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甲状腺がんを詳細に:原因,症状,治療,予防,術後など

公開日: : 最終更新日:2017/05/25 甲状腺, がん

甲状腺がんとは

甲状腺がん(こうじょうせんがん)とは、甲状腺ホルモンを分泌する器官である甲状腺の細胞が、何らかの原因によって腫瘍(しゅよう)を形成する病気です。

そもそも甲状腺というのは、喉仏の下に気管を取り囲むように位置する器官であり、10~20gほどの重さの蝶が羽を開いているような形をしています。
右葉と左葉で構成されており、全身の新陳代謝をコントロールする甲状腺ホルモンを分泌する役割を担っています。

この甲状腺ホルモンが正常に分泌されることによって、脂肪燃焼やエネルギー生成、新細胞生成、体の成長促進など生命活動に必要な新陳代謝を行なうことが可能です。
しかし、何かしらの原因によって甲状腺の細胞にがんが発生するとしこりとなって現れ、激しい咳や声枯れ、血痰、喉もとの圧迫感や異物感といった症状が引き起こされます。

甲状腺がんは、発生したがん細胞の組織型によって乳頭(にゅうとう)がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、未分化(みぶんか)がん、悪性(あくせい)リンパ腫(しゅ)に分類されます。

乳頭がん

乳頭がんは甲状腺がん全体の大体85~90%を占めている種類で、進行度合いが非常にゆっくりなため自覚しにくいというのが厄介なところです。

乳頭がんは男性よりも女性の発症率が高くなっており、10代から高齢者まで幅広い年代の人に起こり得るものですが、とくに40~50代女性の発症率が最も高いとされています。

また、乳頭がんは転移しやすく、初期段階で首のリンパ節に転移するケースが多いです。
首に転移すると硬いしこりが発生しますが、痛みを伴わないため、小さなしこりでは気づきにくいのがやっかいなところです。

乳頭がんは悪性度が低いがんであるため、リンパ節を切除することで10年後の生存率は約85%と高い確率で改善が見込めますが、高齢者が発症すると予後が悪いことが多いです。

濾胞がん

濾胞がんは甲状腺がん全体の約5~10%を占める種類で、乳頭がんよりも発症年齢が高いという特徴があり、主に30代から高齢者の発症率が高いとされています。

柔らかいしこりができるため自覚しにくいうえに、悪性度は低いものの骨や肺などに遠隔転移しやすく、早期の段階で治療をほどこさないと完治が困難になります。

多臓器への遠隔転移がない段階でリンパ節の切除を行なえば、10年後の生存率は約60~85%とされています。

髄様がん

髄様がんは甲状腺がん全体の約1~2%を占める非常に珍しい種類で、乳頭がんや濾胞がんよりも進行が早く、リンパ節をはじめ肺や肝臓などへ遠隔転移しやすいという特徴があります。
30代以降に発症する場合が多いですが、多くの場合は50代前半までに発症します。

また、髄様がんは遺伝しやすく、髄様がん患者の約40%は遺伝が原因とされています。
自覚症状はほとんどありませんが、硬いしこりができやすいです。

初期段階で発見できれば甲状腺とリンパ節の切除を行なうことにより、10年後の生存率は約60%とされていますが、多臓器への遠隔転移がある場合は治療が難しくなり、10年後の生存率もグッと下がります。

未分化がん

未分化がんは甲状腺がん全体の約1~2%を占める非常に珍しい種類で、悪性度が高いうえに進行が非常に早いという特徴があります。

主に40代から高齢者の発症率が高く、女性よりも男性の発症率が高いとされています。
硬いしこり、声のかすれ、喉もとの痛みといった症状が出現します。

未分化がんは進行が早いため初期段階から甲状腺の周辺組織へと浸潤し、骨や肺などに遠隔転移しやすいとされています。

未分化がんを発症した場合には外科手術を行なうと同時に、薬物療法や放射線療法などを行ないますが、再発率が高いうえに、3年ほの生存率は約10%以下、5年後の生存率は約5%以下と、非常に低いとされています。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は甲状腺がん全体の約1~3%を占める種類で、血液やリンパに発生したがん細胞が甲状腺に浸潤することによって悪性リンパ腫を発症させます。

主に40代から高齢者の発症率が高く、硬いしこり、声のかすれ、甲状腺の腫れといった症状が出現します。
悪性リンパ腫を発症した場合には、放射線療法や薬物療法が選択される形になります。

甲状腺がんは種類によっては女性よりも男性の発症率が高いとされていますが、甲状腺がんの約85~90%を占める乳頭がんは男性よりも女性の発症率が高いため、甲状腺がん全体を見ると女性の患者数が多いのが特徴です。

女性の場合は30~40代の発症率が最も高く、50~60代、さらに高齢者の場合は男性の発症率が高くなっています。

甲状腺がんは高齢者が発症すると予後が悪い場合が多いとされていますが、発症年齢に限らず初期段階で発見し、適切な治療を行なえば生存率は100%とされています。
しかし甲状腺がんは初期段階では自覚しにくく、多くの場合はある程度進行してから病院を受診します。

また、甲状腺がんは進行すると多臓器へ遠隔転移しやすく、遠隔転移をした場合は治療が難しくなるうえに生存率も下がるため、早期発見・治療できるように少しでも異変を感じたらできるだけ早く医療機関で検査を受けるようにしましょう。

甲状腺がんの原因

甲状腺がんを発症する詳しい原因はわかっていないものの、放射線被ばく、遺伝、ヨウ素不足などが原因ではないかという見方がされています。

放射線被ばく

甲状腺がんを発症する原因の一つとして放射線被ばくが考えられるようになったのは、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故がきっかけとされています。

この事故により原発周辺住民に甲状腺がんを発症する人が急増し、とくに小児患者が多いという特徴がありました。

また、放射線治療やレントゲン撮影など放射線を使用する治療・検査をすることにより甲状腺がんの発症リスクが高まり、とくに小児の場合は成人と比べて発症リスクが高いとされています。

遺伝

甲状腺がんの種類のうち、髄様がんの原因は遺伝子と考えられています。
髄様がんは約40%の確率で遺伝するため、家族性甲状腺がんとも呼ばれています。

遺伝子が原因となって甲状腺がんを発症する場合、一度に複数ヶ所で発症する場合が多く、家族や親族に髄様がん患者がいる場合は定期検査を行なうなどして早期発見・早期治療ができるようにしましょう。

ヨウ素不足

ヨウ素とは、とくに海草に豊富に含まれる栄養素の一種です。
ヨウ素は甲状腺ホルモン分泌には欠かせない栄養素であるため、体内でヨウ素が不足すると悪性腫瘍が甲状腺に形成されやすくなります。

日本人は普段から昆布やワカメなど海草を食べる習慣があるため、ヨウ素不足になりにくいです。
そのため、日本人の甲状腺がん患者のうち、悪性のがんであるケースは滅多にありません。

ヨウ素不足を補うために海草を積極的に摂取することは効果的ですが、摂取すれば必ず甲状腺がんを絶対に予防できるというわけではなく、また逆に過剰摂取した場合には、甲状腺のホルモン分泌量が減少することもあります。

甲状腺がんの発症原因として放射線被ばく、遺伝、ヨウ素不足の3種類をあげましたが、このほかにも甲状腺がんの発症リスクを高めるリスク因子がいくつかあります。

主なリスク因子として、25~65歳である、女性である、アジア人である、甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)を経験している、頭頸部の放射線治療中である、幼少期に頭頸部への放射線治療を受けたことがあるといったことがあげられ、こうしたリスク因子にあてはまる場合は甲状腺がんの発症リスクが高くなります。

そのため、リスク因子にあてはまる場合は定期的に検査を受け、甲状腺がんを早期発見・早期治療できるようにすることが大切です。

甲状腺がんの症状

甲状腺がんを発症すると、痛みを伴わない硬いしこり、声枯れ、喉もとの異物感や圧迫感、むせる、息がしにくい、血痰といった症状が出現します。

甲状腺がんの初期段階では症状が出現しにくいのですが、この段階では首もとに硬いしこりが発生します。
しこりは痛みを伴わず異物感もないため自覚しにくく、健康診断時や家族・知人に指摘されてはじめて気づく場合が多いです。

首もとのしこりは、甲状腺がんのなかでも全体の約90%を占める乳頭がんの特徴的な症状です。
乳頭がんは首のリンパ節へ転移しやすく、リンパ節に腫瘍が発生することでしこりとなって現れます。

初期段階から症状が進行すると、喉もとの異物感や圧迫感、痛み、声のかすれ、飲み込みにくさといった症状が出現します。
この段階になると腫瘍が大きくなり、首もとに大きな膨らみが現れます。

さらに症状が進行すると声枯れや血痰、呼吸困難といった症状が出現します。
この段階になるとがん細胞が甲状腺のまわりの臓器にまで浸潤し、甲状腺と隣接する気管へ浸潤した場合には、むせる、激しい咳、血痰といった症状が出現します。

また、甲状腺がんのサイズが大きくなり、気管や食道を圧迫することで声枯れや呼吸困難、嚥下困難といった症状も出現します。
このほかにも全身の倦怠感や頸部に痛みを感じる場合があります。

甲状腺がんは初期段階で早期発見することが治療において重要とされていますが、なかなか自覚しにくいためある程度症状が進行してから医療機関を受診する人が多いです。

首もとや喉もとに違和感を覚える場合や、2週間以上声の調子が悪い場合などには、できるだけ早く医療機関で検査を受けるようにしてください。

甲状腺がんの検査

甲状腺がんの検査では、最初に問診・視診・触診を行ないます。
その後、超音波検査、画像検査、シンチグラフィー検査、病理検査、血液検査などを行ない、甲状腺がんであるかどうかを確定します。

また、これらの甲状腺がんの検査は、疑われる甲状腺がんの種類によって実施する検査項目が異なります。

検査によって甲状腺がんの種類が確定すると、甲状腺がんの進行度によって病期(ステージ)を確定し、治療方針を決定します。

問診・視診・触診

甲状腺がんの検査において最初に行ないます。
問診では現在の症状や過去の病歴、家族の病歴、放射線被ばくの経験があるかどうかを確認します。

視診では甲状腺が腫れていないか、しこりの有無を目で見て確認します。

触診では実際に首まわりを触り、しこりの有無・硬さ・可動性、リンパ節の腫れを確認します。
甲状腺がんであるかどうかは、触診を終えた段階で約70~90%の確率で診断を下せます。

超音波検査

超音波検査は甲状腺がんの進行度を確認するために行なう検査です。
超音波検査では首まわりにゼリーを塗ったあと、超音波を発するプロープという専用器具をあて、体から反射される超音波を画像化することで甲状腺全体を観察することができます。

超音波検査では甲状腺に発生した腫瘍のサイズや炎症の有無、周囲への浸潤の有無、リンパ節転移の有無などを確認することが可能です。
検査自体は5分ほどで終了し、外来で行なうことができるため、患者への負担が軽いという特徴があります。

画像検査

画像検査ではX線を用いたCT検査や、磁気を用いたMRI検査などを行なうことにより、甲状腺がんの進行度を確認することができます。

CT検査やMRI検査では体の内部を輪切り状に撮影し、体の内部をより詳しく観察することができます。
画像検査を行なうことで甲状腺がんの広がり具合や、肺や骨など別の臓器への転移の有無を確認することが可能です。

シンチグラフィー検査

シンチグラフィー検査は、甲状腺がんであるかどうかを確定するために行う検査方法です。

シンチグラフィー検査では、がん細胞に集まる性質を持つ放射性ヨウ素を服用または体内に注入し、甲状腺に放射性ヨウ素が集まるかどうかで甲状腺がんであるかどうかを確定します。

また、放射性ヨウ素の集まり具合からがん細胞の大きさや浸潤度合いも確認することが可能です。
さらに、甲状腺がんの再発の有無を確認するために行なう場合もあります。

検査は30分~1時間ほどで終了しますが、放射性ヨウ素を服用または注入後はしばらく時間を置く必要があるほか、検査日の1週間ほど前からヨウ素を含む食品を摂取しないように注意する必要があります。

病理検査

病理検査は甲状腺がんであるかどうか確定するために、甲状腺の粘膜や組織を採取し、顕微鏡によってがん細胞が含まれているかどうかを確認する検査方法です。

甲状腺がんの病理検査では穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)という方法で行ないます。
穿刺吸引細胞診では細い注射針をしこり部分に刺し、細胞を吸引して採取したあとに顕微鏡で観察します。

穿刺吸引細胞診は超音波検査と同時に行なうことが多く、この検査を行なうことで甲状腺がんであるかどうかを約95%の確率で診断することが可能です。

血液検査

血液検査は甲状腺がんであるかどうかを診断するために、腫瘍マーカー検査を行ないます。

腫瘍マーカー検査とは、がんが発生した場合に血液中に増える物質を測定することで、がんの有無を確認できる検査方法です。
甲状腺がんの場合、血液中のCEAやカルシトニンの値を調べます。

ただし、腫瘍マーカー検査が陽性でもがんでない場合や、がんを発生しているにもかかわらず陰性となる場合もあるため、ほかの検査を同時に行なうことにより、総合的に甲状腺がんであるかどうかの診断を下します。

甲状腺がんの検査は、基本的に問診・視診・触診とそのほかの検査方法を組み合わせて行いますが、疑われる甲状腺がんの種類によって実施する検査の種類が異なります。

乳頭がんの検査

乳頭がんの検査では問診・視診・触診に加え、超音波検査や病理検査、血液検査を行ないます。
腫瘍サイズが大きい場合には頸部CT検査やMRI検査を行ない、遠隔転移が疑われる場合にはシンチグラフィー検査や肺CT検査を行ないます。

濾胞がん

濾胞がんの検査では乳頭がんと同様に問診・視診・触診に加え、超音波検査や病理検査、血液検査を行ないます。
ただし、濾胞がんは甲状腺に発生する良性腫瘍と区別しにくいため、シンチグラフィー検査やCT検査を行ない、別の臓器への転移の有無を確認する場合があります。

髄様がん

髄様がんの検査では超音波検査や病理検査、血液検査を行ないます。
また、髄様がんは遺伝性の場合が多いため、遺伝子検査を行なう場合があります。

未分化がん

未分化がんの検査では病理検査や画像検査を行ないますが、別の臓器への転移の有無を確認することを目的に、シンチグラフィー検査や肺CT検査を行なう場合があります。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫の検査では、細胞診と組織生検を行ないます。
これらの検査で悪性リンパ腫であると確認できた場合には、遠隔転移している可能性が高いため、それぞれの臓器で精密検査を行ないます。

さまざまな検査によって甲状腺がんであると確定された場合、甲状腺がんの進行度によって病期(ステージ)を確定します。
甲状腺がんの病期はがんの種類・年齢によって次のように定められています。

45歳未満の乳頭がん・濾胞がんの病期(ステージ)

発症年齢が45歳未満の乳頭がんと濾胞がんはⅠ期~Ⅱ期に分類されます。
Ⅰ期は、がんが頸部にとどまり、別の臓器への転移がない場合。
Ⅱ期は、がんが骨や肺などに遠隔転移を起こしている場合。

45歳以上の乳頭がん・濾胞がん、さらに髄様がんの病期(ステージ)

発症年齢が45歳以上の乳頭がんと濾胞がんに加え、髄様がんはⅠ期~ⅣC期の6段階に分類されます。

Ⅰ期

がんの大きさが2cm未満で、甲状腺内にとどまっている場合。

II期

がんの大きさが2cm以上4cm未満で、甲状腺内にとどまっている場合。

Ⅲ期

がんの大きさが4cm以上、あるいは甲状腺の外側まで浸潤がみられるがリンパ節へは転移していない場合、あるいは喉頭や気管周辺のリンパ節への転移が確認できる場合。

ⅣA期

がんが頚動脈外側のリンパ節や胸部上側のリンパ節に転移している場合、あるいはがんが咽頭・食道・気管・皮膚・反回神経など甲状腺の外側まで浸潤している場合。

ⅣB期

がんが胸部血管・胸部頚動脈・椎骨前筋膜など甲状腺の外側の広範囲に浸潤している場合、あるいは骨や肺には転移せずリンパ節に転移している場合。

ⅣC期

がんが骨や肺など別の臓器に遠隔転移を起こしている場合。

未分化がんの病期(ステージ)

未分化がんはⅣA期~ⅣC期に分類されます。
ⅣA期は、がんのリンパ節への転移が確認できたとしても、全体では甲状腺内にとどまっている場合。

ⅣB期は、がんのリンパ節への転移があるうえに、甲状腺の外側まで浸潤している場合。
ⅣC期は、がんが骨や肺など別の臓器に遠隔転移を起こしている場合。

甲状腺がんの治療

甲状腺がんの治療は、検査によって確定した種類や病期に合った治療方法を選択します。
主な治療方法としては外科療法、薬物療法、放射線療法があります。

葉切除術

葉切除術とは外科療法の一種で、左葉と右葉で構成される甲状腺のうち、片側のみを切除します。

基本的に乳頭がん・濾胞がん・髄様がんの患者に対して行なわれており、周囲のリンパ節も同時に切除します。
葉切除術は術後も甲状腺ホルモンが分泌されるため、甲状腺ホルモン剤を服用する必要がありません。

ただし高齢者の方には向かない治療方法であり、残ったもう片側の甲状腺に再発する恐れがあるほか、反回神経麻痺や甲状腺機能低下、副甲状腺機能低下といった副作用が引き起こされることがあります。

亜全摘術

亜全摘術とは外科療法の一種で、甲状腺の3分の2以上を摘出する治療方法です。

基本的に乳頭がん・濾胞がん・髄様がんの患者に対して行なわれており、周囲のリンパ節も同時に切除します。
術後は甲状腺ホルモン剤を服用する必要がありません。

ただし高齢者には向かない治療法であり、温存した甲状腺にがんが再発する可能性があり、さらに反回神経麻痺や甲状腺機能低下、副甲状腺機能低下といった副作用が出現することがあります。

全摘術

全摘術とは外科療法の一種で、甲状腺のすべてを摘出する治療方法です。
基本的に乳頭がん・濾胞がん・髄様がんの患者に対して行なわれており、周囲のリンパ節も同時に切除します。

全摘術はほかの外科療法と比べて再発リスクが低く、再発や転移した場合には放射性療法によって簡単に検査・治療を行なうことが可能です。

ただし甲状腺機能を失うため、術後は甲状腺ホルモン剤を服用し続ける必要があるほか、副甲状腺機能低下や反回神経麻痺などの副作用が引き起こされることがあります。

内視鏡下手術

内視鏡下手術とは内視鏡を用いた外科療法の一種で、切開手術よりも体への負担が少ない治療方法です。
基本的にがんの大きさが1cm以下でリンパ節に転移していない場合に選択されます。

ただし内視鏡下手術には、術後に出血や反回神経麻痺、甲状腺機能低下などの副作用が引き起こされることがあります。

薬物療法

薬物療法は抗がん剤を使用することでがん細胞の増殖を抑制し、がん細胞を攻撃・破壊する治療方法です。
外科療法後の再発予防のために行なう場合や、放射線療法と併用する場合もあります。

さらに甲状腺がんの進行が早く、放射性療法の効果が期待できない場合に行なうこともあります。

ただし薬物療法には、皮膚炎や脱毛、高血圧、下痢といった副作用が引き起こされることがあり、現れる副作用の症状によって一時的に抗がん剤の服用を止める場合や、対症療法を行なう場合があります。

放射線療法

放射線療法とは体の外側からX線を患部に照射し、がんの大きさを縮小あるいは成長を遅らせることができる治療方法です。

主に外科療法後の再発予防のために行なう場合が多く、がん患部のみを局所的に治療できるため体への負担が少ないほか、他臓器を温存することができます。
また、骨への遠隔転移がある場合、痛みを抑えるために行なうこともあります。

陽子線治療

陽子線治療は放射線療法の一種で、体の外側から放射線を患部に照射し、がんの大きさを縮小あるいは成長を遅らせます。

放射線療法では基本的にX線を照射しますが、X線では患部周囲の正常な細胞にもダメージを与えてしまうのに対し、陽子線治療では患部のみに照射できるため、正常な細胞にダメージを与えにくいとされています。

痛みを感じることはなく、1日1回15~30分ほど、週に3~5回、腫瘍の大きさに合わせて合計4~40回ほど照射します。

重粒子線治療

重粒子線治療は放射線療法の一種で、陽子線治療よりもさらに患部をピンポイントで照射することができます。
X線では治療できない体の深部のがんを治療することが可能です。

1日1回15~30分ほど、週に3~5回、腫瘍の大きさに合わせて合計1~40回ほど照射します。

放射性ヨウ素内用療法

放射性ヨウ素内用療法とは放射性療法の一種で、X線や陽子、重粒子を体の外側から患部に照射せず、放射性物質であるヨウ素を服用することによってからだの内側から治療を行なう方法です。

基本的に1回の治療で4~7日ほどの入院が必要ですが、服用するヨウ素の量によっては外来治療が可能です。
ただし、放射性ヨウ素内用療法には、味覚変化や唾液減少、吐き気などの副作用が出現することがあります。

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