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腸結核を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/10/09 腸の病気, 感染症

腸結核とは

腸結核(ちょうけっかく)とは、細菌の一種である結核菌(けっかくきん)が腸に入り込み、炎症を生じさせて潰瘍(かいよう)ができる腸感染症(ちょうかんせんしょう)です。

抵抗力の弱まった高齢者、糖尿病(とうにょうびょう)、腎不全(じんふぜん)といった、別の病気を患っている方に多い病気です。

結核菌が肺に感染し、発症する場合は肺結核(はいけっかく)といいますが、肺に結核菌が感染した方の1%ほどに腸結核が起こるといわれています。

発生する場所として多いのは回腸(かいちょう)、盲腸(もうちょう)、上行結腸(じょうこうけっちょう)です。

お腹が痛い、お腹を下す、熱が出る、体重が落ちるなどの症状が出ますが、症状があまりはっきりしないケースもあります。

また、腸結核のみが起こっている場合には普通、まわりの人に感染をひろげてしまう心配はありません。

腸結核の原因

細菌の一種である結核菌が腸に侵入し、炎症を生じさせて潰瘍をつくる腸感染症が腸結核です。

この病気には、原発性腸結核(げんぱつせいちょうけっかく)と続発性腸結核の2タイプが存在します。

原発性腸結核

原発性腸結核は、一次性(いちじせい)の腸結核ともいいます。
病菌に侵されている場所のことを病巣(びょうそう)といいます。

原発性腸結核は、別の臓器に病巣がなく、口より侵入した結核菌が直接、腸に病巣をつくるタイプの腸結核です。

続発性腸結核

続発性腸結核は、二次性(にじせい)の腸結核ともいいます。
肺など別の臓器にある病巣から、二次的に起こるタイプの腸結核です。

結核菌が含まれている喀痰(かくたん)を飲み込むことによって、結核菌が腸に入り込んで感染することがあります。
また、血液の流れにのった結核菌が腸に根付くこともあります。

そのほか、隣の臓器から直接に侵入してくることで感染することもあります。

腸結核の症状

腸結核を発症した場合には、どのような症状が起こるのでしょうか。
また、合併症のようなものはあるのでしょうか。

以下に腸結核の症状に関する情報をまとめていますので、気になるという方はチェックしてみてください。

腸結核の主症状

腸結核にかかると、お腹が痛む、お腹を下す、熱が出る、体重が落ちるといった症状が出現します。
ただ、このような症状は腸結核に特有のものではありません。

また、肺結核が重なっている場合には咳(せき)、痰(たん)が出るといった症状が出ます。

腸結核の合併症

腸結核を起こすと、まれに合併症が出ることがあります。
腸閉塞(ちょうへいそく)、腸穿孔(ちょうせんこう)、吸収不良(きゅうしゅうふりょう)が起こり得ます。

腸閉塞は腸が詰まってしまう病気、腸穿孔は腸に孔(あな)があく病気、吸収不良は摂取した栄養素の消化吸収がさまたげられる合併症です。

腸結核の検査・診断

腸結核で起こる腹痛、下痢、発熱、体重低下といった症状がある場合には、医療機関で受診しましょう。
適切な治療を受けることにより、腸結核は完治する病気です。

また、症状が消失したあとも治療を続けることが重要です。
ここでは受診に適した診療科、腸結核を調べる方法を解説させていただきます。

受診に適した診療科

腸結核に該当するような症状がある場合には、何科へ行けば良いのでしょうか。
人によっては、この点が気になってどこの病院へ行くかで迷ってしまうこともあるでしょう。

腸結核かもしれないと思った場合には、消化器内科または感染症内科へ行けば対応してくれます。
なお、結核と診断されれば全額ではないものの医療費の公費負担が感染症法によって受けられます。

腸結核を調べる方法

肺結核に消化管症状が加わっていれば容易に診断することが可能です。
原発性腸結核の場合、自然治癒を繰り返すことが珍しくなく、症状も乏しく、たまたま見つかる場合もあります。

腸結核の診断では糞便内の結核菌の存在を証明することが一番大事ですが、腸結核では糞便内の結核菌が発見されないケースも珍しくありません。

その場合、バリウムを使った小腸・大腸のX線造影検査(えっくすせんぞうえいけんさ)、カメラが取り付けられた柔軟な細い管である内視鏡(ないしきょう)を体内に挿入し、カメラがとらえた映像をモニターで観察する内視鏡検査が行なわれています。

また、内視鏡で組織を採取して調べる生検(せいけん)も行なわれています。

そのほか、肺結核を伴っているかどうか調べるためには胸部X線検査(きょうぶえっくすせんけんさ)が行なわれており、結核菌に感染しているかどうか確かめるために、皮内にツベルクリン液を注射し、48時間経過したときの赤み、はれなどの反応を見るツベルクリン反応も行なわれています。

腸結核の治療

腸結核を起こしていることがわかった場合には、どのような治療を受けることになるのでしょうか。

以下に腸結核の治療に関する情報をまとめていますので、気になるという方はチェックしてみてください。

腸結核の治療方法

腸結核にかかっていることが判明した方に対しては、化学療法として抗結核薬(こうけっかくやく)を投与する形になります。
多剤併用(たざいへいよう)といって、3~4種類の薬剤を同時に投与することにより、結核菌を倒します。

抗結核薬の種類としては、イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール、ピラジナミドといったものをあげることができます。

抗結核薬の副作用としては、肝障害(かんしょうがい)、腎障害(じんしょうがい)、聴力障害(ちょうりょくしょうがい)、めまいといった障害・症状が起こるリスクがあります。

症状が強い方に対しては、腸管の安静を目的に食事を断って、輸液をすることになります。
腸閉塞や腸穿孔といった合併症が起こると、手術を受けなければいけなくなることもあります。

腸結核の治療期間と治療上の注意点

腸結核の治療は風邪(かぜ)のようにすぐに終わるわけではありません。

抗結核薬を投与する治療は6ヶ月以上の期間を要することになります。
腸結核の治療は、症状が消失したあとも続けなければいけません。

中途半端な抗結核薬の投与は、結核菌が薬剤に対する耐性を獲得する原因になり、以降の治療のさまたげになることがあります。
そのため、最後まで途中でやめることなく継続するようにします。

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