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「低体温」がヤバイ!原因、予防、改善のまとめ

公開日: : 最終更新日:2016/01/28 女性に多い病気


「低体温」と「低体温症」は異なります。「低体温」とは、病名ではありません。
医学的に厳密な定義があるわけではないですが、一般に36度未満の体温のことを「低体温」と呼んでいます。

ほとんどの人が自覚症状はありませんが、手足が冷えやすく、常に指先が冷たい人、いわゆる「冷え性」の症状が、気づきやすいものとしてあげられます。

一方、「低体温症」とは、海難事故や吹雪の中などで体の中心の体温が35度以下になる場合や急性アルコール中毒などによって起こる事故(偶発性低体温症)と、脳や心臓の手術を安全に行うために人為的に体を冷却する場合(誘発性低体温症)があります。
「低体温」は健康を損なう原因にはなり得ますが、直接に生死に関わることはありません。

一方、「低体温症」は放置すると命を失うこともあります。
また、お酒を飲みすぎて寒い場所で寝てしまうことによる、いわゆる「凍死」も低体温症による事故の一例です。
実際に、東日本大震災では、低体温症でたくさんの人が亡くなりました。

ここでは、「低体温」についてくわしく解説します。
体温は、体の免疫機能と深く関わっており、体温が1度下がると免疫力は30%低下すると言われています。

また、がん細胞は35度で最も活発になります。
私たちの体の細胞には、血液によって栄養が運びこまれ、老廃物が運び出されています。
血液の中にある白血球は、体に入り込んだ異物(細菌など)を退治する働きをしています。体温が下がると血液の流れが悪くなり、血液が栄養や老廃物を運搬する能力が下がるとともに、白血球の働きが鈍くなります。

この結果、ウイルスや細菌などの異物を退治しきれず、病気が発症してしまうことになります。
白血球は、異物を退治するだけではなく、体の中に発生するがん細胞を攻撃し、死滅させる働きをしています。

健康な人であっても、がん細胞は1日に5000個もできているのですが、それががんとして現れないのは、白血球の働きによるのです。
低体温の状態が続くと、がんになりやすいのはそのためです。

低体温になる原因とは

ところで、健康的な人の平熱は36.5~37.0度です。
平熱を正確に測るには、3~4日間、朝昼晩の3回の体温を測り、平均を出します。

50年前の日本人の平均は36.89度でしたが、現在は36.20度です。
このことからも、低体温の日本人が増えていることがわかります。

低体温の原因の9割は、筋肉量の低下によります。
かつては、家事労働、農作業、移動など、ライフスタイルと運動は深く結びついていました。

乗り物や家電などの発達によって、現代人は日常的に運動量が低下しています。運動量が低下することによって、筋肉量は減少します。
筋肉は、体を支えたり運動するだけではなく、生きるのに必要な熱を生産しています。

そのため、筋肉量が減ると、それだけ熱が生産されなくなり、基礎代謝や体温が低下します。
基礎代謝が下がると、体が摂取したエネルギーを熱に変える能力が低下しているわけですから、脂肪がつきやすくなります。
脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪がありますが、脂肪は筋肉ほど熱を消費しないため、ますます熱を生産する能力を失います。

見た目に関わる皮下脂肪よりも、恐ろしいのは内臓脂肪です。
内臓脂肪からは、20種類以上の悪玉ホルモンが分泌され、血管の炎症の原因になったり、インスリンの働きを弱めることで、糖尿病の原因になることがわかっています。
筋肉量の低下以外では、夏場のエアコンによって汗をかく能力が落ちていることがあげられます。

体温の調整する脳の視床下部が刺激されなくなると、体温を調整するための発汗中枢の作動が鈍くなります。
その結果、夏場の冷え=低体温が引き起こされます。そのほか、低体温の原因になっているのはストレスです。
人間関係や職場、経済面などのストレスは、自律神経の調子に強く影響します。

自律神経が失調すると、体温をコントロールすることができず、低体温になる人もいます。ダイエットをしている人は、食事の制限によって必要な熱が作られないだけではありません。
十分なタンパク質の不足よって、筋肉や血液が必要なだけ作られず、もとある筋肉がやせて基礎代謝が落ち、結果として低体温になることもあります。

低体温が身体に及ぼす影響とは

低体温は、筋肉の量の低下と深く関わっています。
筋肉量が減ると基礎代謝が落ちますので、その結果、太りやすく痩せにくい体質になります。

あまり食べないのに太る・痩せにくい人は低体温であることが多いようです。
また、低体温では体の免疫機能がうまく働かないため、病気になりやすく治りにくい体になります。

風邪をひきやすかったり、ちょっとしたことで体調を崩しやすいことは、低体温の最大の弊害です。
低体温の人は、白血球の働きが悪くなり、免疫機能が働きにくくなりますが、それだけではありません。

体内の生命活動には、「酵素」が関わっていますが、酵素(消化酵素など)は、体温と関わりが深く、36.5~37度で最も活発になります。
冷たいものを食べ過ぎるとお腹を壊したり、逆に風邪などの高熱によって下痢や便秘になるのは、酵素が働かなかったり、高熱によって壊れてしまうためです。

ところが、酵素は、体温が1度下がることで、半分しか働かなくなります。
低体温の35度の平熱の人の酵素は、36度の平熱の人の半分しか働きません。

したがって、便秘や下痢など消化器官のトラブルが増えます。
病院に行くほどではないけれど、なんとなくお腹の調子が悪い人、または重篤な持病はないけれど不調になりやすい人は要注意です。
また、低体温では、血行が悪くなっていますから、肩こり、頭痛、腰痛の原因にもなります。

女性の場合は生理痛がひどくなることもあります。
手足が冷えて眠りにつきにくくなることで、不眠や熟睡ができないなど睡眠のトラブルも起こります。
細胞の新陳代謝が活発に行われないため、肌や髪の毛にツヤがなくなることもあります。

命に関わるような病気ではないけれど、毎日を健康的に過ごすことが難しい不快な症状がでるのが低体温の特徴と言えます。
長期的には糖尿病やがんなどの生活習慣病にもかかりやすくなりますし、快活な毎日を送るためには低体温は積極的に改善したい状態です。

低体温の予防や改善

低体温を脱し、健康であるためには、まず筋肉量を増やすことが大切です。
加齢による筋肉の減少量は一年で1%ですが、1日動かないでいると、0.5%の筋肉が失われます。

つまり、たった二日で1年分の筋肉を失ってしまうことになります。
無重力の空間ですが、宇宙飛行士は、宇宙から帰還した際には、歩くことができないほど筋肉が衰えてしまうといわれています。
毎日続ける運動が必要ですから、歩くことや家事や仕事のなかで適度な負荷をかけることが必要です。

特に全身の筋肉の7割は下半身にありますので、歩幅を広めにして歩いたり、階段を上り降りすることはとても有効です。
入浴では、湯船に浸かることで、1度体温が上がります。HSP(ヒートショックプロテイン)を増やす入浴法なら、より免疫力があがります。

HSPとは、ストレスから身を守る働きをするタンパク質の一種で、熱いお風呂(42度ぐらい)に入るとその刺激で増えることがわかっています。
42度のお風呂に肩まで5分浸かるだけですが、熱いお風呂が苦手な人は、40度のお湯に20分浸かるといいでしょう。

体温の上昇とHSPが増えることで、効率良く免疫力を上げることができますし、入浴によるリラックス効果も得られます。
足首やお腹を温めるレッグウオーマーや腹巻も効果的です。服装では、厚手の服を一枚着るより、薄手の服を重ね着しましょう。

脱ぎ着することで体温調節もしやすくなります。上着を重ねるより、タイツやスパッツ、ももひきなど下半身の着衣を一枚増やすのが効果的です。
ただし血行を阻害するきつい下着や着圧タイツは避けてください。

食事では、スパイスを使った料理がオススメですが、何よりもまず、タンパク質をしっかりととりましょう。
毎食ごとに、肉や魚、豆腐などが片方の手に乗る量を目安にとりましょう。
いっぺんにたくさん食べるよりも、毎食ごとに献立にとり入れるほうが、胃腸の負担になりにくいうえ、バラエティー豊かな食事になります。

理想体温は36.5℃

理想的な体温では、体の機能が最も効果的に働き、身体が最も活動します。
36.5度のでは、免疫力が非常に高く健康的な身体を保つことができます。

病気にももっともかかりにくい状態です。36.0度未満の場合は、いわゆる「冷え性」のタイプの人に多く、体の代謝が効率的ではないため、ダイエットのしにくい状態です。
病気にもなりやすい状態です。

この状態の人は、自律神経がストレスで交感神経に働きすぎており、リラックスの苦手にあります。
膠原病やアレルギーなど、免疫が関係する病気にもなりやすいです。
精神安定剤や鎮痛剤を飲みすぎる人も、36.0度未満の体温にある傾向にあります。

さらに体温が低い、35.5前後の人は、代謝が悪く、体に老廃物が溜まりやすい状態にあります。
自律神経失調症の人は、35.5度程度まで体温が低下しています。

それよりも低くなる、35.0前後の状態は、がん細胞がもっとも増殖しやすい体温です。
私たちの身体は、交感神経と副交感神経という自律神経のバランスによって良好な状態に保たれています。交感神経が優位になりすぎても、副交感神経が優位になりすぎても体温は下がってしまいます。
体調が悪いときに体温を測ってみると、意外にも低いことがあります。

熱がないのに体調が悪い、そのようなときは、自律神経のバランスを疑ってみてもよいでしょう。体温は、起床時がもっとも低く、日中にかけて徐々に上がり、活動に備えていきます。
女性は、ホルモンのリズムによって1ヶ月で1度以上体温が変化する人もいます。
毎朝、起床時に体温を測ることで、ホルモンのリズムを知ることができますので、妊娠を意識していなくても基礎体温を測ることは有効です。

体温は血圧よりも簡単に測ることができるうえ、日々の体調を把握することに非常に役立ちます。
スマホの健康アプリなどを利用すると、体温の傾向を手軽に把握することができます。
出勤や通学前に体温を測ることで、服装や食事を加減し、予定や仕事の量を調節することで、ベストなパフォーマンスを発揮することもできるでしょう。

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