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咽後膿瘍を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/07/31 歯・口・のどの病気

咽後膿瘍とは

咽後膿瘍(いんごのうよう)とは、ノドのつきあたり部分のリンパ節に細菌などが感染し、膿瘍(のうよう)が生じて膿(うみ)が貯留する病気です。

以前は生後2ヶ月~2歳のこどもに多い病気とされていましたが、いまでは免疫不全(めんえきふぜん)などによって全身の抵抗力が落ちている成人にも起こっています。
このような咽後膿瘍のことを、原発性咽後膿瘍(げんぱつせいいんごのうよう)とよびます。

咽後膿瘍をほうっておくと左右の肺のあいだに位置するところである縦隔(じゅうかく)へと膿がおりていって、縦隔炎(じゅうかくえん)を起こしてしまいます。

縦隔炎をほうっておくと、炎症を起こしている細菌が血液中に侵入して増殖し、全身に感染がひろがる敗血症(はいけつしょう)を招いてしまう恐れがあります。
敗血症は命を落としてしまうリスクの高い病気であり、咽後膿瘍の段階で医師の診察を受ける必要があります。

成人の場合、結核性頚椎カリエス(けっかくせいけいついかりえす)に続く形で咽後膿瘍を招くこともあり、このような形で起こる咽後膿瘍のことは続発性咽後膿瘍(ぞくはつせいいんごのうよう)とよびます。

なお、抗生物質や抗結核薬を投与する治療が浸透しているいまでは、咽後膿瘍の発生率は低下してきています。

咽後膿瘍の原因

咽後膿瘍はノドのつきあたり部分のリンパ節に膿瘍が生じ、膿が貯留する病気です。
この咽後膿瘍ですが、いったい何が原因で起こってしまうのでしょうか。

また、この病気を放置しておくと、何か問題があるのでしょうか。
以下に咽後膿瘍の原因に関する情報をまとめていますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。

咽後膿瘍は何が原因で起こる病気なのか

咽頭(いんとう)や口腔(こうくう)の炎症が、ノドのつきあたり部分のリンパ節にまで拡大することによって膿瘍が生じます。

咽頭の外的要因による損傷や異物などによって、直接に病菌が感染して咽後膿瘍を招くこともあります。

小さなこどもに起こることが多いとされてきた病気ですが、いまでは高齢者の方を含めた成人にも起こる病気として知られています。

咽後膿瘍が原因となって起こる病気

咽後膿瘍を放置していると、肺、心臓などがおさまっているスペースである胸腔(きょうくう)内にあり、左右の肺のあいだの領域である縦隔に膿が流れ込みます。
するとそこで感染を起こして縦隔炎という病気を招いてしまう原因になるのです。

縦隔炎は重症になれば細菌が血液の中に侵入し、増殖して全身に感染を起こす敗血症を招くことになりかねません。
敗血症は感染による全身の炎症が原因で血圧低下を招いて、意識障害が発生してショック状態をおちいることがあります。

このようなショック症状のことを敗血症性ショック(はいけつしょうせいしょっく)とよびます。
敗血症は3人に1人が命を落としてしまうといわれており、非常に死亡リスクの高い病気です。

咽後膿瘍の症状

咽後膿瘍の症状は、小児と成人で違いがあります。
具体的にどういった症状が出現するのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、咽後膿瘍の症状について取り上げますので、知りたいと思っている方はぜひ以下の内容をご一読ください。

小児が咽後膿瘍にかかった場合に起こる症状とは

こどもが咽後膿瘍にかかると、機嫌が悪い、高熱、食欲不振、よだれを垂らす、首が曲がりにくくなる、泣いているときくぐもり声になる、飲み込みにくくなる、飲み込むときにノドが痛む、首のリンパ節がはれる、息を吸うときにぜーぜーするといった症状が出現します。

成人が咽後膿瘍にかかった場合に起こる症状とは

成人が咽後膿瘍にかかると、発熱、ノドが痛む、飲み込みにくくなる、飲み込むときに痛む、ノドの後ろのはれのせいで鼻呼吸がしづらくなる、口を開けにくくなる、喋りにくくなるといった症状が出現します。

咽後膿瘍の検査・診断

起こっている症状が咽後膿瘍にあてはまっているのではないかと思った場合、何科へ行くのが適切なのでしょうか。

また、本当に咽後膿瘍にかかっているのか、医療機関ではどのようにしてあきらかにしているのでしょうか。

このような疑問をお持ちの方のため、ここでは受診に適した診療科や咽後膿瘍を調べる方法について解説させていただきます。

受診に適した診療科

咽後膿瘍かもしれないと思った場合には、何科へ行けば良いのでしょうか。
中にはこのことが気になり、どこの病院へ行くかで迷いが生じてしまう方もいることでしょう。

この点に関してですが、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)や感染症内科へ行けば診療を受けることが可能です。

咽後膿瘍は、ほうっておく縦隔炎を起こし、この縦隔炎を放置していると敗血症を起こし、命を落としてしまうことにもなりかねません。
そのため、気になる症状がある場合には、放置することなくできるだけ早く医療機関で受診、相談しましょう。

咽後膿瘍を調べる方法

診察で起こっている症状の確認を行ないます。
そして検査ではノドの状態を確認します。
レントゲン検査、CT検査のような画像検査によって、膿の存在や程度を把握することが可能です。

鼻咽腔(びいんくう)ファイバー検査といって、細いファイバースコープを鼻の穴より挿入して、内部の状態を調べる方法もあります。

そのほか、膿の培養を行なうことで、原因となっている細菌の種類を突き止めたり、薬が効くかどうかを調べたりすることが可能です。

咽後膿瘍の治療

咽後膿瘍にかかっていることがわかった場合、医療機関ではどのような治療が行なわれるのでしょうか。

この病気が心配な方の中には、この点が気になっているという方もいることでしょう。

以下に咽後膿瘍の治療に関する情報をまとめていますので、治し方を知っておきたいと思った方はぜひチェックしてみてください。

咽後膿瘍の治療方法とは

原因となっている菌に対して有効な、抗菌薬の投与を行ないます。
軽症の咽後膿瘍の場合には、抗菌薬を使った治療で良くなることがあります。
そのほかの治療方法としては、外科的療法をあげることができます。

膿が下にまでおりていない状態や呼吸困難が起こる方に対しては、口から針を刺すことによって膿を吸い出すか、切開をして膿を出してしまいます。

また、呼吸状態が悪い方や膿が下におりているような方に対しては、全身麻酔をほどこして気管切開(きかんせっかい)をしたあと、頸部外切開(けいぶがいせっかい)をして膿を出します。

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