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乳児ビタミンK欠乏性出血症を詳しく:原因・症状・検査・治療など

公開日: : 最終更新日:2018/12/05 子供の病気

乳児ビタミンK欠乏性出血症とは

乳児ビタミンK欠乏性出血症(にゅうじびたみんけーけつぼうせいしゅっけつしょう)とは、生後間もない赤ちゃんのビタミンKが足りない状態で、出血を起こしやすくなる病気のことです。

ビタミンKは止血をするために必要なビタミンで、欠乏すると血液をかためることができなくなってしまうために、出血を起こしやすくなります。

出血や胃腸、皮下で起こりやすくなり、重症では頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)を起こしてしまいます。

乳児ビタミンK欠乏性出血性を起こすと、後遺症が残ってしまうことや、最悪の場合には命を落とすことにもなりかねません。

乳児ビタミンK欠乏性出血症の原因

乳児ビタミンK欠乏性出血症は、生後間もない赤ちゃんのビタミンKが不足した状態で、出血を起こしやすくなる病気です。

血液をかためて止血する凝固因子を合成する役割をビタミンKは担っており、欠乏した状態では凝固因子を作り出すことができず、出血を起こしやすくなってしまいます。

生まれて半年ごろまでの赤ちゃんには凝固因子が乏しく、それに加えて母乳に含まれているビタミンKが多くないため、母乳栄養児に乳児ビタミン欠乏性出血症が起こるリスクが高いです。

ただ、いまでは出生時、生後1週以内、1ヶ月健診時のトータル3回、ビタミンKを内服する予防方法があるために、母乳栄養児に起こることはたいへん少なくなっています。

ほかには、先天性胆道閉鎖症(せんてんせいたんどうへいさしょう)などの病気、抗生剤を長期間にわたって使っていることなどが、乳児ビタミンK欠乏性出血症のリスクを高めることになってしまいます。

乳児ビタミンK欠乏性出血症の症状

乳児ビタミンK欠乏性出血症は、生まれて半月~2ヶ月のあいだで招きやすい病気です。
皮膚に青いアザが出る、便に血液が混じる、吐血する症状が出たり、頭蓋内出血を起こしたりします。

頭蓋内出血を起こした場合には、機嫌が悪くなる、嘔吐(おうと)する、顔色が青白くなる、意識を失う、痙攣(けいれん)を起こすといった症状が出現します。

乳児ビタミンK欠乏性出血症の検査

乳児ビタミンK欠乏性出血症は、発症すると後遺症が残ったり、命を落としたりといった結果を招くこともある危険な病気です。

気になる異常がある場合には放置することなく、できるだけ早く医療機関で受診、相談しましょう。

病院へ行った場合、どのような方法で乳児ビタミンK欠乏性出血症を調べるのかについてですが、画像検査と血液検査が行なわれています。

画像検査としては頭部CT検査が行なわれており、この検査によって頭蓋内出血を起こしているかどうかを把握することが可能です。

血液検査としては、トロンボテスト(TT)やヘパプラスチンテスト(HPT)が行なわれています。
この検査では、血液凝固因子の働きを調べることが可能です。

ほかには、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の検査も行なわれています。

プロトロンビン時間(PT)は、出血が起こって肝臓で血液凝固因子であるプロトロンビンが作り出されるまでにかかる時間を調べる方法です。

活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は、血液がかたまるまでの時間を把握することが可能な検査です。

PIVKA-Ⅱの測定も、乳児ビタミンK欠乏性出血症が起こっているのかどうかを調べるために行なわれている検査です。
PIVKA-Ⅱは異常な血液凝固因子であり、正常な状態であれば血液中に存在していません。

ビタミンKの欠乏状態になっている場合や、肝障害(かんしょうがい)、肝細胞癌(かんさいぼうがん)といった病気にかかっている状態で血液中に出てくるものです。

乳児ビタミンK欠乏性出血症の治療

乳児ビタミンK欠乏性出血症を起こしている赤ちゃんに対しては、止血をする目的でビタミンKの内服をするか、凝固因子を補う目的で新鮮凍結血漿(しんせんとうけつけっしょう)の点滴をします。

頭蓋内出血を起こしている赤ちゃんに対しては、出血が多く脳が圧迫を受けている状態では、手術を行なうことによって血液のかたまりを取り除く方法が選択されます。

多量の出血でショック状態になっているこどもに対しては血液を注入して補充するほか、呼吸などの全身管理をします。

乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防

乳児ビタミンK欠乏性出血症を発症すると、後遺症が残ることや、命を落としてしまうこともあります。

たいへん危険な病気であるため、ビタミンKの予防内服が重要です。
国内では、赤ちゃんにトータルで3回、ビタミンKを内服させる施設が多くを占めています。

3回のタイミングですが、出生時、生まれた医療機関の退院時または生後1週、1ヶ月健診時です。
また、出生時と生後3ヶ月まで1週間に1回という頻度での内服も、一部の施設で行なわれています。

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