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月経困難症の原因・症状・治療・予防

公開日: : 最終更新日:2017/02/11 女性に多い病気


月経困難症という名前の雰囲気で、生理がこなくなるような状態になるのでは?と思う人もいるでしょうが、これは誤りです。
この病気は生理の症状が日常生活に支障をきたすレベルの状態になり、治療が必要なほどになるのが特徴です。

日常生活に支障をきたす症状の一例ですが、生理というと真っ先に生理痛を思い浮かべる人が圧倒的に多いでしょう。
通常、生理痛は我慢できるレベルの痛みであったり、鎮痛剤を服用すればどうにかなったりするものですが、月経困難症では違います。
鎮痛剤を服用しても痛みに苦しめられ続けたり、痛みが強すぎて仕事や学校などを休まなければいけなくなったりするほどです。

また、仕事や学校を休む、早退するような方法を選択しても、自宅で強い痛みに苦しめられてしまい、起き上がることですら困難になります。
家事を行なうことも不可能なほどツライ症状に悩まされるというのも、月経困難症の特徴です。
だいたいどのような状態になるのがご理解いただけたのではないかと思いますが、この月経困難症には大きくわけて2種類あります。
なんらかの病気が原因となって症状が引き起こされる器質性(続発性)月経困難症と、原因となる病気がなく、体質などが原因となって症状が引き起こされる機能性(原発性)月経困難症があります。

月経困難症の原因

月経困難症は原因となる病気がある器質性(続発性)月経困難症と、原因となる病気がない機能性(原発性)月経困難症の2種類があり、多くの女性の原因は病気ではなく体質などによって起こる機能性月経困難症です。
機能性月経困難症の主な原因は、ホルモンの一種であるプロスタグランジンです。

プロスタグランジンは子宮を収縮させることにより、子宮内膜から経血を排出する作用がありますが、分泌量が多いと子宮の収縮が過剰になり、ひどい生理痛を引き起こしてしまいます。
器質性月経困難症の主な原因は婦人科系の病気です。
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの子宮に起こる病気が原因となって、器質性月経困難症が起こります。
子宮筋腫は子宮筋層に生じるコブのような良性腫瘍であり、腫瘍が小さいと自覚症状がない場合もあります。
腫瘍が巨大化するとともに子宮も大きくなり、レバーのような血液のかたまりが混ざって排出されたり、経血量が異常に多くなったりする過多月経の状態になります。

また、生理の期間が終わるのが遅くなったり、不正出血が起こったりし、ひどい生理痛の症状も起こります。
出血が多いために貧血を起こすと、貧血症状として倦怠感、めまい、立ちくらみ、息切れなどをともなうようになります。
さらに腫瘍が大きくなると、下腹部や腰の痛み、排尿障害、便秘といった症状が起こるようになり、不妊や流産を起こすこともあります。
子宮内膜症は子宮内膜に似ている組織が子宮とは別の場所に生み出されて、増殖していく病気で、ひどい生理痛が起こります。

また、吐き気、嘔吐、下痢といった消化器症状、腰の痛み、性交痛、排尿痛、過多月経、不正出血、不妊などの症状が引き起こされるのが特徴です。
なお、子宮内膜症が引き起こされる場所としてはダグラス窩(か)、卵巣、卵管、子宮筋層、膀胱子宮窩、骨盤腹膜などをあげることができます。
子宮腺筋症は子宮内膜に似ている組織が子宮筋層に発生する病気です。
発症すると子宮全体が巨大化していったり、かたくなっていったりするのが特徴です。

引き起こされる主な症状としてはひどい生理痛、過多月経、出血量が多いことによる貧血があります。
こうした症状は進行により激しくなっていくのですが、子宮が巨大化すると月経時以外でも腹部や腰の痛みに襲われるようになります。
さらに排尿痛、排便痛、性交痛、不妊の症状が引き起こされてしまうこともあります。

なお、子宮腺筋症は子宮筋腫や子宮内膜症が併発しているケースが少なくありません。
主な月経困難症の原因としては上記のものがありますが、子宮の発育がまだ不十分な状態であったり、子宮から経血が排出される通り道が狭い状態であったりすることが強烈な生理痛を起こす場合もあります。
こうした状態では子宮が強く収縮することになるため、生理痛もひどくなってしまうのです。
また、生理時に生じる不快感や、ほかの人に知られたくない、恥ずかしいなどの感情が精神的なストレスとなり、それが原因となって、下腹部や腰の痛みが引き起こされたり、貧血症状が出たりすることもあります。

月経困難症の症状

一番多く起こるのが生理時の腹痛、とくに下腹部痛です。
耐えがたい痛みであり、生理1~2日目にピークを迎えます。

この痛みのせいで学校や仕事を休まざるを得なくなったり、起き上がることもできなくなって家事をこなすことも不可能なほどになってしまいます。
おなかの強烈な痛み以外には、腰痛、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、筋肉のけいれん、めまい、発熱、倦怠感、不眠、精神的に不安定な状態におちいることもあります。

なお、このなかに含まれていない症状が、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの原因疾患による症状として引き起こされます。
具体的な症状に関しては、月経困難症の原因の項目をチェックしていただければご理解いただけると思います。
また、月経困難症のうち器質性のものに関しては、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの病気が進行していく問題も起こります。

月経困難症の検査

月経困難症かもしれないと思って産科婦人科に行った場合、どういう診察内容になるのか疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
診察では問診のほか、尿や血液などの各種検査が行なわれています。

まず問診ですが、問診表に記入をした情報をもとに行なわれることが多いです。
自分に引き起こされている症状、最近生理がはじまった日と期間、通常の生理の期間、生理の出血量、生理周期、はじめて生理がきた年齢、性体験の有無、妊娠や出産、流産や中絶をした経験の有無や年齢、これまでかかった病気、いま治療中の病気、いま使っている薬、アレルギーの有無、飲酒や喫煙の有無などの質問を受けることになります。

次に各種検査ですが、膣に指や器具を挿入し膣、子宮、卵巣の状態を確認する内診、ホルモンの状態や排卵があるかどうかなどを確認する尿検査、ホルモンの状態や子宮・卵巣の腫瘍などを確認する血液検査、ホルモンの状態や貧血が起こっているかどうかなどを確かめる血圧測定、超音波をあてることで子宮や卵巣の状態を画像で確認する超音波検査、磁気の力を駆使した装置で体内の様子を画像で確認するMRI検査、X線を駆使した装置により体内の様子を画像で観察するCT検査が行なわれています。
とくにMRI検査やCT検査に関しては、器質性の月経困難症の疑いがある場合に選択されることになる検査方法です。
嫌がる女性が多いのは内診ですが、性経験がなかったり、恥ずかしかったり恐かったりする気持ちが強い女性に対しては相談次第では行なわれないこともあります。

月経困難症の治療

器質性月経困難症は、原因となっている子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症といった病気の治療を行ないます。
回復すれば、月経困難症の症状に悩まされなくなる場合が多いためです。

一例として子宮筋腫の治療方法を紹介しますが、筋腫がまだ小さいために自覚症状がない場合には経過観察を行ないます。
軽症では薬物療法が選択されるのが一般的であり、鎮痛剤や造血薬などを使用する対症療法や、女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を抑制するホルモン療法が行なわれています。
薬物療法のほかには外科的治療が選択されることもあります。
筋腫だけを除去する子宮筋腫核出術、子宮ごと筋腫の除去を行なう子宮前摘出術が代表的です。
薬物療法や子宮筋腫核出術に関しては、子宮筋腫がまた起こるリスクはあるものの、妊娠することは可能です。

このように原因となっている病気に適した治療が、器質性月経困難症では選択されています。
次に機能性月経困難症の治療ですが、薬物療法や生活習慣の改善などを行なう形になります。
薬物療法では、痛みの症状を緩和することを目的に、対症療法として鎮痛剤が使用されています。
また、生理痛を引き起こすプロスタグランジンが過度に生み出されてしまうのを抑制することにより、強烈な痛みを抑える効果を得ることが可能です。
症状が重い場合には、低用量ピルの内服が選択されることもあり、月経量が減少するのとともに症状が改善することがあります。
しかしながら、低用量ピルは排卵を抑制する避妊薬として使用されているものであり、妊娠を望んでいる人には使用することができません。

また、高血圧の人や喫煙をしている人に対しても、低用量ピルを使用することが不可能な場合があります。
そのほか、女性ホルモンに効果を発揮する当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)といった漢方薬を使用することによって症状をおさめる方法も行なわれています。
生活習慣の改善に関してですが、悪しき生活習慣によるホルモンバランスに狂いが生じると、生理の症状が重くなることがありますし、疲労や精神的ストレスなどにより症状がひどくなることがあります。
生理中には忙しくて難しいという人もいるでしょうが、なるべく無理をしないでゆったりと生活を送ったほうがいいですし、規則正しいリズムで生活を送るに越したことはありません。

また、規則正しくバランスのよい食事をとること、疲労やストレスをためこまないようしっかりと休養や睡眠をとること、趣味などでリラックスする時間を確保すること、生理中は痛みで無理な人もいるでしょうが、生理時以外には日ごろから適度な運動を行なうことが大切です。
そのほか、月経困難症は子宮の発達がまだ不十分であったり、出血の通り道が狭かったりすることで起こるケースもあります。
このような場合、大人になるにつれて子宮が発育すると自然に改善する場合がありますし、通り道が狭い場合には妊娠~出産を経験することにより症状が軽くなることも少なくありません。

月経困難症の予防

毎日、少しでも体を動かすことにより、生理中の痛みが軽減されることを裏付けるような報告が残っています。
生理中の症状がツライあいだは無理をする必要はありませんが、体調がよいときは適度な運動を行なうようにしましょう。

また、喫煙や飲酒は、月経困難症の人はしないに越したことはありません。
というのも、たまにする程度であっても、強烈な生理痛を引き起こす原因になってしまうためです。
そのほか、月経困難症の治療では生活習慣の改善が推奨されますが、予防目的で見直しを行なうのも良いでしょう。
ホルモンバランスが整っていることにより、プロスタグランジンが過剰に分泌されることがなくなり、子宮の強い収縮による下腹部痛などの症状が軽減される可能性があります。

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