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てんかんの原因・症状・検査・治療などについて

公開日: : 最終更新日:2018/04/20 頭・脳・神経の病気

てんかん

てんかんとは

てんかんは、痙攣や意識障害が突然起こるという病気です。
発症率は100人に1人という割合であり、十分に起こり得るものです。

てんかんを発症する年齢については乳幼児から高齢者までに可能性があるものの、はじめて発症する時期としては18歳以下が80%以上となっています。

その中でも、3歳を迎えるまでに発症している人の数が大変多くなっています。
てんかんは脳の病気であり、発症には大脳が影響しています。

通常ですと大脳の神経細胞には、決まったリズムで電気信号が流れています。
ですが何らかの理由によって電気信号は突然、過剰に放出されることがあります。

それによって信号の流れるリズムが乱れると、てんかんの症状になって現れるのです。
発作が起こっても対策せずそのままにしていると、やがて症状を抑えることが難しくなっていきます。

てんかんの発作が起こったときにはすぐ、専門外来や神経内科を受診して適切に指示してもらう必要があります。

てんかんの発作であると考えていても、ほかの病気が原因になっている可能性はあるのです。

口から泡を吹く、意識を失って全身が痙攣するといった症状があるため、イメージとしては恐ろしい病気であるとも思われています。

遺伝性、治らないといった認識を持たれているところもあります。
ですがそれは単なるイメージであり、真実ではありません。

発作が起こっていても、普通に日常生活を送ることができないわけではありません。
適切な薬物療法を受けていれば、発作は抑制されるのです。

てんかんの原因

脳の病気であるてんかんの原因としては過去に脳が負った傷、大脳の形成障害、先天性脳腫瘍などが考えられます。

脳が傷つくケースとして代表的なものは、出産に際して生じる脳障害です。
側頭葉てんかんが起こる原因の大部分には、仮死分娩が関連しています。

いったん仮死分娩の症状が現れるとその後は順調に育っているようであっても、小学生になる頃や思春期を迎える頃になってからてんかんの発作が起こることは珍しくありません。

仮死分娩に次いで脳に傷を負う原因は、細菌やウィルスに脳が直接感染する髄膜炎や脳炎などです。

さらにははしかや突発性発疹にともなう高熱が続いているうちに、脳へ傷を残すこともあります。

大脳の形成障害としてもっとも多いものは、限局性皮質異形成です。

胎児の脳が活発に形成される時期は、妊娠中のうち胎生期となる妊娠8週から16週にかけてであり、先天性脳腫瘍のほとんどは胎児期に大脳が形成される中で発生しています。

皮膚にできるほくろやあざのようなものが、大脳にできてしまったと考えることもできます。

腫瘍ができると大脳皮質における細胞の構築が乱れて、正常ではない形の神経細胞が入り乱れることになります。

このような皮質の形成障害があると、異常な細胞がてんかん波を出しています。

先天性脳腫瘍や血管腫は、悪性腫瘍のように成長して脳を圧迫するというものではないのですが、良性腫瘍であっても脳にとってはやはり異物ですから、脳を刺激しててんかんの発作を引き起こすことになります。

てんかんの症状

てんかんを発症すると、けいれんや意識消失といった症状が繰り返し現れるてんかん発作を引き起こしますが、てんかん発作は部分発作と全般発作の2つに大きく分類されています。

部分発作とは、脳内の一部分だけで電気信号が過剰に発することによって引き起こされるてんかん発作のことで、意識障害がない単純部分発作、意識障害がある複雑部分発作、二次性全般化発作の3つに細かく分類されています。

単純部分発作

単純部分発作とは、発作が現れてから治まるまでのあいだに意識障害がなく、そのあいだの様子をすべて覚えているタイプのてんかん発作です。

脳内のどの部分で電気信号が過剰に発せられるかによって現れる症状が異なりますが、主に頭痛や吐き気といった自律神経の異常や、耳が聞こえにくい、音が響く、カンカンという音が聞こえる、視野がピカピカする、視野に光や輝く点のようなものが見えるといった聴覚や視覚の異常、手足や顔が引きつる、体がガクガクとけいれんする、体全体が片側に引かれる、体が回転またはねじれるといった運動機能障害が現れます。

複雑部分発作

複雑部分発作とは、徐々に意識が遠のきまわりの状況がわからなくなるといった意識障害が現れるタイプのてんかん発作で、患者は発作を引き起こしているあいだの記憶が曖昧になるといった記憶障害も現れます。

ただし、意識障害中に倒れてしまうケースは少なく、主に急に動作を止めてボーっとなる意識減損発作や、手を叩いたり口をもぐもぐさせたり、フラフラと歩きまわったりといった無意味な動作を繰り返す自動症(じどうしょう)などが現れます。

二次性全般化発作

二次性全般化発作とは単純部分発作あるいは複雑部分発作の症状が現れたあとに、突然意識を失い体が硬くなり、一定のリズムで手足をガクガクと曲げ伸ばすけいれんが現れる強直間代(きょうちょくかんたい)発作へと進展するタイプのてんかん発作です。
実際に二次性全般化発作が現れる直前には、前兆が見られます。

全般発作とは、脳の一部分だけで電気信号が過剰に発する部分発作とは異なり、大脳全体で電気信号が過剰に発することによって引き起こされるてんかん発作のことで、基本的に全般発作を引き起こすと患者の意識は失われます。

全般発作には強直間代発作、脱力発作、欠神(けっしん)発作、ミオクロニー発作の4つに細かく分類されています。

強直間代発作

強直間代発作とは、強直発作と間代発作を突然引き起こすタイプのてんかん発作です。
強直発作とは突然意識を失い、固く口を食いしばって呼吸が止まり、手足を伸ばした状態で全身が硬くなる発作のことで、数秒~数十秒ほど続くほか、強直した状態のまま激しく倒れ、怪我をするケースもあります。

間代発作とは、全身の筋肉の緊張が低下あるいは失われることによってフッと崩れるように倒れてしまう発作のことで、基本的に数十秒で治まりますが1分以上続くケースもあります。

強直間代発作を引き起こした直後は意識が朦朧(もうろう)としており、発作そのものよりも意識が朦朧とした状態での事故や怪我に注意する必要があります。
また、発作後には30分~1時間ほどの睡眠が訪れる、自然睡眠という症状が現れる場合があります。

脱力発作

脱力発作とは、全身の筋肉の緊張が低下あるいは失われることによって、崩れるように倒れてしまうタイプのてんかん発作です。
脱力発作は数秒以内で治まるため、発作だと気づかない場合も多いという特徴があります。

欠神発作

欠神発作とは、数十秒間ほど意識を失うタイプのてんかん発作です。
ただし、欠神発作によって意識が失われているあいだに、けいれんを引き起こしたり倒れたりすることはありません。

欠神発作は主に、就学前や学童期の幼児に現れやすいてんかん発作で、男児よりも女児に現れやすいという特徴があります。
実際に欠神発作が現れるときは突然に意識を失うため、会話の途中で話が途切れてしまうケースが多いです。

欠神発作が現れると動作が停止する、呼びかけに反応しない、瞼(まぶた)が1秒間に3回ほどの頻度でピクピクする、ぼんやりとした目つきになる、眼球が上転するといった症状が現れます。

こういった症状により周囲からは集中力がない、注意力がないと思われる場合が多く、てんかん発作だと気づかれないケースも少なくありません。

ミオクロニー発作

ミオクロニー発作とは、手足など体の一部分または全身の筋肉が一瞬だけピクッと収縮するタイプのてんかん発作です。

ミオクロニー発作は一瞬だけ現れる発作であるために、自覚しにくいてんかん発作ですが、数回連続して現れる場合もあるほか、発作による転倒や持っているものを投げ飛ばすほど強く現れる場合もあります。

さらに、ミオクロニー発作は光によって誘発されやすく、就寝時や起床時に引き起こしやすいという特徴もあります。

てんかんの検査・診断

てんかんの検査ははじめに問診を行ない、どういった発作が現れているか確認します。

また、確定診断を下すために脳波検査を行なうほか、体の状態やほかの病気と区別するために血液検査やCT検査、MRI検査、脳血流シンチグラフィ検査、PET検査などを行ないます。

問診

問診では、どういった発作がどんなときに現れるかを確認します。
発作が現れた状況を詳細に伝えることで診断の手助けとなりますが、診察中に発作が現れる確率は低いため、事前に家族や友人、同僚など自分の発作を目撃した人からその際の様子を詳しく聞いておくとよいでしょう。

また、これまでした病気や頭部外傷の有無、心疾患の有無、幼少期の熱性けいれんの有無なども確認するほか、発作を誘発するきっかけとなる疲労、睡眠不足、発熱、飲酒、月経、服用中の薬物の有無なども確認します。

脳波検査

脳波検査とは、脳の神経細胞が活動する際に発するごくわずかな電流を測定する検査です。
てんかんの検査においては最も重要であり、確定診断を下すために行ないます。

てんかんを発症している場合、脳の一部または大部分で過剰に電気信号を発するため、この脳波検査によって発症の有無を確認することができます。

実際に脳波検査を行なう際には、頭皮に数十個の電極を取り付け、安静時の脳波とさまざまな刺激を与えたときの脳波を測定します。

検査自体は30分~1時間ほどで終了しますが、睡眠時の脳波を測定するために睡眠薬を服用する場合や、長時間測定するために入院を要する場合もあります。

血液検査

血液検査は、てんかんと別の病気とを区別するために行ないます。
てんかんを発症した際に現れる症状のひとつにけいれんがありますが、けいれんは血液中のカルシウム濃度が低下する低カルシウム血症(ていかるしうむけっしょう)を発症した場合にも現れることから、血液検査によって血液中のカルシウム濃度を確認します。

また、乳幼児のてんかんは先天性代謝疾患が発症原因である場合があるため、血液検査によって代謝異常の有無を確認します。

CT検査

CT検査とは、放射性物質の一種であるX線を使い、体内を輪切り状に撮影することで、臓器や組織の様子を詳細に確認することができる画像検査の一種です。

てんかんの検査におけるCT検査は、てんかんの発症原因となる脳梗塞、脳卒中、脳腫瘍、脳出血、脳炎といった脳疾患の有無を確認するために行ないます。

MRI検査

MRI検査とは、磁力や電磁波を使って体内を輪切り状に撮影することで、臓器や組織の様子を詳細に確認することができる画像検査の一種です。

てんかんの検査におけるMRI検査は、てんかんの発症原因となる脳梗塞、脳卒中、脳腫瘍、脳出血、脳炎といった脳疾患の有無を確認するほかにも、脳内のどこで電気信号が過剰に発せられているかを確認することができます。

ただし、体内にペースメーカーなどの金属を埋め込んでいる方や閉所恐怖症(へいしょきょうふしょう)の方は、MRI検査を受けることができない場合があります。

脳血流シンチグラフィ検査

脳血流シンチグラフィ検査とは、SPECT検査とも呼ばれているものであり、体内に放射性物質を投与したあとに体内を撮影することで、血流の状態を確認することができる画像検査の一種です。

てんかんの検査における脳血流シンチグラフィ検査は、てんかんの発症原因となる脳疾患の有無を確認するために脳血管の状態を調べます。

PET検査

PET検査とは、ポジトロン断層撮影とも呼ばれているものであり、体内にFDGというブドウ糖に似た性質を持つ成分を投与し、専用のPETカメラで体内の様子を確認することで、FDGを多く取り込んでいる部位を特定することができる画像検査の一種です。

FDGはがん細胞に多く取り込まれるという特徴があるために腫瘍の有無をはじめ、脳内の酸素消費量や糖の代謝状況など脳がどの程度機能しているかどうかを確認することができます。

てんかんの検査におけるPET検査は、てんかんの発症原因となる脳腫瘍の有無や脳に異常が現れている部分を特定するために行ないます。

このほかにも、脳から発生する磁界を測定するための脳磁図(のうじず)検査や、脳や神経細胞の異常の有無を確認するための髄液検査などを行なうケースもあります。

てんかんの治療

てんかんの治療は基本的に、薬物療法を行ないます。
薬物療法ではカルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウム、スルチアム、ジアゼパム、クロバザム、クロナゼパム、フェノバルビタール、ゾニサミド、フェニトイン、エトスクシミド、ガバペンチン、トピラマート、レベチラセタム、ラモトリギンなどの抗てんかん薬を使用しますが、使用する薬物の種類はてんかん発作の症状や患者の年齢に合わせて選択します。

抗てんかん薬を数種類使用する薬物療法を2年以上続けても、てんかん発作の改善が1年以上見られない難治性てんかんの場合、外科療法として脳梁離断術(のうりょうりだんじゅつ)、焦点切除術、大脳半球離断術、側頭葉切除術、軟膜下皮質多切術(なんまくかひしつたせつじゅつ)、迷走神経刺激術などを行う場合があります。
さらにケトン食療法、修正アトキンス食療法といった食事療法を行なう場合もあります。

カルバマゼピン

カルバマゼピンとは、てんかんの薬物療法に使用されるイミノスチルベン系抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることで、てんかん発作を予防する作用に優れているほか、鎮静作用にも優れているため過剰な気分高揚を抑制することもできます。

主に小児や思春期の方、部分てんかんの方の治療に使用しますが、妊娠している方や授乳している方、免疫疾患や肝疾患、心疾患、重度の血液障害などを患っている方、突発性全般てんかんの方、過去にカルバマゼピンに対してアレルギー症状が現れたことがある方の治療には使用できません。

実際に使用する際は症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また、副作用として吐き気、倦怠感(けんたいかん)、皮膚のかゆみや発疹(ほっしん)、蕁麻疹(じんましん)などの症状が現れるほか、眠気や注意力低下といった症状が現れる場合もあるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

バルプロ酸ナトリウム

バルプロ酸ナトリウムとは、てんかんの薬物療法に使用される分枝脂肪酸系抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用や、抑制性神経伝達物質であるGABAの働きを向上させてセロトニンの代謝を抑制するため、てんかん発作に伴う性格行動障害も改善させる作用に優れています。

主に小児期や思春期、成人の全般てんかんの方、部分てんかんの方、ミオクロニー発作や強直間代発作が現れる方の治療に使用しますが、妊娠している方や授乳している方、低ナトリウム血症や肝疾患を患っている方、過去にバルプロ酸に対してアレルギー症状が現れたことがある方への使用は注意が必要です。

実際に使用する際は症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また副作用として食欲低下や吐き気、体重増加、うつ状態による気分障害などの症状が現れるほか、眠気や注意力低下といった症状も現れるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

スルチアム

スルチアムとは、てんかんの薬物療法に使用されるスルフォンアミド系抗てんかん薬の一種で、脳内で電気信号が過剰に発されることによる神経の興奮を抑制し、てんかん発作を予防する作用に優れています。

主に特発性部分てんかんを発症している方で、カルバマゼピンやバルプロ酸が使用できない方の治療に使用しますが、腎疾患を患っている方には使用できず、過去にスルチアムに対してアレルギー症状を引き起こした方や妊娠している方、授乳している方には注意が必要です。

実際に使用する際は症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

ただし、服用を急に中止すると強い発作を引き起こすリスクがあるほか、副作用として皮膚のかゆみや発疹、蕁麻疹などの症状が現れる場合があります。
さらにめまいや眠気などの副作用を引き起こす場合もあるため、服用中は車の運転などに注意が必要です。

ジアゼパム

ジアゼパムとは、てんかんの薬物療法に使用されるベンゾジアゼピン系抗てんかん薬の一種で、けいれんの症状を改善させる作用に優れています。

主にてんかん発作としてけいれんを引き起こしている方や、てんかん発作が30分以上続いている場合、てんかん発作が断続して意識消失となるてんかん重責状態の場合の治療に使用しますが、重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)や急性閉塞偶角緑内障(きゅうせいへいそくぐうかくりょくないしょう)を患っている方には使用できず、妊娠している方や授乳している方への使用には注意が必要です。

実際に使用する際には、症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、てんかん発作により行動障害や精神障害が現れた場合にはジアゼパムを静脈注射によって投与します。
また、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

さらに副作用として皮膚のかゆみや発疹、蕁麻疹を引き起こす場合があるほか、めまいや眠気を引き起こす場合もあるため服用中の車の運転には注意が必要です。

クロバザム

クロバザムとは、てんかんの薬物療法に使用されるベンゾジアゼピン系抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでけいれんを予防する作用に優れています。

主に部分てんかんや全般てんかんなどあらゆるタイプのてんかんの方で、ほかの薬物の効果が十分に得られない場合の治療に使用しますが、重症筋無力症や急性閉塞偶角緑内障を患っている方には使用できず、妊娠している方や授乳している方への使用には注意が必要です。

実際に使用する際は症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また、副作用として唾液の分泌量が増える唾液増加という症状が現れる場合があるほか、眠気やめまいの症状が現れる場合もあるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

クロナゼパム

クロナゼパムとは、てんかんの薬物療法に使用されるベンゾジアゼピン系抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用に優れています。

主に症候性全般てんかんの方やミオクロニー発作が現れる方の治療に使用しますが、重症筋無力症や急性閉塞偶角緑内障を患っている方には使用できず、心疾患や呼吸器疾患、肝疾患、腎疾患、脳疾患を患っている方や妊娠している方、授乳している方への使用には注意が必要です。

また、副作用として幻聴や幻覚、妄想、錯乱状態などの症状が組み合わさって急に発症する急性精神病症状やうつ症状、皮膚のかゆみや発疹、蕁麻疹、喘鳴(ぜんめい)、眠気といった症状が出現する場合があります。

フェノバルビタール

フェノバルビタールとは、てんかんの薬物療法に使用されるバルビツール酸系抗てんかん薬の一種で、脳全体の神経を鎮める作用に優れているほか、けいれんを抑制する作用にも優れています。

主に強直間代発作が現れる方やてんかん重積状態を引き起こしている方の治療に使用しますが、バルビツール酸系過敏症や急性間欠性ポルフィリン症を患っている方には使用できず、腎疾患や肝疾患、心疾患、呼吸器疾患、重度の神経症、甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)を患っている方や薬物依存傾向がある方、妊娠している方や授乳している方への使用には注意が必要です。

実際に使用する際は症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また、副作用として皮膚のかゆみや発疹、蕁麻疹、認知機能の低下、うつ状態、精神機能の低下などを引き起こす場合があるほか、めまいや眠気を引き起こす場合もあるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

ゾニサミド

ゾニサミドとは、てんかんの薬物療法に使用されるベンズイソキサゾール系抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用に優れています。

主に部分てんかんや症候性全般てんかんの方の治療に使用しますが、妊娠している方や授乳している方、過去にゾニサミドに対してアレルギー症状が現れたことがある方への使用には注意が必要です。

実際に使用する際には、症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また、副作用として幻聴や幻覚、妄想、錯乱状態などの症状が組み合わさって急に発症する急性精神病症状や、汗が出にくい、体温上昇、倦怠感といった症状が現れる場合があるほか、眠気や注意力低下などの症状も現れる場合があるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

フェニトイン

フェニトインとは、てんかんの薬物療法に使用されるヒダントイン系抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用に優れています。

主に部分てんかん、全般てんかん、てんかん重積状態の方の治療に使用しますが、妊娠している方や授乳している方、糖尿病や肝疾患、腎疾患、心疾患、血液障害、肺障害、神経症を患っている方、過去にフェニトインに対してアレルギー症状が現れたことがある方への使用は注意が必要です。

また、副作用として幻聴や幻覚、妄想、錯乱状態などの症状が組み合わさって急に発症する急性精神病症状や、物が二重に見える複視、手足の震えといった症状を引き起こすほか、眠気や注意力低下も引き起こす場合もあるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

エトスクシミド

エトスクシミドとは、てんかんの薬物療法に使用されるサクシミド系抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用に優れています。

主にミオクロニー発作や欠神発作が現れている方の治療に使用しますが、重度の血液障害を引き起こしている方には使用できず、腎疾患や肝疾患を患っている方、妊娠している方や授乳している方、過去にエトスクシミドに対してアレルギー症状が現れたことがある方への使用には注意が必要です。

実際に使用する際には、症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また、副作用として幻聴や幻覚、妄想、錯乱状態などの症状が組み合わさって急に発症する急性精神病症状やうつ症状、皮膚のかゆみや発疹、蕁麻疹、食欲低下や吐き気、紫外線を浴びた部分が赤くなり、ひどい場合には水ぶくれもできる光線過敏症(こうせんかびんしょう)を引き起こす場合があります。

ガバペンチン

ガバペンチンとは、てんかんの薬物療法に使用される新世代抗てんかん薬の一種で、カルシウムの流入を抑えることで神経の興奮性伝達物質の作用を鎮めることができるほか、抑制性神経伝達物質であるGABAの量を増やして作用を強めることができ、この2つの働きによって抗けいれん作用を発揮することができます。

主に特発性部分てんかんや高齢者部分てんかんを発症している方で、カルバマゼピンやバルプロ酸が使用できない方の治療に使用しますが、腎疾患を患っている方、過去にスルチアムに対してアレルギー症状を引き起こした方、妊娠している方、授乳している方には注意が必要です。

実際に使用する際には、症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

ただし、服用を急に中止すると強い発作を引き起こすリスクがあるほか、副作用として頭痛や物が二重に見える複視などの症状が現れる場合があります。
さらに眠気を引き起こす場合もあるため、服用中は車の運転などに注意が必要です。

トピラマート

トピラマートとは、てんかんの薬物療法に使用される新世代抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用に優れています。

主に部分てんかんの方や強直間代発作が現れる方の治療に使用しますが、腎疾患や肝疾患、緑内障、うつ病を患っている方、妊娠している方や授乳している方、結石(けっせき)ができやすい体質の方、過去にトピラマートに対してアレルギー症状が現れたことがある方への使用には注意が必要です。

実際に使用する際には、症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また、副作用として幻聴や幻覚、妄想、錯乱状態などの症状が組み合わさって急に発症する急性精神病症状や、汗が出にくい、体温上昇、体重減少といった症状が現れる場合があるほか、めまいや傾眠、注意力低下などの症状も現れる場合があるため服用中の車の運転には注意が必要です。

レベチラセタム

レベチラセタムとは、てんかんの薬物療法に使用される新世代抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用に優れています。

主に部分てんかんの方や、ミオクロニー発作や強直間代発作が現れる方の治療に使用しますが、ピロリドン誘導体過敏症を患っている方には使用できず、腎疾患や重度の肝疾患を患っている方、妊娠している方や授乳している方、過去にレベチラセタムに対してアレルギー症状が現れたことがある方への使用には注意が必要です。

実際に使用する際には、症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また、副作用として頭痛、鼻水や鼻詰まりの症状が現れる鼻咽頭炎(びいんとうえん)などを引き起こす場合があるほか、意識がぼんやりして眠くなる傾眠や、注意力低下を引き起こす場合もあるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

ラモトリギン

ラモトリギンとは、てんかんの薬物療法に使用される新世代抗てんかん薬の一種で、脳の神経を鎮めることでてんかん発作を予防する作用に優れています。

主に部分てんかんの方、欠神発作や強直発作が現れる方の治療に使用しますが、妊娠している方や授乳している方、腎疾患や肝疾患、統合失調症(とうごうしっちょうしょう)などを患っている方、脳に器質的障害がある方、自殺念慮がある方、過去にラモトリギに対してアレルギー症状が現れたことがある方への使用は注意が必要です。

実際に使用する際には、症状が治まるまで長期にわたり服用しますが、成人患者で発作が5年以上現れていない場合には、医師の判断により3~6ヶ月ほどかけて徐々に服用量を減らしていきます。

また副作用として皮膚のかゆみや発疹、蕁麻疹、頭痛、食欲不振や吐き気、嘔吐、腹痛、胃の不快感といった消化器障害を引き起こす場合があるほか、注意力低下や眠気を引き起こす場合もあるため、服用中の車の運転には注意が必要です。

脳梁離断術

脳梁離断術とは、左右の大脳を繋ぐ脳梁を手術によって離断する外科療法の一種です。
大脳の片側に大きな病変がある場合、その病変が原因となって引き起こされる発作が反対側へと伝わり、反対側でも発作を引き起こす場合があります。
そこで左右の大脳を繋ぐ脳梁を切り離すことで、片側で引き起こされた発作がもう片側へと伝わることを防ぎ、てんかん発作を抑えることができます。

脳梁離断術は主に、転倒発作が現れている難治性てんかんの方に対して行なう外科療法で、特発性てんかんの方をはじめ、神経変性や先天性代謝異常を伴う難治性てんかんの方、転倒発作を伴う難治性てんかんの方でも、全身麻酔をほどこせない方には行なうことができません。

実際に脳梁離断術を行なうためには、術前検査のために1~2ヶ月ほどの入院が必要であり、神経心理検査や脳の画像検査、脳波検査などを行ないます。
また、手術の副作用としては、手術時の出血や術後の傷口の痛みなどを引き起こす場合があります。

焦点切除術

焦点切除術とは、検査によって脳内でてんかんの発作がはじまる焦点を特定できた場合に、焦点を含む脳の一部を切除する外科療法の一種です。

主に難治性てんかんのうち、焦点が特定されている方に対して行なわれる治療法で、特発性てんかんの方をはじめ、焦点が運動野や言語野にある方、神経変性や先天性代謝異常を伴う難治性てんかんの方、全身麻酔をほどこせない方に対しては行なうことができません。

実際に焦点切除術を行なう際には、超音波メスを使って焦点を含む脳組織を切除しますが、約70%の方に発作の改善効果があるというデータがあります。

ただし、焦点切除術を行なうためには、事前の検査入院に1~2ヶ月ほど必要なほか、手術の副作用として手術時の出血や術後の傷口の痛みなどを引き起こす場合があります。

大脳半球離断術

大脳半球離断術とは、大脳半球切除術や機能的半球切除術とも呼ばれているものであり、病変が発生している片側の大脳皮質を切除する外科療法の一種です。

主に遅くとも8歳以下の乳幼児期に大脳形成異常を伴う難治性てんかんを発症した方に対して行なう治療法で、神経変性や先天性代謝異常を伴う難治性てんかんの方、特発性てんかんの方、全身麻酔をほどこせない方に対しては行なうことができません。

実際に手術を行なうためには、事前の検査入院に1~2ヶ月ほど必要なほか、手術の副作用として手術時の出血や術後の傷口の痛みなどを引き起こす場合があります。

側頭葉切除術

側頭葉切除術とは、海馬切除術や脳葉切除術とも呼ばれる焦点切除術の一種で、偏桃体や海馬の萎縮や硬化が発症原因となっている場合に病変部分を切除することで、てんかん発作を抑える治療法です。

主に難治性てんかんの方のうち、偏桃体や海馬の萎縮や硬化が見られる方に対して行なう治療法ですが、特発性てんかんの方をはじめ、神経変性や先天性代謝異常を伴う難治性てんかんの方、全身麻酔をほどこせない方に対しては行なうことができません。

実際に手術を行なうためには、事前の検査入院に1~2ヶ月ほど必要なほか、手術の副作用として手術時の出血や術後の傷口の痛みなどを引き起こす場合があります。

軟膜下皮質多切術

軟膜下皮質多切術とは、大脳の表面に薄く張り付いている軟膜をのみを切除することで、てんかん発作を抑える外科療法の一種です。

主に難治性てんかんの方のうち、発作のはじまりとなる焦点が言語野や運動野にある方、焦点が前頭葉などの広範囲に見られる方に対して行なう治療法で、特発性てんかんの方をはじめ、神経変性や先天性代謝異常を伴う難治性てんかんの方に対しては行なうことができません。

実際に手術を行なうためには、事前の検査入院に1~2ヶ月ほど必要となり、神経心理検査や脳波検査、画像検査を行ないます。

迷走神経刺激術

迷走神経刺激術とは、左頸部に存在してんかん発作を抑制する働きを持つ迷走神経に電極を取り付け、間欠的に電気刺激を送ることでてんかん発作を抑えることができる外科療法の一種です。

迷走神経刺激術は難治性てんかんの補助的治療として行なわれる場合が多く、主に難治性てんかんの方で、ほかの外科療法の効果が得られなかった方や開頭手術を行なえない方に対して選択されます。

実際に迷走神経刺激術を行なう際には、全身麻酔をほどこしたうえで胸部に4cmほどの刺激装置を埋め込み、そのあとで左頸部の迷走神経に電極を取り付けます。
手術時間は約1~1.5時間で終了し、術後は1~2週間ほどの入院が必要となります。

迷走神経刺激術は、てんかんの種類や患者の年齢を問わず行なうことができる外科療法で、術後は約25~30%の方にてんかん発作の改善効果が見られます。

ただし、胸に埋め込んだ刺激装置のバッテリーが3~5年ほどで切れるため、そのたびに再手術を受けて交換する必要があります。
また、副作用として電気刺激による喉の違和感や咳(せき)、感染症を引き起こす場合があります。

ケトン食療法

ケトン食療法とは、糖質である炭水化物の摂取量を制限すると同時に脂質量の摂取を増やし、脂肪中心の食事を摂取することで抗てんかん作用を持つケトン体を体内で生成させる食事療法の一種です。

主に難治性てんかんの方や外科療法が行なえない方、乳幼児の患者に対して行なう治療法で、約50%の方に治療効果が現れるというデータがあります。

実際にケトン食療法を行なう際は、1日あたりに摂取する炭水化物の量を10~30gに制限すると同時に、ケトン比といわれる脂肪:炭水化物+タンパク質の比率が3:1~4:1となるように食事内容を管理します。

ケトン食療法は2年~数年間続けますが、効果が現れるまでの期間には個人差があり、また副作用として体重減少や低血糖による脱力感、動悸(どうき)、寒気、震え、冷や汗、昏睡といった症状を引き起こす場合があります。

修正アトキンス食療法

修正アトキンス食療法とは、ケトン食療法と同じく炭水化物の摂取量を制限するとともに脂肪中心の食事を摂取しますが、水分やタンパク質、摂取カロリーの制限を行なわない食事療法の一種です。

主に難治性てんかんの方や外科療法が行なえない方、乳幼児の患者に対して行なう治療法で、約50%の方に治療効果が現れるというデータがあります。

修正アトキンス食療法は、肥満治療のために開発されたアトキンス食療法をてんかん治療用に修正したもので、摂取カロリーを制限しないためケトン食療法と比べて成人でも行ないやすいというメリットがあります。

実際に修正アトキンス食療法を行なう際は、1日あたりに摂取する炭水化物の量を10~30gに制限すると同時に、脂肪:タンパク質:炭水化物の比率が6:3:1となるように食事内容を管理します。

修正アトキンス食療法は2年~数年間続けますが、効果が現れるまでの期間には個人差があり、また副作用として体重減少や低血糖による脱力感、動悸、寒気、震え、冷や汗、昏睡といった症状を引き起こす場合があります。

てんかんは適切な治療をほどこせば、約70~80%の方はてんかん発作を制御できるようになり、健康な方と変わらない社会生活を送ることができます。
とくに15歳以下の小児期に発症した方の場合、適切な治療をほどこすことで完治させることもできます。

ただし、てんかん発作を繰り返すと脳にダメージを与えるため、早期の段階で治療をはじめることが重要です。
そのためにも、少しでも異変を感じた場合にはできるだけ早く医療機関で受診し、早期発見・早期治療に努めましょう。

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