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十二指腸潰瘍の原因・症状・検査・治療法

公開日: : 腸の病気


十二指腸潰瘍はストレスで胃酸と粘液のバランスが崩れることで起こることが多く、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を傷付けたり穴を空けたりするのです。
現代社会の代表的な病気の1つです。
以前は男性に起こりやすい病気でしたが、現在では老若男女問わず、多くの方が発症する国民病と言える病気です。
しかし十二指腸潰瘍は、早く治療に取り組むことで簡単に完治させることができる病気です。
症状が出にくい場合もありますが、一般的には病気をうかがわせる様々な症状が出ますので、症状に気がついた時には速やかに病院で治療を受けるようにしましょう。
こちらでは、十二指腸潰瘍に関する色々な情報を詳しく紹介していますので、何らかの異常を感じたら、ご参考にしていただきなるべく早い対策をお願いいたします。

十二指腸潰瘍とは…

十二指腸は、胃の次の場所の消化器官です。十二指腸潰瘍とは、胃や十二指腸が胃液によって傷付いてしまった状態です。
皮膚や粘液がただれたり傷む事から、胃潰瘍同様に、消化性潰瘍とも呼ばれる病気の一つです。
胃液は、食べたものを消化するために、強い酸を含んでいます。
この胃液から胃壁を守るために、胃は粘液で、バリアーをはっています。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、この胃液と粘液バリアーのバランスが崩れた時に胃壁が溶けて潰瘍の症状が出てくるのです。
十二指腸潰瘍は若い人の確立が高く、年を重ねた年配の方の方が、胃潰瘍の発症率が高くなります。
胃底腺領域という潰瘍の出来にくい領域と幽門腺領域という潰瘍の出来やすい場所があり、この幽門腺領域の位置、が年齢と共に十二指腸側から胃のある側へ上ってくるので、若い人が十二指腸潰瘍が多く、年配の方が胃潰瘍が多いのです。
十二指腸潰瘍の主な原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌と言われています。
ピロリ菌は、口から入って感染します。また、次に多い原因が、ストレスからくるものです。
十二指腸潰瘍は、ストレス社会に多い現代社会の病気といってよいでしょう。

原因とは…

食べたものを消化するために出る胃酸により胃壁が荒れて出来てしまう潰瘍のことを総称して消化性潰瘍と呼びます。
そして分類すると胃に出来れば胃潰瘍といい、十二指腸に出来れば十二指腸潰瘍といいます。
十二指腸潰瘍の原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が、約9割の割合だと言われています。
ピロリ菌が原因の場合は、抗生剤治療で菌を死滅させれば治ります。
十二指腸潰瘍の原因で次に多いのは、現代人に多いストレスです。
胃や腸などの器官は、精神的ストレスの影響を受けやすい器官です。
学校・仕事・育児など、イライラや過労がたまり、肉体的にも精神的にも赤色信号の人は要注意です。
心配性・不安性・緊張もストレスに繋がります。
たっぷりと睡眠をとり、リラックス出来る時間・環境を作るように心掛けましょう。
また、刺激の強い香辛料やコーヒー・飲酒・喫煙・暴飲暴食など食生活の乱れも原因です。
ステロイドなどの強い薬の長期服用も胃に負担がかかりよくありません。
十二指腸潰瘍になる原因を知り規則正しい生活を心掛けてください。

症状とは…

十二指腸潰瘍の症状で一番多いのは、腹痛です。みぞおちの辺りの上腹部右側に痛みを感じます。
胃潰瘍の場合は、左側が痛みます。
ズキズキした痛みや胸やけのような、ムカムカした痛み鈍い痛みなど様々です。
十二指腸潰瘍の症状の特徴として空腹時や夜間にお腹の痛みが起り食事をとることによって一時的に症状が治まります。
逆に胃潰瘍は食後に痛みを感じるので区別しやすいです。
また、げっぷや胸のむかつき、吐き気・食欲不振・体重減少といった症状もあります。
他にも、十二指腸の場所が、背中側にあるために、背中の痛みを訴える人もいます。
十二指腸潰瘍が出血を起こすと吐血や下血の症状も出ます。
どす黒い血を吐血したり、便と一緒に下血(タール便)します。下血の確率の方が高く病院で検査する必要があります。
十二指腸潰瘍にかかっていても、必ずしも腹痛を感じたり胸やけを感じる訳ではなく全く痛みを感じないケースもあります。
気が付かないままでいると、潰瘍が悪化して、胃に穴が空くこともあるので定期的な健康診断・人間ドックなどで健康チェックをするよう心掛けましょう。

検査とは…

十二指腸潰瘍の検査には、バリウムを飲んで胃を造影するX線検査があります。
胃の大きさや粘膜の様子、胃壁の状態、胃の形を診ます。
また、胃カメラを飲んで胃の中を直接診る胃カメラ検査や鼻から入れる内視鏡検査あります。
この際、疑わしい異物を見つけたら、患部の組織を摂取して潰瘍なのか癌なのか検査します(生検という)。
他にも、便潜血、胃酸分泌機能の検査があります。
便潜血反応検査では、便の中に、血液が混ざっていないかどうかを排便した便の中にお薬を混ぜて調べます。
胃酸分泌機能の検査は、胃酸の分泌量や酸の強さ、臭いや色、血が混ざらないかなどを調べます。
こういった検査は、十二指腸潰瘍、または胃潰瘍・癌などの有無が分かり今後の治療の手がかりになるので、とても大切です。
自分で誤った判断で過ごさず、速やかに病院で相談してください。
各病院によって検査・診察の内容が違うので、医師の判断・指示に従い治療しましょう。

治療とは…

十二指腸潰瘍の治療は、精神的・肉体的ストレスが多いため生活面での治療や食事・生活習慣を改善・見直すことから始まります。
十二指腸潰瘍の治療は、患者自身が、治そうと努力をしなければ、再発を繰り返し完治しない病気です。
薬をいくら飲んでも、暴飲暴食で、タバコや飲酒を繰り返して不眠不休でちっとも体を休ませなかったら、治るものも治りません。
自分の生活を改め、規則正しい生活を送るようにしましょう。
昔は、消化性潰瘍の主な治療といえば外科的に手術が多かったですが近年では、プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなどの優れた治療薬の開発で内科的な治療で治るようになりました。
胃酸の分泌を抑える効果や、粘膜を保護する効果がありとても有効です。
また、十二指腸潰瘍になったら食生活を第一に改善しなくてはなりません。
刺激性の高い食べ物は避け、消化が良く栄養価の高いものを取りましょう。
胃に何時間も消化せずに残るようなものは、胃に負担をかけ胃酸の分泌を促す原因になります。
十二指腸潰瘍を治療するなら、アルコール・タバコは避け、体に優しいストレスのない生活を心掛けましょう。

十二指腸潰瘍の合併症…

十二指腸潰瘍は、ピロリ菌の感染が言われていますが、生活習慣病でもあり食生活・生活習慣の乱れストレスなどの影響が大きく出ます。
これらの、精神的・肉体的なストレスからくる症状だと、生活習慣をしっかり治し毎日の規則正しい生活を定着させないと再発を繰り返します。
十二指腸潰瘍が治ったからと、安心してまた不規則な生活をすれば、気が付かないまま、また病状を復活させ進行させてしまいます。
病状を進行・悪化させてしまうと、吐血や下血など、大出血をしたり、潰瘍が悪化し胃壁に穴が空く胃穿孔という合併症が起きます。
また、潰瘍が瘢痕を残して治るとその治った傷跡が、しこりとなって硬くなり胃の出口部分である幽門を狭くして食べた物を通りにくくしてしまいます。
そのため、食べた物が腸まで届かなくなり病状が悪化してしまいます。
他にも、十二指腸潰瘍から癌への移行・変化も考えられます。
珍しいことですが、あまりにも完治せずに、再発の多い長引く潰瘍は、合併症が起きていないか精密検査をして下さい。
癌性の潰瘍の場合があるので、心配を取り除くためにもしっかり検査しましょう。

ヘリコバクターピロリ菌について…

ヘリコバクターピロリ菌とは、1980年代に見つかった胃の中に住みつく細菌で、胃壁を溶かして傷付けるため胃に悪影響を及ぼす細菌として注目されています。
十二指腸潰瘍や胃潰瘍などの消化性潰瘍の原因とされているヘリコバクターピロリ菌とは、胃の中で生存出来る非常に進化した細菌で胃のような強酸性の環境化では、生物
の生存は不可能です。
しかしピロリ菌は、自分の酵素で、胃の中にある尿素をアンモニアに変化させアンモニアが胃酸を中和して自らを生存できる環境を作り出しているのです。
ピロリ菌の感染は、口からの感染になります。日本人の約50%の人が、既に感染していると言われています。
若い人より40~50歳代の人の感染率は、7~8割だと言われていますが、病気を発症するのはその内の数%だそうです。
ヘリコバクターピロリ菌が陽性でしたら除去する治療が必要です。
1~2週間、決められた抗生剤を、決まった時間と回数飲む必要があります。
必ず守らなければ除去に失敗してしまうので、生活習慣を正して医師の指示に従いましょう。

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