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おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

公開日: : 最終更新日:2017/09/05 子供の病気

おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)とは

おむつ皮膚炎(ひふえん)とは、おむつと接触しているところに引き起こされる非アレルギー性接触皮膚炎のことです。
おむつ皮膚炎は医学的に使用されている名称であり、おむつかぶれというのは一般的に使用されている名称です。

赤ちゃんが招くトラブルとしてはありふれたものであり、おむつを卒業するまでに一度も経験しないという赤ちゃんのほうが少ないです。
逆にいうと、おむつが外れることによって、おむつ皮膚炎を発症することはなくなります。

主な症状は発疹(皮膚が赤くなる、ブツブツが出る、ジクジクする、皮むけするなど)であり、おしっこ、うんち、汗によってムレて、皮膚のバリア機能が損なわれてしまうことによって引き起こされます。

とくにゆるい便が1日に何回も出ていたり、ロタウイルスなどで激しい下痢を起こしたりしているとき、お出かけや夜など、長時間にわたりおむつ交換を行なえないと皮膚炎を起こしやすいです。

少し皮膚が赤いぐらいで皮膚炎が軽いケースではこれといった症状はなく、清潔に維持していることでよくなることも多いのですが、ひどくなるとかゆみや痛みの症状が出現し、回復するまでの期間も長くなってしまいます。

なお、感染症ではないため、ほかの人にうつしてしまう心配は基本的にありません。
そのほか、おむつを使用している赤ちゃんだけでなく、高齢者などの大人にも起こり得るトラブルです。

おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)の原因

おしっこ・うんち

尿には腎臓でろ過された体のなかにある老廃物など、皮膚に刺激を加える成分が入っています。
排泄後の時間経過とともに分解が進行し、よりいっそう肌はダメージを受けてしまいます。

便も大腸菌をはじめとする腸内細菌や、酵素をはじめとする刺激物が多いです。
とくに下痢便は強い刺激が加わり、皮膚炎を招きやすくなります。

汗・おむつによるムレ

発汗はおしりにもありますし、排泄をしなくてもおしりのなかは湿気が充満しやすくなっています。
ムレてしまうと皮膚のバリア機能が損なわれてしまい、刺激に対して弱くなってしまいます。

前述した排泄物による刺激も受けやすくなるため、おむつ皮膚炎を引き起こしやすくなるのです。

おむつ自体で加わる皮膚刺激

赤ちゃんの皮膚というのは厚みがなく、繊細です。
強くこするようなことをしていなくても、肉眼で確認できないような細かい傷を負い、その傷から炎症が生じてしまいます。

おむつの凹凸やおむつに採用されている素材が赤ちゃんのおむつに覆われている部分の皮膚を刺激してしまい、おむつ皮膚炎を起こしてしまうのも原因の一つです。

また、サイズが合っていないきついおむつを使用していると、それが皮膚を摩擦してしまっておむつ皮膚炎を招くリスクがあります。

真菌

ムレたおむつのなかは、カビの一種である真菌が繁殖しやすい環境です。
おむつ皮膚炎が長引くようなケースでは、真菌に感染してしまっている疑いがあります。

カビ菌の仲間であり、真菌の一種であるカンジダ菌に感染している場合、病気の名称はおむつ皮膚炎ではなく乳児寄生菌性紅斑(にゅうじきせいきんせいこうはん)であり、別の病気であるため治療方法も異なります。

おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)の症状

引き起こされる症状

おむつが接触したところだけに症状が出現するのが、おむつ皮膚炎の特徴です。
おむつが接触しているところ以外のところに症状が認められる場合は、ほかの病気の疑いがあります。

おむつが接触した箇所の変化ですが、紅斑(こうはん)をあげることができます。
この症状は一般にいうところの赤みであり、範囲はおしり全体におよぶようなこともあり、ただ単に赤くなるだけでなく、はれ上がってしまうようなケースもあります。
なお、赤みの症状は、おしりの穴や外陰部の周囲ではじまることが多いといわれています。

また、丘疹(きゅうしん)という小さなブツブツが発生したり、小さい水疱(すいほう)という水ぶくれが発生したりするほか、糜爛(びらん)といって、皮がむけたような状態になることもあります。

患部を触ると痛がり、おむつの交換を嫌がることがあるほか、おむつを取るとかゆみがあっておしりに手を持っていく動作をすることがあります。

おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)の検査・診断

何科に行けばいいの?

おむつ皮膚炎の症状としてあてはまるようなものが赤ちゃんに起こっている場合、何科の病院に連れて行ってあげるとよいのでしょうか。
この点が疑問になっている人もいるでしょうが、まず小児科に行けば間違いありません。
小児科以外では、皮膚科でも診療を行なってくれます。

どうやって調べるの?

赤ちゃんの体を見て、症状がおむつと接触しているところに限定して出現していること、発疹の性状などによっておむつ皮膚炎であることを見極める形になります。
また、おむつ交換を長時間していなかった、赤ちゃんが胃腸炎を起こしていて下痢の症状が何度も起こっていたといった情報もよい判断材料になります。
赤ちゃんの体に多大な負担がかかるような検査をして診断を下すようなことはありません。

なにか検査をするようなことがあるとすれば、真菌感染の可能性があるケースです。
患部の皮を少しだけ採取し、その皮を水酸化カリウム溶液に浸して溶かし、顕微鏡で様子をみます。

どういう場合に病院に連れて行けばいいの?

普段に比べておむつ交換のときなどに若干、皮膚が赤くなっていると気づいた場合には、清潔にして状態がよくなるかどうか様子をみてみましょう。

それで回復せずに炎症が拡大している、拭くことで痛がったり泣いたりする場合には、病院へ連れて行ってあげましょう。
病院の薬と家庭でのケアを組み合わせたほうが早期の回復が見込めます。

また、家庭でのケアに問題がある場合には、そのことが受診によってわかることもあります。

おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)の治療


非ステロイド系の軟膏である、肌を保護して炎症を緩和するアズノール軟膏、ジュクジュクした湿疹を乾燥させて肌を保護する亜鉛華(あえんか)軟膏がおむつ皮膚炎の治療で使用されています。

非ステロイド薬で回復しにくい場合には、強力な抗炎症作用のあるステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン)が選択されるケースもあります。
そのほか、真菌感染を招いている赤ちゃんに対しては、抗真菌外用薬が使用されています。

薬というと、副作用に不安を感じる人もいることでしょう。
リスクは0ではありませんが、たとえばアズノール軟膏や亜鉛華軟膏ではかぶれの副作用が起こることがあります。
ただ、このような症状が起こるのはまれです。

また、ステロイド外用薬にも副作用のリスクはあり、皮膚が薄くなる、毛細血管が拡張する、免疫を抑制する症状が起こり得ます。
皮膚の厚みが失われて血管が際立つ赤い肌になり、免疫が抑えられると細菌感染やウイルス感染を招くリスクが上昇します。

ただ、こうした副作用が起こるのは強すぎるステロイド外用薬を同一箇所に、長期間にわたり使用した場合です。
おむつ皮膚炎では不必要にステロイド外用薬が使用されることはなく、弱めのものが選択されています。

薬以外の家庭でのケア

かぶれが起こっている場合には、普段以上にやさしくていねいなケアをすることが早い回復を促します。
炎症が生じている箇所をこするようなことをしてはいけません。

たっぷりのぬるま湯をしみこませたコットンなどを使用し、洗い流すようにして汚れのみをやさしく除去しましょう。
また、入浴時にはいつもと比べてぬるめのお湯を使用し、赤ちゃんがしみて痛みを感じることがないようにします。

おしりを洗うたびに石けんを使う必要はなく、入浴時の1日1回だけにしておきます。
なお、石けんを使用して洗うと赤ちゃんが痛みを感じて泣いてしまう場合があります。

このような場合には無理に石けんを使うことはせず、ぬるま湯で流すだけにしておきます。

毎日通院する必要はある?回復するまでの日数は?

おむつ皮膚炎の治療のため、毎日病院に行く必要はありません。
よくなるまでにかかる期間は程度によって多少の差はあるものの、症状が重く長くかかる赤ちゃんでは7~10日間ほどを要することになるケースもあります。

症状が軽く早くよくなる赤ちゃんの場合には、2~3日で快方へと向かい、4~5日でほぼ回復した状態になります。
なお、カンジダ菌の感染による乳児寄生菌性紅斑は多くの場合、抗真菌外用薬の使用により、7~14日間で回復するでしょう。

薬と薬以外の家庭でのケアで改善しない場合は?

下痢の症状は消失したにもかかわらず、処方薬でおむつ皮膚炎の症状だけがひどくなるような場合には、使用している外用剤が赤ちゃんに合っていない可能性があります。
また、真菌感染による乳児寄生菌性紅斑の疑いもあるため、再び医療機関へ行って相談してみることをおすすめします。

おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)の予防

日常生活で気をつけること

おしりを清潔な状態に維持するため、こまめにおむつを交換し、交換時にはおしりをきれいに拭いてあげるだけでなく、なるべくぬるま湯で洗い流してあげましょう。
また、おむつのなかがムレてしまわないように、おしりを十分に乾燥させたうえでおむつをあてましょう。

使用するおむつは布ではなく吸水性に優れている紙製のものがよく、通気性のいい材質が使われているものを選択しましょう。
そのほか、サイズの合わないきついおむつを使用していると、皮膚の摩擦による炎症が生じてしまいます。

サイズが合っているか合っていないか簡単に見極める方法があり、テープのとめ位置を一番外側にした際にお腹まわりの隙間がなく、指が1本も入っていかない場合、おむつを取ったときに腰や太ももに跡ができている場合は、サイズが合わずきつくなっています。

該当する場合には放置することなく、いまのおむつよりワンサイズ上のものに変更しましょう。
なお、清潔にしたいという思いで、過度に触ったり拭いたりしてはいけません。
状態が改善するどころか、反対に赤ちゃんの皮膚に刺激を加えてしまうことになるためです。

自己判断での薬の使用は危険!

おむつ皮膚炎と自己判断して、実は乳児寄生菌性紅斑だったという場合、ステロイド外用薬を使用してしまうと大変です。
なかなか回復しないということで長く使用していると、皮膚の免疫力が抑制されてかえって真菌の増殖を招いて、症状を悪化させてしまうことになりかねません。

おむつ皮膚炎と乳児寄生菌性紅斑は一般の人が見分けることは困難なため、家庭での予防を行なっていても症状が出現した場合には、一度医療機関へ行って適切な診療を受けることが大切といえるでしょう。

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