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ダグラス窩膿瘍の原因・症状・治療などのまとめ

公開日: : 腸の病気


ダグラス窩膿瘍(だぐらすかのうよう)とは、ダグラス窩に膿(うみ)が蓄積される病気のことをいいます。
ダグラス窩とは、直腸と子宮のあいだにあるへこみのことをいいます。
男性の場合には直腸と膀胱のあいだにあり、膀胱直腸窩(ぼうこうちょくちょうか)と呼びます。
そのため、男性に引き起こされる場合には膀胱直腸窩膿瘍(ぼうこうちょくちょうかのうよう)といいます。
腹部の中で最も下の位置にあり、ここに腹腔の膿が蓄積されることにより、膿瘍が発生するのが特徴です。
そのほか、ダグラス窩膿瘍や膀胱直腸窩膿瘍は、ダグラス窩膿瘍のほうが割合として高いといわれています。
つまり、女性の患者数のほうが多いということになるのです。

原因

ダグラス窩膿瘍は急性腹膜炎(きゅうせいふくまくえん)に合併する形で引き起こされることがありますが、どうして引き起こされるのか、いまのところ原因は明確になってはいません。
急性腹膜炎は細菌感染などにより腹膜に炎症が生じるものであり、炎症範囲が腹膜全体に及んでしまった場合には、命を落とすことになりかねません。
また、ほかのことが原因となってダグラス窩膿瘍は発症します。
たとえば、胆のう炎(たんのうえん)、虫垂炎(ちゅうすいえん)、胃・十二指腸の穿孔(せんこう)、盲腸周囲炎(もうちょうしゅういえん)、付属器炎(ふぞくきえん)、子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)により引き起こされるケースがあるのです。
子宮内膜症は場合によっては不妊症(ふにんしょう)になるリスクがありますので、早期にしかるべき治療をおこなわなくてはいけません。
これらの病気や炎症が原因となって、腹腔に膿汁が蓄積されてしまい、膿瘍がつくられてしまうというわけです。

症状

ダグラス窩膿瘍を発症した場合に引き起こされる主な症状としては、しぶり腹、しぶり膀胱が挙げられます。
しぶり腹は便意は感じているけれど便が出ない症状であり、しぶり膀胱は尿意は感じているけれど尿が排泄されない症状のことをいいます。
そのほか、痛みに関する症状もダグラス窩膿瘍になるとあらわれます。
たとえば排尿時に痛みを感じることがあるほか、お腹や腰の痛みが引き起こされることがあります。
また、お腹を下したり、熱が高くなる症状も起こります。
女性に関しては、おりものが多くなるという症状や、不正性器出血の症状があらわれるのが特徴です。
不正性器出血は、月経でもないのに出血が起こる症状のことをいいます。
そのほかの症状としては、白血球増加が挙げられます。

検査と診断

ダグラス窩膿瘍かどうかを調べるための方法としてはまず、直腸指診を挙げることができます。
直腸指診は医師が肛門から指を挿入し、異常がないかを確かめる検査方法です。
時間は短く、挿入時に痛みを感じることはありません。
そのほか、膣内診をおこなうことにより、ダグラス窩膿瘍かどうか確認する検査が選択されることもあります。
膣内診というのは、医師が指や専用器具を膣に挿入し、内部の状態を調べる検査方法です。
こういった方法により状態をみて、異常があると認められるとダグラス窩膿瘍と診断される形になります。
なお、発症している場合はこれらの検査によりダグラス窩に圧痛があったり、抵抗があったりするのが特徴です。

方法

ダグラス窩膿瘍はまず、安静にすることが治療の前提となります。
ダグラス窩膿瘍の主な治療方法の一つとして、薬物療法を挙げることができます。
薬物療法がおこなわれる場合には、抗菌薬が使用されるのが一般的です。
ただ、抗菌薬による治療は思うような効果があらわれないこともあります。
そのような場合、ダグラス窩膿瘍は膿が溜め込まれた状態になるため、ドレナージすることもあります。
なお、ドレナージとは、ダグラス窩膿瘍の場合は膿の排出のことを意味しています。
そのほか、開腹手術をおこなうことにより、直腸を切開して膿をなくする方法が選択されることもあります。

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