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子宮筋腫の原因・症状・治療法や月経や妊娠との関係は?

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 女性に多い病気 , , , , , ,

子宮筋腫の原因

子宮とは

子宮とは、袋状の筋肉でできた生殖器のこと。赤ちゃんを宿し、出産まで育てるために必要となる女性特有の臓器であり、通常は鶏の卵ほどの大きさですが、妊娠中は胎児の体に合わせて拡張します。
場所は膣の奥、下腹部にある膀胱と直腸の間に位置し、周りは骨盤に囲まれています。
左右には卵子を作り出す卵巣があり、2本の卵管でつながっています。子宮は卵管につながる子宮体部と、膣につながる子宮頚部に大きく分けることができ、その壁は2つの粘膜と筋肉の三層構造になっています。

子宮の外側は子宮外膜、内側は子宮内膜という粘膜に覆われ、その間にあるのが平滑筋という伸縮性のある厚い筋肉。
外膜のさらに外側は、体液の一つである漿液を分泌する細胞で構成された漿膜という薄い膜に覆われています。
内膜をさらに分けると、平滑筋に面した子宮内膜基底層と子宮腔に面した子宮内膜機能層があります。
ここは女性ホルモンの影響を強く受ける部分であり、膣内に入った精子が卵子と結びついてできた受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠成立。
妊娠していない場合、機能層は毎月一定の周期で厚くなり、それが剥がれ落ちて膣から排出される現象が月経(生理)と呼ばれるものです。

平滑筋はさらに三層構造になっており、その層を子宮筋層と言います。
子宮壁のほとんどを占める子宮筋層は、部位によって硬さが異なり、女性ホルモンによって周期的に厚みも変化します。
また、伸び縮みすることで血圧を調節する血管の筋肉や食べ物を押し出して消化させる胃腸の筋肉と同様に妊娠中は胎児の成長と共に大きく伸び、出産予定日になると縮んでいきます。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫とは、子宮筋層にできる良性腫瘍のこと。
子宮の壁は三層になった筋肉と、その内外を覆う粘膜から構成されており、子宮壁の筋肉を平滑筋、その層を子宮筋層と言い、平滑筋の中にコブやシコリのような塊ができることを子宮筋腫と言います。ちなみに、悪性腫瘍の場合は子宮肉腫と言います。
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、子宮肉腫に比べれば他の臓器への転移や生命に関わる心配はありませんが、初めは小さな腫瘍でも徐々に成長して様々な症状を引き起こすようになり、ごくまれに悪性化することもあります。

子宮筋腫が見つかるのは主に月経のある成人女性。特に30代後半から40代前半の女性に多く見られます。
一般的に成人女性の10人に2~4人は子宮筋腫ができている可能性があるとされており、ごく小さな腫瘍を含めれば、ほとんどの人に当てはまるのではないかとも言われるほど女性にとって非常に身近な病気で、婦人科で最も頻度の高いものです。
また、近年では若年化し、30歳以下の女性にも見られるようになりました。
これは体格の向上による性成熟の低年齢化、つまり、初経を迎える年齢が昔に比べて早まっていることが原因と考えられています。

一方、初経前や閉経後の女性に子宮筋腫は見られません。これは子宮筋腫がエストロゲン依存性疾患だからです。エストロゲンとは、一般的に女性ホルモンや卵胞ホルモンと呼ばれるもの。
筋腫が発生するのは卵巣からエストロゲンが分泌される時期、つまり、月経が来ているときだけで、腫瘍ができている場合でも閉経を迎えると次第に小さくなっていきます。

原因

子宮筋層に腫瘍ができる根本原因については未だ明らかになっていませんが、卵巣からエストロゲンが分泌される月経期に発生することやエストロゲンの分泌量が増える妊娠中は腫瘍が増大・増殖しやすいことなどから女性ホルモンが関係しているのは間違いないようです。
しかしながら、エストロゲンを大量に投与する実験では腫瘍が作られなかったため、女性ホルモンが直接的な原因ではなく、複数の要素が組み合わさって子宮筋腫ができると考えられています。
現在、有力とされる子宮筋腫の主な原因は以下の2つです。

遺伝

子宮の筋肉は母親のお腹の中にいる胎児期から作られ始め、その過程で腫瘍の元となる子宮筋腫の細胞の芽も作られるとされています。
それが性成熟期(月経がくる時期)に女性ホルモンの影響を受けて大きく成長するため身内に子宮筋腫の人がいた場合、発症する可能性が高いと考えられています。ただし、子宮筋腫は遺伝性の病気ではありません。
家族が子宮筋腫だからといって自分も必ず発症するとは限りませんし、一説には、遺伝ではなく同じ生活環境にいるからではないかとも言われています。

生活習慣

不規則な生活が習慣化すると免疫力が低下し、様々な病気を引き起こします。さらに、食生活の乱れやストレスによってホルモンバランスが崩れるとエストロゲンの分泌量を増加させることになります。
ここに遺伝的要因が組み合わされば、子宮筋腫を発症する可能性は高まります。
また、牛や豚の餌には化学合成されたエストロゲンが含まれているため、動物性食品の過剰摂取も原因の一つになると考えられています。

症状

子宮筋腫を発症した人の半数以上は自覚症状がないため、婦人科の別の検査や検診で偶然発見されるケースが多いようです。自覚症状がある場合は月経の変化が最も多く、特に過多月経は子宮筋腫の主な症状として挙げられます。
過多月経とは、経血の量が通常よりも多い状態のこと。

出血量が増えると同時に、経血にレバーのような塊が混じったり、ひどい生理痛を伴う月経困難症や、月経期間が長引く過長月経、月経期ではない時期に膣から出血する不正出血を引き起こす場合もあります。
その他にも、大きく成長した子宮筋腫が腸や膀胱を圧迫することによって便秘や頻尿になりやすく、筋腫が骨盤の神経や血管を圧迫している場合は腰痛、腎臓を圧迫している場合は排尿障害を引き起こすことがあります。

筋腫の成長と共に子宮も大きくなって形が歪むと受精しにくい状態になるため、不妊症の原因に。
妊娠中に大きくなった筋腫は胎児を圧迫し、早産や流産の可能性も高くなります。また、子宮筋腫が巨大化すると筋腫分娩に陥ることもあります。これは、大きくなりすぎた筋腫の重みに子宮が耐えられず、筋腫が子宮頚管から膣へ垂れ下がってしまう症状のこと。

筋腫分娩に発展すると、過多月経のとき以上に出血量が増加します。
過多月経などはストレスによるホルモンバランスの乱れでも起こることなのでそれだけで子宮筋腫と断定することはできませんが、薬を飲んでも便秘が治らなかったり、若いうちから頻尿に悩まされている人、通常の月経や不正出血による出血量が異常なまでに多い人は子宮筋腫を疑った方が良いかもしれません。

貧血になりやすい

子宮筋腫に伴う症状で最も多く見られるのが月経の変化。その中でも特に頻発する過多月経は、通常よりも経血量が増加するため必要以上に血液が排出され、貧血を起こしやすくなります。
実際に、貧血症状に悩まされたことがきっかけで病院を訪れ、子宮筋腫が見つかったケースは少なくありません。

しかし、貧血は女性にとって決して珍しいことではないためか軽視されやすく、症状が出ているにもかかわらず無自覚な人も多いようです。貧血の主な症状は、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、頭痛、食欲不振、むくみ、体がだるい、疲れやすい、顔色が悪いなど。

これらは比較的軽度のものですが、貧血は自分でも気づかないうちに少しずつ重症化していきます。
なぜ重症化しても気づかないのかと言うと、貧血の程度と症状の強さは必ずしも一致しないからです。
貧血が慢性化していくと体が低酸素状態に慣れてしまうため、かなり重度の貧血になるまで自覚しない人もいます。
とはいえ、そのまま何の対策もとらずに放っておくと体に様々な障害をきたすようになります。

それが子宮筋腫による貧血の場合はさらに深刻で、筋腫が巨大化して起こる筋腫分娩によって異常な量の出血が続くと体内の血液や酸素が足りず、臓器が正常に機能しなくなる出血性ショックを引き起こす危険性があります。
また、子宮の内側に筋腫ができる粘膜下筋腫の場合子宮内膜に接する筋腫の範囲が広いため、経血量の増加が特に著しく、けいれんや高熱といった重度の貧血症状を起こす可能性がさらに高くなります。

子宮筋腫のタイプ

子宮筋腫は、三層構造になった子宮壁のどの層に腫瘍ができたかによって以下の3タイプに大きく分けることができ、主な症状や現れ方もそれぞれ異なります。

粘膜下筋腫

子宮の内側を覆う子宮内膜という粘膜の下に腫瘍ができるタイプ。過多月経が最も起こりやすく、筋腫が小さい段階でも経血量の増加や不正出血、貧血などの症状が現れることがあります。
不妊症の原因となるケースが多いのもこのタイプです。
また、筋腫の先端に茎ができ、サクランボのようにぶら下がったまま筋腫が成長していく有茎粘膜下筋腫に発展するケースもあります。この状態で長く伸びると次第に膣内へ垂れ下がり、大量出血を起こす筋腫分娩に発展してしまいます。

筋層内筋腫

子宮壁の内膜と外膜の間にある子宮筋層という筋肉の層の中に埋もれたように腫瘍ができるタイプで、子宮筋腫で最も多いのがこのタイプ。
通常は複数の筋腫ができることが多く、一つ一つが小さい段階では自覚症状はほとんどありませんが、大きく成長するにつれて周辺の臓器を圧迫するようになり、便秘、頻尿、腰痛、排尿障害などを引き起こすことがあります。

漿膜下筋腫

子宮の外側を覆う漿膜(子宮内膜)という粘膜の下に腫瘍ができるタイプ。
筋腫の数は1~2個から鈴なりに増えていき、その形は丸いコブ状のものと先端に茎ができるキノコ状のもの(有形漿膜下筋腫)があります。
筋腫が大きくなっても自覚症状が少なく、かなりの大きさになるまで気づかないケースもありますが、筋層内筋腫と同様に巨大化すると周辺の臓器を圧迫して症状が現れます。

月経との関係は

月経とは、子宮の内側を覆う粘膜(子宮内膜)の厚くなったものが一定の周期で剥がれ落ちて溶け出し、血液となって膣から排出される現象のこと。
「子宮内膜が厚くなる→排出される→再び内膜を作り出す」というサイクルは女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンによって起こります。
毎回ほぼ決まった周期や経血量で規則正しく起こるこの現象に何らかの変化があった場合筋腫によって子宮内膜が異常をきたしている可能性が考えられます。

月経の期間と周期

正常・順調な月経期間は3~7日間とされており、1~2日で終わることを過短月経、8日以上続くことを過長月経と言います。一方、正常な月経周期は25~38日で、24日以内に月経がくることを頻発月経、39日以上経っても月経がこないことを希発月経と言います。
子宮筋腫の場合は過長月経になりやすく、月経周期に関係なく膣から出血する不正出血が起こることもあります。

経血量

一回の月経期間の経血量の正常値は20~140g。
多い日でも2時間おき程度のナプキン交換で大丈夫な範囲が正常とされています。しかし、筋腫によって子宮が大きくなることで血流が変化したり剥がれ落ちる内膜が多くなると、2時間おきでは追いつかないほど経血量が増加することがあります。

月経痛

個人差はありますが、月経が始まる前日ごろから終了までの間月経痛(生理痛)と呼ばれる腹部の痛みを感じることがあります。ただ、子宮筋腫によって経血量が増加した場合内膜が全て溶けきらずに排出されることで腹痛がひどくなったり激しい頭痛や吐き気といった日常生活に支障をきたす月経困難症を起こしやすくなります。

妊娠との関係は

不妊の原因は女性の排卵障害や男性の精子の問題など様々なことが考えられますが、出産の高齢化が進む近年、子宮筋腫が原因となっているケースが増加しています。実際に、他に原因が見当たらず、子宮筋腫を治療したところ妊娠できたという人は多くいます。
子宮筋腫が不妊の原因となる主な理由は、筋腫ができた子宮は大きくなって形が歪み、受精卵が着床しにくくなるためです。

特に、子宮壁の内側に筋腫ができる粘膜下筋腫の場合は避妊リングを入れているときと同じ状態になってしまいます。
子宮筋腫があっても妊娠できる可能性は十分にありますが妊娠中は筋腫が増大・増殖しやすく、特にエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が急増する妊娠初期はそれまで気づかなかった筋腫が急に大きくなって発見されることが多々あります。

妊娠中期に入れば子宮と一体化するため胎児の発育などに支障をきたすようなことはほとんどありませんが、筋腫が子宮の血流を妨げていると腹部に痛みを感じるようになります。
また、筋腫のある子宮は硬くなることが多く、少しの刺激でも簡単に収縮しやすい状態になっているため早産や流産のリスクが通常よりも高まります。

妊娠中に子宮筋腫の手術を受けることはできますが、手術による早産や流産の可能性も考えられるためよほどのことがない限りは行われません。
分娩については、妊娠の経過と共に筋腫は軟らかくなることが多いので胎児は筋腫を避けて出てくることができます。
ただし、子宮の出口付近に筋腫ができた場合は帝王切開となる可能性があります。

検査方法

子宮筋腫に限らず、子宮の病気が疑われる際に必ず行われるのが問診、触診(外診・内診)、経腔超音波検査の3つ。
これらの検査で異常が見つかった場合はMRI検査や子宮鏡検査で正確な状態を確認し、他の病気との判別や治療方針の決定などを行います。

問診

自覚症状、月経の状態、治療歴などを確認します。

触診

まずは下腹部に手を当て、コブ(筋腫)の有無、その位置や大きさ、子宮全体の形・大きさ・硬さなどを外側から確認します。次に人差し指と中指を膣の中へ挿入し、膣内に異常がないかを確認しながら子宮の入り口に指を当てます。
もう一方の手を下腹部に当て、内と外から子宮の状態やその両脇にある卵巣の状態を確認します。

経腔超音波検査

ブローブという器具を膣内へ挿入し、子宮や卵巣に当ててさらに詳しい卵巣の状態や、筋腫の位置・大きさ・数、子宮内膜の状態、子宮筋腫のタイプなどを超音波画像から確認します。

MRI検査

磁気を用いて体内を立体的に画像化する検査です。縦・横・斜めの様々な方向から子宮の断面像を写し出し、超音波画像では得られなかった詳細な情報を確認します。
他の病気が疑われるときや、手術を前提とした診断の際にも行われます。

子宮鏡検査

先端に小さなカメラがついた細長いファイバースコープという管(内視鏡)を膣から子宮内に挿入し、子宮の内側を直接観察する検査です。主に、子宮の内側に筋腫ができる粘膜下筋腫の場合に行われます。
画像検査よりもさらに正確な筋腫の位置や大きさ、子宮内腔への突出の程度、子宮内膜の状態などを詳しく確認します。

薬物療法

子宮筋腫は必ず治療しなければいけないものではなく、無症状で筋腫が小さく、妊娠を望んでいないという人であれば定期的な超音波検査で様子を見るだけ(経過観察)で済むことがあります。
ただし、子宮筋腫は月経のある間どんどん成長していく可能性があるため経過観察で筋腫が大きくなっていることが確認された場合は治療を勧められます。

一方、閉経まで大きくならなかった場合はそれ以上成長することはないので治療は必要ありません。
これらとは反対に現時点で、症状がひどい、筋腫が大きい、妊娠を望んでいるという人は治療が必要です。
治療法は大きく分けて手術と薬物療法があり、筋腫は大きくないが過多月経や月経痛などの症状がひどい場合には薬物療法が行われます。

薬物療法は初めに対症療法が行われ、それでも治まらない場合はホルモン療法に移ります。
対症療法とは、症状に合わせた様々な方法で治療すること。
子宮筋腫の場合、過多月経による出血の増加や痛み、不正出血、過長月経にはピル、痛みが激しいときは鎮痛剤、貧血症状があるときは増血剤や鉄剤注射が投与されます。
また、プロスタグランジンの過剰分泌によって激しい月経痛や吐き気などを伴う月経困難症にはプロスタグランジン合成阻害薬が投与されることもありますが、長期間使用すると、胃が荒れて胃潰瘍になったり血液が正常に固まらず出血が止まりにくいといった副作用のリスクがあります。

その他の薬にも少なからず副作用があるため、鍼灸やアロマテラピー、漢方薬などで症状を緩和させる人もいます。

ホルモン療法とは

子宮筋腫は女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)によって大きく成長すると考えられています。
そこで、エストロゲンの分泌を抑制し、筋腫の成長を抑えながら徐々に小さくするというのがホルモン療法です。
これは薬物療法の一つで、通常は対症療法で十分な効果が得られなかったときや手術しやすいように筋腫を小さくしたり、手術時の出血を抑える目的で行われます。

子宮筋腫のホルモン療法で一般的に用いられているのはGnRHアナログと呼ばれる人工の性腺刺激ホルモン放出ホルモン。
GnRHアナログには、卵巣の働きを促す卵胞刺激ホルモンなどを分泌する脳下垂体という内分泌器官に刺激を与えるホルモンと同様の作用があります。
脳下垂体は刺激を受け続けると卵胞刺激ホルモンを分泌する働きが弱まり、それによって、エストロゲンを分泌する卵巣の機能も低下します。

その結果、エストロゲンが減少し、筋腫を縮小させることができるのです。
さらに、一時的に閉経状態となって月経が止まるので、過多月経などの症状の緩和にもつながります。
ただし、ホルモン療法にもいくつか問題点があり、その一つが、GnRHアナログの使用を止めると月経が再開されることで再び症状が出始め、筋腫も元の大きさに戻ってしまう点。
そして、更年期障害と同様の症状や性器出血などの副作用がある点です。
また、GnRHアナログを長期間使用すると、エストロゲン不足によって骨量が減少し、骨粗しょう症などを引き起こす可能性があります。

他にも月経周期を変えることで様々な影響が考えられるため、医師と十分に相談した上で慎重に決断しなければいけません。

手術について

子宮筋腫は通常、筋腫が小さく無症状の場合は経過観察のみで治療は行わず、症状があるときは対症療法、それで効果がないときはホルモン療法を行い、これらの薬物療法でも改善が見られないときや症状が悪化したとき、または、筋腫が大きく成長している場合には手術が必要となります。
子宮筋腫の手術は大きく分けて、子宮ごと取り除く手術と筋腫だけを取り除く手術の2つがあります。
さらに手術の行い方として、腹部を切開して行う腹式、切らずに膣から行う腔式、腹部に3つほど開けた小さい穴から内視鏡を入れて行う腹腔鏡下や子宮鏡下があります。

子宮全摘術

筋腫と共に子宮を摘出する手術。
子宮自体がなくなるため再発の心配がなく、月経もなくなり、女性ホルモンを分泌する卵巣は異常がなければ残すことができるので更年期障害の心配もありません。
主な方法は、腹部を切って子宮全体を摘出する腹式単純子宮全摘術、膣から子宮全体を摘出する腔式単純子宮全摘術、膣につながる子宮頚部は残し、子宮体部のみを摘出する腹式子宮膣上部切断術、腔式と腹腔鏡下を併用して行う腹腔鏡下腔式子宮全摘術などがあります。

筋腫核出術

子宮の正常な組織は残し、筋腫だけを摘出する手術。
子宮そのものは残ったままなので、術後も妊娠・出産が可能です。
主な方法は、腹部を切って筋腫を摘出する腹式筋腫核出術、腹部に開けた穴から腹腔鏡を使って筋腫を摘出する全腹腔鏡下筋腫核出術、腹腔鏡下に小切開を組み合わせた腹腔鏡補助下筋腫核出術などがあり、粘膜下筋腫の場合は子宮鏡を用いた子宮鏡下筋腫核出術が行われます。

手術の問題点とは

子宮自体を摘出する子宮全摘術は再発の心配がなく、筋腫のみを摘出する筋腫核出術は術後も妊娠・出産できるのが利点ですがその半面、いくつかの問題点もあります。
子宮は受精卵が着床することで妊娠を成立させ、出産までの間、胎児を育てるために必要不可欠な臓器であるためそれを取り除く子宮全摘術を行った場合、妊娠・出産することができなくなります。
そのため、通常は閉経が近い年齢の人や妊娠を望まない人、筋腫の数が多すぎて子宮を残すことが困難な場合に行われます。

一方、筋腫核出術では手術前に十分な検査を行っていても目に見えないほど小さい筋腫の芽は見落としやすく、それが残っていると数年後に大きく成長して再発する可能性があります。
また、筋腫を摘出した後の子宮の壁はもろくなりやすいため出産の際は帝王切開となる可能性が高くなります。
手術方法については、腹部を大きく切開する腹式の場合傷跡が残ることと、通常の生活に戻れるまでに時間がかかり、術後しばらくは切開した傷口に痛みが生じること。
切開せずに膣から行う腔式は、腹式のように全体を見ることができないので他の異常があっても気づきにくく、炎症などによって癒着がある場合は手術が非常に難しくなります。

内視鏡を使って行う腹腔鏡下や子宮鏡下は、より高度な技術を要するため手術時間が延長することが多く、術中に腹式へ移行せざるをえない場合もあります。
これらの他に、手術は痛みを感じないように麻酔をして行いますが、麻酔によって頭痛や吐き気などの副作用および合併症を起こす危険性があります。

再発の可能性について

子宮筋腫は婦人科の中で最も頻度が高く、再発率も高い病気です。手術で筋腫を取り除いたとしても、筋腫の芽が存在していれば子宮筋腫は何度でも再発する可能性があります。
その確率は、2個以上の筋腫が見つかった人の場合8割以上が再発すると言われています。

しかし、子宮を残して筋腫のみを摘出する筋腫核出術では小さな芽まで全て摘出することは非常に難しく、肉眼で見えないほど小さい芽であれば、存在を確認することさえできません。
月経のある成人女性は子宮がある限り、いつ筋腫ができてもおかしくない状態であり、筋腫が大きくなって治療した人は特に筋腫の芽ができている可能性が高いと考えられます。

そのため、子宮自体を摘出する子宮全摘術を行うこと以外に子宮筋腫の再発を完全に防ぐ方法は今のところありません。
ただし、赤ちゃんを生み育てる子宮を全て取り除くと当然ながら妊娠・出産することは一切できなくなります。
筋腫ができる心配を完全になくしたい、月経のわずらわしさから開放されたい、将来的にも妊娠は望まないということであれば子宮全摘術が適していますが、再発の可能性があっても子供が欲しい人や、少しでも妊娠を望む気持ちがある人は筋腫核出術が最適な手段と言えます。

その場合、妊娠時に子宮筋腫があると流産や早産のリスクが高まることも十分に考慮しなければいけません。
子宮がある限り筋腫から逃れることはできませんが、少しでも確率を低くするために、免疫力の低下やホルモンバランスの乱れといった筋腫の成長の原因を解消することが大切です。

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