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がんの種類 上皮がん・肉腫・血液のがん・小児がん

公開日: : 最終更新日:2016/06/24 がん


ひとくちにがんといっても、多くの種類があることはご存知の方が多いでしょう。
このがんの種類に関してですが、肺がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、乳がんといった具合に、発症する臓器ごとのわけかた以外にもあることをご存知でしょうか?
臓器別以外の種類のわけかたとしては、上皮がん、肉腫、血液のがんといったものもあります。

上皮がん

ここではこの上皮がん、肉腫、血液のがんのうち、上皮がんとは一体どのようながんなのかを解説させていただきます。

まず、上皮がんというのは上皮という言葉が入っているとおり、上皮(粘膜層)に発生するがんのことをいいます。
なお、上皮がんとは別のものでは、肉腫は肉の部分や骨に発生するがんであり、血液のがんとしては白血病や悪性リンパ腫が該当します。
上皮がん、肉腫、血液のがんはどれもがんですが、もっとも多く起こっているのは上皮がんといわれています。
どうして上皮がんが起こる割合が高いのか疑問に感じた人もいるでしょう。
この点に関してですが、私たち人間の体のうち新陳代謝(細胞分裂)が一番活発なところは上皮(粘膜部分)です。
がんは細胞分裂するときのミスコピーによって引き起こされるといわれており、新陳代謝(細胞分裂)が活発に行なわれているところほど複製ミスが生じる確率が高まります。

また、上皮や粘膜層、粘膜部分といわれても、いまいちピンとこないという人もいるでしょう。
上皮は体を覆っている表面組織のことで空気に接触する皮膚(表皮)や、皮膚から繋がっているところは全部上皮に該当します。
口や肛門から到達できるところは全部上皮であり、食道、肺、胃、小腸、大腸といった部位は全部上皮です。
なお、上皮に発生したがんで、別の組織へと浸潤することなく上皮内だけで広がるがんのことを上皮内がん(上皮内新生物)といいます。
この上皮内がんは手術を受けることで除去してしまえば、再発を招いてしまったり、転移を起こしてしまったりする確率はほぼありません。

肉腫

がんを肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんといった具合に、臓器ごとに種類をわけるのではなく、上皮がん、肉腫、血液のがんといった具合に種類がわけられることもあります。
ここでは上皮がん、肉腫、血液のがんのうち、肉腫とはどのようなものなのかを解説させていただきます。

まず、肉腫がどこにできるがんなのか、この点に疑問を感じている人もいるのではないでしょうか。
肉腫は筋肉、骨、神経といった結合組織に生じるがんであり、体中のどこにでも生じる恐れがありますが、両手両足の深部に生じて発見しにくいことが多いところがやっかいです。
また、肉腫は両性の腫瘤(しゅりゅう)やスポーツ障害と間違えられることもあります。
上皮(粘膜層)に起こるがんと比べて肉腫は割合が非常に低く、頻度は成人に生じる悪性腫瘍の1%以下しかありません。
ただし、小児では割合が高く、小児の悪性腫瘍の20%程度を占めるといわれています。
また、ひとくちに肉腫といっても数多くの種類の組織亜型が存在していますが、大別すると軟部肉腫と骨・関節の肉腫があります。
軟部肉腫は米国では年間およそ10,000人が診断されており、骨・関節の肉腫は米国において年間およそ3,000人が診断されており、そのなかの50%程度の人の年齢が35歳以下です。

次に肉腫の診断ですが、生検で下されることになります。
また、生検のあとには腫瘍の組織を顕微鏡で観察して組織型の確定診断が下されるほか、腫瘍の悪性度が判定されます。
そのほか、生検や行なわれた検査の結果によって、体のなかでどのように腫瘍が拡大しているのか、病期の判断もされます。

肉腫の治療は手術のほか、手術前か手術後に補助療法の化学療法や放射線治療の両方かいずれかが行なわれることがあります。
なお、治療が終わったあとも長期間が経過して再発を招くことがあるため、外来受診をして定期的な検査を受けなければいけません。
治療後は5年が経過すると再発の可能性は大幅に低下しますが、それでも0にはならないといわれています。

血液のがん

肺がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、乳がんなど、臓器ごとのがんの種類わけ以外に、上皮がん、肉腫、血液のがんというようなわけかたもされています。
ここでは、上皮がん、肉腫、血液のがんのうち、血液のがんとはどういうものなのかを説明していきます。

まずはどこに、何に引き起こされるがんなのか、この点が気になるという人もいるのではないでしょうか。
上皮がんは上皮(粘膜層)に発生するがん、肉腫は筋肉、骨、神経といった結合組織に発生するがんですが、血液のがんはどこに生じるがんだと思いますか?
なんとなく血液のがんということで血液に関係していると思う人は多いでしょうが、血液のがんは血管やリンパ管のなかで引き起こされるがんというのが正解です。
血液のがんのおもな種類としては、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といったものが挙げられます。
なお、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫の3種類は、三大血液がんといわれています。

三大血液がんの特徴を紹介していきますが、白血病は白血球が生産される過程で発生します。
骨髄中に存在する造血幹細胞ががんに変わり、急激に増殖するのが特徴です。
白血病を引き起こすと血中の正常細胞が少なくなり、出血や貧血などが起こるほか、免疫力がダウンして感染しやすくなり、発熱の症状も起こります。
検査は最初に血液検査が選択されますが、この方法で診断がつかない場合には、骨髄検査が実施されます。
治療は抗がん剤を使用する化学療法が主体となりますが、患者の年齢や経過次第では骨髄移植やさい帯血移植といった造血幹細胞移植が選択されることもあります。

悪性リンパ腫は細菌が入り込んでくるのを食い止めているリンパ球が、がんになって増殖するものであり、血液のがんの中では一番多いです。
リンパ節が腫れてくるのが一般的で、発熱、体重低下、寝汗といった症状が起こることがあります。
検査は腫れが認められているリンパ節の生検のほか、CT、MRI、PET-CTといった検査を行ない全身の状態を調べます。
治療方法としては化学療法のほか、放射線治療が補助的に行なわれる場合もあります。
そのほか、造血幹細胞移植が選択されることもあります。

多発性骨髄腫は、骨髄内で抗体を生産する細胞であり、白血球の一種である形質細胞ががんになるものです。
高齢の人に多く、骨の痛みが代表的な症状であり、全身の骨が弱くなっているため骨折を起こしやすくなります。
検査は血液検査、X線・CT・MRIなどの画像検査、骨髄検査、蓄尿検査が行なわれて、その結果多発性骨髄腫と診断が下されます。
治療は病気、歳、状態などに応じて方法が選択されますが、主なものとしては化学療法や自家造血幹細胞移植といったものが挙げられます。

小児がん

小児がんというのは、乳幼児~15歳までに引き起こされる悪性腫瘍のことをいいます。
15歳までに発症すると、がんの種類に関係なく小児がんと診断が下されます。
10,000人の小児に対し1人に小児がんが引き起こされるといわれています。
主な原因としては遺伝的要因があるとされており、未然に防ぐことは困難です。

がんの種類に関係なく、15歳までに発症すると小児がんと診断されるということを述べましたが、どのような種類のがんが引き起こされるのかが気になる人もいるのではないでしょうか?
このことに関してですが、小児がんで一番多いのは白血病であり、ほかの主な種類の小児がんとしては脳腫瘍、リンパ腫、神経芽腫、網膜芽細胞腫、腎腫瘍、肝腫瘍、骨腫瘍、軟部腫瘍といったものがあります。
小児の死亡原因の中では高い割合を占めているものの、医療の進歩により死亡率自体は低下しています。
検査は血液検査、腫瘍マーカー検査、画像検査(X線、超音波、CT、MRIなど)、骨髄検査、脳脊髄液検査といったものが、必要に応じて選択されることになります。

小児がんの症状は、発症したがんの種類や年齢によって異なりますが、よく起こる症状というのはあります。
具体的には発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、骨の痛み、関節の痛み、筋肉の腫瘤、胸の腫瘤、腹部の腫瘤、血液細胞の異常といったものを挙げることが可能です。
小児がんとすぐに結び付けることができないような症状も少なくないため、症状が重い、長引く、繰り返すといった具合におかしいと感じた場合には、早いタイミングで医療機関で受診することが大切です。

治療方法に関しては、大人のがんを治療する場合と変わりません。
手術による腫瘍の切除、抗がん剤治療、放射線治療、造血幹細胞移植といった治療方法が、必要に応じて選択されることになります。
なお、小児は発育途中であり、治療による合併症が後々になって起こる場合があり、この問題を晩期合併症や晩期障害といいます。
この晩期合併症や晩期障害があるため、小児がんが良くなったあとも、長期間にわたり年齢に応じたフォローアップを目的に、医療機関を定期的に受診する必要があります。
晩期合併症や晩期障害にあたるものは非常に多くありますが、一部を紹介すると身長が高くならなくなる、やせや肥満になる、子どもを授かりにくくなる、心臓の機能障害を起こす、二次がんを起こす、精神的な病気を起こすといったものを挙げることが可能です。

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