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急性虫垂炎/盲腸炎の原因・症状・治療などのまとめ

公開日: : 最終更新日:2017/06/23 腸の病気

急性虫垂炎(盲腸)とは

急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)は、一般には盲腸(もうちょう)として知られている病気ですが、医学的には急性虫垂炎が正式名称です。
生涯で7人に1人が経験するという、ありふれた(罹患率の高い)病気です。

盲腸は大腸のはじまり部分である右下腹部に存在する器官で、ここに炎症を起こすわけではありません。
盲腸の先端にある、小指程度の大きさの虫垂という袋に炎症を起こします。
虫垂にはリンパ組織が集まっており、腸扁桃(ちょうへんとう)という別名があります。

免疫に関与しているともいわれている器官ですが、大腸の一部を構成している器官であるにもかかわらず、消化吸収は行ないません。
また、盲腸は退化した器官であり、特別な機能はないと考えられています。

急性虫垂炎は何らかの原因で虫垂が閉塞し、内部で細菌感染して化膿性の炎症が生じている状態です。
子どもから大人まで、さまざまな年齢の人に起こり得る病気ですが、とくに5~20歳の割合が高いとされています。
なお、1歳に満たない赤ちゃんに起こるのはまれです。

初期段階では軽度の炎症が生じ、少し腫れて充血した状態ですが、炎症が悪化すると虫垂のなかに膿がたまってしまいます。
さらに炎症がひどくなると穿孔(せんこう)といって穴があいてしまい、腹腔(ふくくう)内へと膿が出てきてしまいます。
ここまでくると、腹膜炎(ふくまくえん)などの深刻な合併症を招いてしまうリスクがあります。

急性虫垂炎(盲腸)の原因

この病気はどうして起こる?

急性虫垂炎の原因は現状では解明されていません。
ただ、虫垂がねじれる、虫垂のなかに便や粘液が詰まるなどして血流が悪化し、そこに大腸菌などの腸内細菌やウイルスが入り込んで感染し、炎症を起こすのではないかという見方がされています。

糞石(ふんせき)といって、老廃物が腸のなかで石のようになったものによって起こることが、大人の場合には多いです。
また、不規則な暮らし、食べすぎや飲みすぎ、過労、便秘(べんぴ)、胃腸炎(いちょうえん)などが誘因になることも少なくありません。

急性虫垂炎(盲腸)の症状

どんな症状が引き起こされる?

主な症状としてはまず、腹痛があります。
はじめはみぞおち付近が急に痛みだし、時間が経過すると右下腹部が痛むようになります。
ただ、人によっては痛みが出る場所や痛み方がこれにはあてはまらないこともあります。

痛みの強さは時間の経過と共に増していきます。
やがて37~38度の発熱症状が起こり、吐き気、おう吐、食欲不振が起こることもあります。
人によっては軽い下痢や頻尿の症状や、便秘などが引き起こされることもあるでしょう。

進行するとどうなる?

急性虫垂炎を放置していると、穿孔する恐れがあります。
発症後2~3日間で穴があいてしまうリスクが上昇します。
仮に穿孔を起こすと、菌がお腹のなかへとひろがっていき、激しい腹部全体の痛みに襲われます。

また、腹膜炎を併発し、最悪の場合には命を落とすことにもなりかねません。
小さな子どもは虫垂の壁が薄いため、穴があいてしまうリスクがとくに高いため、注意が必要です。

急性虫垂炎(盲腸)の検査・診断

何科に行けばいい?

「急性虫垂炎(盲腸)の治療」でくわしいことは解説しますが、この病気では手術を行なわなければいけなくなるケースが多いです。
そのため、外科がある医療機関へ行くことをおすすめします。
一般外科、消化器外科、大腸外科などの診療科のある病院へ行けば、対応してくれます。

どうやって調べる?

腹部を圧迫することにより、お腹の右下に痛みを感じます。
なお、圧迫後に急に手を離した際に、反跳痛(はんちょうつう)といって圧迫していたときより痛みが増す症状が出る場合には、腹膜炎を引き起こしている疑いがあります。
お腹を圧迫する腹部触診以外では、肛門から指を挿入する直腸触診も行なわれています。

この方法では、炎症がどの程度進行しているのかを調べることが可能です。
血液検査も行なわれており、発症後約半日が経つと白血球数が多くなり、炎症反応のCRPが陽性を示します。
そのほか、画像検査である腹部超音波検査や腹部CT検査、X線検査が行なわれています。

X線検査では盲腸の拡張や虫垂内部のガス像が確認され、腹部超音波検査では虫垂の腫大、糞石などが確認されます。
腹部超音波検査でこうした異常が確認されれば、腹部CT検査は絶対に行なわなければいけないということはないものの、別の病気と区別することが可能です。

急性虫垂炎(盲腸)の治療

急性虫垂炎の種類と治療

この病気には3段階があります。
一番軽度なものはカタル性虫垂炎、中等度のものは蜂窩織炎性(ほうかしきえんせい)虫垂炎、重度のものは壊疽性(えそせい)虫垂炎といいます。
また、重度で虫垂に穴があいてしまったもののことは、穿孔性虫垂炎といいます。

カタル性虫垂炎の段階では抗生剤の使用で快復させることが可能ですが、中等度、重度では手術を行なわなければいけません。
蜂窩織炎性虫垂炎では虫垂内部に膿がたまっている状態で、まだ穴はあいていませんが手術が必要です。

壊疽性虫垂炎では虫垂の組織が壊死し、穴があき、腹膜炎や膿瘍(のうよう)が付随しているため手術を受けなければなりません。

薬物療法

軽度の炎症であれば、抗生剤の点滴投与または内服薬(飲み薬)で快復してしまいます。
よく盲腸の痛みを散らすといわれているのが、この抗生剤の投与により炎症を鎮める治療方法です。
通院になるか入院になるかは病状や医療機関の方針によって変わります。

仮に入院して治療を受けることになった場合には、1週間ほどで退院が可能になるのが一般的です。
薬物療法の注意点としては、再発リスクが高い点をあげることができます。

一度は良くなったとしても、大体10人中2~3人の人が1年以内に手術を受けなければいけなくなるとされています。
なお、抗生剤の投与は手術前後に行なわれるケースもあります。

手術療法

1~2時間の時間をかけて、手術は完了することが多いです。
手術には開腹手術と腹腔鏡下(ふくくうきょうか)虫垂切除術の2種類があります。
開腹手術は腹部の右下を5cmほど切開し、手術名にあるとおりお腹を開いて虫垂の切除を行ないます。
1週間ほどの入院で退院することが可能です。

次に腹腔鏡下虫垂切除術ですが、腹部に小さな穴を数ヶ所に開け、カメラや手術器具をその穴から挿入して映像を確認しながら治療を行ないます。
方法としてはこの手術のほうが新しく、傷が小さく体にかかる負担が軽いです。
入院期間も4日前後と、開腹手術に比べて早く退院できるというメリットもあります。

ただし、症状が悪化しているケースでは、開腹手術しか選択できないことがあります。
そのほか、技術的に難しいという理由で、受けることが可能な施設は限定されてしまいますが、単孔式(たんこうしき)腹腔鏡手術を行なっているところもあります。
この手術は穴を一ヶ所にしか開けないことなどが特徴です。

なお、手術療法には合併症のリスクがあります。
出血する、傷口が感染する、お腹のなかに膿が蓄積する、元々あった膿が残ったままの状態になる、腸と腸や腸とお腹の壁などがくっついて腸の流れが悪化するといった問題が起こり得ます。
腹腔鏡下虫垂切除術のほうが開腹手術と比較して合併症のリスクは低いとされていますが、腸などを傷つけてしまうことがあります。

手術を行なうかどうかの決め手になるのは?

圧迫したときの痛みや腹膜炎の症状、腹部CT検査や腹部超音波検査などの結果をうけて、手術をするかどうかを決めます。
腹膜炎にあてはまる症状がある、虫垂が1cm以上など太くなっている、糞石が虫垂に詰まっている、虫垂の周囲や骨盤内に液体が蓄積されているような場合には、手術が行なわれています。

術後はどうなる?

強い腹膜炎がなく、術後24時間が過ぎておならが出ると、口からの食事を摂ることが可能になります。
数日間にわたる点滴と抗生剤の投与が行なわれることで、急性虫垂炎は快復します。

ただし、壊疽性虫垂炎で腹膜炎を伴っているケースでは、口から食事を摂ることはできません。
点滴や抗生剤の投与を行ない、長期間にわたり退院することはできなくなってしまいます。

通常1週間ほどで退院が可能になる病気ですが、重症の場合には1ヶ月以上入院しなければいけないこともあります。

急性虫垂炎(もうちょう)の予防

誘因を取り除く

急性虫垂炎は7人に1人が一度は経験するとされているほど罹患率の高い病気です。
しかしながら、激しいお腹の痛みに襲われたり、腹膜炎を併発したり、最悪の場合には命を落としてしまったりということを思うと、なるべくなりたくないというのは当然です。
急性虫垂炎を防ぐといっても、原因ははっきりしていないため、対策は困難です。
ただ、不規則な暮らし、食べすぎや飲みすぎ、過労、便秘(べんぴ)、胃腸炎(いちょうえん)が誘因になっていることが多いとされている病気ではあります。

したがって、規則正しい生活を送る、食事量は腹八分目にとどめる、十分に休んで疲労を取り除く、便秘や胃腸炎を治すといったことが効果的といえるでしょう。
こうした生活習慣は、急性虫垂炎以外の病気を予防するうえでも重要です。

糞石に注意

急性虫垂炎は、大人では糞石が原因で起こっているケースが多いことも知られています。
糞石というのは便が長く腸内にとどまることで、水分が腸から吸収されてかたくなり、石状に変化したもののことです。

便秘症に悩まされている人には、糞石が多いことが知られています。
運動不足の解消、食物繊維を十分に摂る、ストレスを発散する、腸内環境を整える、水分を十分に補給するという具合に、便秘の原因を取り除きましょう。

また、便秘は別の病気は薬の副作用によって起こることもあります。
自分の対策で便秘の悩みが解決しない場合には、医療機関に相談に行ってみるのも良いでしょう。

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