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反回神経麻痺を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/05/15 歯・口・のどの病気

反回神経麻痺とは

反回神経麻痺(はんかいしんけいまひ)とは、声を発するための器官の声帯を動かす神経の反回神経に、何らかの障害が生じることによって麻痺する病気です。

そもそも声帯とは、のどぼとけの部分に位置する軟骨の中に存在する約1~1.5㎝ほどの小さな器官で、のどぼとけの左右に1本ずつ存在しています。

この左右に1本ずつ存在している声帯は、空気を吸いこむときにはV字型に開いていますが、声を発するときには左右の声帯が中央方向へと近寄り、声帯によって塞がれ狭くなった気道を空気が通り振動することで声となります。

また、声帯は声を発するためだけでなく、食事の際に飲み込んだ食べ物が誤って気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)を防ぐ役割も果たしています。

このように声帯は、発声や誤嚥を防ぐための重要な器官ですが、声帯そのものが正常に機能するように動かす役割を担っているのが反回神経です。
反回神経は1~12番まである脳神経のうち、10番目にあたる迷走(めいそう)神経から枝分かれした神経の一つです。

全部で12番目まである脳神経は脳内の脳幹から枝分かれし、嗅覚を司る嗅(きゅう)神経や視覚を司る視神経、顔の知覚を司る三叉(さんさ)神経、聴覚を司る聴覚神経へと分かれています。

10番目の脳神経である迷走神経は、脳内の脳幹から枝分かれしたあとは頸(けい)動脈の脇を通り胃へと下降しますが、肺や心臓がある胸郭(きょうかく)内で左右1本ずつ反回神経へと枝分かれしています。

胸郭内で枝分かれした反回神経のうち、右側の反回神経は鎖骨下(さこつか)動脈、左側の反回神経は大動脈弓(だいどうみゃくきゅう)でそれぞれ折り返し、食道の脇から甲状腺(こうじょうせん)の裏側を通り、声帯の筋肉を動かす喉頭(こうとう)部分へと繋がっています。

反回神経麻痺とは、迷走神経から枝分かれした反回神経が何らかの原因によって損傷を受け、声帯を正常に機能させることができなくなることによって麻痺が生じる病気で、声帯が麻痺することから声帯麻痺ともいいます。

また、左右に1本ずつある反回神経のうち、片側だけの声帯が麻痺する場合を片側声帯麻痺といい、左右両側の声帯が麻痺する場合を両側声帯麻痺ともいいます。

反回神経麻痺の多くは発症原因がわからない特発性(とくはつせい)ですが、特発性の次に多い発症原因が脳幹腫瘍(のうかんしゅよう)や甲状腺がん、肺がん、食道がん、乳がんなどの臓器がんやその治療のために行なった外科手術です。

反回神経は脳から声帯へとたどり着くあいだに甲状腺や肺、食道などのそばを通るため、反回神経と隣接する臓器に腫瘍(しゅよう)が発生すると反回神経を圧迫したり損傷を与えたりし、その結果として反回神経麻痺を引き起こします。

また、こうした病気の治療のために行なった外科手術の際、手術対象である臓器と隣接する反回神経を損傷すると反回神経麻痺を引き起こします。

このほかにも反回神経麻痺の発症原因としては、薬物障害や神経疾患、交通事故や急性感染、重金属障害などをあげることができます。

実際に反回神経麻痺が引き起こされると、初期症状として声枯れの症状が現れます。
反回神経麻痺は、基本的に左右1本ずつある反回神経のうち片側だけに麻痺が生じ、声枯れも片側だけの反回神経が麻痺した場合に出現する典型的な症状です。

また、声枯れのほかにも声がかすれる嗄声(させい)や、会話中に息切れを起こすこともあります。
このほかにも、誤嚥や肩の痛みといった症状が起こることもあります。

さらに両側の反回神経が麻痺した場合には、呼吸困難の症状が起こり、ひどい場合には窒息(ちっそく)してしまうこともあります。

反回神経麻痺を治療するには、麻痺している反回神経が片側だけなのか、それとも両側なのかを確認するとともに、麻痺を引き起こしている原因を特定することが重要です。

そのため、検査では喉頭ファイバースコープを使って声帯の状態を確認し、画像検査や筋電図検査、血液検査などを行なうことで原因を特定します。

検査によって反回神経麻痺であると診断された場合、治療は基本的に6か月ほど経過観察を行ない、自然に治癒することを待ちます。
その際に発声訓練や薬物療法を同時に行なうこともありますが、6か月ほど経過しても症状が改善しない場合には、外科療法を行ないます。

外科療法には声帯内注入術(せいたいないちゅうにゅうじゅつ)、頸部外切開術(けいぶがいせっかいじゅつ)、甲状軟骨形成術(こうじょうなんこつけいせいじゅつ)、披裂軟骨内転術(ひれつなんこつないてんじゅつ)、気管切開術(きかんせっかいじゅつ)、気管開窓術(きかんかいそうじゅつ)などがあり、麻痺の具合や患者の年齢によって最適な外科療法を選択します。

反回神経麻痺は原因不明の特発性である場合、予防することは難しいですが、特発性を除けば発症原因は明らかであるため予防することができます。

とくに特発性の次に多い原因である臓器がんや、その治療のための外科手術は、臓器がんの発症を予防することが反回神経麻痺を予防することに繋がります。

そのため、臓器がんを発症しないように日頃から規則正しい生活を心がけ、心身ともに健康であるように努めましょう。

また、万が一反回神経麻痺を発症した場合、適切な治療をほどこさずに放置すると日常生活に支障をきたすことがあるため、少しでも体に異変を感じたときにはできるだけ早く医療機関を受診することが大切です。

反回神経麻痺の原因

反回神経麻痺は、脳神経より枝分かれした迷走神経からさらに枝分かれした反回神経が何らかの損傷を受け、声帯を正常に動かせなくなることで発症します。

反回神経そのものは脳幹から枝分かれし、肺や心臓がある胸郭部を通り声帯へと繋がっているため、脳幹から声帯のあいだのどの部分で損傷を受けても麻痺が生じます。

一般的に反回神経麻痺の多くは発症原因が特定できない特発性ですが、そのほかは発症原因がはっきりしており、主に薬物障害、神経疾患、交通事故、急性感染、重金属障害、脳幹腫瘍や臓器がんなどがあります。

薬物障害

病気の治療のために服用した薬物が神経を刺激して、障害を与える場合があります。
この薬物による神経障害が反回神経に発生した場合、反回神経麻痺が引き起こされます。

神経疾患

神経疾患とは、体を正常に機能させるための指令を伝える役割を担う神経に、何らかの原因によって障害が発生する病気です。
この神経疾患によって反回神経に障害が発生した場合、反回神経麻痺が引き起こされます。

交通事故・急性感染

交通事故などにより反回神経が損傷した場合や、手術時に反回神経を損傷した場合、反回神経麻痺が引き起こされてしまうことがあります。

また、手術時に細菌やウイルスに感染して反回神経に障害が発生した場合にも、反回神経麻痺を招いてしまうことがあります。

重金属障害

重金属が体内に蓄積されることで発症する重金属障害は、体内のさまざまな神経に障害を与える場合があります。
重金属障害によって反回神経に障害が発生した場合、反回神経麻痺が引き起こされます。

脳幹腫瘍・臓器がん

反回神経は、脳神経から枝分かれして声帯へと繋がるまでのあいだに、さまざまな臓器のあいだを通り抜けています。
そのため、反回神経と隣接する臓器にがんなどの腫瘍が発生すると、反回神経を圧迫または損傷を与えてしまい、反回神経麻痺が引き起こされる場合があります。

反回神経麻痺の発症原因となる腫瘍には脳幹腫瘍をはじめ、甲状腺がん、食道がん、肺がん、乳がんなどがあります。
また、胸部大動脈瘤(きょうぶだいどうみゃくりゅう)も反回神経を圧迫し、反回神経麻痺が引き起こされる場合があります。

さらにこうした病気の治療のために外科手術を行なった際に、患部と隣接する反回神経が損傷することで、反回神経麻痺が引き起こされることもあります。

このように反回神経麻痺の発症にはさまざまな原因がありますが、原因不明の特発性を除いた場合には、脳幹腫瘍や臓器がんの治療のために行なった外科手術後に発生する場合が多いです。

また、外科手術によって反回神経麻痺が引き起こされた場合、左右1本ずつある反回神経のうち、片側だけの声帯が麻痺する片側声帯麻痺が引き起こされる場合が多いですが、まれに両側の声帯が麻痺する両側声帯麻痺が引き起こされることもあります。

反回神経麻痺の症状

反回神経麻痺は、声を出すための声帯の筋肉を正常に機能させる役割を果たす反回神経が麻痺する病気であるため、反回神経麻痺を発症すると声帯が正常に機能しなくなり、主に声枯れ、呼吸困難、誤嚥といった症状が出現します。

声枯れ

反回神経麻痺の多くは発症原因が不明な特発性ですが、原因がはっきりしている場合の多くは脳幹腫瘍や甲状腺がん、肺がん、乳がんなどの外科手術を受けたあとに反回神経が麻痺します。
こういった外科手術後に反回神経が麻痺した場合、初期症状として声枯れの症状が出現します。
また、外科手術によって反回神経が麻痺する場合、その多くは左右1本ずつある反回神経のうちどちらか片側だけが麻痺します。

声帯は左右両側が正常に機能することで声を発することができますが、片側だけが麻痺することにより上手く発生できず声が枯れたような症状が起こります。
このほかにも会話中に息切れを起こす場合や、声がかすれる嗄声の症状が出現することもあります。

呼吸困難

反回神経麻痺は、左右に1本ずつある反回神経のうち片側だけが麻痺する場合が多いですが、まれに左右両側の反回神経が麻痺する場合があります。

声帯は正常に機能しているときには発声や呼吸によって開閉していますが、両側の反回神経が麻痺すると上手く開閉できなくなり、呼吸困難を引き起こす場合があります。

また、呼吸困難以外にもまったく声が出なくなる、頻繁にむせるといった症状が出現します。
さらに呼吸困難の症状が悪化すると窒息してしまうこともあるため、できるだけ早く治療をほどこす必要があります。

声の鼻もれ

声の鼻もれとは、声を出した際に鼻から息がもれたような症状のことです。
反回神経麻痺の初期症状である声枯れにも似た症状であり、声枯れと同様に会話中に息切れを起こすこともあります。

誤嚥

誤嚥とは食べ物を飲み込む際に気管へと誤って入ることや、鼻に逆流する症状のことです。
本来、誤嚥せずに食べ物を飲み込むためにはのどの運動を司る舌咽(ぜついん)神経や、舌の運動を司る舌下(ぜっか)神経が正常に機能する必要があります。

舌咽神経や舌下神経は反回神経に近い場所に位置しているため、反回神経麻痺を発症した場合には舌咽神経や舌下神経にも障害が現れる場合があり、その結果、食事のときに誤嚥を招きやすくなります。

肩の痛み・動作障害

肩を上げる、下げるといった動作は運動神経である副神経が司っています。
この運動神経である副神経は反回神経の近くに位置しているため、反回神経麻痺を発症した場合には副神経にも障害が発生し、その結果として肩に痛みを感じる、上手く上げ下げできないといった症状が起こります。

反回神経麻痺の検査・診断

反回神経麻痺は、声帯の筋肉を動かす反回神経が麻痺することで発症するため、検査ではファイバースコープを使用して声帯が正常に動くかどうかを確認します。

また、画像検査や筋電図検査、血液検査などを行ない、総合的に判断する形になります。

喉頭ファイバースコープ検査

喉頭ファイバースコープ検査は、反回神経が麻痺しているかどうかを確認するための検査です。

検査では、咽頭ファイバースコープという直径3㎜ほどの細くて柔軟な特殊な内視鏡を鼻から声帯のある喉頭部分へと挿入し、患者自身に発声や呼吸をしてもらい、その際の声帯の動きを観察して麻痺の有無を確認します。

画像検査

画像検査は反回神経麻痺と診断されたあと、原因を特定するために行なう検査です。

反回神経麻痺は脳幹腫瘍や肺がん、甲状腺がん、食道がん、乳がんなどの臓器がんが発症原因の場合があるため、頭部CT検査や胸部CT検査、胸部MRI検査、頚部超音波検査などの画像検査を行ない、体内のどこかで反回神経を圧迫、または損傷を与えている病気がないか確認します。

筋電図検査

筋電図検査は、画像検査で診断を確定するのが難しい場合に行なわれる検査です。
反回神経麻痺とは、反回神経に圧迫や損傷を受けることで声帯を動かすための筋肉が正常に動かなくなる病気であるため、筋電図検査を行なうことで反回神経ではなく筋肉そのものに異常があるのか、神経疾患により脳からの伝達が筋肉へと正常に伝わっていないのか、筋肉の収縮性に異常があることで声帯が正常に動かないのか、といったことを確認することができます。

また、筋電図検査によって反回神経麻痺であると診断が確定された場合には、筋電図検査の結果によって麻痺の度合いや回復の見込みなどが推察でき、治療方針を決めるうえでも大いに役立ちます。

血液検査

反回神経麻痺の発症原因の一つとして、ウイルスや細菌などへの急性感染をあげることができます。

画像検査での診断の確定が難しく、病歴や起こっている症状などからウイルスや細菌への感染が疑われる場合には血液検査を行ない、水痘(すいとう)や帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスなど、反回神経麻痺を引き起こすリスクのある細菌やウイルスに感染していないかどうかを確認します。

反回神経麻痺の治療

反回神経麻痺は発症原因がわからない特発性が多くを占め、その次に病気やケガ、その治療のために行なった手術などが原因の場合が多いです。

治療においては原因が何であれ、基本的には経過観察を行なうことで、自然に治癒するのを待ちます。

その際に発声訓練や薬物療法を同時に行なうこともあり、長期間にわたって経過観察を行なっても自然に治癒しない場合には、外科療法が行なわれています。

経過観察&自然治癒

反回神経麻痺を発症した場合、発症原因が何であれ基本的に経過観察を行ない自然によくなるのを待ちます。
経過観察は反回神経麻痺を発症後6か月間にわたって行ないますが、6か月が経過しても治癒しない場合には外科療法を行ないます。

また、6か月が経っていなくても呼吸困難や誤嚥の症状が起こっている人に対しては、外科療法を行ないます。

発声訓練

反回神経麻痺を発症し、麻痺の度合いが軽い場合には、経過観察と並行して発声訓練を行なうことがあります。

発声訓練は言語聴覚士の指導のもとで受けることになりますが、発声訓練を行なうことで声枯れなどの症状を改善することができます。

薬物療法

反回神経麻痺の発症原因がわからない特発性の場合において、発症後間もない時期であれば薬物療法を行なうことがあります。

薬物療法では主に、ビタミンB1、ビタミンB12、ATP製剤、ステロイド薬、末梢血管拡張薬など、神経機能を改善させる効果のある薬物を使用します。

反回神経麻痺を発症後、6か月間の経過観察中に自然治癒しなかった場合や、呼吸困難や誤嚥の症状が現れている場合には外科療法を行ないます。

外科療法には主に声帯内注入術、頸部外切開術、甲状軟骨形成術、披裂軟骨内転術、気管切開術、気管開窓術などを行ないます。

声帯内注入術

声帯内注入術とは、反回神経が麻痺したことで正常に動かなくなった声帯の外側に物質を注入することで、声帯を移動させて症状を緩和させることが可能な外科療法の一種です。

主に片側の反回神経が麻痺した患者に行なわれる外科療法で、注入する物質にはコラーゲンや脂肪、BIOPEX(バイオペックス)などを使用しますが、コラーゲンや脂肪は注入後体内に吸収される場合があり、その場合には再び注入する必要があります。

声帯内注入術は患者の体への負担が少ないというメリットがありますが、手術自体は全身麻酔をほどこすため、患者の発声を確認しながら注入量を調節することができないというデメリットがあります。
また、術後は術前と比べて声質が悪化するというリスクもあります。

頸部外切開術

頸部外切開術とは、頸部に局分麻酔をほどこしたあとに切開し、声帯部分へとシリコン版を挿入するか、声帯を動かすための筋肉を牽引(けんいん)することで症状を改善させることができる外科療法の一種です。
頸部外切開術では声帯に直接触れることがないため、声帯内注入術のように術後に声質が悪化するリスクはありません。

また、局部麻酔をほどこすことで患者自身の発声を確認しながら手術を行なうことができ、声帯内注入術のように物質の注入量が少なすぎる、または多すぎるということはなく、症状を適切な状態まで確実に改善させることができます。

甲状軟骨形成術

甲状軟骨形成術とは、甲状軟骨があるのどぼとけ部分に局部麻酔をほどこし、頸部(けいぶ)皮膚を数㎝ほど切開したあとに、声帯を覆っている甲状軟骨を手術する外科療法の一種です。

甲状軟骨形成術には甲状軟骨Ⅰ型からⅣ型の4種類があります。
甲状軟骨Ⅰ型は、発生時に声帯に隙間ができる場合や声帯萎縮(いしゅく)がみられる場合に行なわれ、人工物を挿入して声帯を移動させることで隙間を狭くし、発生しやすくさせる手術方法です。

甲状軟骨Ⅱ型は、反回神経が麻痺することで声帯が強く閉鎖してしまう場合に行なわれ、甲状軟骨にチタンブリッジなどを装着し、声帯固定することで適度に声帯が開き、症状を改善することができる手術方法です。

甲状軟骨Ⅲ型は性同一性障害(せいどういつせいしょうがい)を患っている女性の声を低くする目的で行なわれる手術方法で、反回神経が麻痺することで声の高さが変わった場合に行なわれ、甲状軟骨の一部を切除し声帯を短くします。

甲状軟骨Ⅳ型は声を低くするための甲状軟骨Ⅲ型とは逆に、声を高くする目的で行なう手術方法で、甲状軟骨とその下に位置する環状軟骨を近づけます。

甲状軟骨形成術は、局部麻酔をほどこして行なうために患者への負担が少なく、高齢者の方でも安心して手術を受けることができますが、術後は患部の腫れを予防するために1週間ほど声を出さない沈黙療法が必要です。

披裂軟骨内転術

本来、発声時に左右の声帯が真ん中へと寄って閉鎖するのは、生体部分に存在する披裂軟骨が移動するためです。

披裂軟骨内転術では、反回神経が麻痺して発声時に閉じなくなった声帯を、披裂軟骨が移動して声帯が閉鎖したときのように再現する外科手術です。

披裂軟骨内転術を行なうことで、声帯の張力を人工的に取り戻すことができ、元の声質へと改善することができます。

気管切開術

反回神経麻痺は、基本的に左右1本ずつある反回神経のうち片側だけに麻痺が現れますが、まれに両側の反回神経に麻痺が生じる場合があり、その場合は呼吸困難を引き起こし、窒息するリスクも高まります。

気管切開術は、両側の反回神経が麻痺した場合に行なわれる外科療法の一種で、呼吸困難の症状が軽い場合に行なわれます。

手術は局部麻酔をほどこしたあと、気管弁の一部と皮膚を縫い合わせます。
また、切開した気管は1~3か月ほどで閉鎖します。

気管開窓術

気管開窓術は両側の反回神経が麻痺し、呼吸困難や誤嚥などの症状が長期間にわたって続いている場合に行なう外科療法の一種です。
気管開窓術では、気管孔の周囲と皮膚を縫い合わせます。

このように反回神経麻痺にはさまざまな治療法があり、経過観察では自然に治癒しなかった場合に、麻痺の度合いや患者の年齢などを総合的に判断し、最適な外科療法を選択します。

また、反回神経麻痺そのものは予防することができませんが、原因不明の特発性を除けば多くの場合は甲状腺がんや肺がん、食道がん、乳がんなどの手術後に発症することが多いことから、こうした臓器がんを発症しないように規則正しい生活習慣を心掛け、健康な体を保つことが反回神経麻痺の予防に繋がります。

さらに声枯れなどの症状によって臓器がんを発見できる場合もあるため、体に少しでも異変を感じた場合にはできるだけ早く医療機関を受診することが大切といえるでしょう。

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