*

肺胞微石症の原因・症状・治療

公開日: : 最終更新日:2015/04/05 肺・気管支の病気

肺胞微石症
肺胞微石症(はいほうびせきしょう)とは、肺に存在する肺胞の中にリン酸カルシウムが層状に沈着し、発症する病気のことをいいます。
遺伝性のある病気であり、劣性遺伝することがわかっています。
肺胞微石症が引き起こされていても、はじめのうちはこれといって症状があらわれることはなく、自覚症状に乏しいのが特徴です。
ほとんど無症状であることから、発見されるのは健康診断などを受けにいったときが多く、胸部X線検査を受けた際に肺に不審な陰影が認められて肺胞微石症だと判明する人の割合が高いです。
そして、いまのところ簡単に治せるような方法は確立されておらず、劇的に効果をあらわす治療方法は肺移植しかありません。
なお、肺の病気としては稀な部類に入り、現在のところ100例ほどしかない病気です。

原因

現状において明確な原因はわかっていませんが、家族内発症が全体の半分程度あります。
そのため、家族内で起こったケースでは、常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)が原因と予測されるのです。
なお、劣勢遺伝は絶対に親から子へと遺伝子、同じ病気を引き起こすとは限らないのが特徴です。
また、この病気自体はリン酸カルシウムが肺胞内に層状に沈着し、引き起こされます。
肺胞壁というところからリン酸カルシウムがつくり出され、肺胞内へと分泌されて溜め込まれていくことになります。
しかしながら、肺胞内にリン酸カルシウムが溜め込まれていったとしても、はじめのうちは病気にかかっているという自覚ができません。
なお、肺胞壁からなぜリン酸カルシウムがつくり出されるのかは、いまのところ明確になっていません。
リン酸カルシウムの蓄積は幼い頃から進んでいき、大人になると病気を引き起こす状態になります。

症状

肺胞微石症にかかっていても、ほとんど無症状なのが初期の段階の特徴です。
進行もゆっくりで幼少期から少しずつリン酸カルシウムが蓄積されていきますが、大人になると病気の症状が引き起こされるようになります。
肺胞微石症が進行した場合には、咳(せき)、呼吸困難の症状があらわれるようになるのです。
なお、これらの症状は病気が進行し、肺が硬くなり縮まる繊維化が進むことにより引き起こされます。
そのほか、肺胞微石症が急激に悪化するケースもあり、続発性肺のう胞破裂、感染症合併のように深刻な病気を招くことになりかねません。
こうした病気を招いてしまった場合には、手術を受けなければいけなくなることもあります。

検査と診断

肺胞微石症かどうか確かめるための検査としては、胸部X線検査、開胸肺生検、遺伝子検査を挙げることができます。
胸部X線検査を受け、画像を確認すると、肺が全体的に白く濁っているのがわかります。
この白い濁りは吹雪のようだとか、すりガラスのようだなどと表現されており、特徴的なため診断は難しくないといわれています。
多くの人は健康診断を受けた際などに、偶然この異常が見つかることが少なくありません。
開胸肺生検は、確定診断のために行われます。
この検査では肺の組織を一部採取し、リン酸カルシウムが肺胞内に層状に沈着しているかどうかを顕微鏡で調べます。
そのほか、肺胞微石症は家族内発症が多いことから、遺伝子検査により調べる方法も効果的です。

治療の方法

沈着したリン酸カルシウムを一掃するような劇的な効果が望める治療方法は、残念なことにいまのところありません。
そのため、対症療法が中心となり、症状に対し薬を使用する方法がとられます。
たとえば、咳の症状が出ているなら咳止め薬を使うといった具合です。
それから、風邪をひかないように日頃から体調管理に気をつけることも大切でしょう。
ただ、全く治療方法がないかというと、そうではありません。
肺移植を受けることにより、回復することが可能となっているのです。

関連記事

気胸の症状・種類・検査・治療

こちらでは、気胸という病気についてご紹介しています。 その名前すら、今まで聞いたことが無い方も

記事を読む

ニューモシスチス肺炎の原因・症状・検査・治療

ニューモシスチス肺炎(にゅーもちすちすはいえん)とは、真菌の一種であるニューモシスチスイロベチー

記事を読む

お年寄りの肺炎の特徴を知って予防対策!

肺炎は以前から多くの人に起こる病気でしたが、近年では遂に日本人の死因トップ3に入るほどになりまし

記事を読む

風邪に効く漢方薬のご紹介!

市販の漢方薬には風邪に良いものもあります。 漢方薬は即効性が見込めますし、副作用の心配が比

記事を読む

過換気症候の原因・症状・治療

過換気症候群とは 過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)は過呼吸(かこきゅう)と呼ばれることも

記事を読む

冬に風邪をひくのは何故?

冬に風邪をひいたり、流行したりする理由は複数あります 以下に分かりやすくまとめていますので

記事を読む

市販の風邪薬の択び方

風邪をひいた 際、病院に行かずにまずは市販薬を使用するという人が少なくありません。 決し

記事を読む

COPDの症状・原因・治療

COPDとは、慢性的に気道が閉塞状態になる病気(慢性気管支炎、肺気腫、びまん性汎細気管支炎など)

記事を読む

肺真菌症の原因・症状・治療

肺真菌症(はいしんきんしょう)とは、カビである真菌が肺に感染することにより発症する病気の総称のこ

記事を読む

MRSA肺炎の原因・症状・検査・治療

メチシリンは、ペニシリン耐性黄色ブドウ球菌用の抗生物質ですが、MRSAにはMRSA用の特別な抗菌

記事を読む

亜急性甲状腺炎を詳細に:原因,症状,検査,治療など

甲状腺(こうじょうせん)とは、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを産生する臓器

二分脊椎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

二分脊椎とは 二分脊椎症(にぶんせきついしょう)は、先天的に脊椎が形成不全を

高カルシウム血症を詳細に:原因,症状,検査,治療など

高カルシウム血症(こうかるしうむけっしょう)とは、血液中に含まれるカルシウムの濃度

鉤虫症(十二指腸虫症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

鉤虫症(十二指腸虫症)とは 鉤虫症(こうちゅうしょう)とは、回虫の一種である

甲状腺機能低下症を詳細に:原因,症状,検査,治療など

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)とは、甲状腺の働きが悪くなるこ

→もっと見る

PAGE TOP ↑