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溶連菌性咽頭炎を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/07/19 歯・口・のどの病気, 感染症

溶連菌性咽頭炎とは

溶連菌性咽頭炎(ようれんきんせいいんとうえん)とは、溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)という細菌の感染症です。
小児に多く起こっている急性の咽頭炎で、4~15歳ごろに多いです。

ただ、成人にはまったく無縁の病気ということではなく、子どもに比べて少ないものの、起こることがあります。

なお、3歳以下や成人が感染した場合には、典型的な症状が出現しないことが多いとされています。

溶連菌性咽頭炎は通常、患者との接触を介して感染がひろがるため、人と人とが接触する機会が多くなるときに溶連菌性咽頭炎は起こりやすく、学校内、家族内などで蔓延することもある病気です。

1年の中では11~4月ごろにかけて流行する感染症ですが、季節に関係なくかかるリスクのある病気です。

なお、1回かかって快復すれば、再びかかることがないというわけではありません。
13歳になるまでのあいだに、1人あたり平均で3回は感染を招くといわれています。

原因菌は溶連菌と略されることが多いですが、この細菌にはさまざまなタイプが存在しており、このことが感染を繰り返す理由です。

また、溶連菌性咽頭炎は、合併症を起こすリスクのある病気でもあります。

注意が必要な主な合併症としては、リウマチ熱(りうまちねつ)や急性腎炎(きゅうせいじんえん)をあげることができます。

そのほか、溶連菌性咽頭炎は、感染症法上で5類感染症に分類されており、定点医療機関によって患者数の報告が毎週おこなわれています。

溶連菌性咽頭炎の原因

溶連菌性咽頭炎は、溶血性連鎖球菌という細菌の感染症です。
ノドが腫(は)れる病気として、溶連菌性咽頭炎は子どもたちにとってありふれた病気です。

原因菌の特徴

すでに述べたとおり、溶連菌性咽頭炎を起こすのは溶血性連鎖球菌という細菌です。

溶血性連鎖球菌の中でも、A群β(えーぐんべーた)溶血性連鎖球菌の感染が高い割合を占めており、強く症状が出ます。

また、溶血性連鎖球菌には数多くのタイプがあり、何度も感染するリスクがあります。

溶連菌性咽頭炎は、1回かかって治ってしまえば、あとは生涯にわたってかかることがないというような病気ではありません。
そのほか、溶血性連鎖球菌は溶連菌性咽頭炎以外の病気の原因菌になることでも有名です。

具体的には、とびひという病名でよばれることの多い膿痂疹(のうかしん)、中耳炎(ちゅうじえん)、蜂巣織炎(ほうそうしきえん)、肺炎(はいえん)、化膿性関節炎(かのうせいかんせつえん)、骨髄炎(こつずいえん)、髄膜炎(ずいまくえん)、敗血症(はいけつしょう)、猩紅熱(しょうこうねつ)、丹毒(たんどく)といった病気の原因菌でもあるのです。

なお、A群溶血性連鎖球菌という溶連菌は、さまざまな種類に消毒剤への抵抗性が低いです。

市販の消毒剤の大部分が、たとえば消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、ベンザルコニウム塩化物液といったものが効果を発揮します。

感染経路と潜伏期間

溶血性連鎖球菌の主な感染ルートは飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染(せっしょくかんせん)です。

飛沫感染は、患者の咳(せき)やくしゃみなどのしぶきに混じっている原因菌を吸い込むことによって起こる感染のことをいいます。

これに対して接触感染は、原因菌がついた手で口や鼻にさわることによって起こる感染です。

また、溶連菌性咽頭炎を起こす溶血性連鎖球菌は感染後、体に症状が出現するまで数日かかります。
この感染後に体に症状が出現するまでの日数のことを潜伏期間といいます。

溶連菌性咽頭炎を発症するまでの潜伏期間は、2~3日、2~4日、2~5日で意見が割れています。
なお、潜伏期間中における感染性に関しては、はっきりしていないというのが現状です。

溶連菌性咽頭炎の症状

溶血性連鎖球菌の感染後、2~3日、2~4日、2~5日の潜伏期間を経て溶連菌性咽頭炎を発症します。

なお、溶血性連鎖球菌の健康保菌者(けんこうほきんしゃ)が小児の5~20%にいるとされています。

健康保菌者は無症候性保菌者(むしょうこうせいほきんしゃ)とよばれることもあり、原因菌の感染は起こっているものの、はっきりとした症状が出現しないまま、まわりに感染症をひろげるリスクがある方のことをいいます。

溶血性連鎖球菌の場合、健康保菌者による感染症のひろがりは滅多にないとされています。

溶連菌性咽頭炎にかかって出現する症状

突然に出現する38℃以上の悪寒(おかん)を伴う高熱、全身のだるさ、ノドが真っ赤になって強く痛む、頭痛、吐き気・嘔吐(おうと)、お腹の痛みなどではじまります。

感染初期では、白いコケ状のものによって舌が覆われたような状態になり、発症日より2日ほど経過すると舌がイチゴのように真っ赤なり、舌の表面のブツブツが目立つようになることがあります。

また、発症後1~2日が過ぎると体や手足に小さくて赤い、かゆみを伴う発疹(ほっしん)が出現するのも、溶連菌性咽頭炎でよくある症状です。

咳が出ない、首に痛みを感じるリンパ節の腫れの症状を伴うこともあります。
そのほか、熱が下がると手足の皮膚がめくれてくることがあります。

発熱が落ち着くまでには3~5日間かかり、症状は1週間以内によくなります。

溶連菌性咽頭炎の合併症

気をつけなければいけない溶連菌性咽頭炎の合併症として、急性腎炎とリウマチ熱をあげることができます。
まず急性腎炎ですが、溶連菌性咽頭炎が起こって1~2週間で発症します。

突然のむくみ、血尿(けつにょう)、蛋白尿(たんぱくにょう)、尿量減少、頭痛、血圧上昇といった症状が出現します。
一方、リウマチ熱は溶連菌性咽頭炎が起こって2~3週間で発症します。

発熱、関節の炎症・痛み、踊りを踊るように自分の意思に反して体が動く舞踏病(ぶとうびょう)、皮膚の内部にできるしこり、発疹、心膜炎(しんまくえん)、心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)などが起こります。

なお、急性腎炎やリウマチ熱のような合併症を招く主な原因は、不十分な治療です。

自己判断で治療を中止してしまうことによって、急性腎炎やリウマチ熱のような合併症が起こるリスクが高まります。

溶連菌性咽頭炎の検査・診断

溶連菌性咽頭炎は自然によくなる病気ではあるものの、一度よくなったあとにリウマチ熱や急性腎炎を起こしてしまうことがあります。

病院へ行って適切な治療をはじめることによって、症状の改善が早まり、リウマチ熱のリスクを低くすることにもつながります。

気になる症状が出ていれば、その症状を放置することなくできるだけ早く医療機関へ行きましょう。

受診に適した診療科

溶連菌性咽頭炎で出現する症状にあてはまるような状態で、受診しようということになったとします。
このとき、何科へ行けばよいのかで、困ってしまう方もいるのではないでしょうか。

溶連菌性咽頭炎は、小児に多い感染症です。
子どもに関しては、まずは小児科へ行くとよいでしょう。

大人も含めると、一般内科、感染症内科、耳鼻咽喉科も候補になります。

溶連菌性咽頭炎を調べる方法

診察で症状などを確認するほか、ノドの奥を細い綿棒でぬぐうことで菌をとり出し、検査をする方法があります。
これは結果が数分で出る迅速検査です。

培養してどうなるか調べることもありますが、その場合には結果がわかるまでに4~5日間を要します。
そのほか、血液検査がおこなわれることもあります。

血液検査は主に、別の病気の可能性を探ったり、炎症の程度を確かめたりしなければいけないときにおこなわれています。

溶連菌性咽頭炎の治療

医療機関でおこなわれている溶連菌性咽頭炎に対する治療は、抗生物質の内服です。
なお、医療機関に行くタイミングですが、早いに越したことはありません。

たとえば2日間が過ぎて熱が下がってくれない、ノドの痛みが強く水分が摂取できないといった状態であれば、医療機関へ行きましょう。

溶連菌性咽頭炎の治療方法

先述のとおり、溶連菌性咽頭炎は抗生物質を内服することで改善を図ります。
抗生物質はペニシリン系の薬剤が選択されます。
抗生物質を内服する治療は、10日間以上続けておこなうことになります。

ペニシリン系の抗生物質による治療を開始すると、24時間後からは症状が改善し、感染性も失われます。
感染性が失われるということは、まわりにうつす心配がなくなるということです。

すぐに症状がよくなってまわりに感染をひろげる心配がなくなるにもかかわらず、なぜ内服治療を続けるのか、疑問に思う方もいるでしょう。

この点に関してですが、途中で抗生物質の内服をやめると病気が再燃したり、急性腎炎やリウマチ熱のような合併症を起こすリスクが高まったりするためです。

そのため、治療は自己判断で中止することなく、医師の指示にしたがって完全に細菌をやっつけるまで続ける必要があります。

なお、リウマチ熱は溶連菌性咽頭炎の発症より9日以内に抗生物質を内服することで、食い止めることができます。
しかし、抗生物質の内服で急性腎炎を防ぐことができるという根拠は現状ではありません。

そのほか、抗生物質の内服で副作用が起こることもあります。

治療で一度よくなったあとに、薬疹という抗生物質の副作用による発疹が起こることがあります。
この場合には薬をやめて医療機関へ行きましょう。

また、治療の終了に伴っておさまりますが、下痢の症状が起こることもあります。
この症状は気になるようであれば医師に相談するとよいでしょう。

ほかには、抗生物質によっては便や尿の色が変化することがありますが、これはとくに気にする必要はありません。

家庭で注意すること

まず、家ではゆっくり休んでいましょう。
ノドの痛みが出ている状態では、無理に食事を摂る必要はありませんが、水分は十分に補給します。

また、ノドの痛みが出ている状態では、辛味のあるもの・酸味のあるもの・熱いものは避けるのが賢明な判断です。

こうしたものを避け、のどごしがよいものを摂ることをおすすめします。
入浴に関しては、発熱がなく元気があれば問題ありません。

高熱で苦しそうにしている状態であれば、解熱剤を適切な使いかたで試してみましょう。

登園・登校と溶連菌性咽頭炎

抗生物質の内服を開始して24時間が経過すれば、まわりに感染をひろげる心配がなくなります。

溶連菌性咽頭炎にかかった子どもの体調をチェックして、問題がなければ登園・登校は可能です。

発熱があったり、しんどそうにしていたりする場合には、無理をさせるのはやめ、発熱がおさまり元気を取り戻すのを待ちましょう。

溶連菌性咽頭炎の予防

溶連菌性咽頭炎はどれだけ注意していても、100%予防できるとは限りません。
ただ、有効な予防方法はあります。
ぜひ実行して、溶連菌性咽頭炎を起こすリスクを下げましょう。

溶連菌性咽頭炎の予防方法

溶連菌性咽頭炎の主な感染ルートは飛沫感染と接触感染です。
そのため、基本的な予防方法として手洗い、手指消毒、うがいは徹底したいところです。

また、溶連菌性咽頭炎にかかっている本人との濃厚な接触はなるべく避けて、接触したあとは手洗い、手指消毒、うがいをします。

ほかには、溶連菌性咽頭炎は家庭内で蔓延することもある病気です。
タオルは共用せず、一人ひとりが別のものを使用することが予防につながります。

咳エチケット

患者の咳・くしゃみなどのしぶきに混じっているウイルスを吸い込むことによって、溶血性連鎖球菌の感染が起こります。

したがって、溶連菌性咽頭炎の予防のためには、咳エチケットの徹底が効果的です。
咳・くしゃみを出すときには、ティッシュなどで口や鼻をおおいます。
口や鼻をおおったティッシュはすぐにゴミ箱に捨てます。

マスクを着けておけば、ティッシュなどでおおうのが間に合わなくなる心配がありません。
マスクは毎日、新しい清潔なものを着けましょう。

マスクを着けていない状態で、ティッシュなどもなければ、口や鼻を服の袖や上着の内側でおおういわゆる肘ブロックをするとよいでしょう。

手で口や鼻をおおったときには手に原因菌が付着することになるため、別のところに付着しないように手洗いを行ないます。
咳・くしゃみをするときには、人のほうを向かないということも大切です。

できるだけ早く医療機関で受診し検査を受ける

溶連菌性咽頭炎は、人にうつってしまう病気です。

ただ、抗生物質を内服する治療を開始すると、24時間が経過すれば感染性は失われてしまい、まわりにうつす心配がなくなります。

感染の拡大を防ぐためには、ノドの痛みなど溶連菌性咽頭炎にあてはまる症状がある場合に、その症状を放置することなく早期に病院へ行って検査を受けることが大切です。

早期治療により感染の拡大を食い止めるだけでなく、症状の早い改善が見込めて、合併症のリスクを下げることにも効果的です。

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