の死因トップ3に入るほどになりまし

記事を読む

肺うっ血/肺水腫の原因・症状・治療

肺うっ血とは、肺をめぐっている血管内の血液量が増加している状態のことをいいます。 血液量が多く

記事を読む

石綿肺の原因・症状・治療

石綿肺 どんな病気(概要) 石綿肺(せきめんはい)とは、じん肺の一種のことをいいますが、じん肺

記事を読む

子供の肺炎、特に乳児は注意が必要です!

肺炎は大人だけがなるものではなく、子供もなる恐れのある病気なのです。 ある程度大きな子供で、肺

記事を読む

インフルエンザ・風邪と肺炎の違いと関連はあるのか?

症状が似ている風邪、インフルエンザ、肺炎ですが、どういった点が違うのでしょうか。 また、これら

記事を読む

精巣炎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

精巣炎とは 精巣(せいそう)とは、精子を形成し男性ホルモンを分泌する役割を担

甲状腺ホルモン不応症を詳細に:原因,症状,検査,治療など

甲状腺ホルモン不応症(こうじょうせんほるもんふおうしょう)とは、先天性(生まれつき

網膜剥離を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

網膜剥離(もうまくはくり)とは、目のなかの網膜という組織が剥がれ落ちる病気のことで

腸チフス、パラチフスを詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

腸チフス(ちょうちふす)、パラチフス(ぱらちふす)とは、サルモネラという細菌の一種

門脈圧亢進症の原因,症状,検査,診断,治療など

門脈圧亢進症とは 門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)とは、なんらかの原

→もっと見る

PAGE TOP ↑