*

急性呼吸促迫症候群の原因・症状・治療

公開日: : 最終更新日:2015/04/07 肺・気管支の病気

急性呼吸促迫症候群

急性呼吸促迫症候群 どんな病気(概要)

急性呼吸促迫症候群(きゅうせいこきゅうそくはくしょうこうぐん)とは、ARDS(Acute Respiratory Distress Syndrome)と呼ばれることもあり、以前は成人呼吸促迫症候群という呼称が用いられていましたが、成人に限定して起こる病気ではないため、今の呼び方に変わりました。
この急性呼吸促迫症候群は重度の病気に続発するのが特徴で、突然に呼吸不全の状態に陥ってしまいます。
呼吸不全の状態になるのは、肺の内部に水が溜まり、血中の酸素濃度が急激に低下するためです。
原因疾患はいろいろとありますが、発症までは3日以内と短く、発症すると死亡率が高く助からない危険性がある、恐ろしい病気なのです。
それだけでなく、確実な治療方法が現状ではないことも高い致死率になっている要因といえるでしょう。

急性呼吸促迫症候群の原因

さまざまな病気が原因となり得るのが急性呼吸促迫症候群の特徴です。
中でも原因として多いのは、敗血症や肺炎です。
肺炎が原因となって発症する場合には、ウイルス性肺炎、細菌性肺炎、誤嚥(ごえん)性肺炎、放射線肺炎などの状態がひどくなることがきっかけとなりやすいでしょう。
また、敗血症や肺炎以外だと、急性膵炎(きゅうせいすいえん)や脂肪塞栓症(しぼうそくせんしょう)により急性呼吸促迫症候群を招くこともあります。
さらには輸血や術後、薬物の使用量が過剰なことで急性呼吸促迫症候群が引き起こされたり、心原性ショックや出血性ショックにより発症するケースもあるでしょう。

急性呼吸促迫症候群の症状

急性呼吸促迫症候群の症状は、急速に悪化するという厄介な特徴があります。
発症するきっかけから実際に症状が引き起こされるまでの期間が短いだけでなく、症状の悪化も数時間~数日と速いのです。
実際にあらわれる症状としては、最初のうちは咳や痰(たん)が出ます。
呼吸も浅く早くなっていき、呼吸困難の状態に陥るのです。
なお、呼吸器に関する症状と一緒に、心拍数が増える頻脈(ひんみゃく)や熱が上がる症状も引き起こされることが多いでしょう。
さらに症状が進行すると痰に血が混ざる血痰(けったん)の症状、酸素不足により手足の先や唇が紫色になるチアノーゼの症状も引き起こされます。

急性呼吸促迫症候群の検査と診断

検査と診断ですが、まず胸部X線検査が行われることになります。
このとき、肺のびまん性浸潤影(片側ではなく両側、全体に認められる陰影のこと)があることを確認します。
そして、低酸素血症が酸素投与でよくならないことを確認し、さらにうっ血性心不全でないことがわかった場合、急性呼吸促迫症候群と診断が下されることになるのです。

急性呼吸促迫症候群の治療の方法

薬物療法、呼吸管理療法が主な急性呼吸促迫症候群の治療法となります。
まず薬物療法ですが、急性呼吸促迫症候群の原因となる病気(=基礎疾患)を改善するための薬が使用されます。
そのほか、呼吸困難の症状に対しては好中球エラスターゼ阻害薬などを使用することにより改善がはかられることがあります。
次に呼吸管理療法ですが、酸素マスクを装着し、酸素吸入が行われます。
酸素吸入だけでは血中酸素が増加しないようであれば、口や鼻腔(びくう)から気管にチューブを挿入する気管内挿管、または首の皮膚を切り気管に穴をあける気管切開を行いチューブを挿入し、人工呼吸器を取り付ける方法がとられることになるでしょう。
現状で行われている薬物療法にもいえることですが、呼吸管理療法も急性呼吸促迫症候群の確実な治療方法とはいえません。
なお、人工呼吸を使用した治療方法では、感染症などの合併症を引き起こすリスクが増大します。
特に人工呼吸を選択するあたりになると、死に至る可能性はかなり高くなりますので、急性呼吸促迫症候群からの回復をはかるためには早期治療が肝心といえるでしょう。

関連記事

かかってしまってからの風邪対策

「気をつけていたつもりなのに風邪をひいてしまった・・・」という場合、早く治すにはどうしたらいいか

記事を読む

「風邪は万病のもと」と言われるのは何故?

ことわざに「風邪は万病のもと」とあり、見聞きしたことがある人も多いでしょう。 ただ、どうし

記事を読む

過換気症候の原因・症状・治療

過換気症候群とは 過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)は過呼吸(かこきゅう)と呼ばれることも

記事を読む

肺炎の検査と治療について

肺炎かもしれない場合の検査には何があるのか、どういった治療が行われるのかについて解説していきます

記事を読む

市中肺炎(院外肺炎)の原因・症状・検査・治療

病院の外で感染して発症する肺炎で、病原体の種類により、細菌性肺炎、非細菌性肺炎、非定型肺炎の3つ

記事を読む

風邪に似た病気の特徴や対処法をまとめました

インフルエンザ 一般的に、風邪はさまざまなウイルスによって起こります。 普通の風邪の多くは、

記事を読む

エコノミークラス症候群(肺塞栓症)の原因・症状・治療

エコノミークラス症候群(肺塞栓症)とは 心臓から肺へと血液を送り込む血管の肺動脈(はいどう

記事を読む

市販の風邪薬の択び方

風邪をひいた 際、病院に行かずにまずは市販薬を使用するという人が少なくありません。 決し

記事を読む

最も気をつけたい子供の肺炎とお年寄りの肺炎

子供の肺炎 肺炎は大人だけがなるものではなく、子供もなる恐れのある病気なのです。 ある程度大

記事を読む

風邪ひいた時はお風呂は入って良いのか?悪いのか?

風邪をひいた場合にお風呂には入ったほうがいいのでしょうか。 それとも、入らないでおいたほう

記事を読む

亜急性甲状腺炎を詳細に:原因,症状,検査,治療など

甲状腺(こうじょうせん)とは、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを産生する臓器

二分脊椎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

二分脊椎とは 二分脊椎症(にぶんせきついしょう)は、先天的に脊椎が形成不全を

高カルシウム血症を詳細に:原因,症状,検査,治療など

高カルシウム血症(こうかるしうむけっしょう)とは、血液中に含まれるカルシウムの濃度

鉤虫症(十二指腸虫症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

鉤虫症(十二指腸虫症)とは 鉤虫症(こうちゅうしょう)とは、回虫の一種である

甲状腺機能低下症を詳細に:原因,症状,検査,治療など

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)とは、甲状腺の働きが悪くなるこ

→もっと見る

PAGE TOP ↑