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大腸ポリープの原因,症状,検査,治療などのまとめ

公開日: : 最終更新日:2017/05/25 腸の病気

ポリープとは、体内にできるイボのような突起物の総称です。
大腸ポリープはその名のとおり、大腸にできたイボのような突起物という意味になります。
ポリープは大腸だけにできるものではなく、胃などにもできる突起物です。

大腸ポリープは「腫瘍(しゅよう)」と「それ以外に属するポリープ」に区別され、そこからさらに細かくわけると「良性の腫瘍」と「悪性の腫瘍」があります。
悪性の腫瘍は早期のガンとも呼ばれます。

良性の腫瘍は厳密にはガンではなく、ガンに進行するかもしれない芽のようなものです。
良性と言ってもそのまま放置を続けるとガンに進行することも珍しくはありません。
良性の腫瘍は別名を「腺腫(せんしゅ)」とも言い、大腸ポリープの大半は腺腫であり、良性の腫瘍(ガンになる前の芽の段階)であるとされています。

腫瘍以外のポリープの場合は、放置しても大腸ガンに進行することはほぼないと考えられています。
女性よりも男性に起こることの多い病気といわれ、40代から患者が増えはじめ、高齢になるほどリスクが高くなります。

大腸ポリープの原因

大腸ポリープができてしまう原因にはさまざまなものがありますが、生活習慣など自分である程度管理ができる原因と、遺伝的な要素など抗うのが難しい原因とに大まかにわけられます。

生活習慣を原因とする大腸ポリープ

アルコール過多、喫煙の習慣がある

ポリープの主な原因は遺伝子の変異であると考えられていますが、アルコールやタバコには遺伝子を悪い方向に変化させてしまう作用があるとされています。

普段からアルコールの摂取が多い生活をしている人や、ヘビースモーカーの傾向がある人は注意が必要です。

アルコールのなかでもとくにポリープを発症させやすいと言われているものはビールで、ほかのウイスキー、焼酎、日本酒などのアルコールに比べ確率が高いという研究結果もあります。

食生活の変化を原因とするもの

食の欧米化という言葉をよく耳にするようになりました。
肉などの動物性脂肪を多く摂取する習慣が日本でも確実に定着しつつあります。

一方、野菜などの食物繊維の摂取量は減少しており、日本人の食生活が高脂肪・低繊維に変わってきていることが伺えます。
このような食生活が大腸ポリープの引き金になる原因として、便秘を招きやすいということも挙げられます。

大腸がんができやすい部位というものがあり、それは直腸・S字結腸なのですが、この部位には長時間便が溜まりやすいという特徴があります。
これは健康的な便通を維持している人も同様です。

つまり、便秘がちになることでただでさえ便が溜まりやすい部位にさらに長時間とどまるようになってしまうのです。
便秘がちになると大腸がんのリスクが大幅にアップすることを覚えておきましょう。

生活習慣を原因としないもの

遺伝的な要素

ガンは遺伝の要素も関係していると耳にしたことがある人も多いでしょう。
大腸ポリープも例外ではなく、家族性大腸ポリポーシスという病気は遺伝が原因であると考えられています。

この病気の特徴として大腸のなかに無数のポリープができてしまうというものがあり、その数は100個以上になることもあります。
直系の親族に大腸ガンを患っている人がいる場合には、自身も大腸ガンのリスクが通常より高い可能性があります。

加齢による老化を原因とするもの

大腸ポリープのもう一つの特徴として、加齢による老化で発症しやすくなるというものがあります。
具体的には40代以降からリスクが増加し、60代では実に2人に1人の割合でポリープを発症しやすいと言われています。

大腸ポリープは時間の経過でガンに進行する可能性があり、小さなポリープができていても自覚症状がないまま過ごし、結果的に放置となってガンになってしまうケースが少なくはありません。

一般的に、高齢になればなるほど、大腸ポリープやガンのリスクも高くなるとされています。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープや大腸ガンの特徴として、症状が初期の段階のうちはほとんど自覚症状がないことが挙げられます。

のちに進行し、ある程度ポリープが大きくなってから症状を感じ取ることが多いため注意が必要です。

具体的にはポリープの大きさが3cm~4cmほどの大きさになると以下の症状のような自覚症状を引き起こすといわれています。

血便がある

大腸のなかでポリープが大きくなることで便の通り道が細くなり、排便の際に擦れることで出血します。
便の表面に血が付着している、排便するときに出血があるなどの場合は注意しましょう。

血便は痔(じ)と勘違いしやすい症状ですが、大腸ポリープや大腸ガンの場合の血便は便に張り付くような血、粘り気のある黒っぽい血が特徴として挙げられます。
痔の場合は血便とともに肛門に痛みを感じますが、大腸ポリープの場合は痛みを感じないケースもあります。

痔と勘違いして適切な治療を放置してしまうと、気づいた頃には末期まで進行していたということになりかねません。
そのため、日頃からの定期的な検診が早期発見の鍵となるでしょう。

腹痛と重度の便秘

こちらもポリープが大きくなることで大腸が細くなり、便が通りにくくなることを原因とした症状です。

便が通りにくくなることで便が腸内にとどまる時間も増え、水分が腸壁から過剰に吸収されて硬くなり、さらに便通が困難になるといった悪循環に陥ります。
それに伴い、強い腹痛や便通の悩みを抱えることもあります。

下痢と便秘を頻繁に繰り返す、便の大きさが細くなった気がするなどの異変がある場合には、ポリープや腫瘍が大きくなっていることもあるので注意しなければなりません。

とくに何も意識していないのに痩せる

ダイエットや運動を意識的におこなわず、なおかつ食事の量にも変化がないのに痩せていく場合は大腸がんの疑いがあります。
それに加え、下痢と便秘を頻繁に繰り返すなどの症状があればさらに可能性が高くなるでしょう。

吐き気や貧血の症状がある

大腸ガンが進行してガン自体が大きくなると健康的な排便が難しくなり、便が体内に長時間とどまることから吐き気を催す場合があります。

また、排便時のポリープからの出血を原因とした貧血の状態におちいることもあります。
大腸ポリープや大腸ガンの自覚症状は、ポリープができた場所によっても違いがあります。
どの部位のポリープにも共通しているのが「排便」に関わる自覚症状です。

ポリープができた部位が肛門に近い場合には主に血便の症状を自覚することが多く、ガンの潰瘍から出血が起きることを原因とします。

肛門から離れた部位にポリープが出来ている場合は、血便よりも貧血や腹痛、腹部が膨らんでいる気がするなどの自覚症状が多くなります。
いずれにしても、早期発見と早期治療の開始がこの病気と闘う大きなポイントとなります。

大腸ポリープのうち、約95%は良性ポリープのままだと言われています。
しかし、大きさが1cm~2cmほどになると、そのうちの約25%は大腸ガンへと進行する可能性があるといわれています。

大腸ポリープの検査・診断

大腸ガン検診の検査項目の一つである「便潜血反応」が多く見られ、便潜血が陽性と判断された場合には、次の段階の検査として大腸の内視鏡検査がおこなわれます。

一般的には肛門から内視鏡を入れて大腸の様子を観察しますが、過去の内視鏡検査が苦痛で難しかった場合や、内視鏡を入れること自体が難しい場合には「注腸レントゲン検査」の方法が用いられる場合もあります。

肛門からバリウムを入れ、大腸の様子をレントゲン撮影するものです。

そのほかにもCTスキャンでの検査や、患者に負担のかかりにくい検査方法として「カプセル型内視鏡」を用いた検査の実用に向けた研究もおこなわれています。

内視鏡検査を受ける際の注意点

・前日の夕食は軽めに済ませる
・夜21時以降の飲食は基本的に禁止
(水・お茶であれば許可される)
・検査当日の食事はとらない
・検査当日は飲食を避ける
・喫煙も基本的に推奨されない
・薬剤の服用に注意する

糖尿病の薬は低血糖の状態になるのを防ぐために、内視鏡検査の当日の服用は避けます。
また、血の流れをスムーズにする薬なども注意の対象となるため、日頃から服用している薬があれば、種類を問わず医師に相談することが必要です。

検査の前には、約2時間をかけてゆっくりと腸内洗浄剤を服用します。
量は2リットルほどと、ペットボトルのお茶と同程度の量を服用しなければなりません。

場合によっては腸の動きを穏やかにする薬剤や麻酔薬を用いることがあります。
内視鏡検査のあとは病院のベッドの上で横になり、しばらく安静ののちに帰宅します。

内視鏡検査にかかる費用は3割負担を目安に考えると5,000円程度、検査と同時に病理組織検査をおこなった場合はさらに5,000円から12,000円程度の負担となります。

大腸ポリープの治療法

大腸ポリープの効果的な治療法は、ポリープを切除する外科的療法です。
手術法にもいくつかの方法があります。

内視鏡的ポリープ切除

内視鏡を用いてポリープの大きさ、形状、状態、健康な粘膜との境界の観察をおこないます。

切除したいポリープに輪になったワイヤーを引っ掛け、徐々にワイヤーの輪を小さくすることでポリープを焼き切ることができる仕組みです。
ワイヤーは内視鏡の先端部から出すことができ、さらに弱い電流が流れているので素早く確実に切除することが可能です。

人体に影響を及ぼさない程度の電流が使われているので、この点が不安な人も安心できるでしょう。
切除の際の痛みや全身麻酔の必要がなく、患者の体の負担が少なく済むことが特徴です。

入院が必要なく、日帰りでの手術が可能なので日頃忙しい人にも向いている手術法ですが、時間がかからないぶん入院での手術と比べると病院でのケアの時間も短くなります。
一般的には初期段階の大腸ポリープの治療法として用いられます。

術後の出血や手術部位に穴があいてしまうなどの合併症が起こることがあり、その場合には開腹手術が必要となる場合があります。

内視鏡的粘膜切除

内視鏡的ポリープ切除での治療が難しい場合に用いられる方法です。

具体的には、内視鏡的ポリープ切除で焼き切ることが難しい形状のポリープや、切り取る範囲の予想が広く確実に患部を切り取りたい場合に有効とされます。

電流の流れたワイヤーで患部を焼き切るという点は同じですが、大腸ポリープに生理食塩水を注入して持ち上げるというのが異なる部分です。

手術時間は約20分から30分程度と短いものの、医師の判断によって入院の措置がとられる場合があります。
主にポリープの大きさが2cm未満、または早期に発見されたガンの治療が対象とされます。

内視鏡的粘膜下層剥離

ポリープが比較的大きい場合に適している手術法です。
一番最初にガンが発生する粘膜層を薄く剥ぐ技術の進化で大きなポリープを一気に切除することが可能です。

ポリープができている部位の下層に生理食塩水を注入し、持ち上げて切除します。
ワイヤーではなく電気メスを用い、大きめの患部を一回で切り取ることを目的としています。

大きいポリープを持った患者の体の負担が少なく済むことが大きな特徴で、通常の外科手術で必要とされている臓器と周囲のリンパ節の同時切除が不要で、早期の患部であれば臓器を温存できるのがポイントです。

大腸ポリープの手術にかかる時間

用いられる手術法や患者の状態によって違いがあります。
日帰り手術の場合は5分から30分、入院が必要と判断された場合には2泊3日、3泊4日の日程でおこなわれるのが一般的です。

手術にかかる費用

3割負担を目安に、内視鏡的ポリープ切除で約23,000円、内視鏡的粘膜切除の場合は約29,000円程度とされています。
費用はポリープの大きさや数でも違いがあり、20,000円から40,000円程度と幅があります。

大腸ポリープの切除は手術の扱いなので保険の対象となりますが、検査とポリープの切除が続けておこなわれる場合は病院によって「手術」と判断するかどうかに差があるようです。

気になる場合は事前に問い合わせてみるのも良いでしょう。

大腸ポリープ手術後の食生活

手術から3日程度は、胃腸に優しく消化の良い食事をとるのが基本となります。
おかゆは代表的なメニューで、ほかにもうどんや野菜スープなども良いでしょう。
薄味の刺激の少ないものに仕上げてください。

繊維の多いものやスパイス、炭酸飲料、脂っこいもの、刺し身など生で食べるものなど、刺激の強い飲食物は避けるようにしましょう。

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