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バセドウ病の原因・症状・治療

公開日: : 最終更新日:2015/02/18 女性に多い病気 , , ,

バセドウ病の原因
ここでは、若い女性に多いと言われている「バセドウ病」について詳しくご説明しています。
しかし、決して若い女性特有の病気ではなく、男性や年配の人たちも発症する可能性は十分にあります。
バセドウ病は誤解されている部分が多々あり、「一生治らない」「目が飛び出す」「正常な妊娠・出産ができなくなる」「遺伝する」などと思っている人が多いようです。
実際のところ、バセドウ病に関しては未だ完全には解明されておらずこれらが100%間違いとは言い切れませんが、現在は優れた薬もたくさん出ており、適切な治療を受ければ今まで通りに生活できます。
大切なのは、正しい知識を身につけ、バセドウ病について理解を深めることです。

バセドウ病とは…

バセドウ病とは、免疫系の異常によって起こる「自己免疫疾患」の一つ。

また、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症」を引き起こす代表的な病気でもあります。

自己免疫疾患とは、自分の体を守るはずの免疫機能が自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気の総称。

甲状腺機能亢進症は、アドレナリンが大量分泌されたときのように全身のあらゆる働きが過剰になってしまう病気です。

つまりバセドウ病は、体の一部である甲状腺を攻撃する抗体を作り、甲状腺ホルモンの機能を異常なまでに活発化させる病気なのです。

本来、抗体というのは体外から細菌やウィルスなどが侵入した際に作られるもので、免疫機能は抗体を作ることによって外敵を排除し、体を守っています。

ところが、免疫システムに異常が起こると、体内の細胞や組織まで敵とみなし、自分の体を攻撃する抗体を作り出すようになります。

バセドウ病の場合は、甲状腺ホルモンの分泌に関わる甲状腺刺激ホルモンの受容体(信号を受け取る器官)が敵とみなされ、ここが攻撃を受けると甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されてしまいます。

甲状腺の病気は女性の発症率が非常に高く、全体的な男女比は1:9の割合なのですが、バセドウ病の男女比は1:4なので、甲状腺の病気の中では男性もかかりやすい病気です。

とはいえ、比較すると女性の方が圧倒的に発症しやすく、年代別だと20~40代、特に30代の女性に多く見られます。

この年代の女性に多い理由としては、結婚や妊娠、出産などの大きな出来事を経験し、ストレスが最も増えることが挙げられます。

甲状腺とは…

甲状腺は、喉仏にある骨(甲状軟骨)のすぐ下に位置する臓器です。

重さは約15~20g、長さは3~5cm程度と小さく、イメージ的には蝶が2つの羽根を広げて気管を囲むような形で存在します。

左右の甲状腺はそれぞれ「左葉」「右葉」と呼ばれており、中央部分でH型につながっています。

甲状腺の主な働きは、血液中に「甲状腺ホルモン」を分泌し、細胞の成長や代謝機能を正常に保つこと。

甲状腺ホルモンは、エネルギー代謝や自律神経をコントロールしており、このホルモンが完全に無くなった場合1ヶ月しか生きられないと言われるほど重要なホルモンです。

さらに、甲状腺ホルモンの分泌を促しているのが「甲状腺刺激ホルモン」です。

バセドウ病は甲状腺刺激ホルモンを攻撃する病気なので、発症すると甲状腺ホルモンの分泌量を調整できなくなり、その結果、エネルギー代謝や自律神経をコントロールできなくなります。

甲状腺の病気はいくつかあり、甲状腺ホルモン過多によって起こる「甲状腺機能亢進症」の代表として挙げられるのがバセドウ病。

反対に、甲状腺ホルモン欠乏によって起こる「甲状腺機能低下症」もあります。

甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎてもいけないデリケートなホルモンで、全身に作用するため、異常が起こると体のいたるところに悪影響を及ぼします。

また、甲状腺は肥大しやすく、喉仏の辺りが腫れている場合はいずれかの甲状腺疾患の疑いがあります。

おおよその見分け方は、喉仏の腫れに加えて脈拍が速くなったり微熱が続いていれば甲状腺機能亢進症、むくみや抜け毛が多くなると甲状腺機能低下症が考えられます。

症状

バセドウ病の主な症状は、甲状腺の腫大、頻脈、多汗、食欲増進、体重減少、微熱、眼球突出などがあります。

まず、バセドウ病にかかると左葉と右葉の両方が腫れて首が太くなったように感じます。

ただし、高齢者は腫れにくく、若い人ほど大きく腫れる傾向にあります。

バセドウ病によって甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると新陳代謝が活発になりすぎて、常に激しい運動をしている状態になります。

つまり、動いていないときでも全力で走ったように脈拍が速く、大量の汗をかいて喉が渇き、疲れを感じやすくなるということです。

エネルギーが消費されれば新たなエネルギーが必要になるため食欲は増すものの、それ以上に代謝が高くなるので体重は減少していきます。(食欲が代謝を上回り、体重が増加する場合もあります。)

また、体温が上昇して微熱が続くのもバセドウ病の特徴です。

人によっては自律神経が乱れてイライラ感や不眠を起こしたり、女性は生理不順や無月経などの月経異常が現れることもあります。

中年女性の中には、更年期障害と勘違いしてバセドウ病の発見が遅れてしまう人も多いようです。

甲状腺腫大、頻脈と並んでバセドウ病の典型的な症状に挙げられる眼球突出は他の2つに比べると出現率は低く、20~30%の患者に見られます。

基本的には目つきがきつくなる程度ですが、重度になると上まぶたが下がらず、目の周りの筋肉が麻痺することで複視になったり、最悪の場合、失明する可能性もあります。

他にも手の震えや血圧上昇などがありますが、症状には個人差があり、潜在的甲状腺機能亢進症で、これらの症状が出ない人もいます。

原因

バセドウ病は、免疫の自己抗体機能が異常を起こし、甲状腺を敵とみなして「甲状腺自己抗体」を作ることによって甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。

つまり、免疫システムの異常が原因なのですが、なぜ免疫異常が起こるのか、なぜ甲状腺が敵とみなされるのかという根本的な原因については未だ解明されていません。

ただ、バセドウ病患者の多くは遺伝的にかかりやすい素因を持っており、過度のストレスや過労などが引き金となって発症しやすくなることが分かっています。

患者の15%は、身内の中にバセドウ病を患っている人、あるいは過去に患っていた人がいるという報告もあります。

バセドウ病が若年層の女性に発症しやすい理由も、30歳前後で結婚・妊娠・出産する人が多く、子育てなどでストレスが溜まっていたり、環境の変化で心身ともに疲れが溜まる年代だからではないかと考えられています。

また、患者の中には何らかのアレルギーを持っている人が多いということ、さらに、煙草を吸う人は非喫煙者に比べてバセドウ病の発症リスクが高いうえに眼球突出の症状が出やすく、完治するまでに時間がかかり、治療後の再発率も高いということが分かっています。

免疫機能と深く関わっているバセドウ病は、遺伝的素因に加えて肉体的・精神的ストレスなどによって免疫力が低下する環境的素因が組み合わさると発症リスクが高まるようです。

とはいえ、身内にバセドウ病の人が全くいなくても発症する人はいるので、何かとストレスが多い現代社会に生きる私達は誰でも発症する可能性があると言えます。

検査

バセドウ病の診断では、主に血液検査が行われます。

典型的な症状(甲状腺腫大・頻脈・眼球突出)がはっきりと出ていれば問診と触診だけで発症していることが分かりますが、発症直後だったり、人によっては症状が出ない場合もあります。

血液を調べることは正確な診断につながり、症状が見られる場合でも、発症を確証づけることができるのです。

血液検査では、血中の甲状腺ホルモンとTSH(甲状腺刺激ホルモン)の数値、さらに、TSH受容体抗体の有無を調べます。

バセドウ病を発症している場合、甲状腺ホルモンの数値が高く、TSHはほとんど測定できないほど低い数値を示します。

そして、TSH受容体を攻撃する抗体は本来、体の中に存在しないものなので、この抗体が確認されれば、バセドウ病を発症していることになります。

バセドウ病は、TSH受容体抗体を作り出すことでTSHの働きを奪い、甲状腺ホルモンを過剰に分泌させる病気だからです。

大抵は、これでバセドウ病の診断が確定します。

しかし、中には血液検査だけだと確定できないケースもあります。

その場合は、体に無害な放射線ヨードを飲んで甲状腺に集まるヨードの量を調べる「アイソトープ検査」が行われます。

ヨード(ヨウ素)は甲状腺ホルモンの原料であり、甲状腺に集まりやすい性質を持っているので、バセドウ病を発症していれば放射性ヨードが多く集まります。

ただし、放射性ヨードは胎児に影響を及ぼすので妊娠中は行えず、授乳中だと、検査後3日間は授乳を中止しなければいけません。

また、アイソトープ検査の1週間前から、ヨードを含む食品の摂取が制限されます。

妊娠・出産への影響

バセドウ病の女性は、甲状腺ホルモンの過剰分泌が長期間続くと生理が止まる、不順になるといった月経障害を起こす可能性があります。

といっても、バセドウ病が原因で妊娠できなくなることはありません。

しかし、妊娠中に発症したり、バセドウ病を患った状態で妊娠した場合は流産や早産、妊娠中毒症などのリスクが高くなります。

妊娠中、あるいは妊娠を望んでいるバセドウ病の女性は、安全な出産のために「抗甲状腺薬」などで甲状腺ホルモン濃度を正常に保つことが大切です。

抗甲状腺薬による治療は、妊娠中でも行えます。

妊娠中の薬物療法に不安を感じる人は多いと思いますが、通常、胎児に影響するような薬が妊婦に処方されることはありません。

何より、母体が必要としている薬は、胎児にも大きな意味があります。

バセドウ病は、甲状腺を攻撃する抗体を作り出す病気なので、胎児の甲状腺まで攻撃される恐れがあるからです。

抗体の影響が大きいと胎児もバセドウ病を発症することがありますが、これは一時的なもので、妊婦が抗甲状腺薬を服用していれば問題ありません。

また、妊娠初期に起こる甲状腺ホルモンの過剰分泌についてはバセドウ病ではなく、一時的にホルモン濃度が高くなっている場合があります。

妊娠中期になれば自然に下がるので、これも特に問題はありません。

バセドウ病であった場合も、妊娠の経過と共にホルモン濃度が下がり、妊娠中期から産後数ヶ月は症状が軽減する人はいますが、その反動で、後に悪化して出ることがあります。

ただし、あくまで反動現象なので、しばらく経てば症状は落ち着いてきます。

喫煙との関係

煙草を吸うバセドウ病患者が、まず行わなければいけないのは禁煙です。

喫煙自体がバセドウ病に直結するわけではありませんが、喫煙者は非喫煙者に比べてバセドウ病になる確率が2~3倍、低くても1.1倍ほど高いという報告があります。

さらに、喫煙はバセドウ病の治療に用いられる抗甲状腺薬の働きを妨げて治療を長引かせる上に、再発率も高くなることが分かっています。

煙草のけむりに含まれる「チオシアネート」という化学物質には、甲状腺がヨードを正常に取り込む機能を妨げる作用があります。

ヨードは甲状腺ホルモンの主原料であるため、この機能が妨げられると甲状腺ホルモンの生成・分泌に異常が起こります。

すると、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症など様々な甲状腺疾患を引き起こすことになります。

実際に、チオシアネートが含まれる食べ物を主食とする国では甲状腺腫(甲状腺の肥大)が多く見られることからチオシアネートが甲状腺を肥大させる原因の一つと考えられています。

どのような悪影響が及ぶのかは様々ですが、バセドウ病の場合はホルモンの過剰生成・過剰分泌という形で起こるのです。

また、喫煙によってバセドウ病眼症のリスクが高まり、症状が悪化しやすいこと、煙草を吸う妊婦から生まれた子どもは甲状腺が大きいことなども報告されています。

バセドウ病の原因は喫煙の他にストレスが挙げられており、禁煙によってストレスが溜まれば同じなのではないかと思われるかもしれませんが、煙草が治療効果を弱めることや再発しやすいことなどを考えれば、やはり禁煙するに越したことはないようです。

合併症

バセドウ病の代表的な合併症には、「甲状腺クリーゼ」「甲状腺中毒性ミオパチー」「甲状腺中毒性周期性四肢麻痺」の他、悪性眼球突出症、眼球麻痺、糖尿病、重症筋無力症などがあります。

ほとんどの合併症は、バセドウ病をきちんと治療することで予防・改善することができます。

甲状腺クリーゼ

バセドウ病が重症化し、突発的に甲状腺が極端な機能亢進を起こす病気です。

バセドウ病の治療をせず放置している人によく見られるもので、全身機能の高まりが限界を超え、最悪の場合、命に関わる緊急事態となります。

主な症状としては、バセドウ病にも見られる頻脈をはじめ高熱、下痢、嘔吐、意識障害、ショック症状などを引き起こします。

また、甲状腺中毒症の原因となることもあります。

甲状腺中毒性ミオパチー

甲状腺ホルモンの異常分泌や、それと関わる代謝物質が筋肉に刺激を与えることによって起こる筋疾患です。

重症筋無力症や周期性四肢麻痺など、複数の病気が関与しており、単体で発症することはないと言われています。

発症すると筋肉が障害を起こし、けいれん、筋肉痛、筋力低下、脱力感や疲労感などを伴います。

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺(低カリウム性四肢麻痺)

甲状腺ホルモンの過剰分泌が原因で低カリウム血症になり、四肢麻痺を起こす病気です。

この病気にかかる人の大半がバセドウ病患者であり、中でもアジア人、それも男性に圧倒的に多く見られます。

主な症状は、突発的に体が動かなくなり、しばらく経つと正常に戻るといったような急性の四肢麻痺を繰り返すのが特徴です。—–

遺伝との関係

バセドウ病をはじめとする甲状腺疾患の原因については未だ不明な部分が多々あり、「遺伝性のものなのか」という点も、はっきりとは解明されていません。

しかし、身内にバセドウ病患者がいる人は、そうでない人に比べてバセドウ病になるリスクが高いという報告があるのは確かです。

バセドウ病は男性よりも女性に多く、しかも妊娠・出産を経験する年代に発症しやすい病気なので、子どもへの遺伝が心配になってくると思います。

現在、バセドウ病の母親から生まれた子どもがバセドウ病を発症する確率は通常の約6~10倍と言われています。

健康な母親から生まれた子どもと比べれば少し高めではありますが、だからといって、必ずしも遺伝するわけではありません。

全く同じ遺伝子を持っている一卵性の双子の場合、2人ともバセドウ病になるのは約35%程度。

一卵性の双子と違って、親と子の遺伝子は完全には一致しないので、母親から子どもにバセドウ病が遺伝する確率は35%以下ということになります。

また、バセドウ病は遺伝的素因に、過度の肉体的・精神的ストレスなどの環境的素因が加わったときに発症しやすくなるため、幼少期での発症は、ごく稀なケースです。

甲状腺の病気は、ある程度は遺伝が関係しているものの絶対ということはなく、妊娠中に発症していても母親がきちんと治療を続けていればリスクは低くなります。

バセドウ病は治療すれば治りますし、逆に考えると親がバセドウ病を経験していれば、万一、子どもが発症したとしてもいち早く気付いて適切な対処ができるのではないでしょうか。

食事で改善

多くの病気には食事が関係しており、特定の食べ物を制限しなければいけませんが、バセドウ病の場合は摂取制限の必要がほとんどないと言われています。

といっても、食事と全く関係ないわけではありません。

甲状腺は、食事から摂取したヨード(ヨウ素)を材料に甲状腺ホルモンを作り出し、血液に分泌しています。

ちなみに、ヨードが含まれる食品は、ワカメ、ひじき、もずく、海苔などの海藻類、昆布を使った加工品(昆布だし入りの調味料や昆布茶)、卵、アルコール類など。

バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気なので「ヨードを摂ったら余計に分泌されるのでは」と思われるかもしれませんが、甲状腺はヨードを多少摂りすぎても問題が起こらないようにできています。

そもそもバセドウ病は、甲状腺ホルモンの材料が多いからではなく、甲状腺ホルモンを分泌する機能に異常が起こることが原因。

ヨードの過剰摂取でバセドウ病になるということはないのです。

もちろん摂りすぎは良くありませんが、それは他の栄養素と同じで、海藻類ばかりを食べたり、一度に大量のお酒を飲んだりしない限り通常の食事で適量に摂っていれば問題ありません。

血中の甲状腺ホルモンが極端に高い場合を除いては、特に制限する必要はなく、むしろ、健康のためにバランスの良い食事をすることの方が大切です。

それでも心配であれば、医師に相談することをおすすめします。

ただし、放射線ヨードを使用するアイソトープ検査・治療を受ける際には1週間前からヨードの摂取制限が求められます。

薬物療法で治療

現在、バセドウ病の根本原因である「甲状腺刺激ホルモン受容体の抗体」そのものに働きかける方法というのは未だ見つかっていません。

そこで、甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑えることを目的とした治療が行われます。

主な治療法は3種類あり、まず1つ目は薬を使った内科的療法です。

バセドウ病と診断された際の初期治療として行われるもので、抗甲状腺薬を服用します。

年齢制限などはなく、妊娠を希望する女性や、妊娠中・授乳中でも行えます。

抗甲状腺薬には、チアマゾール(メルカゾール)とプロピルチオウラシル(チウラジール、プロパシール)があり、いずれも甲状腺ホルモンが大量に作られるのを抑制する作用があります。

発症から1年未満であれば、抗甲状腺薬によって半数近くの人が治るようです。

ただし、薬物療法は基本的に長期間様子を見ながら行う治療法で、副作用を伴う可能性もあります。

症状が軽くなってきたら徐々に薬の量を減らし、そこから3~5年間は服用を続け、再発の恐れがないかを確認するというのが通常の流れです。

また、薬物療法を行うにあたって、いくつか注意点があります。

用量を守る

症状が出ないからといって自己判断で薬の量を減らしたり服用を止めると、発症時の状態に戻ってしまう恐れがあります。

定期検査を受ける

現状を把握するために甲状腺ホルモンの数値を確認する血液検査と、副作用が出ていないかを確認するために定期的に通院しなければいけません。

ヨードの過剰摂取と喫煙は控える

どちらも抗甲状腺薬の効果が出にくくなります。

アイソトープ療法で治療

薬物療法を長期間続けても効果が見られない人や抗甲状腺薬の副作用が大きい場合には、アイソトープ療法が行われます。

これは、体に無害な放射線ヨードを服用する内用療法です。

「アイソトープ」とは放射線ヨードのことで、検査の際にも用いられます。

ヨードは甲状腺ホルモンの主原料であるため、甲状腺に集まる性質があります。

アイソトープ療法では、この性質を利用しており、放射線を出すヨードを取り込むことで甲状腺細胞のみを破壊し、甲状腺ホルモンを分泌する機能を弱めていきます。

これによって、過剰に分泌する甲状腺ホルモンを減少させると同時に、亢進した甲状腺機能そのものを改善させるのが狙いです。

治療方法は非常にシンプルで、放射線ヨードが入ったカプセル剤を服用するだけ。

薬物療法より短期間で高い効果をもたらし、放射線による副作用はありません。

通常は数ヶ月~半年ほどで甲状腺ホルモンが減少していき、人によっては1回の服用で正常に戻ることもあります。

アメリカなどではバセドウ病患者の大半がアイソトープ療法を行っており、安全性においても極めて高いことが証明されています。

ただし、アイソトープ療法にもデメリットや注意点があります。

・甲状腺機能低下症を引き起こす可能性がある

・バセドウ病の症状が強いと、治療後に一時的に悪化して出ることがある

・治療の1週間前から、ヨードを含む食品は控える

・妊婦、授乳婦、小児、バセドウ病眼症の人は受けられない

放射線が胎児に影響するため、治療後も1年間は妊娠してはいけません。

バセドウ病眼症の場合は、症状が悪化する恐れがあるからです。

手術で治療

バセドウ病の手術は最終手段として行われることが多く、ほとんどの患者は薬物療法かアイソトープ療法によって改善します。

抗甲状腺薬を服用しても効果が見られない、副作用が強くて続けられない、アイソトープ療法を受けられない、といった場合に行われるのが手術療法です。

また、より早く確実に治したいという人は手術療法を希望するそうです。

薬やヨードを使った治療は時間をかけて徐々に甲状腺ホルモンを減らしていきますが、手術療法では、ホルモンを分泌している甲状腺自体を切り取るので最も手っ取り早く、高い確率で治すことができます。

甲状腺の切除といっても全て取り去るのではなく、ホルモンを生成・分泌する組織の一部は残しておきます。

バセドウ病の根源である抗体がなくなるわけではありませんが、甲状腺を小さくすることで、抗体から刺激を受けても血中の甲状腺ホルモンが過剰になることはありません。

しかし、手術よりも他の治療法を選択する人が多いのはそれだけデメリットもあるからです。

まず、残した甲状腺が大きいと、ストレスなどによって再発しやすく、逆に小さすぎると、甲状腺機能低下症を発症する恐れがあります。

甲状腺機能低下症になった場合、体に必要な甲状腺ホルモンを補うために甲状腺ホルモン剤を飲み続けなければいけません。

さらに、現在の手術は傷跡が目立たないよう配慮されているもののある程度は残り、手術を受ける際には1~2週間の入院が必要になります。

その他、可能性としては低いですが、発声に関わる反回神経の麻痺や副甲状腺の機能低下、術後に出血して再手術となることもあります。

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